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研究員 ハインリヒ に 8人が投票した。
盲目 ベアトリーチェ に 1人が投票した。
写眞家 アーベル に 1人が投票した。
研究員 ハインリヒ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、清掃員 ゲルダ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、植物学者 ライヒアルト、令嬢 ブリジット、シスター ナターリエ、盲目 ベアトリーチェ、写眞家 アーベル、消防士 ダーヴィッド、政治家 ヘルムート、星詠み ノーラ の 8 名。
[白い花びらは舞う
舞う――盲目の少女を守るために 花は咲く]
アルドルフ――!!
[咳。 それは 誰の 名]
[花は、指は ハインリヒの、頚を 掠め]
[白い花びら闇がわずか途切れ、ベアトリーチェの首輪に掛かったハインリヒの腕がはっきりと見えた。
咄嗟に、まさに引き千切られんとしている少女の首輪を、あるべき場所に押し戻す。ハインリヒの腕ごと押さえ込むようにして。]
[血の紅がついた花びら。手を離すとそれは床に落ちて他の花に混ざった。
ハインリヒのバンドを引きちぎるブリジットを虚ろな目で見て俯いた。]
優しい人だったのに、どうして。
[肩を貸してくれたお礼を言ってない事を思い出す。
後悔は増えて行く。]
[白い花びら散る、その光景を、
ただ、僕は 見ていた。]
[ハインリヒがベアトリーチェを、
そのハインリヒをブリジットが、ヘルムートが…]
[そして、その背後で、ゲルダが…―――…に]
[を、ただ見てた]
ツ、ヴァイ……さ、ん!
[白い花が断ち切る。ただ、切れた音が耳に残った。
誰かの手が、自分の首元でバンドを引き戻す。
――切れた音、それは]
ゲホ、っ……!
[数回咳き込んで、手を伸ばす。触れた先に、冷たい石の感触]
……い、や。
[もう一度、触れる。掴む。動かない、腕]
[いばらの 花は 落ちる ふりつもる
白に覆われた視界は晴れるだろう。
花びらは
少女の金色に
黒い髪に
赤に
白い石に
かれ に ――抱きついたままの
亜麻色の髪に。]
[真白の舞は眩くもあり。
刹那、視界は強く霞む。
数度の瞬き。
焦点はまた、容易く合う事を拒んで]
……一体。
なんで。
こんな。
[ようやく、開けた視界。
状況をとらえたなら、口をつくのはこんな呟き]
[強く握り掴んだハインリヒの腕がみるみる石化していく。
硬化に合わせて、ハインリヒの腕が僅かに上に持ち上がる。ベアトリーチェのバンドが浮くのが見えた。
咄嗟に鞘のままのサーベルを掴み。
ベアトリーチェの上で、ハインリヒだった石像の手首を、砕く。
指のかたちを首輪の所に残したまま、飛び散る石片。
白いしろい花の闇が途切れ、視界が晴れるのはそれからどれくらい経過してからだろう。]
[喉が苦しくて瞳を細めて、その間に]
ッぐ、……ブリ…
[白い花が少女を護り、気高き星は――首輪を断ち切って]
―― …ぁ、…
[白い花が舞い落ちる。
落ちる。
石に抱きついたままの
亜麻色の上にも
降り積もる。
誰かの心に呼応しているかのように深々と。]
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