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集会場は不信と不安がない交ぜになった奇妙な空気に満たされていた。
人狼なんて本当にいるのだろうか。
もしいるとすれば、あの旅のよそ者か。まさか、以前からの住人であるあいつが……
どうやらこの中には、村人が5人、人狼が2人、占い師が1人、霊能者が1人、守護者が1人、囁き狂人が1人含まれているようだ。
あー、諸君、聞いてくれ。もう噂になっているようだが、まずいことになった。
この間の旅人が殺された件、やはり人狼の仕業のようだ。
当日、現場に出入り出来たのは今ここにいる者で全部だ。
とにかく十分に注意してくれ。
[聞こえたギルバートの呟きには心の中で同意して、]
……(ふるふる
[すぐに聞こえたキャロルの謝罪の言葉に首と手を小さく振り、気にしないでくださいというように小さく笑みを返した。
……(こくり
[似合わないといえば同意するように頷き、
髪飾りと髪のことを言われれば自然と手は自分の髪に触れて梳くように撫でた。]
― →玄関―
[玄関の方から声が聞こえて、書庫に向けていた足を止め、踵を返した。
丁度使用人が新たな客人を迎え入れようと、玄関の扉を開けるところだった]
客人ですか。
[声を掛けながら近付いて行く]
ああ、僕も入りたい!
待って、待って!
[見たことのないおじさんの姿。
慌てて走って近づくけれど、声に気付いてくれただろうか。
どっちにせよ玄関先までは、走って近付く。]
[玄関で埃を払い、中へと入る]
いやいや、随分立派な屋敷でござるな。
これはぜひ主殿に挨拶をしておかねばなるまい。
[物珍しそうに周りを見つめ、そして近付いてくるユージーンに気付いた]
おや、もしや貴殿がこの館の主殿であろうか?
我は不知火 萬慈郎と申す旅の者でござるが、
今宵一晩だけ世話になりとうござる。
─広間─
[返される笑みと、頷き。
全ての意図を汲みきれているわけではないものの、言わんとするところは概ね察する事はできた]
髪飾り……でなくても。
ただ結い上げるだけでなく、リボンの使い方を変えるだけでも、印象は大分変わりましてよ?
[むしろ、その方が自然かしら、と。
撫でられる髪を見ながら考える]
─ 一階・厨房前─
[幾許か鼓動を速めた心臓に、ラッセルはその場で深呼吸した。
両手で掴んで居たグラスを口に運び、口の中と喉を潤す。
冷たい感触が喉を通り、胃へ落ちる。
そうしてようやく落ち着いたかのように大きく息を吐いた]
………。
[落ち着いてくると周囲の音が耳に入って来る。
玄関の方が俄かにざわめいていた]
…また、誰か来たのかな…。
[客が多いと、下ろした前髪の下で眉根が軽く寄った]
いいえ。
ぼくはただの墓守です。
[主人かと問う異国風の男に、墓守は首を振って否定を示す。
使用人に目を向ければ、駆けて来るもう一人の来訪者を迎え入れているところか]
御主人は部屋においでですよ。
シラヌイ、様。
ん?
[ふと聞こえた子どものものと思しき声。そういえば、先刻橋の方に何かが居た気配がしたような気もしなかっただろうか]
はて、我の他にもまだ客人が居るのであろうか?
いいの?お邪魔します!
[眉を顰められたかもしれないけど、気にしないで中に入る。
変な格好の人の先に、真っ黒の人。]
こんばんは!
ここに、女の子いませんか?
ん?なんていうか、そう思っただけだけどさ。
[キャロルにそう返してはみるものの、正直、アクセサリーの事はよくわからない。
けれど、二人を交互に見て]
キャロルさんのは仕事柄必要ってのもあるだろうし。
……ま、その辺はキャロルさんのほうが詳しそうだよな。
[シャーロットに掛けられる言葉に、自分が口を出すことじゃないなと思ったようだ]
―広間―
[元いた席に座り、少し上がった呼吸を整える。
その様子を訝しむ者が居てもなんでもないと答えるだろう]
お、お茶冷めちゃいましたよね!
みなさんの分も淹れなおしますね!
[席を立ち、紅茶を淹れなおす]
[キャロルにかけられた言葉、一瞬固まりすぐに自分のリボンに手が触れた。
それは水色と白の水玉模様のリボン。
綺麗というよりは可愛らしい印象を与えるもの]
……(こくり
[キャロルに頷いて、それからじっとキャロルを見つめてリボンを外してそっとそれを差し出す。
自分の髪を掴み、よかったらと唇が微かに動く。
結び方を教わりたいことが伝わるだろうか?]
─広間─
思うままだからこその真理、というのはあるのではないかしら。
[ギルバートに笑いながら返し。
続いた言葉に、ひとつ、頷く]
そうね、飾るのは仕事に必要。
けれど、魅せるべきは飾りではなく、動き。
この辺りの兼ね合いが難しいの。
[そこまでは、真剣な面持ちで。
しかし、すぐにそれは緩む]
あら、殿方の意見というのも、参考にはなるわ。
どうしても、見る部分は違うものなのだし。
[ギルバートの声が自分たちに対するものだとわかればそちらに視線を向けるだろう]
…(こくり
[キャロルの方がという言葉に、
男性のギルバートの方が詳しいとも自分も思わなかったから同意するように頷く。]
―二階・客室―
[身軽になると客間から出て、まずはアーヴァインの私室へと足を向ける。
中に入り、暫く滞在する旨やら2、3言葉を交わしてから、積もる話はまた後でと、笑顔で踵を返す。
静かに扉を閉じると、すぐ近くにいた使用人に声をかけた。]
ああ、アーヴァイン卿が喉が渇いたって言っていたから、水を持っていってくれないかい?
[そう告げると、自分は広間の方へと向かう。
今日はほかに滞在者が居るといっていたから、挨拶くらいはしておこう、そんなつもりだった。]
[ユージーンの答えには少し残念そうに]
おぉ、さようであったか。
それと、我の事は呼び捨てで構わぬゆえ、シラヌイでもマンジローでも好きに呼ぶと良い。
様など不要でござる。
[入ってきた子どものなりには、かすかに驚きのようなものを見せ]
おや、童っぱ。
ここの家の子・・・には見えんが、迷子にでもなったか?
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