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迷犬 パトラッシュがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(迷犬 パトラッシュは村を出ました)
[厭な空気だった]
[腹の探りあい……というか相手をいかに追い詰めるかというような]
[張りつめた空気]
[クローディアは知らなかった]
[ その時 は、彼女はかやの外だったから]
……平気だから。
だから一人にしてくれ
……出てくる
[静かになれば、外へと。]
[市場の方ではない方に向かう]
[それは人を避けるように。]
……っ
[力を貸せ]
[拒否した集落の人は]
[……長い剣に]
[星読みの力は一人を選び]
…………クロゥ
[はずれの小屋のそば]
[晴れた天の涙が*細い体を濡らす*]
[其れは昨夜に遡る]
[怯えるジョエルを落ち着かせようと]
[其の時の]
[予想通りの抵抗は弱く]
[抑え込むというよりは]
[甘受するかのように]
[やがて]
[雫が落ちる頃には]
[宥めるように背を撫ぜて]
[其れはあの時を再現するかのようで]
[緋が]
[目に映るような]
[錯覚]
[名を呼ぶ声に]
[続く言葉に]
[少しだけ腕を緩め]
……ジョエル、無理はするな。
[返る声は『大丈夫』と]
[納得できるはずもなかったが]
[腕は解いた]
[『穢れる』]
[其れは]
[緋色を思わせて]
[――言葉を失う]
[其れでも]
[目は離せぬと]
[あまり離さなかった顔]
[其れが失敗]
[眼前の緑は]
[明らかに自身の左眼に]
[短い問いの言葉]
[呟きのような其れを]
[聞こえなかった振りをして]
……今日は早く休んだ方が良い。
お休み、ジョエル。
[立ち上がる]
[半ば逃げるように]
[自身の使う部屋]
[寝台に体を投げ出し]
[左眼を手の甲で覆う]
[不意に蘇るのは少年の声]
[『離れること、怖くない?』]
[嘘を吐いたつもりは無い]
[否]
[本当は]
[けれど]
[其れよりもずっと]
[認めてしまうことが]
[怖かった]
[階下のことを思い出したのは]
[其れから暫く後のこと]
[既に誰も居ない一階に]
[溜息をひとつ]
[其の侭]
[傍の階段を上がる]
[台所に]
[黄色がかった液体が残されている事など]
[知らぬ侭で]
[結局其れがどうなったのかも]
[男は知ることは無い]
[そうして今は]
[自室の寝台の上で]
[揺れる灯を見詰めていたが]
[不意に響く声]
[体を起こし]
[扉を開く]
……どうした?
[目の前に立つ男の様子に]
[*僅かに首を傾げて*]
いない。
いない、どこにも。
どこへ行ったの?
[走り回る足はもつれて]
パトラッシュ!
[大きな声で呼べば、誰かの耳に届くだろうか]
[ばたばたと走り回って、ほっと安堵]
[しっぽを振る白い姿]
パトラッシュ。
[友は気づかない]
風上だからかな?
じゃ、おどかしちゃうぞ。
[そうっと近づく]
[ネロに気づかず、メガネを掛けた人影にしっぽを振っているパトラッシュ]
…ノブ、さん?
[こぶしをきゅっとにぎる]
[でも、声が出ない]
…パトラッ…。
[ようやく出た声]
[みなまで名前を呼ぶ前に、走り出した]
[集会所に]
[居座っているベッドルームに]
はあ、はあ、はあ、はあ…。
[ふらふらとベッドに身を投げ出す]
はあ、はあ、はあは、はあははは、ははは。
[ごろりとベッドの上であお向けになる]
楽しそうだったな、パトラッシュ…。
[なぜか、光る雫が目尻から零れる]
あははは…はは。
[外に今頃パトラッシュの声がする]
[ノブの声が入り交じる]
ボクがいなくても、パトラッシュは大丈夫なんだね…。
パトラッシュは、ボクの旅についてこない方が、幸せ、なのかなあ…?
[呟く]
[階下から、満足げなパトラッシュの鳴き声]
半分こよりも、ごはんたくさん食べられるし。
[むうう、と眉を寄せる]
[真剣に考えるほどに]
…あたまいたくなってきた。
[てってってってっ]
[階段を駆け上がってくる足音]
[聞きつけてベッドの上に起きあがる]
や、パトラッシュ。
戻ってたんだね。
[えへ]
[笑えば、パトラッシュが骨を見せてしっぽを振る]
え、ボクに見せに来たの?
[ちょっとびっくり]
[わふわふ]
[自慢げなパトラッシュの顔(?)]
うん、よかったね。
[撫でる]
[あたたかい]
置きっぱなしにしてると、食べちゃうぞ?
[言ってみるけれど]
[パトラッシュはしっぽを振り続ける]
…いいの?
ボクが一番で、いいの?
[呟いた言葉に、パトラッシュはきっと怪訝そうに『くぅん?』と首をかしげるだろう]
ううん、なんでもない。
なんでもないよ。見せてくれてありがと。
…うれしいよ。
[むぎゅう]
[抱きしめる]
うれしいよ、パトラッシュがここにいて。
[えへへ]
[わしわしと背中や首を撫でる]
[そのまましばらくぎゅう]
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