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[気をつけていないと聞き逃しそうなラッセルの声を聞き取って、なるほど、と言うように頷いて]
それじゃしょうがねぇか。
でも、ここの食事は楽しみなんだぜ?ラッセルの作る野菜は旨いからさ。
[野菜の出来がいいのは事実だったからそう伝える。
少しは緊張が解けるといいとも思って。
そうして、またどこか慌てたようなセシリアには、驚かせない程度に笑顔を見せて]
そうかい?ならいいんだけど、俺も一言多い時があるからさ。
言われて気になったら言ってくれな?客商売だから欠点とか直したいし。
[最後のは半分真面目な話]
―廊下―
[使用人と別れる様子を眺めているとこちらに気づき声をかけられた。
微かに笑いかけながら窓の外を指差す。指の示す先は墓のある方向だった。
自分が小さい時からこの屋敷にやってきてずっといるユージーンとは屋敷の住人の中でも接するのが気安いほうだった]
…おはか……
[小さな声を漏らし手を胸の前にそっとやる仕草。祈っていたと伝えたかった]
[ギルバートの呼びかけには笑って頷く]
うむ、それで構わぬ。
確かに我の国はそういうものにうるさい者は多くいるでござるよ。特に身分が高くなればなるほどそういうことに拘るようになるであろうな。
我は変わり者ゆえ、そういうもの気にしてないでござるよ。
[と、そこへ運ばれてきた料理に目を丸くして]
・・・これはすごい。見ず知らずの我にここまでしてくれるとは、この屋敷の主殿は随分器の大きな方なのであろうな。
遠慮無くご馳走にならせていただこうか。
童っぱも食べるといい、これは滅多には食べられぬ料理であろうよ。
[すでに席についているであろうトビーに声を掛け、自分も席につく事にした]
─広間─
[早々にテーブルに移動したのは少なかっただろうか。
端の席に座れば少しは楽かと考え、立ち上がり移動を開始する。
途中、ギルバートの言葉が聞こえると、少しだけ視線を彷徨わせた後]
……うん。
[賛辞に対して小さく頷いた。
その表情は少しだけ、嬉しそうに見えたかも知れない]
[食事のテーブルへと近付くと、一番端の席へと座り。
他と眼を合わせないようにしながら一人食事を開始した]
ヴォルフェ…………ああ!
ヴォルフェ氏のお嬢さんか。
[ようやく重なったのは、まだセシリアが幼かった時の顔。
ヴォルフェを訪ねた時に、その後ろを付いてまわっていた少女の姿が思い出される。]
ああ、そうだそうだ、思い出した。この髪の色、ヴォルフェ氏が母親と同じとか言って自慢していたな。
久しぶりだな。もうずいぶん会っていないし、土地も違うし、ずいぶん綺麗になったから見違えたよ。
大きくなったなぁ…会うのは何年ぶりだったかな。
俺の事は覚えてない、かな。
ヴォルフェ氏とは昔、人狼の事についてよく話をしに、家を訪れた事があったんだけど。
何て言ったかな…そうだ、『ウールヴヘジンの左手』だっけ、あの本の事でもよく相談をしたりしていたんだけど。
[そう、記憶をたどれるように色々と言葉にしながら、セシリアに話しかけた。]
[また窓の外に目をやって、先程より荒れた様子に溜息一つ。
そうしてハーヴェイの言葉に返すように]
雨上がりの吊り橋とか勘弁して欲しいんだけどなぁ。
帰りだから荷物がないだけましだけどさ。
って、小言って、俺もうそんな歳じゃないって。
…帰ったら仕事が増えるのは確実だろうけど。
[帰ってからの事を考えたか、やれやれと言う表情を浮かべて]
棘より、かぁ…女って怖いもんだなぁ…気をつけよう。
[冗談めかしたキャロルの反応に返すのは、どこか本音が混じった言葉。
心当たりがあるのかもしれない]
[墓守は養女の指差した方向を見る。
次いで、小さな声も聞き逃すことは無い]
嗚呼、御両親のところへ。
[墓守ももう一つの墓の存在は知っていた。
祈りの仕草をする少女に改めて視線を向け、頷いて理解を示した]
外は随分荒れているようですけれど、大丈夫でしたか。
[その後に、その身を案じる言葉を投げる]
―客室―
『アーヴァイン様は落ち着かれてからお話をと。
お加減がよろしければ広間で他の皆様とお食事になさいますか』
…大丈夫。
ええ、其方で戴きますわ。
[晩餐途中で抜け出して丸一昼夜飲まず食わず。
空腹も思い出して頷いた]
『それではご案内いたしましょう』
[先導されながら部屋を出て広間へ向かい廊下を歩く]
─広間─
棘やら何やらを出されないためにも、女心の読み方は身につけた方がいいんじゃないかしらね?
[妙な現実味を帯びて聞こえるギルバートの言葉にたのしげに笑いつつ、テーブルにつく]
……これだけ人が集まる席、というのも、久しぶりね。
[ふと、零れたのはこんな呟き]
……(こくり
[御両親のと言われて頷き]
あめ…きた……から……。
[雨が強くなりそうな時はいつも祈るようにしている。
その習慣はきっとユージーンなら知っているだろう。
心配をする様子と言葉に笑みを浮かべて]
だい…じょぶ……。
[微かに囁くような声で答える]
[テーブルマナーとかはわからないし、フォークとナイフの使い方もわからないから、取れそうなものに手を伸ばす。
ラッセルが先に手をつけているのを見て、料理に触れるのはぎりぎり踏みとどまったよう。
じーっとラッセルの食事の様子を見ている。]
うっかり滑る危険もあるしな。
まぁロープ掴んで注意して渡るしかないんだろうな。
[ギルバートの、そんな歳でない、にはくっくっと笑って。]
悪い悪い。おっさんの感傷だと思って聞き流してくれ。
[実際はそんな歳ではないのだが。自身の事をやや年寄りめかして笑いながら言った。
仕事が増えると嘆くギルバートに。]
その分、ここでたっぷり楽して帰ればいいさ。
ほら、夕飯は美味そうだ。
[そう言い、並べられた食事を目で指して。
呟かれた言葉には、何も言わずに楽しげに笑むだけだった。]
[ハーヴェイに釣られるように、おぼろげながらかつて父をたずねてきた人物が記憶の片隅に浮かび上がる]
たしか……冬……そう、雪が酷かったときに!
お久しぶりです、まさかこんなところで父のお知り合いに会えるなんて…。
[父はセシリアを部屋から出して来訪者と長い時間難しい話をしていたのだ。
雪が酷いため外に出られず、自室にこもって寂しい思いをしていたことを覚えている。
その後3人で食事をして、拗ねる自分に小さなチョコレートをくれたような気がする]
あの、父の行方をしりませんか!?
数年前に急にいなくなってしまって……。
それでわたし、父の著書を探せば何か手がかりがつかめるんじゃないかって…それで、ここまで…!
父は、父は人狼の研究を…?
─広間─
[黙々と、少しずつ料理を食べ進める。
自分が育てた作物が使われた料理を食べ、ほんの少し満足げに口端を持ち上げた]
………?
[食べ続けていると視線を感じ、ついそちらを見てしまった。
じっと見つめて来る少年が目に入り、途端に落ち着かない様相になる。
何故見られているのかが分からず、見られていると言う事実から頭がパニックを起こし始める。
料理を食べ進めていた手も止まってしまった]
[食事の用意が出来たのに気付けばテーブルへと移動して]
これこれ、これが楽しみなんだよな。
[並んだ料理と、少しだけ嬉しそうな表情を見せたラッセルに気をよくして食事を始める。
そうして聞こえてきたマンジローの声に「へぇ」と小さく声を上げて]
やっぱりそういう物なのか。
でも、マンジローさんが変わってるようには見えないけどなぁ。
国が違うとそういうのも違うのかな。
[もきゅもきゅ。
話しながら手も動かして、行儀が悪いと怒られそうでもあるが]
ほら、えっと、トビーもいっぱい食えよな?
育ち盛りなんだから。
[言いながら、トビーの皿に料理を追加しているかもしれない]
ああ…そうだな。
ならめいっぱい、ここで食べて帰っておいで。
[トビーの大人びた、というよりは、悟ったような言葉にはやや胸を打つものがあるが。
とはいえ何をしてやれるほどの人間ではない。自分は、アーヴァインとは違うのだから。
代わりに、時折チョコレートを差し出すくらいはできるだろうかと。
そう思いながら、テーブルに近づき皿に手を伸ばすトビーの背を見ていた。]
―広間―
[じーっと見てたら動きが変になった。
不思議だと思ったから、料理に伸ばしてた手を引っ込めて。]
手、駄目?
[ラッセルのように食べるべきか、と視線で尋ねる。ナイフとかフォークとかにも目を移して。
と、お皿にギルバートがよそってくれて、嬉しくなって笑った。]
うん、ありがとう!
でも、育ち盛りじゃないよ。
[しかし手掴み以外の食べ方はわからないので、料理を見たり、ラッセルを見たり、ギルバートを見たりしている。
どうしよう、って顔で。]
それなら良いですが。
御主人が心配されますから、風邪など召されないように。
[微笑と共に頷いた後で、一応軽い忠告もする。
立場もある為か、墓守は外に出ること自体を責めはしない]
冷えたでしょう。
広間に行かれては如何ですか。
[それから再びそう勧める。
それとも浴室が先だろうかと、そちらの方向を見たりもしつつ]
[この国での生活もそこそこ長いため、一応ナイフとフォークの使い方は心得ているのだが、やはり使い慣れたものの方がいいらしい。懐から小さな箱を出し、中に納められた2本の棒を取り出す。]
さて、では我もご相伴に預からせていただこう。
[キョロキョロと周りを見ているトビーに気付き]
どうした、童っぱ?
お主のナイフとフォークはそこにあるであろう。それともお主も箸を使うか?
そうする。
ありがとうございます、ハーヴェイさん。
[元より幸運はその場でつかむもの。
ハーヴェイが何を思ったのかなんて、関係はない。
発育が悪い体は、多分かなり小さいから、それを利用して生きることにも悪いとは思っていないのだから。
チョコを渡されたら、喜んで受け取るのは間違いないけれど。]
[病み上がりなのでその言葉には申し訳なさそうな表情を浮かべる。]
…(ぺこり
[頭を下げて広間の話が出れば、
じっとユージーンを見てから考えるのは常のこと、今日もユージーンは後で食べるのだろうと思い。]
さき……たべる……
[浮かべたのは少し申し訳なさそうな表情。言葉には風呂に向いた視線に対してのものか、ユージーンが食事を遅らせることに関してか。
再度頭を下げてから広間に向かうことにした]
─広間─
ぅ、ぇ……ぁ……。
[少年──トビーから視線を外せないで居ると、不意に訊ねられて身体が強張る。
何か訊ねられたらしいが、その内容が頭に入って来なくて。
戸惑いの雰囲気を纏い視線を彷徨わせた]
フォーク?
ナイフ?
はし?
[マンジローの言葉を繰り返す。
なんとなく、置かれてるこれのことかなと、視線を向けたけれど、使い方がわかるわけもない。
窓の外から食卓を覗いたこともないのだから、当然といえば当然で。]
……?
[やっぱり食べてる人たちを見た。恐る恐る、掴んでみる。ぐーの手で。]
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