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それはまだ、始まりの前でした。
始まる前の、ささやかな日常。
おや、盲目 テレーズ が来たようです。
森に囲まれたその村には、とある『魔』が住んでいた。
『人』と共にある事を望むその『魔』は異端の存在で。
とても強い力を持つが故に──秘かに隠れ住む事は、やがて叶わなくなり。
『人』を、村を愛する『魔』は、自ら封じられるを望み。
陽と月の重なるその日、聖なる泉の底へと自らを封じた。
──ずっと昔、世界の平和を望み、祈り続けた『祈り子』が、護ろうとした『人』に追われ身を投げた泉。
決して枯れぬ、睡蓮の咲くその場所へ。
『人』を慈しみ、眠りについた『魔』と。
『人』を護ろうとして叶わず、身を投げた『祈り子』と。
近しくも相反する想いは、睡蓮の下に等しく眠り、森に囲まれた小さな村をずっと、護り続けて。
──けれど。
ある日、長く続いた平穏は、破られる。
陽と月が重なる日──『蝕』の訪れし、その日に。
聖なる泉にかけられし封──『魔』と『祈り子』を眠らせていたそれは何者かによって破られ、そして──。
──流れる風が、水面を揺らす。
──枯れぬ睡蓮の花弁も揺れる。
──深い、ふかい、泉の底。
──眠れるものは、何、思う?
おや、童話作家 ポラリス が来たようです。
─ 広場 ─
…う〜〜〜〜ん
[広場の片隅にある木陰に腰を下ろし、難しい顔で唸る女性が一人。
手には筆記用具と筆記帳、いくらかの文字の羅列と大雑把な絵が描かれている]
お話が浮かばないよぅ…。
[溜息をついて首を折ると、女性──ポラリスは額を膝へとくっつけた。
童話作成を生業とするポラリスに度々起こるこの現象。
人はそれをスランプと*呼ぶ*]
おや、旧家の子供 エリィゼ が来たようです。
― 自宅 ―
[とある家の台所で、少女がせっせと洗い物をしている
お皿の最後の一枚を洗い終えて、丁寧に水切り籠に納めて、大きく息を吐いた]
ねえ、ママ
今日の分のお手伝いはもう終わったよね?
お外に遊びに行ってもいいでしょ?
お皿だって、今日は割らなかったもん。
[変なところを自慢げに強調して、少女は母親に問う
元々「遊びに行く前に手伝え」と言った以上、それが当然と胸を張って
母親が「約束だから」と頷けば、ぱぁ、っと表情を明るくして]
わぁ、ありがとうママ。
[そう言って、一度母親に抱きついてから、いそいそと外へ駆け出す
その背中に、幾つかいつもの注意が届けば振り向いて]
分かってるもん、泉の祭壇には近付くな、でしょ?
毎日言われなくても覚えてるもん、忘れないもん、そんな子供じゃないもん。
[ぷくー、っと頬を膨らませて拗ねて見せた。
十分子供である]
あとは、暗くなる前に帰ってくることと、危ないことはしないこと。
でしょ?
[指を折って数えながらそう確認して]
大丈夫だもん、リィ、危ないことなんかしないもん。
それじゃ、いってきまーす!
[そう言い残して、たったかと外へ
誰かに出会うことがあれば、人懐っこい笑みで挨拶をする*だろう*]
おや、薬草摘み ソーヤ が来たようです。
─ 森の中 ─
……えーと、確かあれはこの辺りに、と。
[がさがさごそごそ。
そんな感じで、茂みが揺れる。
一見すると雑なようで、その実、木々を枝葉を傷つけぬ手つきは慣れたもの]
……ん、あったあった。
って、ちょっと育ちがよくねぇな……もう少し、置いておくか。
[ようやく見つけた目当ての草は、摘み取るには少しだけ早いよう]
ま、急ぎってわけでもないし。
[そんな風に結論付け、押しのけた茂みを元に戻してから立ち上がる。
ん、と言いつつ腕を上げて身体を伸ばせば、頭上でばさり、羽ばたきの音が響いた。
見上げた先には、白の羽毛と黒の翼を持つ鳥の影]
クレー、移動するぜー。
[そちらへ向けて呼びかけた後、青年は次の薬草を探して歩き出す。**]
おや、本屋 クレイグ が来たようです。
― 本屋 ―
[小さな村の小さな本屋。
元より少ない客足も途絶え、更に今は丁度良い具合に陽が差し込んでくる時間帯。
となれば]
……。
[店番がついつい居眠りしてしまうのも、仕方のない事だった**]
― →広場 ―
[家から出て、まず向かうのは広場
途中で会う人たちにはちゃんと挨拶をして
広場について、誰かいないか、ときょろきょろ見回して
片隅の木陰、座り込む姿が目に留まる]
あ、ポラリスお姉ちゃんだ。
[いつも素敵なお話を聞かせてくれる人、と言う認識が少女にはあったのだけど
今、彼女はなんとなく元気がなさそうで、とてて、と側に近寄って]
ポラリスお姉ちゃん、何かあったですか?
[驚かせないように、そっと声を掛けてみた
暫くして気付かないようなら、そのまま立ち去るだろうけど*]
― 広場 ―
[声を掛けて、ほんの少しだけ見えた困った表情>>8に、声を掛けちゃいけなかったかな?とほんの少しだけ思ったけれど
苦笑と共に落ちた言葉には興味津々と言う表情を向けて]
新しいお話考えてる所だった、の?
リィ、ポラリスお姉ちゃんの作るお話、とっても好き。
楽しくって、優しくって、んと、きれいなんだもん。
[子供なりの言葉で気持ちを伝えてにっこりと笑う
スランプ、とか、そういうものは知らないから、真っ直ぐに楽しみと言う気持ちで]
新しい本が出来たら、クレイグお兄ちゃんのお店にもおいてくれる、よね。
お兄ちゃん、いつも暇そうなんだもん。
[この村の小さな本屋でいつも店番をいている青年を思いだして、余計なお世話ともいえることをぽつり]
─ 森の中 ─
[物心ついた頃から歩き回っているから、森の中は勝手知ったるもの。
そんな慣れもあって、ついつい奥まで踏み込む事は日常茶飯事で]
……っと。
[進んでいた足が止まる。
耳に届くのは、澄んだ水音]
あいっかわらず、綺麗な音だよなあ。
[そんな呟きをもらして、目の前の茂みをかき分ける。
目に入るのは、睡蓮の咲く泉と、その奥の祭壇。
近づきすぎてはいけない場所だから、これ以上踏み込む事はないけれど]
……枯れない睡蓮、かぁ。
[ここに来るたびに目を引かれるのは、伝承の花。
それは、水面で静かに揺れて、いろを映している]
見た目は、普通なのに。
なーんで、枯れねぇんだろ。
[小さく呟けば、肩の上に陣取っていた相棒が、さあね、と言わんばかりにキョ、キョ、と甲高く鳴く。
合わせるように風が吹き抜け、水面の睡蓮を揺らし、波紋を広げた]
って、誰かに見つかるとやべーし。
そろそろ、戻るかあ。
[広がる波紋が消え失せるまで水面を見つめた後、くるり、踵を返して歩き出す]
─ 広場 ─
ふふ、ありがとう。
[一生懸命に伝えてくるエリィゼ>>9に、ポラリスの表情も苦笑から喜びのものへと変わる。
楽しみにしてくれている子が居ると言うのは、何ものにも代え難いものだった。
とは言え、直ぐに案が出てくるわけでもなかったけれど]
そうね、置いてくれると嬉しいわ。
[クレイグの話になると、はっきりと言われた言葉に思わずクスリと笑ってしまう。
この小さな村では利用者も限られてしまうだろう本屋。
暇なのも仕方が無いと言えば仕方がないのだけれど、小さな読者には際立って見えてしまうらしい]
新しい本を出したら、お店が忙しくなっちゃうかしら?
[ポラリスは冗談めいた口調で笑って言った]
― 広場 ―
ん、リィ、楽しみにしてるから、ゆっくり考えてすてきなお話を作ってね。
[にっこりと笑って、今度は、と言っていたから急がせるつもりはない、と子供心に思って
クレイグの話に笑いが零れたなら、少しだけ真剣に]
だって、そういう時じゃないと、リィが本屋さんに行く用なんてないんだもん。
[ぽつり、と落として
もうちょっと大きくなったら、普通にお客さんとして遊びにいけるのに、とか思っているのは内緒だけど
だけど、冗談めかした声にはすぐに笑って]
忙しくなったら、クレイグお兄ちゃん困る、かな?
「ゆっくりできないー」って。
[もっとも、ゆっくり出来なくなるほどこの村で忙しくなるか、と言えば、そうはならないのも知っていたけれど]
─ 広場 ─
うん、頑張るね。
[小さな読者の応援>>13は活力をくれる。
自分の童話を待ち望んでくれる人が居ることが分かるのはとても貴重だと思う。
大切なものをしっかり心に留めながら、エリィゼに微笑み返した]
あら、本を買う時だけじゃなくても遊びに行っても良いと思うわ?
こんな本が読みたいとか、希望を伝えに行っても良いと思うの。
お話もすれば、クレイグも暇を持て余すことが無くなるわ。
[クレイグ当人がそのことをどう思うかは分からないけれど、ポラリスはそんなことをしても良いと考えている。
それを実行に移していることも度々だ]
ふふ、お店が繁盛するのは良いことだと思うけれど…。
あまり忙しすぎると、大変、って思うかもしれないわね。
[街で見た本屋の様子とクレイグを重ねてしまい、想像して思わず笑ってしまった]
おや、医者 ヒューゴ が来たようです。
─ 診療所 ─
[その診療所は、森近くに建っている。
小さな村で、たまに来る患者も大抵怪我だとか風邪程度。
だから普段から閑古鳥が鳴っているのだが]
腹が痛い?
また食いすぎか、いい加減自分の食える量を弁えろ。
消化薬は出しておくが、次は承知せんぞ。
[診療所の主の愛想の無さも、患者の少ない理由の一つ、かもしれない**]
─ 森の中→診療所 ─
[森を抜け、ひょこりと出てくるのは診療所の近く]
……あ、そーだ。
薬、足りてるか聞いてこい、って言われてたっけ。
[出がけに言われた事を思い出して小さく呟き、そのまま歩みを診療所へ向け]
ヒューにぃ……じゃなかった、せんせー、いるー?
[うっかり子供の頃からの呼び方をして、慌てて訂正したりしつつ。
扉を叩いて呼びかけた。**]
― 広場 ―
[頑張る、と言う声>>14に頷いて笑う
村から出た事がない少女にとって、お話の世界は外の世界を感じさせてくれるものだったから、お話を作ってくれるポラリスは特別で。
そして、それを扱う本屋とそこにいるクレイグも少女にとっては特別な物、らしい]
う、そう、なのかな?
お話だけしに行っても、迷惑じゃないかな?
あ、どんなお話がおもしろいか聞いてみるのもいい、かも。
[お仕事の邪魔にならないか、と少し考えて、それでも、本屋を訪れる理由になるなら、自然とどこか楽しげに
とはいえ、まだまだ難しい本は読めないから、そう何度も使えない手だろうけれど]
たまには、大変って思う時があってもいい、と思うけど。
忙しくても暇でも、お店から出てこないからなー、クレイグお兄ちゃん。
[じっさい、のんびりしている所以外あまり見たことがないから、忙しそうな彼を想像して、やっぱりちょっと似合わない、かも、と思ったとか
どうしてクレイグをそこまで気にするのかは、少女自身は分かってないけれど**]
─ 広場 ─
うーん、長居するんじゃなければ、そんなに迷惑になるとは思わないけれど。
[こればかりは当人に聞かなければ分からないこと。
エリィゼの疑問>>17にポラリスは手を頬に当てて首を傾げた]
そうね、童話以外にも読めるものがあるかもしれないし、聞いてみるのも良いと思うわ。
[思いついたような言葉には頷いてみせて同意を示す]
ふふ、あの場所が定位置よね、クレイグって。
[良く居眠りをしているところを思い出して、クスクスと楽しげに笑った]
そうだわ、折角だし一緒に行ってみる?
私も少し用事があるし。
[エリィゼにそう提案し、ポラリスは木陰から立ち上がる。
ふわりとワンピースの裾を揺らしながら、後ろの辺りを軽く*払った*]
おや、用心棒 アルビーネ が来たようです。
[覚えているのは泉の澄んだ水音。
それから清楚なる睡蓮の花の芳香。
十二年前、その場所に倒れていた娘は
それ以前の記憶を一切有してはいない。
自分の事も何一つ覚えていない。
家族があったのかさえわからない。
名前さえも記憶になく真っ白な状態で目覚めたけれど
身につけていたペンダントに刻まれた名を己のものとし
この村で住まうようになってからはアルビーネと名乗っている**]
― 広場 ―
そう、かなぁ…
[暇そう、とはいえ仕事中と言う事を考えるとやはり少し躊躇うような仕草
だけど、その先の言葉に同意を得られたなら>>18、少しだけ表情を明るくして]
本の事を聞くんだから、クレイグお兄ちゃんの仕事になる、よね?
うん、お兄ちゃんがあそこに居ないほうが不思議な気がする。
[と、確認するように訊いて、定位置、と言う言葉には一緒になって笑って
一緒に、と言う提案には少し考えて]
いいの?
ポラリスお姉ちゃん、ご用があるなら邪魔にならないかな?
[とは言ってみるものの、やはり興味には勝てなくて、結局、一緒について行くことにする
ポラリスが用があるなら、それが終わるまでは大人しく待っている、つもり*]
─ 診療所 ─
[子供の頃から知っている相手から先生と呼ばれる事に面映いものを感じる時期も過ぎたし、自分を呼んでいると解りさえすれば良いから、と。
訂正される呼びかけは特に気に留めず、中へと促す]
今日はどうした。
怪我か、在庫の確認か。
[薬草摘みと自称する薬師見習いに問いかけ、用件が後者と聞けばメモを差し出して]
今足りないのはこれとこれだ。
それと、交換を頼む。
[いざと言う時に使えないのは困るから、麻酔など普段使うことの少ない薬は効果が薄れる度に薬師に破棄を頼み新たに補充してもらうのが常のことになっている。
今回は、作用の軽い鎮痛薬二種の補充と、麻酔薬の交換を頼んだ**]
― 本屋 ―
……ぅ。
[カウンターに突っ伏した姿勢から、もぞりと顔を上げた。
瞬き数度]
……誰も来てない、な。
よし、セーフ。
[何がセーフだ、という突っ込みは入らなかった。そもそも今店に居るのはクレイグ一人である。
とりあえず口許を拭って、きちんと椅子に座り直すが、それも何分保つ事やら。
きっと誰かが訪ねてくる頃には、またうとうとしている事だろう]
─ →本屋 ─
[通い慣れた本屋の扉を開く]
こんにちは。
クレイグ、起きてる?
[挨拶といつもの声かけを口にして、定位置に居るクレイグを見遣り、カウンターへと歩み寄った]
おや、青年 クレム が来たようです。
― テレーズ宅 ―
読み返してみる?いいの?
...うん、わかった。
じゃあ、後で郵便屋に届けておくよ。
いやだな、ほんのちょっとの距離じゃないか、いくら僕がひ弱でも、倒れたりしないよ。
じゃあ、行ってくるね。
[微笑んで家を出たけれど、ここ数日当たっていなかった外の風に触れると、殊更に冷たく感じる]
ケホ...
[咳き込みそうになって、慌てて口を押さえた]
……ん、りょーかい。
あ、こっちの鎮痛剤、ちょっと時間かかるかも。
もう二、三日しないと、採れそうにないんだ。
[採れそうにないのが何か、は言わずもがなか。
肩から下げた籠の中からは、蓋をしていてもわかる薬草の香が漂っているし、何より服のあちこちに汚れやら枯草やらがくっついているわけで。
採取の帰りなのは、一目瞭然]
あんまり急かしちゃうと、次が育たなくなるからね。
[にぱり、と笑う様子は屈託ないもの。
幼い頃から森に出入りして、その恵みに触れてきたから、そんな言葉も自然と口を突くのだった。*]
― 広場 ―
[本について訊く事も仕事になる、と聞いて、安心したように笑う
本屋の仕事、と言うものが本当はどういうものかなんて、勿論分かってはいなかったけれど]
うん、邪魔にならないなら、一緒に行こう、かな。
[それでも、やはり遠慮がちに
だけど、手を差し伸べられたなら>>24、そっと手を重ねてきゅ、っと握って
そうして、2人で本屋へと]
― →本屋 ―
こんにちは、クレイグお兄ちゃん。
[ポラリスが声をかけ、こちらを見るのに挨拶を返して]
………やっぱり、寝てた。
[聞こえてきた声>>27が、どこかぼんやりしているのにそう呟いて
だけど、その声は呆れると言うよりはどこかほっとしたような色を含んで
ポラリスが本の注文をするなら>>28、それが終わるまでは二人を交互に見ながら待って]
リィ、特別用があるわけじゃないんだけど……
私でも読める、おもしろい本、って、あるかな?
[何とか話す切っ掛けを、と口にした言葉は、先程ポラリスと話したこと]
[姉さんと呼ぶ年上の娘が病で視力を失ったのは数年前、預けられた当初から、自分の世話をしてくれていた彼女のために、今は自分が読み書きや生活の手伝いをしている]
[無為に暮らすよりは、今の方がいい、と、思ってしまうのは、テレーズの不幸を喜ぶようで気がひけるが]
[ゆっくり歩いても、郵便屋まで30分とかからない]
これ、お願いします。
え?ああ、もうそんな時期か。はい、持って帰ります。
[頼んだ手紙と引き換えのように渡されたのは、父からの定期便。
中身は読むことなくポケットにねじ込む。
読まなくとも内容はいつも同じだから問題ない]
[その一方で]
おもしろい本かぁ。
そうだな……
[別の注文を受けたなら、また少し考え込んで。
再び本棚の方へ]
動物がいっぱい出てくる話とか、お姫様が出てくる話とか。
後は冒険の話とか?
エリィはどんなのが好きかな。
[言いながら本棚から何冊か取り出して。
エリィゼの元に戻ってくると、近くに屈んで目線を合わせつつ、本を示してみせた]
[郵便屋を出ると、少しの間考える。この間本屋に寄ったのはいつ頃のことだったか]
新刊、出てるかな?
[出歩く事があまり出来ない分、本は友達状態だ。最近はテレーズの好みに合わせたものを選ぶ事が多いけれど]
まあ、またでもいいか。
― 宿屋前 ―
[ふぁ、と欠伸が漏れる口許に手を宛がう。
旅人は滅多に訪れぬ村の宿屋の一階部分は
平時酒場として機能しているのだけれど。
酔った客が揉め事を起こしたと呼び出されたのは昨夜のこと。
間に入り仲裁をして、生業のまま番をしていた。
片付けを手伝い寝付いたのは遅く、
けれど料理の仕込みや水汲みで起こされたのは常より早く]
……ん。
[手を上げて、ぐ、と伸びをする]
― 本屋 ―
[ポラリスが頼んだ本を手際よく用意する>>36のを見ているのは、どこか楽しそうで
それが植物図鑑なのを見届けたなら、仕事の使うものなんだな、と理解する
次のお話はどういう話なんだろう?と気になるけれど、聞いてしまったら読む楽しみがなくなる、と、それは心の中にしまって]
クレイグお兄ちゃん、こんなに本があるのに、ちゃんとどこに何があるか分かってるんだ、すごいなぁ。
[なんて、感心して声を零す
そうして、今度は自分のために本を選んでくれたのに、一瞬きょと、となってから照れくさそうに]
……ありがとう。
[と小さくお礼を言って、どんな話しがいいかを考えた]
冒険のお話は、リィ、まだ読んだことがないから、読んでみたい、かな。あ、でも
[ふ、っと思い出したように困ったような顔をして]
今日は、お金持ってきていないの……
─ 本屋 ─
[本屋に来るとつい目が向かうのは児童書の棚。
ありがたいことにポラリスが出版した数少ない童話もそこに並んでいる。
昨年頃出版した童話は動物が主人公の冒険物。
ソル──太陽の名を持つカラスが大空を翔け、様々な動物と出会い、仲間と共に困難に立ち向かいながら果てを目指す物語。
主人公のカラスのモデルがクレーだったりするのだけれど、そのことに相棒は気付いているのかどうか]
……そう言えば、睡蓮は近くに実物があったっけ。
[ぺら、と植物図鑑のページを捲りながら、目に付いた植物の名を口にする。
泉に咲く枯れることの無い睡蓮の花。
スケッチに行くのも良いかな、なんてことを考えた]
[十二年前倒れていた娘を拾ってくれたのは先代の医師。
真っ白な記憶にハモンド家の人たちが刻まれる。
発見された当初は首筋にうっすらと手の跡らしきものがあり
酷く水を飲んでいたがそれ以外に目立つ外傷もなく
今はその名残さえも消え失せている。
まだ子供であり必要とされる知識さえ空白となっていたから
身の振り方はすぐに決められず短くない時間を其処で過ごした。
つ、と布で覆った喉を撫でる今。
旅人の滅多に訪れぬ村の宿屋の
余りがちになる客室のひとつを借りて其処で世話になっている]
料理よりも力仕事任せてくれていいのに。
[何でも無難にこなしてしまう性質ではあるが
料理や裁縫などは似合わないと思っているから
仕事として頼まれぬ限りは進んでしようとはしない。
空に伸ばした手を下して、は、と息を吐く。
ちらり宿屋の扉を見詰めて、用心棒は軽く肩を竦めた]
─ 診療所 ─
ドジも何も、お前が俺の所に来る理由を挙げただけだが。
[むくれ顔>>32を見ても表情は変わらないまま、言葉を返す。
後者だった用件に対して差し出したメモの返答>>33には軽く頷きを返して]
あぁ、今ある分で一週間程度は保つだろうから焦らんで良い。
どこぞの阿呆が集まって喧嘩でもしたら解らんが。
[そう答えたのは、昨夜の宿屋での一件>>41を耳にしたから。
用心棒が仲裁したお陰で怪我人は出なかったのは幸いだったが、下手をすれば仲裁に入った者も怪我をしていたかもしれない。
一度宿屋に行って諸々釘を刺しておくべきかと思考が逸れたところで空腹に気付き]
ソーヤ、お前飯はもう食ったか?
[まだなら一緒に食べに行くかと問いかけた*]
[真っ白な記憶を埋めていくのは人との触れあい。
そしてたくさんの本。
最初こそは文字の読み方さえ知れなかったけれど
おさなごと同じように一つ一つ教えて貰い
読み書きも出来るようになった]
……返せているのかな。
[何を、と言わぬままぽつとひとりごちる。
手の跡は、必要ないとされた証と思う。
証は消えても、心にはそんな思いが密やかに残り]
─ 本屋 ─
[呆れられた当人はそんなこと言っても眠いしなぁ、なんてあくまで呑気に考えているのだった]
りょーかい。
[購入する旨に頷いて。
カウンター下から算盤を取り出し]
ポーラにはいつも世話になってるし、少しおまけしとくよ。
[少しの時間弾いた後、金額を示す]
[帰り道は少し、遠回りをした。人があまり近付かない睡蓮の咲く泉の方へ]
今日も綺麗だな。
[何も言わず咲く花は、何の為にそこに在るのだろう?]
― 本屋 ―
ううん、そんなことない、リィには絶対覚えられないもん。
[暇だから、と言う声>>48に首をぶんぶん振ってそう返した
そうして、お金について返ってきた言葉に目を丸くして]
いいの?
うん、あとで絶対にちゃんと持ってくるね。
クレイグお兄ちゃん、優しいから、リィ、大好き。
[にっこりと、嬉しそうに笑って見せる
また、ここに来る理由が出来た、と言うのも嬉しかったから]
迷惑じゃないなら、感想聞いてくれると嬉しい、な。
[そう言って本を受け取ると、大事そうに抱え込んだ]
[案じてくれる人がいる事を知っている。
よもや昨夜の件まで、とは思いもよらないけれど。
危ない仕事でどちらかと言えば
男性向きの仕事というのもわかっている。
けれど盲目の女性の外出を補佐し守る際には
同性であることに安心して貰えもしたのだけど]
……はふ。
[ぼんやりと過去が過るのは眠い証拠か。
意味為さぬ音を紡ぎ口許をおさえる]
[結局、しばらく睡蓮に見蕩れて、家に戻ったのは更に時間が経ってから]
あ、
[思い出したのは、玄関まで数歩のところ]
しまった、薬。
[出かけたついでに、テレーズのと自分の分と、足りなくなりそうな薬を二人分、医師のところへ受け取りに行く様に頼まれていたのに忘れていた]
おや、商人 アルカ が来たようです。
―村の入り口を望んで―
よいっ しょっ と!
[村の入り口が見える場所までやってきて、背に担いだ荷物を置く。
思いきり背を伸ばし、それから傍らの騾馬の背を軽く撫でた]
やっと見えたー!
今回はちょーっと遠かったね。それに重かったし。
[水筒の水を一口含んでごくん]
さー、着いたらゆっくり休もうね、アレッキオ。
今回は休暇も兼ねてるから、思いっきりのんびりするよ!
[もう一息とまた荷を背負い、荷箱を乗せた騾馬を引いて村へ。
村生まれ村育ちの定期便請負人は半月ぶりの故郷へと戻ってきたところだった]
[最近、テレーズに本を読んであげたり、自分が読みふけってしまっていたりで夜更かし気味で、体調がいまいちなのを、ヒューゴに見透かされたら困る、と思って、無意識に避けようとした、なんてことは、多分ない.........]
今度、ソーヤに頼もう。
[あるかもしれない*]
─ 診療所 ─
[男の態度は子供の頃から殆ど変わらない。
何度繰り返したかしれないやり取りに不機嫌を引き摺らないソーヤの存在はありがたかった。
昨夜の一件へと切り替わった会話>>55に落ちたため息には、眉を顰めて同意を返し]
酒に飲まれる馬鹿なぞ、放っておけるなら放っておきたいが。
そういう訳にもいかんからな。
[理由はどうあれ患者となれば手当てするのが仕事だ。
本当に昨夜は怪我人が出なくて良かったと思いながら、続けた問いの答えを聞いて一つ頷き]
なら行くか。
俺もついでに爺さん達回りに行かんとならんし。
[食事に出るついでに足腰の弱い年配者の家を訪問するつもりで回診鞄を手にして食事に向かった*]
[常に腰にくくりつけているバッグから運んでいる荷物の一覧を取りだして、
騾馬を引きつつそれに目を落とした]
いくらボクが休暇取るからって、みんな荷物押し付けすぎだよね。
何カ月も休むわけじゃないんだから、焦らなくてもいいのにさ。
[ぼそ、と呟いて少々むくれた表情を浮かべる。
休暇前の仕事というのはなんであれ早く片付けたいものだというのに―]
ま、いっか。
アレッキオもおふくろの御馳走楽しみだろ?
[にーっと笑うと、騾馬はふるふるっと小さく鼻を鳴らしたのだった]
─ 診療所 ─
[ありがたい、と思われているとは知る由もない。
家同士の付き合いもあって、子供の頃はちょこまか後ろをついて歩いていたから、自然とヒューゴの態度に慣れたが故──だが、当人にその自覚もなく]
それは、じっちゃんも言ってるなぁ。
[うんうん、と返すのは同意の頷き。
なお、二日酔いに陥った村の者が薬師を頼ってくるのはよくある事で。
それに対し、特別に苦い薬が処方されるのも日常茶飯事である]
ん、そっか、外回りもあるもんね。
……俺も、ハーブティ作って届けにいかないと。
[回診鞄を手に取る様子に、ふと思い出すのは。
これまた幼い頃からの通い先の一つの事。*]
村の設定が変更されました。
― 本屋 ―
[ぽんぽんと頭を撫でられ多なら、少しはにかんだような表情で]
だって、優しいのは本当だもん。
この村の人はみんな優しいけど、クレイグお兄ちゃんは特別だもん。
[などといって、ほわりと笑う
待ってる、と言われたら、笑みは更に深く嬉しそうに]
うん、ありがとう。
[そう言って、もう一度本を確かめるようにきゅっと抱える
こっそりと、この本は宝物にしよう、とか思ったかもしれない*]
村の設定が変更されました。
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