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[小さな祠に歩み寄り、静かにそを見下ろして。
ふわり衣翻し膝つけば、舞扇を供へたり。]
やれ、天狗の術は見事なものよ。
雨に濡れたが嘘のよじゃ。
されど既に奉げし舞じゃ。
我の元に留めるはさみしかろう。
[代わりにと言うは不躾じゃろが…そう呟くも応えなし。
鳥と獣と虫の音が、ときおり聞こえ来るだけか。]
[白き足が揺れたなら、かさりかさりと木の葉鳴く。
俯き祈る面を上げて、音のある先探そうか。]
[されどその先見つける前に、傍に佇むおのこに気付く。
琥珀きょとりと瞬いて、首を僅かに傾げよう。]
…おや、そなた。いつの間に…。
[紫黒は上から全て見みておるや。]
はてさて、我はそんなに深う祈っておったや。
…もしやそなた、天狗の使いではあるまいな。
[抑揚なけれど、問いつめしものでもなく。
あるいは笑みあれば、冗談とも聞こえたろう。]
…よいのじゃ。
川に流したとて、天狗の里の理なれば何処に往くやわかりゃせぬ。
[ついと指先扇を撫でて、果たせし役目労おう。]
――もし、そうだと言ったら?
[抑揚もなく、焦りや戸惑いの色もなく、笑みも浮かべず―ただ純粋に問いを返す。
どう受け取られるかは分からねど―]
いや、もう使わぬのかと―
[問い返されれば、しばし静寂訪れて。
琥珀はじいと面を見上げやる。]
…もし、そうであるならば。
何故に還したかを聞こか、何故に呼んだかを聞こか。
――何故にそなたがおるかを聞こか。
[琥珀ゆらりゆらりとゆれて、ふいと扇に移りゆく。]
…役目終われば、休むがよかろ。
[呟けば、撫でる手をそと離しやる。]
――すまぬがそれには答えられぬ。
[前の二つは既に答えが出ておるし、後の一つは―]
―何故、俺はこのように居るのであろうな―
[伏せし眼は何処を見やるか]
終わったとは―?
……そうか、それは残念じゃ。
[答えが出ておるなど知らぬまま、重く溜息を零す。]
天狗であれどわからぬか、天狗でなくばわからぬか。
そなたがわかりはせぬものを、我がわかるはずもなし。
[琥珀を上げれども、男が何処を見るやは知れぬ。
次いだ問いには、瞼半ば伏せ。]
…そなたが答えぬなれば、我も答えずにおこう。
なに、気に掛けることでもあるまいよ。
[すと立ち上がり、衣を払う。
歩み出すは何処へか。]
〔音につられて眼は天を仰がむか、
されども女の姿はそこにはあらず、
木の葉の静かに風に揺らるばかり。
音なく枝より舞ひ下りしは蝶の如く、
祠のありし方に一度眼は向けらるも、
踵返して歩の進む先は人の住まぬ家。
*辿り着けば戸を開きて中へと入らむ*〕
[去り行く琥珀に何も言わず、ただその場に立ち尽くす。
零れる言の葉は紫黒にのみ届くか―]
本当に何故俺が居て――――がいないんだろうな。
―俺なんぞより余程資格があるはずなのに―何故―
[紫黒の、女の姿は目に残ったか、象牙の男の言の葉は、耳にしたか]
さてさて、何を望むやら。
[薄茶で喉を潤して、しばし遠くの空を見る]
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