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[アナの服装を見れば、向かう先は分かります。
そうでなくともたったふたりの兄妹なのです。
服の欠片、ランタンの破片でも会いたいだろうと木こりは思ったのでした。]
[ホラントの棺の前で、おじいさんはぽつりと呟きます]
しかし、困ったことじゃ。
村のみんなはどう思っているのやら。
まさか見知った顔を疑っているのではあるまいのう?
[困った困ったと、おじいさんは首を振ります。
そして、ホラントがお墓に行くまでもう少し時間があるのなら、村の様子を見に行くことでしょう]
無理はしないほうがいい。
[疲れているような笑顔に、旅人はあっさりと言いました。]
たしかに、だれだかは知らないが、ずいぶんと急だったな。
人狼のうわさもあるようだし。
お別れ。
〔アナはドミニクのことばを繰り返す。
ちょっぴり首をかしげてから、ゆっくり歩きだした。丘を下ってゆく道を。〕
お別れは、もうしたから、だいじょうぶ。
アナが起きるまでは、そばにいてくれたもの。
起きたらすぐ行っちゃうなんて、せっかちだけれど、お兄ちゃん。
〔そばを過ぎて少しして、アナはくるり振り向いた。〕
木こりさんは、お兄ちゃんのからだと、会ったんですね。どんな、ふうでしたか?
[ゼルマはいつのまにか隣にいるベリエスを見て、心を強くしました。]
ホラントも可哀想に……それにしても寒くなってきたかしら。
[問わず語りにそう言うと、ぶるっと身を縮めました。
雷鳴が轟き、黒雲が迫っておりました。]
[あっさりと言われてしまい、困ったように笑いました。]
……亡くなられたのは、ホラントさんです。
そして……多分、噂は噂では……ないのですわ。
[ちいさく呟いて、籠に挿した花を見ます。]
えっ。
[老人の発した言葉にぎょっとしたのです。]
ベリエス、村の人を疑うって、何をいって、、、
[『ヒトニ、バケル、ケモノ』という言葉が頭の中に過ったのです。
そういうことだったのです。]
[羊飼いはとぼとぼと教会への道を歩いています。子羊が二匹、とことことその後をついていきます]
ああ、なんてこった。
[空に広がる黒雲のように、羊飼いの顔も暗いのでした]
む……そうじゃのう。これは一雨来そうかの?
ほれ、良かったら使いなさい。
[おじいさんは、自分の首に巻いていたマフラーをゼルマへ渡します]
まだ教会に来ていない者らが心配じゃ。雨に濡れなければ良いが……。
[沈んだ心に、雨の冷たさは響くことでしょう]
そばに……いた?
[木こりは今朝、ホラントの無残な姿を見つけたのです。
いったいいついたというのか、アナの言葉がわかりません。
後ろをのっしのしとついて行きながら顔を顰めます。]
オイラが見つけたのは地面の染みと、服の欠片と"壊された"ランタンだった。
……からだはもう、なかったさ。
[どこへ消えたのかは触れず、振り返る少女に答えます。]
人狼の恐ろしい所は、昼間は人間の振りをしている所じゃよ。
そしてもっと恐ろしい所は、ごく普通の真っ当な人間までもが、人狼ではないかと疑われることなのじゃ。
[おじいさんは言いましたが、ゼルマが驚いているのを見て、それ以上話すのをやめました]
脅かしてすまんかったのう。
わしはこの村の皆を信じとるよ。
[教会に着くと、羊飼いは帽子を取って、聖句を唱えました]
ああ、牧師さん、ベリエスさんにゼルマさんも、おいらホラントがって…聞いて……
ああ、なんてこったホラント。
なんだってこんなことになっちまったんだ?
[おいおいと羊飼いは泣きました。羊飼いの足下で、二匹の子羊もめえめえと悲し気に泣きました]
ホラント殿だって。
[旅人はびっくりしたように言いました。]
少し前に見た時は、元気に見えたというのに。
一体・・・
[旅人は言いかけたことばを途中で止めて、うつむいたドロテアを見つめます。
ドロテアのことばが、なんだか妙に説得力があるように聞こえたからです。]
人狼が、本当にいるというのか。
アルベリヒ……。
[声を詰まらせるアルベリヒを、おじいさんは気の毒そうな目で見詰めます]
まさか本当にこんな事が起きるとは……。
昨日の夜、きちんとホラントを見付けてやらなかったのが悪いんかのう……。
[そうして木こりは教会までは少女についていきました。
葬列には並ばず、離れた場所の影に立っています。
雨に濡れようとも、木こりは気にしません。
人狼の噂を聞いた人々をじっと見つめているのです。
ベリエスの想いと裏腹に木こりは人狼の影を探すのでした。**]
[ルイの疑問の声に、小さく、ちいさく頷きました。]
……亡くなったお母さまに、そう、聞かされていました。
わたくしのおばあさまは、『力』を人狼に知られて、たべられてしまったの、と。
[小さな声は、ぎりぎり、ルイに届くか届かないか、というくらいです。]
[しばらく涙を棺に注いでから、羊飼いは腫れた目を隠すように帽子を被って、ベリエスに向き直りました]
ホラントはいつも、あちこち一人でふらふらしていたからね。探そうったって見つからなかっただろうと思うよ。
それに、一緒に居たら一緒に…
[言葉を切って、羊飼いはぶるると身体を震わせました]
なあ、本当に人狼ってのがいるんだろうか?
[問いかけた声は、とっても小さく聞こえました]
[ベリエスが差し出してくれたマフラーを巻いても寒さは治まりません。]
ベリエス。ありがとう。そうね、信じることは大切よね。えぇ。
ルイさん、長いこと留守にしてごめんなさい。
アルベリヒ、あなたはいつも一人だから、無事で良かった。
『力』。
[小さな声を聞き取って、旅人は繰り返します。]
それは。
ホラント殿が言っていた、占い師とか、霊能者とか、いうものかな。
[たずね返す旅人の声も、自然と小さくなるのでした。]
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