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[既に突っ込むのを諦めてるオトフリートにうんと精一杯頷いて]
ダーヴならどこ冷やしても大丈夫だろ。きっと。
[なんか酷いことをいいつつあっさりと台所に向かうエルザを見送って]
…はっ…はは…くく…それでって…すげーな
[ヘルミーナの説明から想像しつつ笑いをかみ殺そうとして漏れている]
おいおい、酷いなイレーネは
俺だってこんな状態でそんな底抜けに明るいなんてことないぞ
これでも色々考えてるんだからな
[でもまあ垂れながらいっても今までの行いとあわせて説得力皆無であろうか]
─広間─
………ただのバカかも知れないよ。
[変わらずに在れるのが強いと言えるのは理解出来る。けれど口をついて出るのはそんな言葉。素直じゃないのは自分だと、さっきの話を思い出した。次いで謝られると、俯いた状態の表情が歪む]
───なん、で、フォルが謝るのさ。
[謝らなければいけないのは自分なのに。そこまでは言葉に出来ず、く、と息を飲んだ]
[ユリアンの噛み殺し損ねた笑いが聞こえたり、猫がダーヴィッドで遊んでいるのが目の端に見えれば、少し溜息も洩れるか。
だがその間も昔馴染みから視線を外すことは殆ど無く]
…何か隠してるコトがあるんじゃないかい?
[相手の問い掛けの後にも長い沈黙を落とした末、一言]
馬鹿
[ずーんとしてみる。そんな振りして垂れる]
む、言い返せないっ。でも本当のことだぞ
[ぴしゃりとした言葉に唸りつつ言った]
[猫は同居人の状態など素知らぬふりで、ダーヴィッドをてちてちてちてち。
楽しそうだ]
……隠し事?
なんで、そう思うかな?
[長い沈黙を経て向けられた、問い。
苦笑しつつ、逆に問いを投げ返した]
―広間―
[夢の中のお花畑には死んだ祖母が居た。ええええ俺早くも死んだ!?と一瞬思ったものの、手招きはしていないのでちょっとほっとした。
ただその顔は、何時も見ていた穏やかな顔つきとはちがって、険しい顔で。婆ちゃん、なんでそんな怖い顔してるんだ?と夢の中で尋ねたが、それには答えず可憐な花畑に似つかわしくない顔のまま。
怖い顔の祖母と対面するとちょっと落ち着かない。
困ったように視線を彷徨わせていたら、祖母がゆると口を開いた。]
『血は警告。それより先に踏み込むなという啓示。
見てはいけない、それより先を見てはいけない。
お前は男だから、きっと…上手く出来ないからねぇ…。』
[出た言葉は、昼間思い出していた言葉。
それはずっと昔まだ子供のころ、血が苦手な理由を祖母に聞いた時に返されたものだった。]
うん、ユリにいは、色々考えてる……よね。
オトせんせいとも、話してた、し。
[当の本人が垂れているのも気にせずに同意する少年だったが、]
……落雷、はよくわからないけど。
[その部分にはやっぱり疑問を抱いたままだった]
『だけど、もしその先を見てしまったのならそのときは―――――』
[と言いかけられた所で目がさめ、がばと勢いよく起き上がった。]
……はっ、死んだ婆さんが花畑の中で立ってる姿が見えた…。
[危なくはなかっただろうが危なかったとよく分からない感想を口にしながら額を拭うと、思いがけず冷たいものに触れたのでうひょぅと驚いた。瞬間タオルは額から落ちて胸の辺りに転がり落ちる。
それを手にとってようやくきょろと辺りを見回すと、自分がさっき居た所とは違うところに寝かされているのにやっとこさ気づいた。]
あー……誰か運んでくれたのか。悪い悪い。
[誰が運んだのかは知らないが、そう広間に居た者に向かって申し訳なさそうに頭を掻きながら謝った。]
―回想・広間―
ああ、遠慮なく選んでくれ。
[エルザが服を選ぶ様子を、何とはなしにお茶を飲みながら眺めて待ち]
ああ、それなら……くらいでどうだ?
[利益無視の値段、それでもこの村での今年の採算は、赤字にならないだろう。
エルザに笑いかけながら]
ああ、大丈夫。
それにこれで、エルザちゃんがもっといいもの作ってくれるなら、安い投資だ。
[半分冗談めかした言葉。続けてローザに示した額にも驚かれれば]
さぁな、ローザちゃんのご想像にお任せする。
まぁ、そう思うなら今度サービスでもしてくれ。
[そうローザにも言った]
―広間―
[その後は広間の入れ替わり立ち代りに、適当に挨拶とかしながら、
お茶を飲んで自分はまったりとしていた。
広間の様子はあまり見ていないらしく、ぼーっとしながら考え事をしている風に。
何が起きてもさした反応は示さず。]
なるようにしか、ならんかね……。
[ぽつりと呟く一言、
再び周りに意識が向くようになるのは、*もう少し後のようだ*]
レーネ、
[辛辣な評価を口にする幼なじみに、少年の眉が下がる。
窘めるよう名を呼べど、それ以上は言わないのは、勇気のなさゆえか、本心ではないと思っているからか、当人にも曖昧な部分だった]
ぇ、っと……
[謝る理由を問われると、言葉に詰まった。
視線が横へ、逸れかけて、戻る]
……僕が、弱いせいで、
レーネに……いろんなこと、言わせちゃった、から。
フォルカー。お前はいい子だっ
[近くにいたらむぎゅしてたろうが手が届く範囲ではなく
諦めた]
落雷は勘違いから発生したものでな。
結局そんなのなかった…
[とフォルカーの疑問に残念そうに説明する
その最中に起き上がったダーヴにまたたく]
…おお、ダーヴ。おはよう?
一応聞くけど大丈夫か?
……勘、て。
[返された一言に、何となく力が抜けた]
……そりゃまあ、何から何まで明かしてる、とは言えんけど。
[猫の様子は視界の隅にあるものの。
今は、そちらに意識を向けている余裕はなかった]
…そんなこと、ない。
[いい子と言われると照れ臭いようで、少年はふるふると左右に首を振る]
そ、……っか。
残念、だった、ね?
[残念、というべきなのか分からず、終わりは疑問形になった。
ユリアンの台詞に釣られて、ダーヴィッドの方を心配そうに見やる]
─広間─
[ダーヴィッドが突然起きたのには驚いたが、意識は未だフォルカーへ]
───……。
[窘めるよに名を呼ばれると、それ以上は何も言わず。謝罪の理由を聞くと、膝の上に置いてあった手をぎり、と握った]
……ボクは、フォルに謝って欲しいわけじゃない。
そうやって謝るくらいなら、変わる努力してみせてよ───!
[言いながら、ソファーから立ち上がる。同じような高さになったフォルカーの目を縹色で見詰めた。思っていたことを遂に口にしてしまった。何だか泣きそうになって、表情が歪む。気付けば身体が動き、握った拳で目元を拭うと廊下に続く扉へと駆け出していた]
呆れる前に、いままでそれが何回図星だったか数えてみなよ。
[実際如何だったかは知らないが、そんなことを言い放った]
そーいやこないだも何か「言いたくない」とか言ってたしさァ。
…やっぱりお前の方が面倒臭いよ。
[額に手を当てて嘆息。
フォルカーたちの方をちらと見つつぼやいた]
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