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ここに来た時、
お前は死ぬ奴に見えなかった。
お前に対する愛着はあったか。
[内側に篭る冷たい熱に促された独白。]
お前の名の元、母が殺されたこと。
[伏せた事のひとつ。
夜盗達が語った名前。
邸に来た当初、
男はアーヴァインが母を殺したと思っていた。
今は如何であるか。今この場では語られないが、
少なくとも、真実を確かめる事はしていない。]
お前を殺したのは、
今聞こえている声の奴じゃない。
[聞こえた赤い声は戸惑いを帯びていた。
自分以外に人狼が居る事に最初気づいていなかった。
その言葉を漏らさない人狼は、
一人でアーヴァインを襲ったのだ。]
― 広間 ―
ありがとう、ございます。
おねえさま。
ごめんなさい。
[まだ鼻をすんすんと言わせながら、謝罪して。
ウェンディは、少し、微笑むようにした。
すぐにそんな表情は崩れてしまったけれど。
一度うつむいてから、顔をあげて、室内の人たちを見る]
人狼、なん、ですね。
……だって。
[首がふると横に振られる]
おかあさまと、おとうさまと、同じようだったから。
[決して誰にも言わなかったこと。
嘘をつき続けていたことを口にするのに、躊躇がなかったわけではない。
それは言いよどんだことからも明らかだった]
リックは、病気で死んだって、思ってるんです。
わたしは、覚えてる。
でも、リックに思い出してほしくないから。
[何も言わなかったのだと、小さくつぶやいて]
アーヴァインおじさまと、おなじ、だった。
[ふると震えて、うつむいて。
泣いた目は腫れているけれど、また涙をあふれさせてゆく。
片手でごしごしと拭った後で、オードリーを見つめた]
おねえさま、あの。
……しおり、もってきます。
貰って、いただけますか。
― 回想・昨夜のこと ―
[ネリーが訪ねてきたときは、まだ寝入る前。
嵐のような風の音にまぎれて聞こえるノックに、ドアを開けたのは、人がいたらまぎれると思ったから。
翌日にはそういう行為ができなくなるとわかっていなかったから]
ネリーおねえさま!
何も問題ない、ですけど…!
でも、…その。
なんでもない、です。レディだもの。
[つん、とちょっと強がってみるけれど。
怖い、というのは表情に出てしまっていただろう。
だから、少しお話をして。
それだけで恐怖は和らいで。
ほっと、眠りにつくことができるようになったのだった]
[オードリーの答えが是なら、部屋に取りに戻ることになる。
一人でいるのは不安だけれど。
何人かでまとまっているのも不安で。
誰かついてくるときいても、ふると首を横に振った。
部屋に戻ると、バスケットの中からしおりを取り出す。
緑の葉。赤い実。
ひいらぎの木。
今はリックも覚えていない、ウェンディのセカンドネームの木。
首から下がった小瓶の中にも、その葉と実が入っているのは、少女だけが知っている。
その意味も]
[鏡の前で、その小瓶を取り出して。
少し悩んだけれど、しおりを、しっかりとつかんだ。
広間に戻ると、先に、オードリーにそれを渡す。
そうして、ヒューバートの言葉に困ったように眉を寄せた。
食べたいと思うものがないけれど。
どうしたらいいだろうというように、周りの人たちを見まわした。
なるべく同じものを食べようとするけれど、元々多くなかった量は、昨日よりずいぶんと少なくなることだろう。
吊り橋が燃えたことを聞くと、ふるふると震えるのを、止められなかった**]
─ →厨房 ─
[赤みが無いものを>>147、と言う食事のリクエストを聞き、承諾の一礼を向けてから厨房へと入る。
魚はともかく、肉は使えない。
また、料理長のように凝ったものは作れない。
そのため、簡単に摘めるような軽いものを作ることになった]
保存可能なものを作るのも手でしょうかね。
[使う食材は野菜中心。
赤を連想するものが使えないとなると、人参やトマトは除外される。
あれこれ試行錯誤して、腹持ちの良いジャガイモを中心に作ることにした。
ジャガイモからはポテトサラダとヴィシソワーズ、それに加えてチーズ・スクランブルエッグ・ナスのガーリック炒めをそれぞれ載せたカナッペを作り。
ヴィシソワーズは大きめのガラス製ボウルに、それ以外は大皿に載せて、各自で好きな量を取れるようにした]
─ →広間 ─
[用意した料理をダイニングテーブルへと並べ、取り皿等をその横に用意する]
お待たせ致しました。
お手数ではございますが、お食事は各自ご自由に取り分けてお召し上がりください。
珈琲、紅茶等をご所望の方はお申し付けくださいませ。
[広間に居る者に一礼すると、しばらくは広間の片隅に立ち。
希望されることの対応を行った後に再び厨房へと戻って行った。
それからまたしばらくは使用した調理器具の片付けを行っている]
― 廊下 ―
[外での仕事が多いグレンとは、たまに話をする程度で。
それでも、穏やかならぬ口調ははじめてきいた気がした。
アーヴァインの死とつり橋については知っていると答え]
ソフィーなら、広間にいる。
他の客もほとんど広間だったな。
[誰がいたのか、名前を問われればウェンディたちの名前をつげて]
そっちには?
……ヒューバートとハーヴェイってのがいってたのか……
[グレンから返事を聞いて頷き。
埋葬のために庭に向かうというのを見送って、広間へと足を向けた]
─ 回想・昨夜 ─
[夜更け。
ウェンディの部屋に訪れると、まだ彼女は起きていて。
失礼します、と中に入った。
ネリーおねえさま、と言われると、少し困ったように笑ってネリーでいいですよ、と返し。
こちらの問いかけに対して、レディだから怖くないという少女に、微笑ましさを感じながら笑みを向ける。]
ウェンディ様はお強いですね。
私がお邪魔させて頂いたのは、怖かったのでどなたかとお話したかったからなんです。
申し訳ありませんが、しばらくお話にお付き合い下さいませんか?
[そうお願いして、ウェンディと少しの間他愛ない話をして。
眠たそうな様子が見えた頃、ウェンディの部屋を出て自室へと戻った。]
─ 広間 ─
[ニーナの問い>>112に対するソフィーの声>>117を聞き、ぎゅ、と自分の手を握る。
獣に裂かれたような、という言葉には、どうしてそんな傷が、と不思議に思ったが。]
人、狼?
[ケネスが続けて言った言葉>>118に、目を丸くする。
人狼。聞いたことはある。
母親が寝る前にしてくれた御伽噺とか、使用人同士の噂話の中で。
でもそれは、どれも此処ではないどこかの話で、現実味は無かった。
けれど、人狼がいるものだという前提で冷静に話している様子のケネスやオードリーを疑うという選択肢は無く。
ただ、ひとつだけ。]
…どうして、おじちゃん、が。
[何故主が襲われたのだろうと、震える声で口にする。
主の呼び名は幼い頃のそれになっていた。
小さなその呟きは、側にいて肩を抱いてくれていたオードリーくらいにしか届かなかっただろう。]
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