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―広間 カウンター―
大丈夫、わざわざ温めさせるのも悪いしね。
十分美味しいから。
[アーベルの申し出にはそう断って、浴室の方へと視線を向ける]
双子は仲が良いんだね。
兄弟がいないからどういう感じなのかはよく知らないけれど。
[まずはしっかり椅子に座って食事の残りを取ることが先決だった]
あ、片付けやるって言ったのに。
[しまったという顔をしたのは、アーベルを見送ったすぐ後で、小さく呟いて苦笑した]
─灯台傍─
[しばらくの間灯台を見上げて、一つ大きな溜息を零してからオレは視線を戻す。
足を向けたのは、下にある小さな浜辺へ降りるための九十九折の道。
浜辺へ向かおうとするその姿が誰かに見られたかも知れないが、声をかけられない限りは気付かず。
オレは慎重な足取りで浜辺へと続く細い道を*降りて行った*]
ええ、可愛らしいです。
[アーベル>>408に他意無く頷き彼の言葉を肯定する]
もう、十五年になりますね。
動けない間はおとうさまやおにいさまにも甘えてしまいました。
……アーベルさんは何だかブリジットさんのおにいさまのようですね。
[彼の語る光景が目に浮かべば思わずそのようなことを言い]
『場』が出来たから……
自衛団長さんは容疑者を集めたのかと思っておりましたが……
[こと、と首を傾げる。
どちらが先かは女には知れない。
ただ、既に老灯台守が殺された事だけは動かせぬ事実で。
出す気がない、という言葉には同意するように頷き一つ]
――…お手伝いくらいさせて下さい。
じっとしているのも落ち着きませんから。
[重ねられた皿を示してから両の手でそれを抱える。
これくらいの量であれば難なく運べるらしく
アーベルに続いて厨房へと向かう。
去り際、ごゆっくり、とゲルダに声を掛けるのを忘れなかった**]
―少し前:灯台傍―
言わずともがな、だね。
[精神年齢への言葉には、おかしそうに笑った。
視線を追うことがないのは、多分、崖は見たくないからだったけれど]
…僕は噂しか聞いてないんだよね。かかったのも多分ずっと昔の話だし。
それほどなの。
エルザの話を聞いていると、どうも楽しそうな人としか思えないんだけど。
[ゼルギウスの母親、件の薬師については、そんな認識だった。
それから名前は呼んで、待たずに手を振ったものの声は聞こえて、了解、というように僅かに振り返ってもう一度手を振った。すぐにもとの方向へと向くけれど。
名の呼び方を変えたのはこちらだったし、その時はそうしていたけれど、今となっては呼び続ける意味もない。本当はもっと前でも良かったのだけれど、というのは、内心。伝えることはなかった]
―広間―
うん、ありがとうね。
[ナターリエにはお礼を言って、それから、彼女も見送る。
彼女の言葉は少しは聞いていて、見送った後に小さく笑みを作った。
それはすぐに消えてしまったけれど]
――場、か。
[死にたくないなぁ、と。
吐息のような、本当に微かな声で呟いた。
ただそれだけで、あとは食事を食べて、厨房へと片づけをしに入る。
片づけが終わっていなければ、自分も手伝いを申し出る。
他人を前にすれば、いつもの通りの顔だった**]
―浴室前―
[クレメンスに撫でられて]
[僅かに身を固くした後、徐々に肩の力は抜ける]
[相手は言わんとした言葉を察してくれて]
は、い。
[こくり]
[俯いたまま頷いたが]
[やがて戻ってきたエルゼとの会話を聞いて]
あ、……引き止め、て、た?
[申し訳なさそうな表情になった]
……ごめんな、さい。
[広間に向かう背中に、小声の謝罪は聞こえたか]
―浴室―
[浴場にいたのはそう長くない時間]
[脱衣場に戻り、水気をタオルで拭き取る]
[色白な肌は上気こそしていたが、それ以上の変化は見られない]
……はふ。
[鏡の向こう側、湯気で白くぼやけた顔]
[ともすれば自身でも姉と見紛える程似ている]
[指先を伸ばし、曇った硝子の隅に線を一本引いて]
[合わせるように、ゆっくりと眉が下がった]
[広間での声はここには届かない]
[微かに息を吐いて]
[ゆら]
[音が遠のき、頭が前に傾ぐ]
……、え、……?
[鏡に手をついた為に、倒れることはなく]
[瞬き一つ]
[世界に色が戻った]
―広間 回想(食事前)―
大変じゃない、とは言わないがこればっかりは薬師の務めだしな。
とはいってもブリジットの想像ほど忙しい毎日ってほどでもないぞ
[と首をかしげいうブリジット>>317へと、毎日毎日人がぶったおれていても困るとばかりに肩を竦めてみせて言って]
おう、わかった。んじゃゲルダさん、それよろしくお願いしまーす。
[運ぶものはそれで全てであるとアーベル>>357の言葉でわかると、お盆をもっているゲルダにそれを運ぶのを頼み机へといったのであった。]
[その後、人狼の話やエルゼとアーベルのやり取りや、人狼の話題、人の出入り。どれだけ見て、どれだけ聞いていたのか...は静かに食事をとると、食器を厨房へと戻し暖炉の近くへと向かった]
―回想終了 →広間の暖炉の近く―
のぼせ、た?
[長居をしたつもりはなかったけれど]
[身体に不調はない]
[首を傾げながら、衣服を手に取り]
ルカねぇ、終わった、かな……
[フォルカーがエーファを探すと広間を出たことは知らない]
[身支度を整えてから、浴室の扉に手をかけた**]
[暖炉の近くにて焔の緋を眺める。
ぱちぱちと爆ぜる暖かさとあわせて眠気を誘ってくれる。
普段やっていることのほとんどを取り上げられてみるとどうしたものかなんて思ってしまう]
『人』『場所』『時』か…
[ナターリエ>>393がいっていた言葉を小さく呟き、続くようにアーベル>>408の言葉も思い出す。本当に信じているのだとすれば、本当に用意されているというわけだ…と]
ま…じたばたしてもはじまらないけど、銀…だったっけか…
[誰に聞かせるわけでもない独り言。知らず手を組むようにしていたのは気のせいか]
―二階個室―
カハッ!
[盛大に何度も咳き込んだ後、何かがスッと抜けていった。
身体の自由を奪っていた熱も一緒に下がり出す]
喉渇いた。
[目が覚めて呟いた時には、動くのに支障ない程度まで落ちていた。まだ普段より高かったけれど、このまま落ち着くような気がした]
どれだけ寝てたんだろう。
[ゆっくりと起き出して、壁をトンと叩いてみた。
呼ぼうとしたのではないのでそのままベットの外に出た。
机の上に乗せておいた聖書が視界に入った]
天にまします我らの父よ。
[睫を伏せ、口をつくのは一番最初に習った祈り。
旅をしている間はそれも覚えないくらい教会には縁が無かった。
それが何故なのか深く考えたことも、これまでは無かった。
細い声で唱え終わると、胸の下で組んでいた手を解く。
貰ってあった薬を丸薬と一緒に飲むと、汗で張り付いた下着も着替えて下へと向かった]
―二階→広間―
─岬の木の傍─
……さて、と。
[一頻り、歌を風に散らして。
それから、ゆっくりと空を見上げる。
お世辞にも、明るいとは言えない空。
視線を下げたなら、荒れる海が目に入る]
戻るか。
……ここで、凍えて倒れたりしたら、シャレにならん。
[冗談めかして呟くと、真白の猫がほんとにね、と言わんばかりに一声、鳴いた。
それに、思わずじとりとした視線を向けてから、ゆっくりと歩き出す]
[宿近くまで戻ってくると、自衛団員が数人集まって何やら話しているのが見えた。
その中心に、団長の姿を認めた翠はつい、とそちらからそれる。
そらした直後、こちらに気づいたらしい団長から視線を向けられたものの、それには気づかぬふりを決め込んで。
逃げるように、玄関から宿の中へと入ってゆく]
─ →広間─
─浜辺─
[崖の下にある浜辺。
オレは細道を降りて砂を踏みしめた。
元より大きくないその場所に、波がいつもより強く押し寄せている]
……うへ。
穏やかな海が見たかったんですけど。
[オレは期待外れ、といった表情で打ち寄せる波を見詰めていた]
…まじぃなぁ。荒れるぞ、これ。
[そう判断したのは親父に仕込まれていた知識。
漁師の仕事を嫌っていても、そう言う知識は忘れていなかったらしい]
波に浚われちまう前に戻るか…。
[荒れた上に満潮になっちまったら、逃げ場も無くなっちまうだろうしな。
そうなっちまう前に逃げねぇと]
─広間─
[中に入ると、挨拶もそこそこに暖炉の傍へ。
空気の暖かさが、身体が冷えている事を実感させた]
……そういや、この建物……ちゃんと、修繕してあるんだろうな。
天気が荒れて、建物が風に負けた、とか、それこそ笑えねぇ……。
[窓を揺らす風の音に、口をついたのは、こんなぼやき]
―広間―
[広間につくと挨拶するように頭を下げた。
おはようございますには遅すぎる時間だったので言葉はなく]
薬、ありがとうございました。
落ち着きました。
[暖炉の傍にいるゼルギウスに近づくと、祈るような姿勢だった。
邪魔するつもりもないので、報告するように声をかけるとすぐに離れようとした]
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