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[放たれた巨大な火の鳥は分身のいくつかを焼き払い、その姿を散らされ、本体はというと辛うじて一撃をすり抜けてかわしていた。
髪先や頬、服の一部などかすったところが若干焦げ臭く焼ける]
……
[無事だった分身数体をつれ、ミリィの懐に飛び込む。のは分身で。
背後を取った本体は抜いた刀を首筋にあてて]
これ、下手しなくてもあたったら大怪我じゃないかしら…
[ぽつりと非常に珍しく突っ込みをいれていた]
ふぇえ!?カルさんが分裂した!?
『バカ、あれは分身だ!!!
本体はどこかに紛れて…っミリィ!』
クロウ?…─ふゃ!?
『ま、まて、動くなよ!』
[カルメンが何人にも分かれたのを見て驚いた少女にツッコミ入れていた鴉が先に背後の気配に気付いたものの少女に声をかけるのは少し遅く。
ひたりとした感触を首筋に感じてびくっとした少女に鴉が慌てて制止の言葉をぶつけ。
通り過ぎていった火の鳥は、鴉が羽を一振りすると霧散し掻き消えた。]
[つくり出されていた分身が消えて]
私の勝ちってことでいいかしらん?
[声はいつもの軽い調子のもの、首筋に当てた刀をゆっくりと傷をつけないように離して背中に収める]
『残ってたら火の鳥に焼き鳥にされるところだった…』
[飛翔が肩の上に戻るとぽつりと恐ろしそうにつぶやいていた]
うんー、私の全力避けられちゃったしー。
でもカルさんすごいね!
今の初めてみた!すごいすごい!
『そうだな、俺も話には聞いていたが目にしたのは初めてだ。』
[カルメンの問いにはこちらも軽い口調で頷きつつ、やっぱりちょっと残念そう。
でもすぐにぱっと目を輝かせてカルメンを憧れの眼差しでじー。
飛翔の呟きは少女には残念ながら聞こえませんでしたが、鴉の耳には届いて申し訳ないと声をかけたり。]
―休憩所―
[ソファで一人ハインリヒはぐうぐう眠っていたが、シチはそっと起きていて、布袋の中をごそごそと漁っていた。
ハインリヒの疲労はシチの疲労でもある。シチとしてはライヒアルトとの真っ向勝負を早く終わらせて、ゲルダと遊びたいようだ。]
『ハインリヒ、起きて……』
……ん?
[つんつんとシチにつつかれ、ハインリヒがしょぼしょぼと目を開ける。]
―休憩所―
[ハインリヒの眼に映ったのは、琥珀を加えたシチであった。
シチはそれをハインリヒの手にぽとりと落とす。]
『これ、使いましょう……』
でもこれ、俺も被害をこうむるしなあ。下手したらお前も。
『それでも……まともに向かうより……』
ふむ。触れちゃいけねえとこに触れそうな気もするが。
まあ……あちらさんはごまかすかな。
……考えとく。
[そう言って、寝転がりながら琥珀を見ていた**]
[刀をしまうと衣服をつかみ、ばっとそれを脱ぎ捨てると元のミニ浴衣姿に。
脱ぎ捨てた服とか刀どこいったのか聞かれてもきっと笑顔で内緒とだけ言うだろうか]
そう、ほめてもらえるとうれしいわぁ〜♪
[賞賛の声には笑顔でミリィにぎゅっと抱きついて]
ミリィちゃんもすごかったわぁ〜♪
火の鳥とか、今度こっちでも取り入れようかしら?
『あんな大火力だすのにどんだけの火の準備が必要だと思ってるんだよっ!』
[思わず入る飛翔からの突っ込みに肩をすくめて]
ロマンがないわねぇ〜♪
『そういう問題じゃないだろっ!』
[さらなる突っ込みは無視して]
さ、それじゃあライヒアルトさん達の戦いまだなら一緒に見学にどうかしらん?
[カルメンにぎゅっとされるときゃ〜♪とか嬉しそうな声あげつつ、続いた言葉を聞くと更に嬉しそうににこにこして。]
えへへー、褒められちゃったー。
うん、火の鳥使って使ってー☆
分身全員で火の鳥出したりしたらちょー迫力だよー☆
『どれだけ火焚く必要あると思ってるんだ!』
あ、うんー。見学行く行くー☆
『だから話を聞けえええええええええええ!!!』
[飛翔と同じようなツッコミ入れる鴉はスルーし、カルメンの誘いに二つ返事で乗りました。
鴉の叫びが空しく響く中、カルメンと一緒にライヒアルト達の対戦を見に移動を始めたとか。**]
―湖畔エリア→―
あらぁ〜♪それ素敵ね〜♪
[分身しながらのいくつもの火の鳥]
名前とかどうしようかしらん?
[そんなゆるい話をミリィとしながら]
『名前以前にまずできてからにしろよっ!』
[クロウに同じく突っ込む飛翔、そしてクロウと顔を見合わせるとお互いでため息をついていたかもしれない。
そんなこんなでライヒアルトを探してその場を後にした**]
─平原エリア─
[ミリィにもったいないと思われてたとか、知る由もなく。
いえ、聞こえなくて良かったんですが。
ハインリヒの苦笑には、一瞬だけ、じとん、とした天鵞絨が向いたかも知れない。
とか、その辺りは置いといて。
平原に寝転んだ後、やっぱり疲れは完全に回復してはいなかったようで。
いつの間にか、そのまま転寝モードに入っていた……のだが]
―休憩所―
[しばらく琥珀を手で握って考えていたが、水筒を取り出して白湯を口にすると、立ちあがる]
『決めたの……?』
いや。
とりあえずセンセのとこ言くわ。
[そう言うと、休憩所を出て平原へ向かおうと]
……ふぁ……。
[不意に上がるのは、緊張感緩めの欠伸。
ゆっくりと身体を起こし、動物めいた仕種で目を擦る]
ってぇ、とぉ。
ちゃんと、気合、入れんとな。
[数度瞬きをした後、軽く、自分の頬を叩いて低く呟いた]
―平原エリア―
大将、おまたせっ。
[へらりと笑いながらライヒアルトの元へ歩み寄る。ポケットの中に手を突っ込み、そこには琥珀を握りしめていた。]
さて最終試験……の前にさ。ちょっと話さないか?
今、隔離結界内ってどんなかんじなんだ?
[その場に座り込みながら聞いてみた]
─平原エリア─
[さてどうするか、と思っていた矢先、声がかけられ]
いや、俺も休憩できたから、構わんよ。
……隔離結界の、様子?
[唐突な問いかけに、天鵞絨はきょとり、と瞬き。
それから、思いっきり、とおくを見た]
学院生なら、ふわふわの事は知ってるだろうが……あれと、魔獣の欠片が融合してな。
新種のクリーチャーが歩き回ってるってのが現状。
こまごま駆逐はしてるが、二、三匹、でかいのがいそうだからな……後で、最終駆除を仕掛けにゃならんだろうなぁ。
―平原エリア―
ふわふわ……。
[思わず渋い顔をしてしまった。とらえどころがなくてあまり好きではなかったから。]
そうか……なんちゅーか、頑張ってクダサイ
[完全に他人事扱いした]
(さーて、どうやって切りだしたものか……)
[不意に、じっとライヒアルトを見つめてみる。]
─平原エリア─
ま、結界内でカタつければ、問題ない。
非常手段は確保してるしな。
[胃に痛いけど、とは言わないが。
やっぱりどこか遠い天鵞絨から、苦労の程は読み取れるかもしれない]
……ん。
どーか、したか?
[ふと、視線が強くなったような気がして。
こて、と首を傾げつつ、問いかけてみた]
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