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[その手の冷たさには少し驚く。
そんな様子は一切見せないけれど]
そうだね。
一緒に繋いでいると暖かいね。
[柔らかな笑みに誘われて。
年相応の穏やかな笑みを返す]
[少女のあくびに気が付けば、やはり小さく苦笑し]
ああ、随分と遅くなってしまったか。
確認をしたらもう寝ようね?
[そう言いながら、少女に導かれるままにその部屋の前へ]
[確かにプレートは白紙から変化していた]
あたしも、もう部屋に・・・
[戻るという言い方は、少しおかしいような気がした]
明日は、何か、分かればいいね。
おやすみなさい。オトフリート。
[オトフリートの頭をぽんと一回叩くように撫でた]
んだね。まよなかだね。
[こくこく頷いてその部屋へと案内。]
ふしぎだよ?だれもいなかったしだれもかいてないのに、
とおりすぎたときはしろかったのに、もどってきたらくろかったの。
おひげなの。
ふしぎ……。
[じーっとそのプレートをみる。]
あっちもそうなるのかな??
[通路を挟んだ向こう側の奥のほうの、もう一枚白いままのプレートを指差す。]
[イレーネの欠伸を聞く。
先程の言葉、満月の夜と人狼、そして彼女の祖母の関連を改めて聞きたかったのだが――正確に答えを聞けるかどうか。]
[思案の最中、頭を撫でられるような叩かれるような――]
――!?
[声こそあげないものの、驚いて目を見開いて]
[今は随分落ち着いている。
つまりこれはただの奇行で]
・・・・・・。
[オトフリートの驚いた様子に、こちらも少し目を見開く]
戻ってきたら黒かった?
……その間にこの部屋の主が決まったということか?
[首を傾げて小さく悩む]
ああ、まだ一部屋白いままか。
どうなのだろう?
新しい人が来たのならば、変化するとは思うけれど。
[誰がどうしてここに呼ばれるのかは分からない。
今までの状況から推測できるのはそこまでだった]
[素早く取り繕う]
おや、また考え事をしすぎたようで。
おやすみなさい、イレーネ。
知識が我々に与えられん事を。
[ふっと笑みを浮かべる。
その笑みのぎこちなさにイレーネは気付いたかどうか。]
[もう一度目の前のプレートをじっと見る]
クレメンス・アッシュ。
……成る程、それでくーちゃんね。
[この分では全員がこの調子で呼ばれるのだろうなと思いつつ。
軽くノックをしてみるが、暫く待っても応えは無い]
眠っているのか、不在なのか。
御挨拶はまた明日にした方が良さそうだ。
[そして少女を振り返り]
そろそろ休んだ方がいいよ。
部屋の前まで送るから。
[そう言って少女を部屋の方へと促した]
そうだね、くるのかな?こないのかな?
くるならたのしいひとがいい。
きれいなひととか、つよいひと。
[こくこくとうなづいて。]
んじゃ、またね。
[繋いだその手がはらりと離れ、ぱたぱた少女は自分の部屋へ。]
あっ。
[離れた手を思わず伸ばすが、走り去った少女には届かず。
小さく肩を竦めるに留めた]
おやすみなさい、ベアトリーチェ。
[自分の部屋の前で一度彼女の部屋へと向かって呟き。
静かに中へと入って行った]
怒ったわけじゃ、ないのね。
[笑みのぎこちなさは目についたが、怒ってないというので、気にしなかった]
・・・知識か。
おやすみなさい。また・・・。
[広場を出て、階段を上がり部屋へ]
[部屋に入れば一気に疲れが襲ってくる。
返す波のように思い出される今夜の記憶。
短い間に余りにも沢山のことが起き過ぎた]
……疲れた……
[夜着に着替える気力も無く。
上着を脱いで、シャツの前をくつろげた所で力尽きる]
明日、は…書、斎、に……
[どうにか寝台までは辿り着き]
[そのまま意識を*手放した*]
[去っていったイレーネを目で追う。取り繕うのが間に合わなかったのを見透かされた――気がする。やはり芸術という事に秀でる者は鋭いのだろうか、そんな事を思いながら。]
[1人になった広間。
(元々ギュンターに話を聞きに来たはずだったのだが、今は居ない…流石にこんな時間だ、寝たのかもしれない)
くるり、窓を見る。
全てを飲み込んでしまいそうな、満月に。身振り手振りを交えて]
私が怒られる理由なら思い当たりますが――私が貴女に怒る理由など、何処にもありません。
それとも、月明かりに照らし出された貴女の美しさに気付けなかった私を、困らせる為に、そんな事を仰るのですか?
[軽く首を傾げ困ったように笑う――が、吹き出した。]
こんな事では…
ハンスさんには敵いません、ね。
[セピア色の部屋に入る。
部屋の明かりを小さなランプ1つにして、ベッドに入った。
大きく息を吐く。
人と話すのは、大変だ。
事態の把握ができない分、あまり深刻にも考えることが出来なかった]
おばあさん、狼だったのかしら・・・。
[ぽつりと呟き、*夢の中へ*]
[小さな小さな子供には、その部屋はあまりに広くって。
いくつも並んだクロゼット。
一つをあければ並ぶのは、可愛い衣類が沢山で。
どれも全部小さく細い彼女に合わせた良いサイズ。
一つをあければ並ぶのは、ドールハウスとお人形。
豪華なお屋敷のミニチュアと、老若男女の人形と。
人形の服に家具にご馳走。色とりどりの折り紙も。
一つをあければ並ぶのは、きらきら光に煌いた、
尖って鋭い沢山の玩具。
小さなものから大きなものまで、手入れが行き届いてきっときっとよく切れる。
玩具の中から小さな手は、小さなハサミをとりました。
お屋敷のミニチュアを広げると、折り紙をハサミでちょきちょきちょき。
緑の折り紙は森の木々に、赤や黄色の折り紙は、庭に咲き乱れる花たちに。]
[笑い声が次第に小さくなる。
――す、と顔から笑みが消えた。
テーブルに近づき彼の愛用のナイフとフォークを拾い上げ、念入りに見る。――変色は無さそうだ。台所の水で洗い、水を落とせば外套を着なおし、懐へ。
広間へと戻る。
窓の方を向く。満月が眩しい。
光球を暫し見詰めた後、目を静かに瞑り――この夜に起こった事を思い――――――笑みを浮かべた。
声を出さずに笑いながら、歩を進めると、彼は広間の扉の向こう側へ*消えた*]
ランプ屋 イレーネがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(ランプ屋 イレーネは村を出ました)
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