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─ ギュンター私室 ─
(>>35続き)
[判断も行動もできず、目の前のエーファを助けなければという思いだけでおろおろしていた。
部屋を覗き込>>43んだイヴァンに声をかけられても、狼狽えた顔でただ見つめ返すのみ。
ギュンターの遺体に気づいたイヴァンは、ベッドのシーツを引き上げ>>43る。
彼の行動を見て、]
(そうか……、
まずはエーファの視線から隠したほうがよかったの、か…。)
[遠くのほうで考える自分がいたけれども、現実にはぼんやりしているだけで。
「怪我なんてしてない」「いつも、俺は、大丈夫」>>44
こぼれ落ちたようなエーファの声に振り向けば、呆然とした蒼い瞳>>45がすぐ近くにあり、]
……ここは、危ないよ……。
[繰り返したが、病み上がりの小さな声は誰にも聞こえなかっただろうか。]
─ 3階廊下→1階広間 ─
[廊下に出ると、ビルケがついてくるのを確認し、階段へ向かう。]
……モリオンは?
[途中、踊り場ですれ違った黒猫の姿を探すが、見当たらず、
エーファのところにいるのだろうかと考えた。]
エーファの精神状態も気になるが、今の自分ではかけるべき言葉も思いつかない。
その自覚はあるので、暗い気持ちで階段を下り、広間へ入った。
暖炉に火を起こす。]
どうすれば…いいんだろう…。
[黙っていられず、忠実な愛犬に話しかけた。]**
[暖炉のゆらめく炎を眺めながら、ユリアンは思い返す。
「どうやって探すのかはわからないんだ。
俺は「場」について聞いただけで、他はあの詩のことしか知らないし」>>46
どうやって見つけるのかと質問>>15したとき、オトフリートはこう答えた。]
でも……。
[この広間でギュンターが話したとき、
「「場」が出来た、という事ですか」>>1:128
と真っ先に事態を理解したのは彼。
演奏家という仕事柄、いろいろな噂を知っていることに不思議さはない。
ない、のだけれども。]
すごく、詳しかった、ね。
[聞いた話であると前置きし>>1:129ながらも、
「闇の者と光の者」「もう止められない」「終わるまで、誰もここから出られない」>>1:129
並べられた説明はどれも具体的だったと思う。]
[「……「場」?
なんだ、それ」>>1:135
という反応のイヴァンは、自分と同じようにわかっていない様子だった。
先ほどの、ギュンターの部屋へ来て>>43以降の、エーファを気遣う言葉や態度にも、
嘘はなさそうに思える。
イヴァンは何も知らないのではないか。
自分と同じように。]
ギュンターさんを殺しておいて、知らん顔で……?
でも、走ってた……。
[3階にあるギュンターの私室を出て、2階にあるリネン室から新しいシーツを取って戻ってくる。
かかった時間を考えれば、彼が走って往復したのは自明のこと。
その全力さがイヴァンの本気に思え、]
……違うよね?
[ユリアンは小さく首を振る。
彼も疑えないという結論を、自分でも甘いと思いながら。]
―ギュンターの私室―
[壁にもたれて話を聞いていたユリアン>>97は、まだどこか具合が悪そうで。
治りきっていないところにこんな事件続きでは、体も心も参ってしまうと]
ユリアン、ここは寒いから広間に行っているといい。
そうだな、皆のために火を熾しておいてくれると、嬉しいな。
[部屋から出ようとするユリアン>>98に声をかけて見送る。
動ける人は、一人でも多い方がいい]
俺もよく知らないけど
あの旅人が来たのは最近なんだろう?
それに、こんな騒ぎでも姿を見せないなんて……
[それだけで疑うには充分とイヴァン>>83に頷いて見せ、怖い、と呟くカルメンには大丈夫と言うように視線を向けた]
でも、今はまずギュンターさんを
[このままにはしておけないと思いながら、視線はどこか様子のおかしいライヒアルトへと。
男が向けた視線に気付いたか他の理由か、ライヒアルトが右の手袋を外し一言呟く>>84]
蒼花……貴方が
[手に浮かんだ蒼い花。ギュンターのそれと対になるもの。
その場にいた者がそれぞれにそれを見る。
カルメンがどこか悲しそうに言葉を掛ける>>87のを聞いた。
その痣を持つものは人狼を引き寄せるという、伝承]
[それぞれの反応に答えるようなライヒアルトの様子>>88はどこか落ち着いて見えた。
そうして、痣の所在を明かした理由に、彼を見る目が僅かに見開く]
貴方自身を盾に……或いは、囮に、ですか……
[蒼花である事がわかれば周りも気をつけるだろう。それを元に何かを掴む事が出来れば。
自分を犠牲にしてでもと言う意思は、その定めを持つ者の姿そのもので、どこかギュンターに重なった]
無茶をする……
[ぽつりと呟いて、祈りを終え身を清めに行くと言う彼>>90を見送る。
一人にしないほうがいいのでは、と思うものの、張り付くわけにも行かなくて]
ここは寒いし、広間に行った方がいいかも。
それに……こんな時になんだけど、何かお腹に入れた方がいい。
厨房に何かあるかもしれないし、なかったらスープくらいなら作れるから。
[味は保障しない、と言い置いて、ギュンターの部屋を出てひとまず厨房へと足を運んだ]
―厨房―
[厨房へと向かえば、案の定エーファが用意したと思われる鍋>>3が竃に置いてあった]
やっぱり……本当に休んでいなかったんだな、エーファは。
[そう言って蓋を開け中身を確認して……]
――……セロリ
[その独特な匂いを目ざとく、いや鼻聡くだろうか嗅ぎとってぽつり、一言。
小さく息を吐いて竃に火を熾し、スープの鍋を温める]
いえ、育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めないということで
頑張って見るよできるだけと努力した結果克服はしましたが。
[ましてポタージュでは避けようがないではないか、と。
セロリを苦手とする男は、それでもエーファの心遣いを尊重するのだった。
そうして、程よく鍋が温まったなら、広間へとそれを伝えに向かう]
―広間―
[広間に向かった時、そこには誰が居るだろう]
厨房にエーファが用意してくれたポタージュがあったから温めてきた。
食べる気力がなくてもお腹に入れておいた方がいい。あったまるし。
[不安も、おいしいものが多少軽くしてくれると信じてそう声をかける。
そうして]
ユリアン?
大丈夫かい?食べられるなら少しでも食べておいた方がいいよ。
[なにやら考え事をしているようなユリアン>>103にも。
旅人とは違う意味でどこか落ち着いた様子の男を彼がどう思って居るかは知らないが。**]
─ 外 ─
[大浴場が空くまでの間、一度外へ出て湖の彼方、村のある方を見遣る]
……連絡するにも、これじゃあなぁ。
でかい看板作ったって見えねーだろうし。
[湖と言うからにはそれなりの広さがある。
その中央にある小島と対岸までを考えると、看板でどうこう出来るものではないように思えた。
大声で叫んでも届くのかどうか、身振り手振りぐらいなら何とかなるだろう]
…いつ出られるんやら。
[いつ終わるのか、そんな意味も含めて呟き、再び屋敷の中へと戻って行く。
大浴場が空けば紅を擦り落とし、さっぱりした状態で広間へと。
エーファが用意してくれたというポタージュを腹に入れれば、少しだけ落ち着いたように感じた。
尚、イヴァンに好き嫌いなど微塵もない**]
[暖炉の前に陣取って自分の思考に沈んでいたせいか、
「厨房にエーファが用意してくれたポタージュがあったから温めてきた」>>109
というオトフリートの声にぎょっとする。
ユリアンの、警戒を宿した顔には気づかれなかっただろうか。]
あっ…、
……そ、そう…ですね。
[「大丈夫かい?食べられるなら少しでも食べておいた方がいいよ」>>109
と呼びかけられれば、狼狽しながらもカップやスプーンを受け取り、]
厨房には誰かいますか?
ビルケのためのお湯か水をいただきたいんですが……。
[遠慮がちに尋ねる。
残り物か調理で余った野菜くずでも、煮込んでもらえればビルケの食事になるのだが、と思いついて。]*
―広間―
[考え事をしている中、声を掛けたのは少し驚かせてしまったらしい。
ユリアンが僅かに警戒を宿す>>114のはあまり気にしない。
状況的に不安になっているのはわかるし、何よりも
十年ぶりに帰ってきた途端のこの事件では、何かあると思われてもおかしくはないから]
ユリアンはまだ本調子ではないだろう?
なら、余計に少しでも食べて体力を戻した方がいい。
[いざと言う時に動けなくては困る。
ユリアンにはビルケがついているから守ってくれるとは思うけれど]
厨房には今は誰もいないよ。
そうか、その子にもお水やご飯が必要だね。
今なら、厨房を借りても大丈夫なんじゃないかな?
[問い掛けにそう答えながら自分もポタージュを口にする。
犬に与えていいものとそうではないものの区別がわからなかったから、わかる人に任せるつもりで。*]
― 広間 ―
[「少しでも食べて体力を戻した方がいい」>>115
オトフリートの気遣いに、心の中では戸惑いながらも頷いた。]
(……わからない……誰が信用できるの、か?)
[一見、オトフリートはとても冷静そうに見える。
見えるが、元の性格や村の外での経験から、ユリアンのようには不安を出せないのかもしれない。]
あの……すみませんが、『幻燈歌』のことを詳しく教えてください。
覚えておられるかどうかわかりませんが、
ぼくの母は町の出で……、
あまり村の祭りには行かせてもらえなかったので、
全部の歌詞を知らないんです。
[思い切ってそう尋ねた。
ポタージュを口に>>115しながらでも、オトフリートは教えてくれただろうか。]*
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