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─ 第二階層・集会室 ─
[その可能性を考えて、銃口を向けた、その結果。
だから、これは、正解を引き当てた結果、と言えるのだが]
……く。
[それなりに修羅場は見ているが、さすがに人がアメーバ状に溶けて崩れる様子などは初めて見る。
そちらに意識を奪われていたためか、もう一つの銃撃戦とその結果>>6にすぐに意識は回らずに。
走り出そうとするオーフェンの足音>>5に我に返り。
そこでようやく──もう一人の死者に、気づく]
……っ!
学者のセンセ……? なんで……。
[二人に撃たれたのは、視界に入っていたけれど。
予想外の状況に思わず呆然と呟いていた。
しかし、今は走り出した少年を一人にすべきではない、という意識が先に動いていた。
だから、引き止めるべく走り出そうとした矢先、向けられた視線>>7に、ひとつ、瞬く]
─ 第二階層・集会室→通路 ─
[捕まえきられなければ走り抜け、通路をがむしゃらに走る。
足ががしゃがしゃ嫌な音を立てても構いはしなかった。
なんでとか、どうしてとか、そういったもので頭を占められていたが、放送>>#0は勝手に耳に入ってきた。
変わってない放送、3人の名前。
そこにスティーヴの名前が無かったから、ちょっと顔が歪んだ。]
ふがっ!
[半端に直された片足が、途中で縺れて転んで顔から床からぶつけた。]
……………。
[痛い。顔を打ったのでくらくらして、星が飛んだ。
それでも何でか、泣きはしなかった。
廊下にべっしょり倒れたまま、顔だけ上げる。
鼻から打ったので鼻の頭が真っ赤になっていたが、自分じゃ見えない。]
─ 第二階層・集会室→通路 ─
……迷うてる場合じゃない、わね。
[戸惑いの時間は、短かった。
まだ終わっていないなら、残ったどちらか、という事にになる。
自分の中の仮説に沿うなら、選択肢は明解。
だから、躊躇わずに走り出す。
自分が死ぬのも、オーフェンが死ぬのも。
選択肢として、選べない、から]
まー、問題は、あっちがどう思うてるか、かだけど。
それこそ、やってみん事には、ねぇ。
[そんな呟きをもらして、通路を走る。
しん、と静まり返る通路。
空気が、重い]
─ 第二階層・通路 ─
(おっちゃんも死んだのにまだとか言ってる。)
[くらくらする頭の隅がそう告げる。
つまりは、ノブかエリカか、どちらかがPMC。
―――父親と同じ偽者。
だというのは子供の頭でも理解できる。
だが子供にどちらが偽者なのか、見分けがつくはずがなかった。]
……いたい。
[ようやく口にしたのは痛みを訴える言葉。
顔もだが、胸の奥がひどく痛かった。]
こんな感じかな。
[「ノブ」の言いそうな事を、「ノブ」のように。
長らく意識の中に潜んできたからこそ、それは難しいと思わなかった。それなりに自信もあった。「ノブ」と親しかった航宙士であっても、少しは惑わせられるだろうと。
その隙をつけば、次の宿主にも出来うるだろうと]
言いくるめやすいのは子供の方か。
αもそれを望んでいたしね。
[しかしこちらはどうすればいいか。
子供と接した記憶は少ない故に悩みながら話しかけていた]
─ 第二階層・通路 ─
分からないか。
[胸を押えていた右手は緋色に染まっている。
左手には銃を握ったまま、けれど銃口はまだ向けていない]
オーフェン。
銃はむやみに使うなって言われていたよね?
使う時には迷うなって。
[それは少年の父親が、銃を持たせる時に言っていたはずの言葉]
怖いのなら、撃った振りだけしていればいいんだ。
それでシステムは誤魔化せる。
[内緒話のように小声で。
冷たい目の下で口元は笑って言った]
後は私が、なんとかするよ。
─ 第二階層・通路 ─
まったくだね。
誰を信じればいいのか。何を信じればいいのか。
[追いついてきた航宙士に視線を投げる]
殲滅プログラムなんてものまで用意されたから、ゆっくりと検討する時間もなくなった。
PMC排除のための必要性を認めないとは言わないけれど。
用意周到すぎたと思わない?
まるで、こうなることを分かっていたようにさ。
─ 第二階層・通路 ─
[一番信じていて、大好きだった人が嘘だった。
いつから嘘だったのか、どこまで嘘だったのか、もう解らない。
優しいノブが好きで。
尻尾のあるエリカも嫌いじゃない。
怖いと思うのは、
偽者だったと、失望するのが怖いから――。
何を信じていいのかわからない。縋りたい人はもういない。]
………
[「とーちゃん」と、いない人の事は呼べなかった。
ずる、ずると、ゆっくりさがって、起き上がろうと身体を捩る。]
[少年>>21の謝罪にはゆっくりと頷いた。
許すかのように。あるいは大丈夫だと言うように]
宇宙船という閉鎖空間で、わざとPMCを逃がす。
それこそ小説のような話だけれど。
実験としてはありなんじゃないか、なんて思ってさ。
[銃を握る左手はまだ下げられたまま。銃口は床に。
右手は胸に当てたまま、航宙士>>20に答える。
「ノブ」らしい口調を保ったまま]
だとしたら、最後は殲滅プログラムで終わる、とは思えない。
実験に使ったPMCのことも、回収できるような何かがある。
そんな可能性を考えていたんだ。
[ありえない話をもっともらしく。
それは「ノブ」もよく使っていた話術]
……まぁ、確かにねぇ。
ここまで非現実が続くと、そんな可能性もありかなあ、なぁんて。
そんな考えも浮かぶけど、ね。
[淡々とした口調を崩さず言って、目を細める。
向ける視線は、真意を探るようなもの。
黒の猫尻尾が、思案するようにゆらり、揺れる]
……けど。
ウチ、そういうご都合主義は信用しないタチなんよねぇ。
それに……。
[ふと、思い返すのは、先に通路で交わしたスティーヴとのやり取り]
そんな都合のいい裏があるんだとしたら。
……あのセンセがあそこまで必死になる必要って、ない気もするし。
それこそ、てきとーに死んだ振りでもして、やり過ごせばいいんじゃないの?
エリカちゃんらしいお言葉で。
[ご都合主義と切り捨てられ、模倣ではなく苦笑が浮かぶ]
必死でなかったら、もっと早くから疑ってたよ。
死んだふり?
……それは思いつかなかったな。
念のためとかでトドメ刺されたら怖いじゃないか。
[軽く首を傾げて。感情の浮かばない眸は真意を読ませ難い]
オーフェンはどう思う?
そんなにご都合主義な考え方かな、これ。
まあ、スティーヴ先生がPMCじゃなかった時点で、色々間違ってる部分はあるみたいだけど。
[できるだけ軽い口調で少年にも声をかける。
ちゃんと気にしているのだと見せるために。答えを強く希求してのものではなかった]
親を失ったばかりの子供。
頼るべき依り代になればいいか?
[航宙士には迷いを持たせようと話しながら、少年を気遣うのは親代わりになろうかという意図]
αに聞ければもっと確実な方法を取れるというのに。
[αがいればそもする必要のないことだが。
小さく溜息を吐くような気分を抱えていた]
夢だけでできる仕事しとらんもん。
ウチら航宙士が『現実』見んかったら、どないするん?
あるかないかの可能性に賭けて、乗員を犠牲にする道を選ぶ事はできんのよ、ウチらは。
[勿論、例外的に賭けに出る事はあるが。
それを行うにしても、最低限の確実性は求めるように。
それが、自分の教官の持論だった]
そりゃ、ふつーは思いつかんわねぇ。
システムの目ぇ誤魔化す必要があるんだし、どんだけ面倒なんだか。
……ま、死んだ振り云々の話は、どーでもいいわねぇ。
[真意の読めぬ瞳。
は、と息を吐いて、一瞬だけ目を伏せる]
……にーさん、ウチな。
生物学者とか、研究者とかって肩書きつく相手は、まとめて嫌ってた。
絶対信用なんかしてやるもんか、ってずーっと思っとった。
[その辺りは、常の態度からも読み取れる事だったろうが]
……だから、あの学者センセも、最初は疑っとったよ。
けど。
さっき集まる前に、サシで話して。
……学者は嫌いだけど、この旦那は信じてもいいな、ってそう思えたんよね。
…………けど。
[目を伏せたまま、綴る言葉は、そこで一度、途切れた]
『まもなく皆様に一斉射撃を……』
[臨時プログラムの放送は途中で途切れ]
『まもなく、当選は目的地の宇宙港******に到着いたします。
各員所定の配置についてください。』
[目的地への到着が近いことを告げる放送が流れた]
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