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[リーン、リーンと鈴の音、迷いし人の道しるべか。やがてその音が眠りを誘い、夜明けの鳥の鳴く時まで、時はゆるりと歩みを止める]
7人目、少年 ネロ がやってきました。
[陽が沈まない、明るい夜]
[白い花びらが、光を弾く]
[きらきら、きらきら]
[草葉の影に、人の姿]
[今はただ、深く眠る]
[すずやかな風が、葉を揺らす。]
[眠りへ誘う音が、あたりを包む。]
[*……りぃん、りぃん……*]
[ピィー…ヒョロロ……ピィー…ヒャララ……]
[朝靄の中、笛の音が微かに響く。
昨夜のもてなしの礼のつもりか、単なる気紛れか。
はたまた、記憶になくとも身体は覚えているや否や、試みたか。]
[祭囃子に似た調べは、長くは続かず。
撫子色の唇を横笛から離し、吐息を零す。]
ふう…なんと拙い。
これでは、宴の余興にもならぬな。
ああ、朝餉はいらぬ。
少し…忘れ物を思い出したでな。
[袖を童子達が引きゆこうとするを抑えて、短く告げて館を出る。
深酒していた者達は未だ寝ているだろうかとぼんやり思うも、その歩みは止まることなく。白の花咲くのをそぞろ歩む。]
[さあ、とひときわ強い風の音。
どこか笑い声にも似て聞こえ、眉を顰める。]
童は…苦手じゃ。
[白が風にさざめく野で、零れる呟き。
しばし佇むも、また白き野をゆく。*舞扇は有るや無しや*]
[目覚めた者には朝餉が供され、幼い者には酒と肴の代わりに菓子や甘露も供される。
童子の気配は、いつでも有るが、邪魔だと言えば姿も隠そう]
[てん、てん、と軽い音。
続けて空に、鞠が舞う。
白地に散るは、彩り鮮やか。
朱と金にて描かれし華の紋。
その華を、庭に、ついて、空に、投げて]
……あそばない?
[物陰からこちらを見やる童子たちに声をかけるも。
返るはさざめく笑い声]
……ちぇー。
[つまらなそうな声を上げ。
また、てん、てん、ひょう、と。
庭に、ついて、ついて、空へ、投げて。
くるり、くるり、舞う華の紋]
[くわあ、と大きく欠伸を吐いて、男は畳の上に起き上がる。知らぬうちに掛けられた薄布に笑みを零して、こきりと首を回した]
まったく至れり尽くせりとは、このことだねえ。
ああ、朝餉はそうだな、みそ汁だけ頂きますか。
さすがに夕べは呑み過ぎた。
しかし良い酒だ、二日酔いの気配もないとは有り難い。
[白い花が香る]
[鼻を擽るにおいに、長い睫毛が小さく震える]
……?
[一面の白い花畑]
[さらさら、流れる川の音]
[遠く、響いた鈴の音]
……ここ、どこじゃ?
[細い手を使い、身を起こす]
[見えるは一面の花畑]
おらは……
ずうっと、眠っとったんじゃろうか?
[答えなどは、どこにもない]
[白、白、白]
[一面の、白]
……誰も、おらんの?
[心細い、小さな声]
[耳が捉える、鈴の音]
[りぃん]
[みそ汁を飲み干して、ふらり縁側へと足を向ける。庭で鞠つく子供は、他の童子達とは違って見えた]
さて、ここの子かねえ?
[声をかけるか、様子を見るか、思案顔]
[てん、てん。
ついて、ついて、ひょう、と投げ。
そうと伸ばした手で、華の紋を受け止める]
……つまんないのー。
[一人、鞠と戯れるのに飽きたか、こう呟いて。
館に戻ろうか、と振り返り]
……だーれ?
[こちらを見やる思案顔に気づいて、一つ、瞬く]
[鞠を両手で持ったまま、烏、と名乗った男を不思議そうに見つめ]
ここの子?
風漣は、違うよ。
[何故そんなことを問うのかと。
大きな瞳は、そう、問いたげで]
[白い花のそばを、だんだんと急ぎ足]
[一人きりの白い場所は、とてもこわい]
どこから、聞こえとるんじゃ……?
[大きくなる鈴の音、からんと下駄が鳴る]
[一人歩く、人の姿]
[声をかける前に、その姿はなくなって]
[りぃぃん]
[鈴の音に、再び足を動かした]
ひとりは、嫌じゃぁ……
[鈴の音の先には、水車小屋]
[くるくる、くるくる]
[あがっては落ちる、水の音]
[その隣には、館が一つ]
[りぃん]
[導くように、もう一度]
誰か、おるん……?
そうかい、ゆんべから、ここの家の人を見かけないんで、坊が、そうなんじゃないかと思ったんだがねえ。
その鞠は、坊のかい?綺麗な鞠だねえ。
[すとん、と縁側に腰を降ろし、にこにこと話し続ける]
風漣も、あの子たちしか見てないよ。
[すい、と遠巻きにする童子たちを見て]
鞠?
鞠は……。
[問いに、手にした華の紋を見て。
ゆる、と首を傾げつつ、まばたきを一つ]
……持っていたの、ずっと。
だから、風漣のだと思う。
[館は広い]
[広くて、大きい]
びっくり、じゃぁ……
[声を聞きつけたか、気配に気付いたか]
[二人の童子が、やってくる]
[同じ顔の童子]
[ほっとして]
おって、良かった……
おら、――
[自分の名前を口に出して、そのまま続けようとした言葉は……]
……何も、わからんのじゃ
[音彩、と]
[名前だけを繰り返した]
[子供の言葉に、軽く首を傾げる]
それじゃあ、坊も、ここに呼ばれたお仲間なんだねえ。
さてさて、呼んだ御仁はどこにお隠れあそばしたやら。
[ふと振り返ったのは、鈴の音が、誰かを招く音に聞こえたからか]
おや、またお仲間が増えたようだ。
[童子たちは先へ進む]
[置いていかれてなるものか]
[古い布の着物で歩く]
なぁ、ここはどこなんじゃ?
おら
そうじゃ、たしか。
ほしまつり。
[呟くけれど、声はない]
[返事はない]
[招くような二人の仕草を、追おうとして]
[追おうとして……]
……?
あ……人、おった。
[同じ顔の童子たちは、こわいとも思っていたからか]
[歩を進めた先の人影に、ようやく小さく笑うことができた]
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