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─ →本屋 ─
[通い慣れた本屋の扉を開く]
こんにちは。
クレイグ、起きてる?
[挨拶といつもの声かけを口にして、定位置に居るクレイグを見遣り、カウンターへと歩み寄った]
おや、青年 クレム が来たようです。
― テレーズ宅 ―
読み返してみる?いいの?
...うん、わかった。
じゃあ、後で郵便屋に届けておくよ。
いやだな、ほんのちょっとの距離じゃないか、いくら僕がひ弱でも、倒れたりしないよ。
じゃあ、行ってくるね。
[微笑んで家を出たけれど、ここ数日当たっていなかった外の風に触れると、殊更に冷たく感じる]
ケホ...
[咳き込みそうになって、慌てて口を押さえた]
……ん、りょーかい。
あ、こっちの鎮痛剤、ちょっと時間かかるかも。
もう二、三日しないと、採れそうにないんだ。
[採れそうにないのが何か、は言わずもがなか。
肩から下げた籠の中からは、蓋をしていてもわかる薬草の香が漂っているし、何より服のあちこちに汚れやら枯草やらがくっついているわけで。
採取の帰りなのは、一目瞭然]
あんまり急かしちゃうと、次が育たなくなるからね。
[にぱり、と笑う様子は屈託ないもの。
幼い頃から森に出入りして、その恵みに触れてきたから、そんな言葉も自然と口を突くのだった。*]
― 広場 ―
[本について訊く事も仕事になる、と聞いて、安心したように笑う
本屋の仕事、と言うものが本当はどういうものかなんて、勿論分かってはいなかったけれど]
うん、邪魔にならないなら、一緒に行こう、かな。
[それでも、やはり遠慮がちに
だけど、手を差し伸べられたなら>>24、そっと手を重ねてきゅ、っと握って
そうして、2人で本屋へと]
― →本屋 ―
こんにちは、クレイグお兄ちゃん。
[ポラリスが声をかけ、こちらを見るのに挨拶を返して]
………やっぱり、寝てた。
[聞こえてきた声>>27が、どこかぼんやりしているのにそう呟いて
だけど、その声は呆れると言うよりはどこかほっとしたような色を含んで
ポラリスが本の注文をするなら>>28、それが終わるまでは二人を交互に見ながら待って]
リィ、特別用があるわけじゃないんだけど……
私でも読める、おもしろい本、って、あるかな?
[何とか話す切っ掛けを、と口にした言葉は、先程ポラリスと話したこと]
[姉さんと呼ぶ年上の娘が病で視力を失ったのは数年前、預けられた当初から、自分の世話をしてくれていた彼女のために、今は自分が読み書きや生活の手伝いをしている]
[無為に暮らすよりは、今の方がいい、と、思ってしまうのは、テレーズの不幸を喜ぶようで気がひけるが]
[ゆっくり歩いても、郵便屋まで30分とかからない]
これ、お願いします。
え?ああ、もうそんな時期か。はい、持って帰ります。
[頼んだ手紙と引き換えのように渡されたのは、父からの定期便。
中身は読むことなくポケットにねじ込む。
読まなくとも内容はいつも同じだから問題ない]
[その一方で]
おもしろい本かぁ。
そうだな……
[別の注文を受けたなら、また少し考え込んで。
再び本棚の方へ]
動物がいっぱい出てくる話とか、お姫様が出てくる話とか。
後は冒険の話とか?
エリィはどんなのが好きかな。
[言いながら本棚から何冊か取り出して。
エリィゼの元に戻ってくると、近くに屈んで目線を合わせつつ、本を示してみせた]
[郵便屋を出ると、少しの間考える。この間本屋に寄ったのはいつ頃のことだったか]
新刊、出てるかな?
[出歩く事があまり出来ない分、本は友達状態だ。最近はテレーズの好みに合わせたものを選ぶ事が多いけれど]
まあ、またでもいいか。
― 宿屋前 ―
[ふぁ、と欠伸が漏れる口許に手を宛がう。
旅人は滅多に訪れぬ村の宿屋の一階部分は
平時酒場として機能しているのだけれど。
酔った客が揉め事を起こしたと呼び出されたのは昨夜のこと。
間に入り仲裁をして、生業のまま番をしていた。
片付けを手伝い寝付いたのは遅く、
けれど料理の仕込みや水汲みで起こされたのは常より早く]
……ん。
[手を上げて、ぐ、と伸びをする]
― 本屋 ―
[ポラリスが頼んだ本を手際よく用意する>>36のを見ているのは、どこか楽しそうで
それが植物図鑑なのを見届けたなら、仕事の使うものなんだな、と理解する
次のお話はどういう話なんだろう?と気になるけれど、聞いてしまったら読む楽しみがなくなる、と、それは心の中にしまって]
クレイグお兄ちゃん、こんなに本があるのに、ちゃんとどこに何があるか分かってるんだ、すごいなぁ。
[なんて、感心して声を零す
そうして、今度は自分のために本を選んでくれたのに、一瞬きょと、となってから照れくさそうに]
……ありがとう。
[と小さくお礼を言って、どんな話しがいいかを考えた]
冒険のお話は、リィ、まだ読んだことがないから、読んでみたい、かな。あ、でも
[ふ、っと思い出したように困ったような顔をして]
今日は、お金持ってきていないの……
─ 本屋 ─
[本屋に来るとつい目が向かうのは児童書の棚。
ありがたいことにポラリスが出版した数少ない童話もそこに並んでいる。
昨年頃出版した童話は動物が主人公の冒険物。
ソル──太陽の名を持つカラスが大空を翔け、様々な動物と出会い、仲間と共に困難に立ち向かいながら果てを目指す物語。
主人公のカラスのモデルがクレーだったりするのだけれど、そのことに相棒は気付いているのかどうか]
……そう言えば、睡蓮は近くに実物があったっけ。
[ぺら、と植物図鑑のページを捲りながら、目に付いた植物の名を口にする。
泉に咲く枯れることの無い睡蓮の花。
スケッチに行くのも良いかな、なんてことを考えた]
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