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─中央広場─
[従妹が傍から離れ、知らぬうちにどこかへと行ってしまった頃。
感情を押し殺していたオレの耳に歌と鈴の音が響く]
うっせーよクソ野郎。
何言ってんのかわかんねーっつってんだろ。
何もしねぇで見てるだけなら、何も言わず黙ってろ。
[煩わしそうに眉を顰める。
知った風な口を利く童女の声が不快だった]
[ふと周囲を見回すと、離れたはずの従妹が居ない]
……ちっ、またか。
今度はどこに──。
[返り血を浴びたままの姿でその場に立ち上がる。
何度目かの従妹探し。
鬼ごっこのようなそれを再び行う*ために*]
― →中央広場―
……桜花!
[その姿は未だそこにあっただろうか。
満開の花の下、枝の上を見据えた]
お前、なんか知ってんだろ?
ここに来るってあいつ言ってたんだよ。
早く出せよ。
訊きたいことあんだよ。
意味分かんねーこと言って、勝手にいなくなって。
瑶、何処に行ったんだよ。
[息切れも構わず、返事があろうと無かろうとまくし立てる。
言葉はばらばら。
伏せた目に、小さなナイフが映って、
時が止まった]
―中央広場―
これ、って。
こないだの……
[姪の命を狙っていたペティナイフ。
投げ捨てた筈のそれが、樹の幹に深々と刺さっていた]
……まさ、か、
うそだろ……?
[消えた姪。
残るナイフ。
あるのはただそれだけ。
けれど浮かぶ嫌な予感を否定してくれるものは何一つなかった]
[不意に顔を上げると、ナイフに手を掛けた。
引き抜くにはそれなりの力を要したが]
……。
[幹に入った傷跡を、労るように撫でた。
言葉は声にならず、唇だけが動く]
[ナイフを掴んだまま、樹から数歩後退り。
そこでふと気がつく]
なんだ?
[“初めて”嗅いだ異臭は、なんなのかすぐには分からなかった。
臭いの元を探して振り返ると]
……なに、してんの。
[もう一つの悲劇が、そこに*あった*]
―外―
[てってってと走り、公園を離れながら。
涙がぽろぽろ零れてきた。
こわい、かなしい、かえりたい、かえりたい。
そんな思いが後から、溢れてくる。]
……うえええええん。
[瑞穂が見つからなくて、百華が見つからなくて、伽矢が怪我して、黒江が消えて、礼斗が血だらけで、桜花もいなくて。
かなしい、かなしい。
だれか撫でて。抱きしめて。
あったかいが欲しい。
どれも嘘偽りの無い自分の心。
どこまで走ったのか、道端でわんわん泣きじゃくる。声はしんとした街のどこまで届くだろう。
でも今泣き声をひろうのは、背中に背負った*うさぎだけ。*]
[散々道に迷いながら、歩き続ける。
その顔はかなりゲンナリとした顔だ]
……なんだかなあ。
決心固めたってのに、こんなとこで足止め食らっている場合じゃないっての。
[何度目かの曲がり角を曲がり、ようやく方向感覚を掴み始めたところで]
───?
[小さく一度、鈴の音が聞こえた。
今までよりも格段に小さいその音と共に見えるのは、白い光と黒い光が混じり、何者でもない光が消えた光景。その時に見える顔は]
……誰だっけ?
[2度3度見ただけの、面識がほとんど無い人物の顔。
名前などは確実に覚えてないし、聞いていない]
[だが、重要なのはその顔ではなく、その光の具合]
司でもなく、憑魔でもなく、普通の人でもない、人?
[かすかなビジョンで見えるその光景は、桜の花に押し流されるように消えていった]
不確定要素、か。
無くなってくれたのは玉稿だったかもね。
それにしても、これで後6人か。
急がなきゃな。
[そう言いながら、歩みを進めようとしたその矢先───!!]
───ああぁぁぁああぁぁぁぐうぅっ!!
[先程のとは比べ物にならないほどに強烈な鈴の音が何十にも渡って重ねた響きで大音量で頭の中で鳴り響いた]
か……はっ!
[視界が利かない。
頭がガンガンと痛む。
吐き気がひどい。
神楽が、フラフラとした動作で近くにあるものに適当に寄りかかり、胃の中の物を吐き出した]
げえっ、げ、げほっ……ぐ、はあぁっ!!
[先程同様に見える光景は、白い光が黒い光に飲み込まれる姿。そして、それと同時に見える顔は───]
───ひふみん!?
[思わず見えた景色に手を伸ばしてみたが、それに触れることは叶わない。
しっかりと移りこむ礼斗の顔をすり抜けただけだった]
あ、ああ。
あああ。
あああああああああ!!
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
[ノドがつぶれんばかりに絶叫。
口の端から泡が吹き出し、自身の服を濡らす]
憑魔!憑魔!!憑魔!!!
よくも!よくもやってくれた!!
私の大事な人達を!全て!余すことなく!よくも殺してくれた!!
貴様が、一体どのような想いを抱いていようが、もう容赦することは無いと思え!!
全ての繋がりを消し去ってくれた者の恐ろしさをとくと味わえ!!
この身!この魂!滅ぼされたとしても!必ず貴様に恨みを晴らすのを忘れるな!!
[虚空を睨みながら、神楽が呪詛の言葉を吐き出す。
そして、その瞬間。
神楽に恐るべき執念でもって、憑魔を滅ぼすべき方法をその様子とは裏腹に冷静に分析させる結果となった]
─中央広場─
[右手に持つサバイバルナイフを振り、血糊を飛ばす。
赤が地面に弾け飛んだ時、問う声が聞こえた]
……………。
[ハンチング帽の下から相手を見遣れば、もう一人の気に食わない男。
顔にも血糊をつけたまま、帽子のつばの下で眉根を寄せた]
何って。
見りゃ分かるだろ。
襲われたから、やり返した。
[右手の袖で、顔についた血糊を拭う。
それと同時に、横で倒れている躯が花弁となり宙に舞った]
残り───5人!
どうやれば、憑魔を確実に滅せられる?
[頭の中には、9人が一堂に介したあの場面。
あれから、今までに死亡した人間を抜き、残るのは、神楽、史人、百華、千恵、伽矢]
私は当然除外。
そして、百華が憑魔である可能性はかなり低い。
あの場面で仲間を殺して信用を得る必要性があるかと問われるのならば、まず無い。それどころか、雪夜に関係が深いものに殺される可能性すらある以上、あまりにも危ない橋。
更には、あの時点で、仲間を減らし、1人になるなどありえる話ではない。
[そして、視界の外れ。
自分が雪夜の元へと歩き出そうとしているときに、彼女は黒江にも襲いかかろうとしていたのを思い出す]
これも、憑魔ならば、おかしい。結果的に司ではなかったが、そういう匂いを感じていたのならば、憑魔ならば食おうとするはず。それを凶器で殺そうとして、警戒させることなどありえない。
以上のことから、百華は、憑魔の可能性は「低い」
そして、問題なのは───
[更に、9人が集まったときのことを思い出す]
───伽矢。千恵。百華の3人がほぼグループになっていること。
もう一人が憑魔ならば、これほど容易いことは無いが、もしも違う場合。彼を殺した後に、私が1人となる。その場合、私の劣勢を覆すことは不可能。
つまり、私は彼と手を組まなければいけない。彼が憑魔だったとしても、これは絶対条件だ。
彼を狙えず、百華も狙わない。
ならば、私が今手にかけなければいけないのは……伽矢。もしくは、千恵。どちらかだろう。
[そこまで思考を続けると、神楽がほの暗い目で前方を見据える。
そこには、まだ礼斗の顔が見えているような気がして、神楽は薄く笑った]
ひふみん。
私は、冷静だよ。
狂わず、自棄にもならず、憑魔を滅す手段を考えられている。
これにより、私は魔に囚われるかもしれないけど……その程度で、今の私は止められない。
全ての繋がりを消された私を、鬼とも魔とも呼ぶのなら、好きに呼んで。
私は、前に進まなきゃいけないから。
[ダン!と力強く、神楽がどちらかの終焉への一歩を踏みしめ、歩き始めた]
― 繁華街・稲田家周辺 ―
[礼斗君を見送ってから、私は繁華街に戻った]
鍵、開いてるのね。
……誰かいるー?
[玄関に入り、大きめの声をかける。けれど誰の返事も無い]
伽矢も千恵ちゃんも瑞穂ちゃんもいないか。
[私は、礼斗君が調査の結果を持って来てくれると思い込んでいた。
朝の薄い日差しの中、玄関口に座り込み、しばらく待つ。
けれど、いつまで経っても彼は現れなかった]
―中央広場―
……おそ、われた?
[頭の中は空白に近い。
風にさらわれていく花片。
昔馴染みの身体はもう、亡い。
――還せなかったな。
誰かの溜息が聞こえた、気がした]
[それと共に、少しずつ思考が廻り始める。
少年の言葉が蘇る]
……あやみんに、襲われた?
[もう一度繰り返す。
あり得ない、と思う。
けれどいつだったか、『憑かれる気はない』と言っていた彼が、もし本当に襲ったのだとしたら、それは多分――]
……、
[ぐ、と拳を握り締めて、口を開く]
……へぇ。
そっかぁ。
[発されたのは、少し低い声。
思っていたのとは違う言葉]
どうしてだろうな?
そんなことする奴じゃないと思ってたのにさぁ。
[内側で起こる困惑は、外にまでは伝わらない]
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