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―元宿屋・階段に近い客室―
[窓から扉へと視線を移し部屋を出ようと歩む。
出てすぐの所にある階段の事を思うと躊躇うように足を止め]
一階にもお部屋があれば良いのに。
[ポツと零すのは階段が少し苦手だからか。
長い修道服の裾を摘み左足を見遣る。
怪我をしたのはライヒアルトが教会に来るよりも前の事。
ほっそりとした白い足首に残るのは大きな傷痕。
消えることのなかった其れは大きな怪我であった事が知れる。
手を離して何時も通り其れを隠し扉へと手を掛けた]
………。
[逃げられない。
口にしそうになった自らの思いに驚いたように瞬きをする。
昔と今が重なるのにその理由が分からずこてんと頸を傾げた]
[と。この家にてよくある日常の一つが自宅にて行われていたわけだが、本日は普段起きないことまで起きたのだ。
自衛団員が尋ねてくる。そこまではいい。こう見えて優秀な薬師の母のもとに自衛団の人間が尋ねてくるのはそれなりにあることだけども老灯台守殺害の『容疑者』というのは日常にないコースだ。
と。容疑をかけられている己が驚くよりも先に「うちの息子がそんなことするかー」とばかりに自衛団員その一を投げ飛ばし、薬師ゆえにか様々な人体構造を把握した拷問チックなものを仕掛けている母を前にして驚くよりも冷静になって、現実逃避していたのだが]
母さん。ストップ。違う意味で容疑者というか加害者になってきてるから
[と、…もう少し現実逃避していたい気持ちを抑え、周囲曰く、息子を溺愛すぎじゃないかと噂の母を宥める
こうしで自衛団員その二より発せられた救助依頼には成功した]
─元宿屋・広間─
[びく]
[微かな笑い声に反応して、恐る恐るエーリッヒを見上げる]
そ、……なん、ですか。
……え、っ
[爪が出ると聞いて、前足に視線を向けていた]
[不意に猫との距離が近くなる]
えっと、……は、はい。
[瞬いたところに託す旨の言葉]
[戸惑いを見せながらも、両手を白猫の脇の下へ通した]
え、……あ、ごめん、なさい。
ありがとう、ございま、す。
[ぬくもりを抱えながら、示された椅子を見る]
[意図に気づくのは少し遅れたが、頭を下げた]
─元宿屋・広間─
[年端もいかない少女を見ていると、どうしても弟妹達のことが思い出される。司祭様が自分から話すと言ったので、何も告げずに出てきてしまった。年上二人の不在に不安になっていたりはしないだろうか。姉のような人が同じようなことを思っているのは知らず、少しの間深翠を伏せた]
外も寒かったですから。
お茶も準備したりできそうですし。
[口元を押さえたブリジットに、表情を戻して小さく笑いかけた>>129]
まあ、そういうことなんでしょうね。
今ここに来て身上書を提出してるんだから、分からないかな?
[頷きながら、首を傾げる青年に肩を竦めてみせた]
呼ばれた理由なら、俺の方が聞きたい。
―二階廊下―
気を使う必要はないよ。もう済んだことだ。
[声には特別な感情などない。
少し口許に笑みを浮かべた]
……努力ねぇ。まぁ、顔は仕方ないからなぁ。
せっかくなら武器にしてしまえばいいものを。
[じっと顔を見詰めて、そんなことを言う。笑う]
そんなに反発するから余計に可愛いと言われるんじゃないかな。
何、変わらなくてもいいと思うけど。
[同じように奥へと向けて足を進めようとして、ふと近くの部屋から音が聞こえたよう。
そちらの扉へと目を向けて、ここは誰か使ってるのか、と脳内にメモをする。
一歩分くらい、足が遅れた]
─元宿屋・広間─
[扉が開くのはやりとりの最中か]
[エーリッヒの視線が動いたのを、何気なく追って]
え……また、教会、の人……
[修道士の姿に、小さく声を洩らした]
[祖母と共に教会に通っていたのは昼間のこと]
[故に共にいる黒い服の女性には殆ど覚えがなく、不安げにその様子を伺う]
― →元宿屋・広間―
[奥の部屋へと向かう二人とは入れ違いに廊下に出て階段を下りる。
上る時よりも慎重にそろりそろりと手摺りに頼りして
広間に行けば見知った顔がまた増えていた]
ブリジットさんに、……うそ、ラーイまで?
[驚きに丸くなる菫色の眸。
暫し言葉を失って呆然と立ち尽くす]
─元宿屋・広間─
いや、俺はいいんだ。理不尽でもまだ分かる。
でもなあ。
[エーファを見て、ブリジットを見てからエーリッヒに向き直る。
どう見ても女性陣と一まとめの勘定をしていた]
はい、こんにちは。エーファちゃん。
[祖母と共に礼拝に来ていた姿は今でも覚えている。少しでも不安を和らげられればと、微笑みながらエーファに挨拶した。>>137]
― 元宿・玄関→広間 ―
そーいや、部屋は勝手に使っていいんだよね?荷物置いときたいし。
[靴についた雪と土を軽く入り口で落としながら尋ねる。肯定の言葉が返ると、一拍間を空けてから、暖かな広間へ進んだ。]
…ふーん、コレについても不問なのな。
[途中小声でぽつりと呟き、触れるのは腰に下げたナイフ。
しっかりと鞘に収められ、止め具を外さなければ簡単に外れるものではないが、所持に制約が無い事に内心肩を竦めた。
そうして広間へと顔を出すと、そこには知った顔が少々。]
なんか…予想外のラインナップだね。よ、お疲れ。
[極軽い調子で広間に居た者らに笑んだ。
その中にブリジットの姿を見つけると視線を止めて、ひらと手を振った。]
よー。お嬢ホントに居たんだなぁ…。
[しみじみ呟いた。]
いえ、その日は母は急病の患者さんのもとにいってて家には俺一人でしたし…証明できる人…いないですね。
[普段から馴染みがあるゆえにか母に逆らえない自衛団員は...を盾にするように事情聴取。ちなみに自衛団員その一は気絶している。いいのかな?いいのだろう。
そして連行らしいのだが]
……なんで頼まれなきゃならんのだ
[母からの圧力なのだろう。きっと。容疑者の俺にほぼ懇願するようにいわれた。
まあそれでも退かない辺りは事件を重く見ているのか何かなのだろう。確かにこんな小さな村で人が死ねば神経質にもなるだろう]
まあ…いいけどよ…。
[獣に襲われたような傷でなんで人を疑うのかと思いながら、続く身上書にも、はいはいという態度で応じてペンを走らせた]
─元宿屋・広間─
孝行不足の罰がこれって、どんだけ厳しいんだ。
団長さんは普段から考えが読み難い人だけれど。
[エーリッヒのため息に緩く首を振る。>>139
別の声が聞こえて階段の方を見た。>>138]
ナータ……。
まあ、遅くまで起きてた日、だったから。
[困ったような顔で苦笑しながら頷いた]
─二階廊下─
[済んだ事と言うゲルダ>>136に、オレは少し眉尻を下げた。
当人が良いと言うのだから、その通りにすればいいのかも知れないけれど]
……武器にしてどうしろってんだよ、ったく。
反発したくもなるっての。
オレは可愛いと言われたいわけじゃねーんだから。
[顔の事を言われて、拗ねるような表情になった。
各所で言われ続けて、逆に利用してやろうかと思ったこともあったけど、やっぱり止めたこともあった。
それをやったら負けな気がしたから]
んで、ゲルダ。どっちの部屋にするんだ?
[一歩分遅れたゲルダを振り返りながら、奥の部屋を示した。
廊下を挟んで左右に部屋がある。
訊ねながら、オレはどこにするかな、と廊下に並ぶ部屋を一回*見回した*]
──────
■名前:ゼルギウス・エイブラハム (Sergius・Abraham)
■年齢:二十歳
■職業:薬師見習い
■経歴:物心つく頃から村に住んでおり薬師の母の下薬師の勉強中、外部へと薬を得るために村をでることはちょくちょくあるが基本的に村で過ごしている。
母(エステル)は元々村の人間で、村外にいたときに父と出会ったが、既になくなったと聞いており、村へと戻ってきたときは母と自分だけだったらしい。
親子仲はよいというか溺愛されているのはある意味有名。
────――
はい、んじゃこれでよろしく。
[と身上書を自衛団員に渡し、さすがにこの格好ではいきたくないので上に纏っていたドレスやリボンを置いて、荷物を纏め…ある意味炸裂している母を宥めるという難事を潜り抜け自衛団員に連れられるままに歩きだした]
─ →元宿屋―
―元宿屋・広間―
[ブリジットの声>>142にはっとして]
お恥ずかしながら自衛団の方に呼ばれて参りました。
[彼女に向けるのは曖昧な微笑み。
神に仕える身でありながらこんな事態になったことを
言葉どおり恥じているらしい]
あ、あの……、
様、なんてつけられる身分ではありませんし
その呼ばれ方は落ち着きませんから……
普通に接して下さいませんか、ブリジットさん。
[そわりとした様子でそんな言葉を付け足した]
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