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─宿屋─
[一度部屋に寄って少ない荷物から着替えを取る]
……後で、雑貨屋で調達するようか、こっちも……。
[などと呟きながら向かった浴室で湯を使い、冷えた身体を温めると、ほっと一つ息を吐いた]
……っかし、かなり荒れてるなぁ……。
なんもなきゃ、いいんだが。
[呟きながら蒼の瞳が陰るのは、激しい嵐から繋がるものがあるが故。
それを振り払うように頭を振り、湯から上がって身支度を整え]
……おー、盛り上がってるなー。
[顔を出した酒場の様子に、苦笑する]
[それでも、不安で気を滅入らせるよりはいいから、と宴に加わる。
外での暮らしや近況を聞いてくる者も多くいたが、それはへらりと受け流した]
んー、戻るつもりはないなぁ。外での暮らしも気に入ってるし。
……外に女でもいるのかって? そこはそれ、聞きっこなし、で。
[幾人かからは村に戻って来ないのか、とも聞かれたので笑ってこう流す。
そうやって、どれだけ時間が過ぎたのか。
雨音よりも、雷鳴よりも、大きく響いた何かが崩れ落ちる音に。
蒼は瞬時に、険しさを帯びた**]
―宿屋―
アーベルも飲むか?
[戻ってきて苦笑する様子にそう誘いながら、自分が手にするこれは何杯目だったか。
他の皆と近況についてや、戻るかどうかの話をしている様子に]
あったかいスープとかもあるぞ。
今用意するな。
[そう言って顔は赤いものの、まだしっかりとした足取りでそのまま奥の調理場の方へ向かった。
何かが崩れる大きな物音を聞いたのは、考え事をしながらスープを温めている頃だった**]
―工房『Horai』/客室―
[ゼルギウスの言葉>>81に思わず笑いを漏らした]
何も本当に見えてねぇとは思ってねぇさ。
たとえだ、たとえ。
客が居てもお前さんはあんま変わんねぇな、ってな。
[イレーネの方が人目を意識する分、
ゼルギウスが余計に人目を気にしなく映るようだった]
確かに、お前さんみたいに綺麗と喜ぶ子も中には居るな。
でもな、神様が怒ってるんだ、って
ビービー泣く子もいるんだぜ。
[彼の言葉>>82にそう返せば修道院の事がより気になる]
……大丈夫かね。
[ポツと独り言ちて気を紛らわせる為に紅茶を呷った]
―工房『Horai』/客室―
[雷雨に心穏やかでないのはミハエルとイレーネか。
其れを感じ取れば二人の気を紛らわせようと
他愛ない日常の話を面白おかしく語ってみせたりした。
遠く、けれど大きく響く地崩れの音>>#0。
伝わる振動に柳眉を寄せ窓の外を見据える]
――…チッ。
もたなかったか。
[見てきたばかりであるからどのあたりが崩れたかは
青年には検討がついた。
音の大きさからもそれなりの規模だろうと知れる]
―工房『Horai』/客室―
[音の発生源を直ぐに見に行く気は無かった。
雨で脆い場所が更に脆くなっている事など予想はつく。
そんな危険を冒すほど青年は無謀ではない]
事故に巻き込まれた奴がいなきゃいいんだけどな。
まぁ、こんな嵐の中、外に出る物好きなんて
滅多にいねぇだろうけど。
[ふと過るのは怪我人が出た時の事。
自分が此処に居ては修道院に助けを求める人に
手を差し伸べる事が出来ない。
窓の外へ視線を向ければ雨は未だ降り続いている]
―工房『Horai』/客室―
濡れるの覚悟で帰るとするか。
あ、傘はいらねぇ。
この風じゃ役に立ちそうにねぇしな。
紅茶ごちそうさん。うまかったよ。
[イレーネとゼルギウスにそんな言葉を告げてから
ミハエルとカルメンの二人へと視線を移し]
二人は雨が止むまで大人しくしとくと良い。
風に飛ばされでもしたら大変だからな。
お前さん達の怪我の手当てなんてしたくねぇし。
じゃ、またな。
[見送りは必要ないと軽く手を掲げて制する仕草。
青年は風雨の中、修道院へと駆け出した**]
―雑貨屋―
[嫌がられなければゲルダの頭を撫でて]
もう少しだけ落ち着いたら俺が様子見てくるよ。
荷は後で取りにくるから預かっててもらってもいいかな。
傘は、この風だと壊しそうだからいいや。
[お願いして外へと出る機を*計った*]
―工房『Horai』客室―
[夫の言葉>>82には、思わずそうねと小さく笑みが零れた。
わざとでも素でも、気が紛れたのは確かであり。
自分も災害に結びつかなければ、それらを厭う事はない。
だが今は厭うべき時で。
大きな音に不安そうに、夫や周囲を見ていたが、
幼馴染が出て行くのを見れば、やや心配だったが座ったまま見送り、
彼が持参してくれたローズヒップ入りの紅茶の残りを
一気に飲み干し息を付いた。]
…駄目ね、何かしていないと落ち着かないわ。
ごめんなさい、私工房で急ぎの仕事を進めてきます。
ゼルはミハエル君とカルメンさんの事、お願いね。
[来客中に席を立つ事に謝罪を入れて。
その場を立って、一旦工房に*入った。*]
―修道院―
[ずぶ濡れの青年が修道院へと駆け込んだ。
夏とは言え高地にあるこの村の雨は冷たくある。
直ぐにでも湯に浸かりたい所だが
青年は布を取ると水分を拭いながら奥へと進む]
只今戻りました。
他の者は皆無事ですか?
[年上の修道士に現状を尋ねる。
怪我した少年も具合が悪くなるといった事はなく
胃腸の不調を訴えていた者も落ち着いていると聞けた。
青年は安堵の息を漏らす]
それなら良かった。
心配になって戻ってきたのですが……
杞憂だったようで安心しました。
[ゆると頭を下げてその部屋を辞した]
……崩れそうな場所っていうと、限られるよな。
こりゃ、色々とヤバイか?
[やり取りの後に聞こえてきた崩れる音と、震動。
険しさを帯びた目で、窓の向こうを見る、ものの]
あー、騒ぐな騒ぐな。
もう少し雨が落ち着いたら、俺、見てくるから。
[轟音に不安を口にする人々を振り返る時には、いつもと変わらぬ調子のままだった**]
―修道院―
[青年は少年達の部屋を覗いた。
大人しく寝ているのなら邪魔をしてはならないと
自分から声を発する事はなかった、が。
気配に気づいた少年の一人が青年の名を呼び駆け寄る。
青年の周りにわらわらと少年達が集まってきた]
――…未だ起きてやがったか。
ん、濡れるから抱きつくンじゃねぇぞ。
[制する言葉が遅れべたべたと触れられてしまう。
つめたーい、とはしゃぐ少年の声]
だから言っただろ。
嗚呼、これから風呂いってあったまってくるさ。
これくらいで風邪なんてひかねぇよ。
ほら、早く寝ちまえ。良い夢みろよ。
[軽く彼らの頭を撫でてから寝台に戻るよう促した]
―修道院―
[常より遅れた晩の祈りをする為に青年は聖堂へと向かった。
教会の其れよりも少しばかり小さいその場所。
十字を切り、銀の十字架に触れながら紡ぐ聖句]
――……。
[青年は自らに神の加護がある事を信じて疑わない。
信じ得るだけのものが彼にはあった。
祈りを終えれば十字架から手を外す。
シャラ、と銀の鎖が擦れる音がした]
―工房『Horai』/客室―
[見回した客人たちは、それぞれどのような表情をしていたか。
ミハエルの子どもらしからぬ、不安より面倒という表情に、
ゼルギウスは少し紅を見開いたかもしれず。]
あ、傘じゃなくて、レインコートもあっ……―――
いっちゃった。ライ君が嵐みたいだね。
[怪我人もだけど、雷見て泣く子も気になったんだろうなぁ。
などと、先程の会話を思い出し、小さく呟く。
その呟きが、まるで妻の不安を煽ったかのように、
イレーネは仕事をしてくると謂う。
おそらくは、妻は不安などがあると仕事に打ち込むタイプ
ということは言動から識れること。]
うぅ。気になるけど、仕事の邪魔をするのは……――
[客人を……と言葉を貰ったこともあり、
妻を心配しブツブツと呟きを漏らすも、
忠犬のように律儀に命を護り、客人をもてなすことはやめず]
ん。佳かったら空き部屋2つあるし、
今晩はそこで休んでいったらどうかなぁ?
[夜も遅くなったなら、1つそんな提案を2人に向けた。
2人が承諾してくれたなら、2人をそれぞれ部屋に案内するだろう。
もし、万が一、ライヒアルトのように2人が帰ると言い出したなら、
流石に女子どもを1人で帰すようなことはゼルギウスも出来ず、
*送迎を申し出るかもしれない*]
―修道院―
[浴室に向かえば湯からはマリーゴールドの淡い香り。
指示通りである事にゆると目を細め青年は湯を浴びる。
冷えた身体に湯の温かさとハーブの香りがじわりと染み渡る]
未だ雨は止まねぇか。
仕方ねぇな。
[換気の為の窓越しに聞こえる雨音に耳を傾けながら
青年はそんな事を独り言ちる]
折角あったまったのにまた濡れるのも……
んー…、む。
取りあえず休んでから考えるか。
[雨が止むまでもう暫く間があるだろう。
青年は湯浴みを終えると自室へ戻り
雨が止むのを待つことにした**]
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