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─外・勝手口─
……ええ。
何らかの形で、確かめた方がいいかも知れません。
[それでも、力を使うか、となれば躊躇いもある。
それは、エルザの亡骸の前の様子を垣間見たが故。
自ら食らった相手を前にした者の様子とは、思えぬが故に。
イレーネに対しても、同じ意識は強かった。
それが、甘さである、との認識はあるけれど]
……いつもそんな、って、俺、どんな認識されてるんですか。
[思わず上がるのは、情けない声。しかし、きっと、言わずもがな]
いえ、先に声をかけたのはこちらですし、お気になさらず。
─広間─
分かった、それじゃあ、後で。
[いつもよりしっかりとしたフォルカーの声に、何度か縹色が瞬く。表情が無いとも言うような様子に、眉尻が下がった。その後、肩を叩いたウェンデルがびくっとしたことにイレーネも驚く]
ひぁっ。
…なんで、そんなところで?
お水なら、今紅茶入れるところだけど。
お風呂は廊下に出て、左の突き当たりに。
[問いかけながらも、相手の問いに返答する]
―台所と広間を往復中―
……ウェンデル? 何やってるの、そんなとこで。
一人でかくれんぼ?
[イレーネが肩を叩いて初めてそこにいる事に気付いた様子で、パンをテーブルに置きながら首をかしげた。
返答があってもなくてもあまり追求はせず、すぐに台所に戻ってゆで卵やサラダなどを用意する]
―広間―
[広間に着くと何人かの姿が見えて軽く手を上げて挨拶。
ウェンデルの風呂の話がちょうど聞こえて]
ああ、広間でて廊下を左、玄関と反対に行けばあるぞ。
[そう教えながら]
先客いるかもしれないけどな。
― →浴室 ―
[一度二階で着替えを取ってきてから、どこかの誰かのような真似はせず誰もいないのを確認して着替えをおいて浴室に入る。]
ぁー…キーンってして真っ白。
[頭痛のようなぼんやりとした状態をそう評して、血を拭い取り洗い流す。]
―台所―
[ゆで卵を潰してマヨネーズで和えて、刻みパセリなどを入れて塩コショウで味付けし、切れ目を入れたフランスパンにレタスと一緒に挟んでいれば。
勝手口からハインリヒとオトフリートが戻ってくるだろうか]
あれ、ハインさんにオトちゃん。おはよー。
そんなところでコソコソと、他人のお嫁さん口説いてちゃだめだよハインさん。
[すっかりいつもどおりの笑顔で、いつもの調子でそんな冗談を言う。
……まだ少し顔色は悪いかもしれないが]
―広間―
海より、深い、わけが……。
[単に情けない顔を見られたくなかっただけとも言う]
紅茶。
う……先に、お風呂、行きたい、です。
[ちょっと立ちにくいらしい。
主に粗相をしてしまったからという理由で]
って、お風呂、あっち?
ま さ か 。
[さっきの悲鳴の本当の理由がわかった気がした。
もともと血色のよくなかった顔からまた血の気が引く]
のぞ い た…!?
いえ、あの、
海より、深い、ふかぁい、わけが。
[ローザにも、ちょっと言葉に詰まりながら返した。
それからやってきたエーリッヒの言葉に、こくん、と座ったまま頷く]
ありがとう、ございます。
先客?
……女性だったら、遠慮、します。
―勝手口・外―
[扉を開ける前、オトフリートが確かめた方がいいと言うのにはああ、とうなずいて]
ところでよ、人狼ってのは…俺達の事、どう見てんだろうな。
昨日までの隣人を、平気で食ったりするんだろうか。
だとしたら…こっちも遠慮なくやれそうなもんだが。
[不意に問いを発して、ため息をついた]
それから…もしあんたがソイツを見つけたら、俺にも教えてくれ。
女子供に手を下させるわけにゃいかねえからな。
[扉へ手を伸ばしながらそう告げ、それから扉を開けば…
目の前にいたフォルカーにびっくりした]
…ぅおっ…お、おはよう…
[心なしか、視線はフォルカーの表情を窺うように見下ろしていたか。
しかし思ったよりも冷静そうな様子に、こちらも瞬いた]
お前さん…なんともないか?
[いろいろはしょりすぎた問いを向けた]
─広間─
[やってきたエーリッヒには軽く会釈を。先客と聞けば、そうなのか、と納得するだけ]
じゃあ紅茶は後で淹れるね。
……のぞいた?
[脈絡のないウェンデルの言葉に再び首を傾げる]
いや、ユリアンがさっき行くって言ってたからな。
[女性だったらという言葉にそう返し]
女性声だすのはうまいみたいだけど、あいつ…。
―二階・個室―
[広間にひっそり逃げ込む影には気がつかず。
一度個室に戻り、暫くの間はぼんやりとしていた]
…寒い。
[ぽつりと呟く。
寒い上に冷水は流石に堪えたらしい。
少し逡巡したが、結局は暖を求めて広間に向かうことにした]
─外・勝手口─
……それは……どう、なんでしょうね。
俺も……以前に自分が視た相手と、直接接した機会はほとんどなくて。
……もしそうなら、ほんとに、遠慮もいらないんですけどねぇ。
[不意の問いに、僅かに眉を寄せつつこう返し。
ため息の後の言葉には、ええ、と頷いた]
……と、あれ。
皆さんお集ま……。
[開いた扉の向こうのフォルカーの姿に瞬きをして。
聞こえたローザの冗談に、言いかけた言葉が途切れる]
……誰が嫁ですか。
ダーヴィッドさん、が。
ヘルムートさん、を。
[悪意のある覗きではなかったかもしれないが、と、あの叫び声からはわかるのだが、
言葉は 足りなさ過ぎるくらい足りなかった。
イレーネを見上げた後で、エーリッヒからユリアンだと聞いて、ほっと息を吐く]
じゃあ、お邪魔、して、良い、ですかね。
ちょっと、いってきま、す。
ええと……
汚いから、見ないでくれると、助かります。
[最後のお願いは皆に向けて。
とりあえず、立ち上がる]
―台所―
ああ、ローザ…気がついたのか。よかった。
[フォルカーの向こうにローザを見てほっとする。
オトフリートを口説くなと言われれば両手を上げ]
ご心配なく。
人様のものには手を出さないのが俺の信条なの。
[―人様のものから好かれたことはあるけどな。
と言いかけて苦笑した。
とにかく、気がついてよかった、とローザを見て]
ローザ、本当に大丈夫か?
[顔色がよくなさそうに見えたのは、勝手口から射す雪の反射のせいかと。
台所へ足を踏み入れて改めて顔色を見る]
―勝手口―
オトせんせいも。
[ハインリヒの後ろに見えた姿に、小さく会釈をする。
向けられた問いかけに、少年の頭が斜めに傾いだ]
……? はい。
ルディンさんや、オトせんせいこそ、何ともないですか?
突然、耳が尖ったり、牙が生えたり、爪が伸びたり、していませんよね。
[冗談めかした言いようなのに、声に抑揚は薄く、笑ってもいなかった]
御二人は、外で、何を?
薪はお持ちじゃ、ないですか。それじゃ、取ってきます。
え、オトちゃんが。ヘルさんの。
違うの?
[ツッコミにはそう言って首を傾げた。
口説く云々は冗談だが、嫁云々という部分は本気で言ってた]
……そんな、器用なことはできませんよ。
[フォルカーの問いかけ。
笑っているようなのに、笑みのないそれに眉を寄せるも、追求はせず]
学者同士の語らい、ですよ。
[続いた問いにはこんな言葉を返し、台所へ入って道を開ける。
ハインリヒの笑みが目に入ったなら、じとり、と睨むような翠を向けたりもしつつ]
─広間─
ダーヴさんが、ミーネさん、を。
[足りなすぎる説明を補足出来る情報を持ち合わせるわけもなく。言葉通りの意味にとった。けれどダーヴィッドの人となりを知るために、いつもの間抜けっぷりを発揮したのだろうと、結局は結論付ける]
行ってらっしゃい。
と、お茶蒸れたかな。
[ウェンデルに声をかけると、直ぐに意識を紅茶へ向け。色が出た紅茶をいくつかのカップに注いだ。そのお陰かウェンデルへ注目することはなくなる]
ダーヴィーが…ねぇ…。
[ウェンデルの説明にそう呟いて、視線は浴場のある方へ]
あいつも男だったか…。
[そんな感想を漏らしてから]
俺は二人が出た頃にでも入らせてもらうよ。
とりあえず、手洗いたい。
[そう言ったその手は、土とかで少し汚れていたかもしれない。]
―広間→廊下→浴室―
[とりあえず、広間を出て浴室へ向かおうと。
立ち上がって、入り口のほうへ]
……女性声出されても、ユリアンさんなんですよね。
[ぽつ、と不安そうな声は少しした。
エーリッヒの言葉に、こくりと頷いて]
僕も、ちょっと顔洗いたいだけなんですが。
一緒に来ても、大丈夫だと、思います、よ。
[来るかどうかと聞いてから、浴室へ向かう]
[ついでにというわけでもないが、汚れも落とし、下を見れば血が混じった水が流れていく。]
罪があるなら罰はどこにある?
[流れていくがいずれなくなる被っていた血の後]
こうしてなくなるのか?それともまた忘れるのか?
はぁ…
[洗い終えたところで、水を止めそして服を着ていき、新たなバンダナを被る]
―台所―
[フォルカーの言葉だけの冗談に、がおーと言って苦笑をし]
残念だが、ねえよ。
[耳を引っ張り、いーっと歯を剥き出しにしてみたりした。
もちろん、それはごくあっさりとしたもので、浮かべた笑みもすぐに消えた]
あ?俺達がなんの話し…って…マジメなオトナの話。
学者が顔見合わせたら、しょーがねえよな。
間違っても口説いてたわけじゃねえぞ。
[フォルカーの頭をぽふぽふとしながら、オトフリートの返答を肯定するように頷いた。
薪をと言われ肩を竦め…]
じゃ、ついでに水も汲んでくるか。
さっきがぶがぶ飲んじまったし。
[桶を手に、勝手口へ引き返そうとする]
あはは、それなら良いんだけど。
……え、え、え? 大丈夫、だけ…ど?
[顔を覗き込まれれば、驚いたように瞬いて。まだ少し青かった顔色に朱が差すだろうか]
あー…えっと、簡単なご飯用意しておいたから、よかったら食べて。
食欲がなくても、せめて野菜かクッキーでも摘んでもらえれば、と思って。
お茶は、イレーネが用意してくれてるよ。
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