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まあ、血迷ってるだけなら、それこそど突き倒して目ぇ覚まさせるしかないんじゃね?
[だから、物騒だと]
そもそも、さあ。
えーと、揺らすものって、揺らしたヤツの心の奥のなんか、つっつくんだよな?
だったら……力でどうにかってんじゃ、解決しねぇ気もする。
< 黒は形を変える。
されど、それはなんとも奇妙だった。
急激に膨張した欠片は明確な形を取らず、蠢く影の如き様。
触れた当人が揺らされしものの影響を受けていたためか、影であるがゆえか、その理由を明確に知るものはいないだろう。
それが襲いかかるより前に、明かりの生む影に紛れて姿を消す。
結果、その欠片は野放しになるわけだが >
─東殿・自室(回想─
[次に戻ってきた時、服は雨で濡れていた。
溜息が、一つ。
濡れた服は予備に持ってきたものと取り替えて、再びころりとベットに沈む。
さほど力は失せておらず。
疲れてはいなかったが、何だかこう、億劫というか。
横になってれば、やっぱりいつの間にか寝てるわけだが。]
ふぅむ。
解決法も分からない、犯人も分からない。
本当に、曖昧。
[ふぅ、と溜息をつき、開いたままの廊下への扉へと視線を移した。
眉をぎゅっと顰め]
…怪しい人を全部締めて、聞いてみるとか。
[負けず劣らず物騒なことを呟いた。]
…ぅ。
[ただただ、酷く息苦しい。
光差さぬ闇はただただ深く、
真綿で絞められるような重圧に、身動きも取れない。
吐息は熱く、全身はびっしょりと濡れて…]
…うぁぁぁぁぁぁっ!!
[強引に蹴りどかす、幾重もの…おふとん。]
圧死さす気かっ!!
曖昧もいいとこだよなあ。
お陰で動きにくくて、イライラするんだけど。
[はあ、と零れ落ちるのはため息一つ]
ああ、それ、悪くないかも。
……さし当たって、挙動不審な生命のおっちゃんあたり、やってみるといいかもな。
[どこまでも物騒な事を、さらりと。
そこでクレメンスが上がるのは、一番気になる相手だからなのだが]
―― 東殿・回廊 ――
うーわー…
[廊下の壁に張り付いて、黒いふよふよを避けるように、じりじりと横歩き。さすがにコレを珍しがって触る気にはなれなかった。と、そこへ、影のごとく形の定まらない、大きめな欠片がもう一つ。まるで明かりの影からふいに湧き出たようにも見えた]
ちょ、ま…
[前後を塞がれ、ほぼ廊下一杯に広がられて、動くに動けない]
─東殿・回廊─
[あてどなく歩き回り思案を繰り返す。どこかに腰を落ち着けて考えなかったのは、無意識に誰かに所在を知られぬようにしたためだろうか。誰かと出くわす可能性もあったが、直ぐに移動出来ると言う点も考慮してのことだったかもしれない]
………む?
[進む先より物音。ただならぬ気配。結局”何か”に出くわすことになりそうだった]
[ふらふらと。
誰かいるかなーとかいう軽い気持ちでうろついていると、『それ』に出会った]
……またぁ?
[げんなりとした表情で、行く手を遮るかのようにこちらに向かってくる混沌のカケラ]
[後に影竜殿の分は用意するとの言葉に安堵したか結果、仔は一人分のデザートを難なく平らげた。甘味は幼子の舌を満たすものであったか、さては何時の間にやら空腹を覚えていたのかも知れぬ。
満足に腹の満たされた幼子は幾らか眠気を催したか、
心竜殿に連れられ個室へと戻り暫くの休息を必要とした。
して今、幼子は再び部屋を後にし回廊へと繰り出していた。]
―東殿・回廊―
イライラします、よね。
私もとてもイライラします。
[ティルの言葉には頷き、ふぅむ、と呟く。]
…クレメンス殿ですか。
確かに怪しいといえば怪しいですが…
ザムエル殿も気になるのですよね。
[ああ、ザムエルに聞こうと思っていたのだった、と思い出し、そのまま廊下を見ると。
ふよふよと、黒い何かがチラリと目に入った。]
―東殿・自室―
[目が覚めたら…ええと今何時だ?
と時間経過が分からないのは、外が暗いままだから。
流石に寝てばかりだと逆に体に悪いので、一旦起きて部屋を出る。
ちょっとやることを思い出したのもあった。
出たら出たで、混沌のカケラがうようよしててげんなりするのがね。
とりあえずそろそろよけながら、入り口の方へと移動。]
ほんとだよなー。
[こくこくと頷いた。
この辺りは、風雷のシンクロのよさもあるのだろうが]
爺ちゃん? 爺ちゃんが、なんで……?
[そう、問おうとした矢先。やはり、同じものが目に入って]
混沌のカケラ……?
て、なんでこんなにうじゃうじゃっ!?
[部屋のドアを抜けると、そこは黒ふよの国でした。
なんて事は知らないので、当然ガバッとドアを開けました。
何か当たった感触があった…よう、なー…]
― 西殿・結界付近 ―
< 雨に包まれた、無音ではない静寂。
闇と光の合間より生まれたもののさざめく声がする。
遠巻きに見る黒の眼は、より闇に近しい >
[それはさながら、黒いスライムと言っても過言ではなかった。
不定形に、ぶよぶよと、伸縮を繰り返す様に、ナターリエが不機嫌をあらわにするように呟いた]
……だから、なんで私の過去を逆なでするような形で来るのかしら、貴方達はぁ。
[言いながら、右手から水のハンマーを生み出す]
言っておきますけど。
抑えたとは言え、暴走寸前だった私の力を、甘く見られたら困りますわ……よ!
[最後の一言と同時に、ハンマーを振り下ろし、混沌のカケラを叩き潰した]
……?
[その手ごたえの無さに、ナターリエが首をかしげた]
―東殿・入り口あたり―
[入り口、雨避けぎりぎりに立ち、雨に濡れるのも構わず、両手を前に差し出し、目を閉じる。
そうすれば周囲にちらちらと現われるのは、蛍火よりは遥か小さい琥珀の粒子。
ふわりふわりと、クレメンスに添うように集まっては、また離れ。
粒子が運ぶ、草木、虫、竜や小動物の生命の情報を聴く。]
―― 回廊 ――
うー、参ったな。
[逃げる場所が上しか無い、と、天井を見上げる。あそこまで跳べるだろうか?と考える。普段ならば是。だが今は出力が足りない]
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