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[サヤカが圧倒的な対抗手段を持っている様子は無いように見えた。
(嗚呼、ならば更に時間を稼げばきっと仕留められる)]
[フユはウミを制止しようと窓枠に足をかけ、外に身を乗り出しかかっていた。]
だって、……って
はあ?
何なの、それじゃ勘違
いっ……
[足を滑らせ、ウミのに向かって身を乗り出そうとしていたのでその方向へ、フユは窓の外に落ちた。]
[す、と何かが引くような感覚。
何かを越えた。
それが何かは分からなかったけれど]
そう。
それならわたしもしらない。
わたしはわたしのねがいをかなえるの。
[投げられた小石を造作も無く避ける。
そのままサヤカと位置を入れ替えるようにして。
すれ違いざまに桜の樹の方へと突き飛ばそうと腕を振るう]
なんでもいいよ。
それをもらえるなら。
[目を逸らすアズマの様子に、何となく、受け入れ切れていないのかな、とふとそんな事を思う]
『無理、ないか……俺だって、あの事がなかったら……』
[一度、憑魔と遭遇して。
司としての力を暴走させて。
……それでも、受け入れきれずにいるのだから、と。
そんな事を思いつつ。
零れたアズマの呟きに、僅か、表情を険しくして]
……外で……何か……。
[ヒサタカの疑問に答えつつ、感じた違和感の源を辿る]
……この感じ……まさか。
何、…って。
別に、
[意識をそちらに向けていたから、
肝心の、浄化方法を耳にする事は無く]
………こっちは、リョウ。
[返す言葉はいつもより、ずっと端的で、
どこか警戒しているようにも取れるだろうか。
無意識に、2、3歩下がると、扉に背がついた]
そっか。
[特に興味がある訳でもなかったのか、深い追及はせずに地面に目を向け、ビニール袋を拾った。
それを差し出そうと再び顔を上げて、]
……如何かした?
[問い掛ける言葉自体は恐らく何時もと変わらない。]
[いよいよ詰め寄ろうというヨウコに弓を放とうとするが、その斜線上にフユが飛び込んでくる
苛立たしげに弓を下ろすと]
……何で邪魔をするんです? 早くしないと。だからさっさとそこを退いて下さい!!
[再び弓を構え、そう言い放つ]
……恐らく……は。
[まさか、という言葉に、小さく呟いて]
……憑魔……動いた、のかっ……。
[低い呟きの後、駆け出したのは窓の方。
開け放てば、その気配はより一層強くなり。
唇を軽く、噛んだ後、*開いた窓から駆け出すか*]
[紡がれる言葉自体は変わらない、けれど。
何かが、違った。
それは、マイコに感じたのと似たようなもの。
また1歩下がろうとして、
扉が開いた。]
―――っ、わっ!?
[バランスを崩して、真後ろに倒れ込む]
[小石が避けられたのを見て舌打ちをした瞬間、すれ違いざまに振るわれた腕。避けようにもそれも適わず、とっさに腕で受け流そうと試みるも、そのまま跳ね飛ばされ桜の樹へと叩き付けられる。辛うじて身体を丸めるようにしたせいか頭を打ち付けなかったものの、背中に激しい衝撃が走り、一瞬息が止まる。]
[鳴り止まない警笛は、更に頭の中響き渡る。]
[それでも、視線はヨウコを見据えたまま。するり、右の手はポケットの中の其れを取り出し、握り締めながらゆっくりと息を吐き。]
貴女は……ただ、奪っているだけ……哀れね。
そんな、簡単な事すら…気づいていない、なんて。
貴女は、誰からも、何も、貰えないわ。
[斜線上を通り過ぎ、びたんと音を立てて地面に落ちた。]
……邪魔なんて、あ
[フユが上体を起こして見ると、サヤカは桜の樹に叩き付けられた所で、]
外さないように。
…──『憑魔』。
[窓の外へと意識を向け続ければ続けるほど、
チリ、と何処か焼け付く様な感覚が続く。
この感覚が導き出す「答え」をぽつりと零して。
途端、窓から飛び出して駆け出すマコトに、僅か目を見開く。
頭の何処かでは、行かなければならないのだと、判っているのに。
──ギリ、と僅かに奥歯を噛締めて。
と、突如扉を開け放つ音に、其方へと思わず視線を向ける]
……センパイ、
[ヒサタカに仰向けになって受け止められている人物に、
思わず目を見開いた。]
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