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―玄関―
やっと着いた。
今年のは気に入っていただけるかしらね。
[重たそうな鞄を下ろして呼び鈴を鳴らす]
ごきげんよう。
今年も寄らせていただいたわ。
それからこれも。
[毎年の手土産は試飲新種のワイン。
片方の鞄をそのまま預けるように差し出した]
見習いメイド ネリー が参加しました。
─ 屋敷 1階廊下 ─
…今日も、綺麗、ね。
[小さな声でそう言いながら、花瓶の水を換える。
なんでも誉めてあげると良いのよ、と母親に教わった通りに。
屋敷の中に飾ってある花瓶の水換えは、これで最後。]
……あとは、何が、残ってたっけ。
[そう呟いた所に、来客の声。
部屋の準備を手伝いに行くべきかな、と少し思案した。]
これくらいでも。
転んでしまいます。
[困ったように、眉を下げて言う。
吹きだされてはきょとんとし、ゆるく首を傾げて]
それでは、ケネスおじさま。
…だめでしょうか。
わたしは、ウェンディと呼んで下さい。
[呼び方はうかがうように、確認して。
それから続く内容に、それなら、と、微笑みを向けた]
わたしも、アーヴァインおじさまの所に用事があるのです。
よろしければ、一緒に行かせて下さい。
それとも、お邪魔でしょうか…?
[最後の言葉は、顔色を窺うように、しっかりと見上げて声を落として]
─ 広間 ─
[広間に戻ればハーヴェイの姿も見えて。
一礼の後に、お湯を茶器セットの傍へと置いた]
君、この場を頼みますよ。
[来訪客の相手をしたいのは山々であるが、その他業務も疎かには出来ない。
そのため、使用人の1人に広間での持て成しを頼むと、自分は厨房から廊下へと出た]
ハーヴェイさんにソフィーさん、ですね。
[口の中で数回繰り返し、
覚えられたと一人頷く。
見事に性別勘違いしたけど、それには未だ気付かない…**]
─ 屋敷 1階廊下 ─
[自分がやるべき仕事を確認する。
花瓶の水換えは終わった。
屋敷内の掃除もした。
厨房の手伝いはまだ必要ない時間。
つまり、自分の手は空いている。
ルームメイクの方が今頃手が足りないはずだ。]
…ヒューバート様なら、お客様、何名か…解る、かな。
―玄関―
今年はまた人が多いようね。
いつもと同じ部屋は使えるのかしら。
違う部屋でも構わないけれど、慣れている部屋の方が楽だわ。
[確認してくるというメイドに頷く。
重い荷物を運んだ肩を揉み解しながら少し待った]
[転ばねェから、という言葉を返すのは、咳き込んでいたから無理だった。
呼びかけは尚いっそう丁寧になった気がして背筋がむずがゆい]
……あ゛〜…… 嬢ちゃんの好きにしな……
[名乗った少女の名を呼ぶことなく肩を落として答え。
同じところに向かうという言葉に、こげ茶の目が少女を見やった]
向かうとこが一緒ならしかたねェ……
どうせ、一本道だしなァ。
[話している間につり橋が見える程度のところまできていた。
今更拒否しても結果は変わらないからため息一つで受け入れて。
なんだかいろいろと酔いが吹っ飛んだ気分で、足取りも少しまともになってしまった]
─ 屋敷 1階廊下 ─
あ…。
どなたが、いらっしゃってるかも。
聞いた方が、良い、よね。
[また一つ、小さな声で確認するように呟いて。
執事は今の時間だとどこにいるかな、と少し考えた。]
[咳が長引けば心配そうな視線には変わったりもした。
嫌がられないようなら、小さな手で背をそっとさすろうとして]
はい、ケネスおじさま。
[名を呼ばれなくとも、ウェンディが嬉しそうなのに変わりは無い。
仕方ないと同行を許されて、こくこくと何度も頷いた]
はい。もうすぐ、ですけれど。
ケネスおじさまは、つり橋は怖くはありませんか。
……しっかりと橋でないと、あぶない、です。
[見えてきたつり橋に、ちょっと困ったような顔を向ける。
しかし、さしかかれば頑張る、と。
しっかり頷いたりもするのだった**]
[考えたところで、丁度声>>68が聞こえて。]
バーンズ様…
…あ、オードリー様、か。
今年も、いらっしゃったん、だ。
[あの方は確か、いつも同じ部屋を好まれたはず。
確かあの部屋は昨日までは空いていたけれど、今日はどうだったかな。
そう考えながら、まだいらっしゃるだろう来客を確認しようと玄関へと向かった。]
[心配そうな視線>>70には大丈夫とばかりに雑に手を振った]
つり橋がこわいってのはねェなァ……
あんなもん、怖がるほどでもない、が。
嬢ちゃんにはちィと辛いか。
[つり橋が見える位置で、困った顔をする少女に納得した。
崖の間を、風に揺れるつり橋を渡るのは怖いものがあるだろう。
がんばると頷くのをみて小さく笑った]
まァ、がんばるこったなァ……
[酒気の混ざった息を吐き出して、つり橋にさしかかる。
大人二人、擦れ違えるつり橋は酔っ払いと少女の二人連れではなんの問題もない。
崖の間を吹く横風がつり橋を揺らすより、歩くことによるきしみの方が大きかっただろう。
あまり少女を気にかけていない――そんな足取りに見えて、少女が立ちすくむようなことがあれば、手を出した、*かもしれない*]
─ 玄関 ─
[玄関に向かい、執事と客人の姿を認めると会話の邪魔にならぬよう少し離れた所で立ち止まろうとした。
が、客人からの声>>74に執事から一歩引いた所まで近付いてから止まり。]
オードリー様、いらっしゃいませ。
お話の最中にお邪魔してしまい申し訳ございません。
[ゆっくりとした動作で頭を下げると、微かにふわりと微笑んだ。
彼女の夫君が健在だった頃から知っている為、どうしても名前で呼んでしまうのだが執事から窘められるだろうか。]
─ 玄関 ─
お久しぶりでございます。
旦那様共々、首を長くして来訪をお待ちしておりました。
[こちらもオードリー>>72に対して毎年の挨拶を向けて。
自分の口にも、と言われると、細い瞳を片目だけ、軽く見開く。
その後直ぐに表情を軽い笑いへと変えた]
おや、私はそこまで舌が肥えているわけではありませんよ。
今年はよいワインが出来たようですね。
旦那様もバーンズ様のワインを毎年楽しみにしていらっしゃいます。
私は後程、テイスティングの時にご相伴に与るとしましょう。
[酒の管理の一切は自分が取り仕切っている。
味を知らなければ料理に合わせて出すことは出来ないため、一度は必ずテイスティングを行っていた]
ああネリー、良いところに。
今日はお客様が多いので、部屋の準備の方へ回ってください。
バーンズ様はいつものお部屋で。
それともう一つ、宿を借りにいらした方が居るので、その方の分も。
部屋位置は任せます。
[やって来たネリー>>77に気付くと、取り急ぎ準備が必要な事柄を口にし、指示を出す]
それと、ケネス様の部屋のベッドメイクも。
そろそろお戻りになるでしょうから。
[部屋を確認に行った使用人も居るため、手分けすればそれ程時間はかからないだろう。
ネリーのオードリーに対する呼び名には気付いていたものの、客の前であるためその場では咎めることは無かった]
─ 玄関 ─
承りました。
[執事に確認しようと思っていた矢先の指示>>79に、ゆっくりと了解の礼をしてから客人に身体を向け。]
それでは失礼致します。
オードリー様、どうぞごゆるりと。
[もう一度ゆっくりとお辞儀をすると、ルームメイクの手伝いに向かった。**]
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