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[しけたクッキーも齧り終え、今度はどこかでミルクでもちょろまかそうかと思っていると、森の方へ向かうお下げ髪の少女の姿が見えた]
箒の魔女にゃ?
[何やら真剣な面持ちに興味がむくむく、こっそり後をついていく]
[頷いて、ヨハナを見送り。
まだ残っている人がいたなら軽く手を上げて、広場を後にする。
次の仕事に取り掛かるべく、取り敢えずは店に戻ろうかと、通りを歩き出した]
― →通り―
─森─
[ついてくるものがいるとか、気付いた様子もなく。
相変わらず、違和感を感じる森の空気に、むぅ、と眉を寄せ。
肩の白い鳥をちらり、と見る。
鳥はこくり、と頷くと長い尻尾を器用にくわえ、羽根を一本抜き出した]
とはいえ……何となく、予測はできてしまっているのですけど……。
でも、当たっていたらいたで、どうしてなのかしらぁ?
[小さな声でぽつり、と呟きつつ、バスケットから緑色の液体の入った硝子瓶を取り出して。
瓶の中身を少しだけ、白い羽につけた]
んー……。
力の反応は、あり。
とはいえ、ボクの作れる試薬では、詳細までは読み解けませんねぇ……。
やっぱり、ちゃんと探査系も学んでおくべきだったかしらぁ……。
はぁ……召喚系とか、呪返し系なら、得意なんですけどねぇ。
[何故か青く染まった羽根を見つつ、大げさなため息をついた時。
白い鳥が何かに気付いたようにばささ、と羽ばたいた]
……リーリエ?
[きょとり、としつつ見やった鳥は、何故か背後を凝視していたり]
[先ほどちらりと聞いた話に寄ると、どうやらその不審人物の背は小さいらしい。]
敵を見んとするには、まず背丈から……。
[どこで覚えたかわからない言葉を呟いて、四つん這いで通りを歩き出す。]
―― 森の中 ――
みゃ!?
[甘い匂いにうっとりしつつ、ミリィの動作を眺めていたが、白い鳥に凝視されていると気付くと、慌てて茂みの中に隠れる]
―自宅―
[家に入り、婆は機嫌よく寝床で伸びている飼い猫に近づいた]
ほゥら、ツィムトや。いい物を持って来たよゥ。
ちょィと耳を寝かせておくれ。
[耳の後ろを掻いてやり、片手で頭を支えるようにして石の首輪をくぐらせる。何度か撫でられたかいあったのか目測は誤らずぎりぎりで通り抜ける。つまりは薄茶猫が自力で外すには少々耳が邪魔すぎるという罠]
よしよし、ぴったりじゃないか、たいしたもんだ。
目の色に合ってていい感じさねェ。
[褒められて嬉しいのか薄茶猫は青い目を細めて「ミ゛ャァン」と鳴いた。寝床から滑り出て姿勢を下げて伸びをする。そして後ろ足で首輪の後ろを掻いた時、猫は異変に気付いた。
首に鈴を付けられた猫が、涼やかな音を立てて鳴るそれを外そうと大暴れし、飼い主に宥められるのにはしばしの時間を要したとか]
……あららぁ?
[鳥の視線を辿ると、不自然に揺れる茂み]
誰か、いますの?
[とりあえず、持っていた物一式をバスケットに戻し、声をかけてみた]
ええと、こんにちは!ユリアンさん!
よいお天気ですね!
[相変わらず手は地に着いたまま、取りあえず礼儀正しいところを見せてみた。
きちんと挨拶の出来る子供は、怪しいものじゃない筈だ。]
なに、ですか?
村の平和を守る為、不審人物調査を!
あ、そう言えば、ユリアンさんも見たんでしたっけ?
小さくてオッサン顔でお菓子が好きで猫みたいな……?
[言ってるうちに何か混ざって来た気がする]
─森─
……あららぁ、猫君ですかぁ。
そんな所に隠れて、何をしてるんですかぁ?
[返って来た声に、素で返した。
白い鳥、くるると鳴きつつ、ばさりと一つ羽ばたき。
こちらはどうやら、呆れている様子]
別に大きく動かなきゃ鳴る訳でなし、気にしなきゃいいのにねェ。
せっかく可愛くしてもらったんだから我慢おし。
[鏡に向かって何とも言えない顔つきで動かなくなった猫に言い置いて、寝床でバラバラに千切られていたマタタビを今の内にと暖炉に放り込んだ。
それから栗を水に浸し、ほんのり温かいシュトゥルーデルで一息]
[挨拶されて思わず頭を下げた後、空を見上げてみた。
丁度太陽が雲に隠れたかも知れない。
そこには突っ込みを控えたが]
そこまでは小さくないが。
[訂正箇所は他にもあるだろうが、一瞬しか見ていなかった為に言ったのはそれだけだった]
─森─
何にもしてないなら、隠れなくてもいいんじゃないですかぁ?
[こて、と首を傾げつつ、素で聞いた。
それから、投げられた問いに]
ボクですかあ?
ちょっと、調べ物を。
昨日から、村の周りに違和感みたいなものを感じるので、それが何かを確かめようと思ったのですよ。
[太陽が陰った後の沈黙は気にしないことにした。
もとから無口な人だって母さんも行っていた筈。]
えっ!
もっと大きいですか?
……これくらい?
[取りあえず膝立ちになってみた。]
…それにしても。
面白そうな妖精の訪問なら大歓迎だが、崖崩れがソイツに関係してたりしたら嫌だねェ。
違和感どうのこうの言っとるのもよく判らんしなァ。
お前は何か感じてるかい?
[ただの村人である婆には封じられた事などわからず、一方的に猫に話かける。返って来たのはやる気の無い尻尾一振り]
茸採りがてら見るだけ見てみるかねェ。
お前もおいでツィムト。何か変なものを見つけたら教えておくれ。
……閉ざしてる、壁?
[ティルの言葉に、眉を寄せ]
やっぱり、結界系の術が施されているの……?
ええと、その壁は、村全体を包み込んでいるのかしら。
だとしたら……やっぱり、何かを封じるための陣……?
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