情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
次の日の朝、噂好き ホラント が無残な姿で発見されました。
そして、全てが始まりました。
坂道を転がり落ちるように、もう止まらない、止まれない。
今、ここにいるのは、旅人 ルイ、奉公人 ドロテア、牧師 メルセデス、木こり ドミニク、老女 ゼルマ、少女 アナ、隠居 ベリエス、羊飼い アルベリヒ の全部で 8 人かしら。
[仕事を始めてしまえば、木こりの頭から噂話は消えてしまうのでした。
あまり考え事には向いていないのです。
それに、最初にホラントに言ったように、狼が来たら斧で尻尾をちょん切ってやるつもりでしたから怖くもありません。]
うーんと、こんなもんでいいだろ。
しかし腹が減ったな。
……アナに茶を貰っただけだったか。
[ツィンカの泊っていた二階の部屋からは夜でも黒い森がよく見えました。
いえ、何も見えないのが判る、と言った方が良いでしょう。黒い、黒い森でした。
老婆は部屋を片づけながら真っ黒なはずの黒い森にぽつんと光るものがあるのに気づきました。
でもそれは、ゼルマがそちらを見るとすぐに、揺らめくように消えてしまったのです。]
またホラントかしら。
[ゼルマはホラントの話ばかりか牧師に話したことまで思い出してしまい、慌ててそれらを記憶の隅に押しやるようにして部屋の片づけをつづけました。]
〜 黒い森 〜
〔アナは黒い森の中を、歌いながら歩いていく。〕
♪黒い森 双子が住んで おりました
ふたりは とっても 仲良しで
ふたりは とっても そっくりで
けれど 同じじゃ ないものさ
〔ゆらゆら揺れる、ランタンの灯。
アナはパンをちぎって落としては、帰りの目印にしているみたい。〕
なにが違うの 聞かれたら
ここが違うの 笑っていう
〔鳥のさえずる声が、聞こえる。〕
♪夜の森 双子は遊んで おりました
ひとりが なぞなぞ 考えて
ひとりは なぞなぞ 答えだす
けれど いっつも 間違うの
〔どれだけ歩いたことだろう。
緑よりずっと暗く、黒くも見える葉っぱの合間から、丸い月が覗いた。〕
満ちると減るもの なんだろう
減っても満ちない なんだろう
〔とつぜん、油が切れたわけでもないのに灯りが消える。
アナはびっくりして、目をまるくしてしまった。〕
……食事ですか。
本当はこんなものよりも、
もっと美味な物を頂きたいのですけれどね。
[ゼルマの運んできた料理を前に、眉を顰めます。
狼は、食前の祈りは捧げません。
だって神様は、とても酷いことをしたのですから]
[牧師は老女に出された料理を前に思案顔。
最初は恐る恐る手をつけて、
やがてぱくぱくもりもりと食べ始めました]
ごちそうさまでした。
お腹いっぱいです。
[両手を合わせると、
牧師はふあぁと大きなあくびをします]
――宿屋――
[それからしばらくして、おじいさんたちは宿屋に辿り着きました。
丁度ゼルマが料理をしていたのでしょう、良い香りが漂っています]
……なんだろう?
〔いつの間にか、あたりは、しぃんと静まりかえっていた。
森の中では、月や星の明かりも遠い。
心細くなって来た頃、ふっと、ランタンに灯りが戻る。
青白い炎だった。
ほっと、アナは、ひといき。〕
良かった。
〔安心したら、どっと疲れがでてしまったらしい。
アナは木の陰に座りこんで、ちょっとひとやすみと目を閉じる。「ちょっと」が「長く」になってしまったのは、言うまでもないだろう。
* 遠く、遠く、狼の声が響いたのは、いつのこと? *〕
─宿屋─
[村の通りを急ぎ足に宿屋へ向かいます。
あちらこちらで話し込んでいる間に、時間はだいぶ過ぎてしまったようでした。]
こんばんは、女将さん、いらっしゃいますか?
[宿の扉を開けて、いつものように声をかけます。]
こんなによい羊なのだから、チーズもよいものなのだろうな。
楽しみにしておこう。
[そう言って、しばらく立ち話をしてから、旅人はふたりと宿に向かいました。
いつの間にか、すっかり日は暮れています。]
おや。
今日は月がきれいだな。
[のぼってきた大きなお月様を見上げて、旅人は言いました。]
[宿屋には、たくさんの人が集まってくるようです。
明日か明後日には、あの人やその人が、狼のお腹の中にいるかもしれません。
それはとても楽しみなことですが、今しばらくは我慢です。
だって、人間たちみんなに捕まえられたら、いくら狼だって逃げられませんから]
……ああ、夜が更ける前に帰らないと。
でも、ちょっとだけ。
[空になった食器を前にして
牧師は椅子に座ったまま、いつの間にかうとうとと船を*漕いでいました*]
[ルイに言われて、おじいさんも夜空を見上げました]
おお……本当じゃ。
なんだか、不思議な気持ちになる月じゃのう。
[昇りはじめのお月さまは、何故だかとてもとても大きく見えるものです。
だから、お月さまがすぐ傍まで来ているような、そんな気にさえなるのでした]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新