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中々……やるな!
[それでも、口の端に浮かぶのは愉しげな笑み。
真紅は上空の陽鷲王の映し身へと向かう。
言葉にならぬほどの早口で紡がれるのは、帰還の呪。
焔の翼がひとつ、羽ばたき、光の獣王は空から姿を消し、そして]
……死ねん身で実剣に斬られるこの感触だけは。
どうにも、慣れんな。
[ある種場違いな呟きと共に、長く伸ばした銀の髪がふわりと揺れ。
その場に、片膝をついた]
―平原エリア―
[動物の言葉は理解できるので、ユリアンが何を言っているのかもわかる。
右足でユリアンねずみを抑えつけながら]
そんなこと言ってると食うよ…?
[駆けるのは冷たい言葉。
口を開いて、ユリアンねずみの首のあたりを甘噛み。]
チュ〜(導師もやられちゃったんだ。びっくり)
[なんて導師が片膝をついたのをみたところで、ぴたりと首に歯があたって]
チュー(鬼ー。悪魔ーそんなだから重くな…じゃなくてごめんなさい)
[相変わらず思ったことが先に出るところは健在であった。
思わず盟約龍も近くでため息をついている]
[ゼルギウスが膝を突くのを見て、まだ暴れたそうな剣を鞘に押し込む]
…ここで出てくる感想がそれですか。
あのまま斬っても良かったんじゃ。
[酷く疲れた顔でぼやいた。
実際足にきそうなほど疲れてもいた]
ロミー?
[振り返った先にユリアンはおらず、ねずみを組伏せ噛み付いている猫が一匹]
おお。見事。
『それと、齧ったところで死なないからやりたかったらやっていいわよ』
チュー(裏切り者ー)
[真面目にやりそうでやってなかったのが不機嫌らしいカリンに告げ口されてました]
[何やら暴れたそうな剣の様子にくく、と低い笑い声を漏らして]
詳細な評価は、後日、雷撃学科に届けてやるから、たのしみにしとけ?
[続くのは、こんな一言。
それから、ちら、と『魔本』に視線を落とし、追試会場の様子をチェックする]
ん……向こうも終わったようだし。
よし、全員集めて結果発表、と行くか。
[さらりと言って、ゆっくりと立ち上がる。
ユリアンの様子は、一応見てはいたものの。
敢えて、何も言わずにおいた。
裏返せば、後からなんかくる、と言うのかも知れないが]
さっすが、イヴァン。
[ユリアンのねずみ言葉に、口を離して視線はイヴァンとゼルギウスの方に。
ゼルギウスが片膝をつき、イヴァン立っている。
それはイヴァンの勝利を物語っていた。
イヴァンからかけられた言葉に、明るい言葉で返す。]
私たちの勝ちだねっ!
[足元でさらに何か言われた気がして、前足で押さえつける力を少し強めた。
謝る言葉が聞こえても前足はどけなかった。]
『……ルギィ』
[そこにふわり、と舞い降りてくる水晶龍。
紫の瞳は、酷く物言いたげに。
それに返すのは、苦笑めいた表情]
あー。
手当ては後で、『御方』に頼むから。
睨むな、睨むな。
『……まったく、あなたは……』
[呆れたような言葉と共に、水晶龍は再度、尾を揺らした]
チュゥ〜(あんなに可愛いと思ってたのに〜)
[力が強まって、地面に更にへばりつく感じ。
しかしなんでこんなにいろいろされても普通に元気なのでしょう]
[告げ口が聞こえて、じーっと冷たい視線をユリアンねずみに向けたまま]
首?耳?尻尾?足?背中?それともお腹?
ユリアンはどれがすき?
[気兼ねなくいけると知ると聞いたのはそんなこと]
…開放はしちゃいません、開放は。
てか、生徒相手にあんなの喚ぶ方が…。
[言っても無駄なのは分かっているが。
天を仰ぎ、水晶龍から離れて戻ってくる黒曜龍に左手を差し出した]
おう、援護ありがとうな!
[ロミに笑いかけた姿勢のまま地面に崩れ落ちた。
水晶龍から離れてきた黒曜龍がその上に無言で舞っていた]
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