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とにかく、
できる事やらなくちゃ。
まだ動けるうちに。
[キッチンへと向かう。
なるべく日持ちのしそうな物を選んで火を通し、持ち歩けるようにビニール袋へ小分けしていく。]
―衣装部屋―
[以前カルメンを抱き上げた時よりも、負担が大きかったのは、きっと階段という負荷もあっただろうけど……。]
カルメン、ゆっくり休むといい。
[彼女は眠っているように目を閉じていただろう。
さっきのやりとり、詳細はわからないのだけど…。
この事態だ。どんな心の状態でも、おかしくはない。
今までも、飛び降り自殺の説得など、したことはあったけれど……。自分も同じ立場の、者だけに……
彼女を毛布の上におろした。]
ここは服のある部屋だ。今着ているのが気に入らないなら着替えるといい。
[カルメンは起きてる?寝てる?いずれにせよ]
大丈夫だよ。
一緒に、アーベルも一緒に、
鳥が羽ばたくのを見よう。
[笑顔で]
[医務室には、まだ人影はあったろうか。
エーリッヒは、ベアトリーチェは。
薬品庫の側の壁に凭れたまま、
天井の隅を仰ぐ。
いばらの中にひとつ――白い花が見えた。]
[カルメンが起きていれば、少し話をしたかもしれない。
そのあと、扉の向こうからオトフリートが心配気な顔で現れたら>>183
そっと席をはずして、部屋から出て行く。
部屋から出る前、
シャツのボタンは上まで留めて、
胸に手を宛がった。]
→医務室へ
[白い花をつけたいばら。
それは、守るように其処にある
――たとえば今は、ハインリヒの側。
病の影響か、
ゼルギウスなる者が投与した薬の所為か、
あるいはその両方か。
白いいばら《Eglantier》と意志通じるは、
同じ名前《Eglantier》を持つ少女。
ひとならぬものと通じる、その代償は――]
―― →衣装部屋 ――
[身体に伝わる上下の揺れ。
抱かれる相手の温もりを感じながら
意識が混濁と覚醒を繰り返す。
は、は、と浅く繰り返す呼吸は、ほぼ同周期。]
……っ。
[やがて身体が彼から毛布へと離される。
きつく閉じたままでも言葉から伝う
彼の表情がありありと想像できてしまう。]
……ヴィヴィ。
[だからそっと蒼を開き。
もっと確かにしたくて、名を呼んだ。
見ない様にしていた、のに。
大事に思えば思うほど、其れが難しくなる。
彼の体調の悪化。そして、バンドが示す、其れ。]
[オトフリートが来る前]
そう、だ。
カルメン
お願いがあるんだ。
僕を少し、癒してくれないか?
[よく見れば、うっすら額に汗が浮かんで……]
………ヴィヴィ。
[再び名を呼んで、そっと手を伸ばした。
彼の手へ重ねるように、手が触れたろうか。
じ、と蒼は懇願する様な色を灯す。]
服は、別に。
……このまま、でも、いい。
[だけれど。
けれど、と。其の先を言葉にしようとして。
これ以上を望む事は出来なかった。]
[欲を言えば眠るまで。
10分でも、良い。
傍に居て欲しかった。
けれど、と。
ゆっくり飲み込んで。
祈りに代える、手の温もり。]
[ヘルムート・エールラーの名はすぐに見付ける事が出来た。ロッカーの鍵が開き、扉がブラブラと揺れているあたりで嫌な予感がしたのだが。]
──これは
酷い。
訴訟を起こせるなら、
起こしたいものだ。
[金属の秘密箱は、精巧な細工を乱す事無く、熔解され無惨な塊と化し、液化した状態でロッカーにこびり付いていた。サファイアブルーの両眼を大きく見開き、一度閉じて深く息を吐く。それ以上の言葉が出て来ない。預ける時点で予想が出来た結果では有るが。]
──…ハッ !
中にある物を必要とすると考えた私の過ちか。
[憤りに任せ、壁に強く拳をついた。金の巻き毛を乱し、荒い息を吐いて、震える肩を抑える。
肩を抑える腕は重かったが、他の者はもっと重く石のようであっただろう。例えば「なるべく貴方をみていましょう。」と言ったダーヴィッドに、祈る事が出来なかった自分を悔いた。]
[そして入れ違う様に気配が訪れるだろうか。
浅く続く呼吸が緩やかに蒼を瞬かせる]
……?
[誰か、と緩慢に視線を遣り、
せんせいだと解ればきっと身を強張らせ。
せんせい、とかすれ声で一度。
名を呼んでは、逃げるように*視線を外すだろう*。]
>>192
[カルメンが握ってくれた手から、安らいだものを感じて……微かな笑みが毀れた。]
君は綺麗だから、
綺麗な服を着るといい。
[そして、オトフリートが入ってきたことを仕草で告げる。]
じゃあね。
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