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と、ああ。
[また、というレナーテの声。
一時、思案は破れ、立ち去る背を見やり]
んじゃ、またなー……って。
そーいや、延々食ってたけど、よく飽きねぇなぁ……。
[十本以上食ってたはず、とか。
そんな所から、妙な戦慄を覚えていたり]
―広場・露店―
そこらのゴロツキじゃあるまいし、そう簡単にはいかないよ。
荒事は日常茶飯事の世界だろうしね。
それに、その場よりも後々が厄介になる。
[思わず目が遠くを見たり]
[直接潰されそうになったことは幸いにもないが]
[情報という名の武器は時に何よりも致命傷になるものだ]
言わなくても大人と呼ばれるように。
頑張ってくれよ。
[一人前の大人として見るには危なっかしい]
[それが子供扱いの一番の理由かもしれなかった]
ああ。
ご忠告、感謝するよ。
…押しかけるのはいいが、あまり無茶なことはしないでくれよ。
[無駄に終わるかも知れないが、一応友人の背に向け釘を刺しておく。
彼自身もまた歩き出そうと前を向くと、丁度本日の功労者たる女性が去っていくところだった]
あ、別にそういうわけじゃ
……まあ、あまり公にするべき話じゃないのは事実だろうけど
[そう言いつつ、じゃあまたと立ち去るレナーテを見送る
そして、アーベルの言葉にこくりと頷くと]
……うん、私もそう思う
聞くところによると、話もだいぶ進んでいて、構成も粗方決まってたっぽかったし
[師匠さんと店員さんの会話を聞いて笑みを深くする。仲良しさんだー…なんて嬉しそうに独り言。捻り潰すだかなんだかと、なかなかに物騒な内容だった気はするが気にしない。]
銅貨よんま…あったー!ちゃりーん♪
[喋りながら、銅貨四枚を渡す。貰うポーションにつけられた赤い紐に、感激したようにして]
可愛いわ!ありがとー!
うん、うん、飲み方も気をつけるの。言うことききます!
[そう言ってから背中の籠にポーションを入れ、かわりに、別の小さな瓶を出す。中には淡く黄色い液体が入っているようだ。それを店員さんに渡すようにして]
あげる!可愛い飾りのお礼。
可愛い香りの香水なの、きっとぴったり!
そこまで、か。
まあ、こっちも実働してた訳だし……まとまってた可能性は高い、か。
[は、とため息一つ。がじ、と蒼の髪を掻いて]
ま、祭りの出し物に関してのアレコレは団長とか、お偉方に任すしかねーけど。
[なんっか引っかかるな、と。
ごくごく小さな声で呟く]
うー。何か悔しいー。
情報には情報で……どうにかして社会的に抹殺とかできないのかな。
[師匠の言葉に、ヴィリーの余裕ありげな顔を思い出して、むくれた]
えっと……ええ、頑張りますのことですわ。おほほほ。
[ちょっと大人ぶってみた。似合わない]
それにしても、カヤか。
…まさかとは思うけど。
[先程まで剣士と話していた集団の、横を通り過ぎて行く。
すれ違いざまに会釈程度はしたかもしれない。
足は市場へと向かう]
─ →広場・露天─
[足を向けた広場では、昼は数多に居た露店が店仕舞いを始めて居て]
[段々と数を減らして行っている最中だった]
[ふと思い立ち、行商人が構える露天へと顔を覗かせる]
よぉ。
景気はどうだ?
[噂の人物登場]
[勿論自分が噂されていたなど知る由は無いが]
[露天商が剝れる要因となった余裕ありげな笑みを浮かべ声をかける]
はあい、確かに。
[ローザから銅貨を受け取って数えた後、喜ぶ顔を楽しそうに眺めた。その後差し出された香水の瓶にびっくり。少し悩んだ後、瓶を手に取り、商売用とは違う笑顔を浮かべた]
いいの?……ありがとー。えへへ、綺麗。
お客さんは、花祭りを見に来たんですかー?
[ローザに笑いかけながら、視線は少し離れた自衛団員へ]
祭りの間はお店出してますから、遊びに来て下さいね。実は、店番してると暇で暇でー……っとと、今のはなかったことにして下さいね師匠ー。
[嬉しそうに香水の瓶を眺めている]
またそう、物騒なことを。
相手はその道の玄人だよ、下手な手出しはしないのが一番。
[むくれる気分は分からなくもないので苦笑を浮かべ]
[続いた言い方にはついつい吹き出した]
あのな。
大人というのに一体どんなイメージ持ってるんだ。
[クックと笑いながら]
[ローザとのやり取りを見ていた]
おや。
[嬉しそうにしているベッティ]
[ローザに小さく頭を下げる]
[暇発言に関しては軽く頷いて見逃すことにして]
[届いた声に顔を向けた]
……おやおや。
[噂をすればなんとやら]
[機嫌がまた急降下してしまうかなと]
[苦笑交じりに]
一つ商売が成立したところだよ。
ベッティのお手柄で。
[隻眼の男に答える]
何か探し物でも?
[居なくなった者の話題は耳に届いている。
わざわざ足を止めて聞き返すことも無い。
聞かずとも既に『知っている』のだから]
だって師匠、そんな厄介な人なら、のさばらせておいたら大へ……っ!
[新たに現れた人物に視線と言葉が止まり]
……何か買いに来たのかしら?冷やかしならお断りよ。
[師匠の予想通りに、不機嫌な顔で敵意剥き出し]
そりゃ良かったな。
[弟子である露天商のお陰で商売が成立したと言う行商人]
[返した言葉はただそれだけ]
[挨拶代わりに訊ねただけであって、実益に興味は無い]
いや、近くまで来たから寄ってみただけだ。
強いて言うなら物品じゃなく人物を探してる。
自衛団長に会いたいんだが、生憎と顔を知らなくてな。
後で自宅を訊ねようとは思ってるんだが。
[嬉しそうに受け取ってくれたので、満足そうにうなずいた。]
いいの!お礼だから!綺麗なだけじゃないよ、
スカートの裾にちょっとつけるとふんわりなの♪
[問いかけには、うーんと少し考える顔をして]
花まつりも勿論みるけど、この街のお花をみにきたのよー、沢山だし…。
お祭り中お店番?そっかぁ、大変だー!
[なかったこと、内緒内緒!と唇に指を当てて]
うん、面白そうなの多いし、勿論また来るわ!
あっあのね、私ねローザって言ってね、香水を売り歩いてるの!
…売り歩きだから売りながら遊びにこれるよ!
[えっへん胸を張り。そこで、ふいに現れた顔に傷がある男には、目をまんまるにした。]
[アーベルの言葉に少し考え込んでいたが]
……ねぇ。えっと……
[そこまで言って少し逡巡。だが意を決したのか]
……連続失踪事件、って知ってる?
最近町の内外の人問わずいなくなっているって噂
もしかして、その人最近見ないのって…………
[その続きは流石にスッとは出てこなかった]
― →市場―
[祭の期間であるとはいえ、暗くなり始めた今では流石に人もまばらか。
宿舎へ帰る通り道となっているそこを、急ぐでもなく歩いていると]
おや。
噂をすれば、という奴かな。
[前方に見えた小柄な影に目を凝らした]
[落ち着かせるようにベッティの頭を軽く撫でる]
[こういう部分も微妙に子供扱いだったかもしれない]
それは間が悪かったね。少し前までは団長さんも居たんだが、団員に呼ばれて行ってしまったよ。
追いかければ間に合う…かどうかは微妙かな。
この時期はそうでなくても忙しい人だから。
まあ、食事時なら自宅にもいるだろうけれど。
[休息の時間を邪魔するのもどうかと]
[そんな意味を暗に含めながら付け足した]
[魔法の道具。
裏道で知り合った商人と連絡を取る為の、もの。
近々大きな仕事があるとか聞いて居たけれど
少女は詳しい事はまだ、良く *知らなかった*]
……というか、ここに住んでて、それ知らずに済ませられるかよ。
[逡巡の後、続いた言葉に小さく呟く。
くるり、と。
周囲を不自然に風が巡る。
まるで、声を表に出すまい、とするかのよに]
ま、祭り前にそういう話って、聞きたくもしたくもない、けど……。
やっぱ、気になるし、明日にでもギュン爺様辺りに聞いてみるかぁ。
[気になる理由は幾つかあるが。
『本番』に差し障るのは、避けたい、というのがあるのもまた、事実]
さぁて、いつまでもここで突っ立ってても仕方ないし。
おっちゃんとこ行って、メシ食うか。
[巡る風は不意に舞い散り、同時、零れたのはいつもと同じくあっけらかん、とした言葉]
ふんわり♪
[香水の瓶を眺めて、夢見心地だったり。ローザの返答にうんうんと頷いて]
沢山だよねー。お花畑の中で暮らしているみたいで癒されるの。
本当?約束だよー。アタシはベッティ。商人の卵。
わ、ローザって独りで商売してるんだ。大先輩だねー。
[胸を張る姿に羨望の眼差しを送ったのは、隻眼の男が現れる直前のこと]
(っと、少し演技が過ぎたかな
んー、『自分が誘拐した』人物について白を切るのは、難しいなぁ
襤褸が出なければいいんだけど)
[アーベルと会話しながらも頭を巡るのはそんな考え]
……ふーん、一体自衛団長に何の用かしら?
花の香りに混じって、何だか悪事の匂いがするわね。
[ヴィリーの態度などお構いなしに、挑発的な笑みを浮かべる。ハンスの手が頭に伸びると、少し冷静さを取り戻して口を閉ざした]
ちっ、タイミング悪ぃな…。
呼ばれたってことは詰所に戻ったんか?
自衛団長から話を聞かないことにはこっちの仕事もままならねぇ。
現時点で情報を持ってるって分かってんのはそいつだけだからな。
[苛つくように舌打ちをする]
[同時に眉根が寄り、短くなった手巻きタバコを右手で摘み]
[いつもより火力強く手巻きタバコを燃やし尽くした]
[溜息交じりに肺に残った紫煙を吐き出す]
これだけ探して捕まんねぇなら食事時でも訊ねるしかねぇだろ。
[暗に示す意味は理解すれど、それを気にするはずもない]
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