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[敢えて言葉を濁していたのにずばりと言われ。小さく息を吐く]
……私は、彼女を……よく“知らない”から………
何とも、…言えません…が………
[柔らかな花の香りに、煙草特有の匂いが混じりゆく。
咳を一つ。漂う煙に眼を伏せ、左の手で口許を覆った。煙から庇うのと同時、表情を見せないようにする為か]
……一つの、考えと…しては……あり、でしょう…ね。
[曖昧な、物言い。]
[たとえ異なっても、無理矢理に見た事にしそうだとか、いっそ犯人に仕立てあげそうだとか――素直な感想は、口にはせず]
[隠し事、という言葉には、ただ、苦笑を浮かべるだけで。
それでも、続く問いには素直に頷く]
軽いもの、食べられればいいんだが……。
あと、ココア、飲みたくなった。
ココアですか
[くすっと小さく笑うと、]
わかりました、
だからそこに座って休んでて下さい。
[まだふらついてるでしょう?と]
……無理に自分で入れるとか言ったら、殴られそうだしな。
[冗談めかした口調で言いつつ、暖炉近くの空いている椅子に素直に腰を下ろし]
……でも、厨房……込み合ってる感じだな。
[そちらを見やって、ぽつりと]
─厨房─
「そのうち君にも何か聞くかもしれないな。」
[煙草の先を潰して火を消すとゴミ箱へと捨てたが、その間もイリーネから視線は外されなかった]
「何か思いついた事があれば何時でも話に来たまえ。」
[どうやら理解出来たようだと感じたギュンターは、一度出直す事にしたらしい]
[去り際に振り返り]
「そうだ。この話は広めてくれたまえ。
この中に人狼がいるなら、何かしら反応して尻尾を出すかもしれんからな。ブリジットが人狼を見たのだと思わせれば…。」
[まるで囮になってくれと言わんばかりの口ぶりだった]
……………そう、ですか。
[一言。それきり、声は発さずにギュンターを見送って。
ちら、と居間の方へと視線を遣れば、見慣れた顔]
……居間の…方が、…あたたかい……よ。
[一度カップを置いて、灰の置かれた器を掃除しつつ、ブリジットに声をかける]
………エーリッヒや……オトフリートも…
降りて……来た、ようだし……
[最後にギュンターはこう言い残して去った]
「誤解してもらっては困るが、ブリジットが犯人だと考えてはいない。ブリジットが犯人なら、母親をもっと早くに殺していただろうからね。」
[詳しい事は言わずに、ギュンターは居間を通り外へと…]
[途中、ハインリヒの肩をバッシバッシと叩いて]
殴るよりも恐ろしい目に合わされるなら、なおさら大人しくするさ。
[くく、と低く笑って。
続いた言葉には、さすがだな、と呟く]
私はそんな酷いことしませんけど?
[くすくす笑い]
まあ、用意してきますよ
[それから厨房のほうへ。少女二人をみつけてこんにちはと]
……そうか?
[くすくす笑いに、一瞬だけ真剣な面持ちになり。
厨房へ向かう背に頼む、と声をかけて見送り、ふと窓の外へ視線を向け。
そこに作られているものに、思わずきょとん、とする]
……ああ……、…スティグマ……?
[呟くように言ってから――
一瞬、エーリッヒの痣の事も知っているのかと、内心驚いて。
単に言葉のあやだろうか]
…………こんにちは…
[オトフリートに挨拶を返し、邪魔なら退くよ、と薄く笑む。多少、ぎこちなさはあっただろうか]
[エーリッヒが居たから、同じ髪の色のベアトリーチェの事を言って]
[そのベアトリーチェの痣の事を言っただけだった]
………
[イリーネに同意とばかりわらう]
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