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― 広場 ―
[声を掛けて、ほんの少しだけ見えた困った表情>>8に、声を掛けちゃいけなかったかな?とほんの少しだけ思ったけれど
苦笑と共に落ちた言葉には興味津々と言う表情を向けて]
新しいお話考えてる所だった、の?
リィ、ポラリスお姉ちゃんの作るお話、とっても好き。
楽しくって、優しくって、んと、きれいなんだもん。
[子供なりの言葉で気持ちを伝えてにっこりと笑う
スランプ、とか、そういうものは知らないから、真っ直ぐに楽しみと言う気持ちで]
新しい本が出来たら、クレイグお兄ちゃんのお店にもおいてくれる、よね。
お兄ちゃん、いつも暇そうなんだもん。
[この村の小さな本屋でいつも店番をいている青年を思いだして、余計なお世話ともいえることをぽつり]
─ 森の中 ─
[物心ついた頃から歩き回っているから、森の中は勝手知ったるもの。
そんな慣れもあって、ついつい奥まで踏み込む事は日常茶飯事で]
……っと。
[進んでいた足が止まる。
耳に届くのは、澄んだ水音]
あいっかわらず、綺麗な音だよなあ。
[そんな呟きをもらして、目の前の茂みをかき分ける。
目に入るのは、睡蓮の咲く泉と、その奥の祭壇。
近づきすぎてはいけない場所だから、これ以上踏み込む事はないけれど]
……枯れない睡蓮、かぁ。
[ここに来るたびに目を引かれるのは、伝承の花。
それは、水面で静かに揺れて、いろを映している]
見た目は、普通なのに。
なーんで、枯れねぇんだろ。
[小さく呟けば、肩の上に陣取っていた相棒が、さあね、と言わんばかりにキョ、キョ、と甲高く鳴く。
合わせるように風が吹き抜け、水面の睡蓮を揺らし、波紋を広げた]
って、誰かに見つかるとやべーし。
そろそろ、戻るかあ。
[広がる波紋が消え失せるまで水面を見つめた後、くるり、踵を返して歩き出す]
─ 広場 ─
ふふ、ありがとう。
[一生懸命に伝えてくるエリィゼ>>9に、ポラリスの表情も苦笑から喜びのものへと変わる。
楽しみにしてくれている子が居ると言うのは、何ものにも代え難いものだった。
とは言え、直ぐに案が出てくるわけでもなかったけれど]
そうね、置いてくれると嬉しいわ。
[クレイグの話になると、はっきりと言われた言葉に思わずクスリと笑ってしまう。
この小さな村では利用者も限られてしまうだろう本屋。
暇なのも仕方が無いと言えば仕方がないのだけれど、小さな読者には際立って見えてしまうらしい]
新しい本を出したら、お店が忙しくなっちゃうかしら?
[ポラリスは冗談めいた口調で笑って言った]
― 広場 ―
ん、リィ、楽しみにしてるから、ゆっくり考えてすてきなお話を作ってね。
[にっこりと笑って、今度は、と言っていたから急がせるつもりはない、と子供心に思って
クレイグの話に笑いが零れたなら、少しだけ真剣に]
だって、そういう時じゃないと、リィが本屋さんに行く用なんてないんだもん。
[ぽつり、と落として
もうちょっと大きくなったら、普通にお客さんとして遊びにいけるのに、とか思っているのは内緒だけど
だけど、冗談めかした声にはすぐに笑って]
忙しくなったら、クレイグお兄ちゃん困る、かな?
「ゆっくりできないー」って。
[もっとも、ゆっくり出来なくなるほどこの村で忙しくなるか、と言えば、そうはならないのも知っていたけれど]
─ 広場 ─
うん、頑張るね。
[小さな読者の応援>>13は活力をくれる。
自分の童話を待ち望んでくれる人が居ることが分かるのはとても貴重だと思う。
大切なものをしっかり心に留めながら、エリィゼに微笑み返した]
あら、本を買う時だけじゃなくても遊びに行っても良いと思うわ?
こんな本が読みたいとか、希望を伝えに行っても良いと思うの。
お話もすれば、クレイグも暇を持て余すことが無くなるわ。
[クレイグ当人がそのことをどう思うかは分からないけれど、ポラリスはそんなことをしても良いと考えている。
それを実行に移していることも度々だ]
ふふ、お店が繁盛するのは良いことだと思うけれど…。
あまり忙しすぎると、大変、って思うかもしれないわね。
[街で見た本屋の様子とクレイグを重ねてしまい、想像して思わず笑ってしまった]
おや、医者 ヒューゴ が来たようです。
─ 診療所 ─
[その診療所は、森近くに建っている。
小さな村で、たまに来る患者も大抵怪我だとか風邪程度。
だから普段から閑古鳥が鳴っているのだが]
腹が痛い?
また食いすぎか、いい加減自分の食える量を弁えろ。
消化薬は出しておくが、次は承知せんぞ。
[診療所の主の愛想の無さも、患者の少ない理由の一つ、かもしれない**]
─ 森の中→診療所 ─
[森を抜け、ひょこりと出てくるのは診療所の近く]
……あ、そーだ。
薬、足りてるか聞いてこい、って言われてたっけ。
[出がけに言われた事を思い出して小さく呟き、そのまま歩みを診療所へ向け]
ヒューにぃ……じゃなかった、せんせー、いるー?
[うっかり子供の頃からの呼び方をして、慌てて訂正したりしつつ。
扉を叩いて呼びかけた。**]
― 広場 ―
[頑張る、と言う声>>14に頷いて笑う
村から出た事がない少女にとって、お話の世界は外の世界を感じさせてくれるものだったから、お話を作ってくれるポラリスは特別で。
そして、それを扱う本屋とそこにいるクレイグも少女にとっては特別な物、らしい]
う、そう、なのかな?
お話だけしに行っても、迷惑じゃないかな?
あ、どんなお話がおもしろいか聞いてみるのもいい、かも。
[お仕事の邪魔にならないか、と少し考えて、それでも、本屋を訪れる理由になるなら、自然とどこか楽しげに
とはいえ、まだまだ難しい本は読めないから、そう何度も使えない手だろうけれど]
たまには、大変って思う時があってもいい、と思うけど。
忙しくても暇でも、お店から出てこないからなー、クレイグお兄ちゃん。
[じっさい、のんびりしている所以外あまり見たことがないから、忙しそうな彼を想像して、やっぱりちょっと似合わない、かも、と思ったとか
どうしてクレイグをそこまで気にするのかは、少女自身は分かってないけれど**]
─ 広場 ─
うーん、長居するんじゃなければ、そんなに迷惑になるとは思わないけれど。
[こればかりは当人に聞かなければ分からないこと。
エリィゼの疑問>>17にポラリスは手を頬に当てて首を傾げた]
そうね、童話以外にも読めるものがあるかもしれないし、聞いてみるのも良いと思うわ。
[思いついたような言葉には頷いてみせて同意を示す]
ふふ、あの場所が定位置よね、クレイグって。
[良く居眠りをしているところを思い出して、クスクスと楽しげに笑った]
そうだわ、折角だし一緒に行ってみる?
私も少し用事があるし。
[エリィゼにそう提案し、ポラリスは木陰から立ち上がる。
ふわりとワンピースの裾を揺らしながら、後ろの辺りを軽く*払った*]
おや、用心棒 アルビーネ が来たようです。
[覚えているのは泉の澄んだ水音。
それから清楚なる睡蓮の花の芳香。
十二年前、その場所に倒れていた娘は
それ以前の記憶を一切有してはいない。
自分の事も何一つ覚えていない。
家族があったのかさえわからない。
名前さえも記憶になく真っ白な状態で目覚めたけれど
身につけていたペンダントに刻まれた名を己のものとし
この村で住まうようになってからはアルビーネと名乗っている**]
― 広場 ―
そう、かなぁ…
[暇そう、とはいえ仕事中と言う事を考えるとやはり少し躊躇うような仕草
だけど、その先の言葉に同意を得られたなら>>18、少しだけ表情を明るくして]
本の事を聞くんだから、クレイグお兄ちゃんの仕事になる、よね?
うん、お兄ちゃんがあそこに居ないほうが不思議な気がする。
[と、確認するように訊いて、定位置、と言う言葉には一緒になって笑って
一緒に、と言う提案には少し考えて]
いいの?
ポラリスお姉ちゃん、ご用があるなら邪魔にならないかな?
[とは言ってみるものの、やはり興味には勝てなくて、結局、一緒について行くことにする
ポラリスが用があるなら、それが終わるまでは大人しく待っている、つもり*]
─ 診療所 ─
[子供の頃から知っている相手から先生と呼ばれる事に面映いものを感じる時期も過ぎたし、自分を呼んでいると解りさえすれば良いから、と。
訂正される呼びかけは特に気に留めず、中へと促す]
今日はどうした。
怪我か、在庫の確認か。
[薬草摘みと自称する薬師見習いに問いかけ、用件が後者と聞けばメモを差し出して]
今足りないのはこれとこれだ。
それと、交換を頼む。
[いざと言う時に使えないのは困るから、麻酔など普段使うことの少ない薬は効果が薄れる度に薬師に破棄を頼み新たに補充してもらうのが常のことになっている。
今回は、作用の軽い鎮痛薬二種の補充と、麻酔薬の交換を頼んだ**]
― 本屋 ―
……ぅ。
[カウンターに突っ伏した姿勢から、もぞりと顔を上げた。
瞬き数度]
……誰も来てない、な。
よし、セーフ。
[何がセーフだ、という突っ込みは入らなかった。そもそも今店に居るのはクレイグ一人である。
とりあえず口許を拭って、きちんと椅子に座り直すが、それも何分保つ事やら。
きっと誰かが訪ねてくる頃には、またうとうとしている事だろう]
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