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因縁でもあるのかなぁ?
[口元に笑みを浮かべたまま、二人の様子を眺め。
もしどちらかが止めをさしそこなったら、そこに入るだろうか。
バトンを握る手は、*いつでも動くように前に*]
[辿り着いた時、既に戦いは始まっていた。斬り合いに矢を向ければマコトに当たる可能性がある…それでも牽制するように弓に矢を番え、フユの動きを目で追いながら、子犬を抱くショウの傍に近付く]
……生きてるか?一ノ瀬先輩。
[相変わらず、口調はちぐはぐだった]
[退いた相手をそのまま迎え撃つ事なく、追う。
同時に詰め寄る距離。
刀を立て、薙ぐ太刀を流す。
更に踏み込み、身を屈め、斬り上げた。]
[天に、月が煌めく。
刃が振るわれる。風が巻き起こる。
せめて邪魔に成らぬよう、
言う事を聞かない身体を引き摺り、壁際に移動して。
かけられた声にゆるりと、顔を上げた]
…生き、てる。
………っぽい。
[小さく声を返して、
腕に抱く仔犬の体躯に顔を埋め]
ゴメン、ゴメン…な。
[*謝罪の言葉を呟いた*]
[流された、と。認識した直後、切り上げの一閃。
避けるために距離を開ければ、再び繰り返すか、と。
最低限、急所を避ける動きだけに止めてそのまま受け。
距離が開かぬ内に、と戻した刃で突きを入れる]
[大した傷を与えるには至らず振り抜いた切っ先を天に向け
返る突きに、先刻刃を交えた際に斬られた左肩の
まだ幾分不自由な左手を突き出した。
風の刃は、掌から手の甲までを一気に貫く。
血が散る。]
[月をさしていた切っ先が翻り、司を向く。
握り直し、]
此の程度か。
[静謐な表情目掛け、振り下ろす。]
[手、その物で刃を受け止められれば、舌打ち一つ。
引き抜いている間に、振り下ろしの一撃が入る、と察すれば]
……散れっ!
[鋭く命じ、刃は風に。そのまま、後ろに跳んで振り下ろしの一閃を避けつつ、再びその手に風の刃を作り出して]
[風の刃が散じて、掌からは血が滴る。
その手を一振り、
扇状に飛散した血の飛沫が空中で静止した。
血液は、針状に形を変え
司を中心に収束しながら飛来する。
憑魔自身もその後を追って跳び、
横薙ぎの一閃を重ねる。]
……なっ。
[飛来する紅の針に戸惑うのは、一瞬。
気流を集め、自分を中心に大気の渦を作り出す事で、針を弾こうと試みる。
重ねて迫る一閃は、立てた刃で押し止め。
弾く事叶うなら、自身の刃を返して振り上げ、袈裟懸けの一閃を打ち込もうと]
[風に、針は阻まれ
もとの水滴となって散る。
刃は弾き上げられ、舞い落ちる花弁をただ斬った。
左手から奔る血が凝固し、にわかに透き通る
不格好な形の刃となった。
風の刃を受ける。
押し返そうと、力と体重をかけた。]
[風を受け止める、紅。
透き通った二つの刃が交差する。
本来の身体能力では容易く凌駕できるとも、それ以外の要素も介在している現状では、そうもいかず。
かけられる力に対し、逆に力を抜いて。
刃を滑らせつつ身を屈め、胴へ向けて横薙ぎの一閃を叩き込もうと]
[掛ける力の行く先がふと矛先を失い、微かに体勢を崩す。
後ろへ身を逸らすが、
風切る刃はその先で、しかし確実に胴を真一文字に薙ぐ。
憎悪か憤怒か、苦痛でか
噛み締めた歯が軋んで音を立てた。
距離を取るため背後へ跳躍し、
紅の刃を両手で構え直す。]
[手応えが伝わる。捉えた、と。
跳躍して距離を開け、紅を構え直す憑魔の様子に、一つ、息を吐いて。
刃を握る手に、力を入れなおす]
……終わらせる……。
[小さな呟きは、何に対して向けられたものか。
地を蹴り、右側面に回りこむように走る……と、見せ掛け、直前で左へと跳ぶ。
そこに隙が生じるか否かは、ある種の賭け。
そんな事を考えつつ、踏み込みながら切り上げの一撃を叩き込もうと]
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