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[ブリジットに色々任せながら、外に出てゆくエルゼリートを「よろしく」と言いつつ見送った。
ひら、と手を振って、それから苦笑する]
シチュー…簡単なやつで作っちゃうかな。
[人はそれを手抜きという。
とりあえずはもう一つ、鍋がきてからだと考えながら]
ブリジットはシチューとか、最初からしっかり作ったりしてた?
基本、楽なのばっかりやってたからなぁ…。
[わざわざホワイトソースを別なんてことはしない。
なんて、呟いて。
とりあえずは料理を始めよう**]
―→広間―
[アザができることは特に気にはならなかった]
たしかに……狼…わからなきゃ…意味ないか……
[見分けられる人が誰なのかはわからない。
少なくともヴィリーがそうだったなら、狼のときと同じように言うはずだろうとは思い。
いつもの笑みを浮かべるアーベルの言葉をただ信じることにした]
そう、だよな……
[そうじゃないと、自分のしたことを正しいと思わないと、直接手を下したわけでなくとも自分が殺したようなものだったから。
広間につくと治療をされるのなら大人しくそれは受けて、エーファは自分の様子に驚いたり心配したりしていたかもしれない]
…何かしら、広間から声が…
──…アーベル…?
[エルゼが出て行って程なくか、広間からゼルを呼ぶアーベルの声が聞こえて首を傾げた。
何事か起きたのだろうかと思いつつも、ゼルから料理してて、と言われればゲルダとも目を見合わせ、とりあえずは料理を作り上げてから広間へと行くだろう。**]
─勝手口外─
[薪小屋は納屋の隣だったな。一回行ってるし覚えてる。
そう確認しながら勝手口を出ると、アーベルが…あっちはフォルカーだよな、うん。
フォルカーを抱えて玄関の方へ向かうのが見えた。
……何でわざわざ向こう回ってんだ?
つか何、逢引き?
あれ、アーベルってヴィリーと一緒にクレメンスの墓掘るとか言ってたんじゃないっけ。
………ヴィリーは? あいつどこ行った?]
…道具は納屋、って、オレ言ったよな。
[納屋は直ぐそこ。薪小屋の隣。
何だか嫌な予感がして、少しの間オレは納屋を凝視した。
誰かが出てくる気配は無い]
―クレメンスの部屋―
[おとうとの姿が見えなくなれば少しだけ寂しげな表情が浮かぶ。
其れを隠すようにクレメンスへと向き直り静かにシーツを掛け直した。
傍を離れたくないけれど此処にずっと居るわけにもいかない]
――…ラーイとおにいさまと、三人で
おとうさまや子供達のもとに帰りたかった。
ずっと、一緒だとあの日まで信じていたの。
けれど、私が弱いせいで、おにいさまが……。
[義兄に相談できなかったことを後悔していた。
核心に触れる言葉は告げられないまでも仮定として話せば、と。
勘の良い義兄のことだから言わずとも何かに感じていたかもしれない]
おにいさまは生きて帰られるべき方、なのに。
[養父の跡を継ぎ人々を導くべき存在。
物心つく前から前を歩いていた兄を妹は誇らしく思っていたから
女の胸には罪悪感と後悔の念が募る]
―二階・自室―
[菫色に見詰められた深緑は少しだけ明るさを取り戻して。
いいこ、という子供扱いには肩が落ちかけたり。
それでもほんの僅かな時間、穏やかな日常に戻った気分になれた]
これなら大丈夫だな。
[赤黒く濡れて重たくなった服を脱ぎ、少し湿り気の残る服と着替えた。手についた色は、同じく洗うことになるシャツで拭う。
洗濯する物をそれでも丁寧に畳んで約束通りに扉の内側に置く。
下の騒ぎは聞こえたけれど、少し休みたくて寝台に腰掛けた。
いつも身に着けていた十字も外して黒革の書物の上に。
頭痛を堪える仕草で息を*吐いた*]
― 広間 ―
[フォルカーを降ろし、心配するかのように顔を覗いて様子を見、安心させるように頭を撫でる際に、本人にしか聞こえないよう小さく囁いた。]
余計な事は言わずに黙っとけ。
[囁きの後はにこりと笑って、それから身を離す。
血塗れた服のままだったが、誰かに説明を求められれば。]
フォルカーと旦那が人狼云々でやりあって、フォルカーがこんなだから、結局俺が旦那を殺したヨ。
[そう説明するだろう。
それは嘘ではないのだから**]
[アーベルの説明に嘘はなかったが、自分が先に手を出したことは説明されてなかった。
けれど自分には多くを語れるほどの余裕はなく、アーベルから黙っていろとその言葉を素直に聞いていた]
ごめん……
[アーベルが皆に説明をする中ぽつりと出る謝罪の言葉はどこに向かってのことだったか]
─勝手口→納屋─
[アーベル達を見たのは角を曲がる直前だったから、アイツらが赤く染まってたとか言うのにはオレは気付いていない。
フォルカーが抱えられてたことだって辛うじて見えたくらいだった]
……おいヴィリー、居るのか?
[納屋に近付く前にオレはヴィリーを探して周囲に声をかける。
返事は無い。
…もう穴掘りに行ったのかな。
そうも思ったけど、オレは念のため納屋の中を確認することにした。
道具探しててオレの声が聞こえなかったかも知れないし]
[でも、そんな期待は思い切り裏切られたんだ]
っ、お、い。ヴィリー…?
[納屋の中はそんなに明るいわけじゃなかったけど、光が差す小窓があったから部屋の中を見回すのにそんなに苦労はしない。
でもそのお陰で異変には直ぐ気付いた。
───何でヴィリー、紅いんだ?]
―クレメンスの部屋―
[義兄の対となる存在を知った。
支えるべき双花の片割れである彼女。
支えなければと本能が告げるのに
今は未だ弟の事を告げる気にはなれない。
月のいとし子は彼だけでは無いと知ってしまったから。
心の何処かでその存在を見出さねばと思う。
けれどこの日、女が見極めようとしたのは双子の片割れ。
教会に縁の深かった少女。
幼い彼女が獣でないなら此処から逃したいと思っていた。
其れが叶うか叶わぬかは別の話であるが――]
そうでしょう。
だからしない。
[獣の気配を押さえ込もうとして、息苦しそうに囁く。
この時にも衝動を押し殺すのは楽ではなく。
気を緩めれば途端に獣の意識も交じり合ってしまう。
それが人狼となった、今の自分だ]
うん。そうさせてもらう。
[リエルが突然に気を変えてナータを襲う可能性は、頭から落ちていた。そうならずに済んだのは僥倖だったのかもしれない]
/*
襲撃決定お疲れ様です。おまかせ許可ありがとうございました。
かなりの低速になりますが、こちらはもう少し覘いています。
更新前の話。>>*43
ナータのことを知られてリエルに食べられたら、逆に流されて獣となりきってしまうのもありだなと思いました。まずないと思いますがリエルが吊られるような事態があればそうするかもしれません。
今日は霊対決狙えば良さそうでしょうか。
相打ちに持ち込めるともっと良い?
─納屋─
おい……ふざけんなよ…。
何でお前、何して。
[上手く言葉が出て来ない。
驚きが先行して、オレはしばらく茫然としていた]
なんだよ、お前。
なにしん………。
[そうだ、ヴィリー、これ死んでんだ。
何でだ? どうしてこうなった?
だれが、やったんだ?]
……何してんだよ、マジで。
殺しても死なねぇと思ってたのに。
[驚いたのは本当。
コイツなら今回生き残ってもおかしくねぇって思ってた。
それなのに、死んじまったよ、コイツ]
────あーあ、死んじまったのかぁ。
[驚きはしたけど、オレの聲に悲しみは載っていなかった]
[取り乱す、ってことをオレは何故かしなかった。
唐突過ぎて頭の整理が追いつかない。
血の匂いがしても、くらめく余裕すらなかった]
え、と。
…みんなに、知らせなきゃ…?
[ヴィリーを殺した当人が既に皆に知らせていると言うのはオレは知らない。
それでもそうしなきゃいけないと思い込んで、オレはゆっくり納屋から離れて勝手口へと戻って行く。
薪の事なんてすっかり忘れていた]
─ →厨房─
[勝手口から厨房に入り、オレは一旦扉を閉める。
薪も何も持っていない様子を不思議がられたかもしれない。
オレの表情はヴィリーを見つけた時の、翡翠を見開いた状態のままだったことだろう]
あの、さ。
なんか、納屋で、ヴィリーが───。
[言いかけて、オレは言葉を止める。
見開いた翡翠は広間に居る赤を纏った人物を*見詰めていた*]
―→二階・双子部屋―
[そのまま治療を受けた後は、部屋で安静にしているように言われ、
二階の左奥の部屋に連れて行かれることになるだろうか]
大丈夫、だよ……
[一緒に来ていたエーファにはそう告げて、でもその言葉は苦しそうにしていたので余計に心配させたかもしれない。
ベッドに横にされると、すぐに意識は落ちていくことに]
―夜明け前/双子部屋―
[安静にしているようにと寝かされたベッドの上で、夜も遅くになる頃から夢現と覚醒とを繰り返していた。
今は鼻血も止まり、顔の方は目立った怪我はなくなったが、体の痛みはまだ引かず、服をめくればそこにはいくつかの痣は残ったままだった。
突如胸に感じた痛み、その苦しさは怪我によるものじゃなく、ここに来て何回か経験のしたことあるものに似ていた。
けれども、少し違うように感じるのは何かをとられるような、抜け落ちていくような苦しみ]
エーファ……?
[ベッドから這い出て、壁に手をつけ支えにし立つ。
そのまま痛む体を引きずるようにして部屋を出た。廊下を照らすのは月明かりのみで、皆は寝静まった頃なのか静けさを感じる。
昨日から一緒に寝なくなったエーファはどこにいるのか、聞いていたわけではないけれども向かう先に迷いはなかった。
その存在を、たしかに消える前に感じていたから、何よりも自分が守りたいと思った、自分の半身たるエーファの存在を]
―夜明け前/エーリッヒの部屋―
[昨日と同じくエーリッヒの部屋に、窓から差し込む月明かりの下、確かにエーファはいた。
ただ、そこにはあるのはエーファだった遺体、まだ殺されて間もなく、血も乾かず床にその赤を広げている]
なん、で……
[守りたかったはずの、守らなきゃいけなかったはずの存在はもう二度と返らない姿に。
喉から胸、お腹までを切り裂かれて、どちらの遺体かは怪我の跡からは判別のつかないものに。
そこには見るものが見れば、足りない部位がいくつかあるのもわかったかもしれない]
嘘だ、嘘だって、言ってよ…ねぇ……
[言葉が続かない、エーファの死体にすがりつき、よく似た二人はともに血塗れて重なるように。
体の痛みと、半身を失った心の痛みと、耐えられなくなった意識はそのまま落ちていった。
二つ重なる、よく似た双子、生者と死者に分かれたその姿を誰かに発見されるのはもう少し後のことになるだろうか**]
/*
>>*8
こちらはそろそろ寝そうです(笑)。
ふむふむ。
その辺りの決定はお任せしますよ、と。
こちらは先にも言った通り、仲間割れも辞さないので。
霊対決は出来る流れになってますね。
しかし相討ちした後、オレが直ぐに吊られそうなメンツになる気がしましたww
正直今日はアーベル喰いたい感じ。
オレCO的な意味でも。
[嘘を吐くのも隠し事をするのも元来得意ではなく
どちらかといえば苦手な部類で――。
重い息を吐き出しクレメンスの眠る部屋を出る。
彼を埋めようとした男が其の部屋に来ることは無く
それを少しだけ訝しく思いながらもその行為を是とせぬ女は
隻眼の彼を呼びにゆこうとは思わなかった。
隣にあるライヒアルトの部屋の前に行き控えめにノックをして]
ラーイ、着替えは終わった?
[問い掛ける声に返事はあったか。
入口に、と言っていたから少しだけ躊躇いながらも扉に手を掛けた。
抵抗なく開く扉の向こう――足元には畳まれた衣服がある。
手を伸ばし其れを拾い上げると頭痛を堪えるようにある弟の姿。
心配そうな眼差しをライヒアルトに向けて]
――…大丈夫?
ゼルギウスさんを呼んで来た方がいいかしら。
[尋ねるような声を掛け階下へ向かおうとした**]
誰が死んだの。
[その聲からは悲しみを感じられなかったから、普通に尋ねた。
表現から何となくの予想は出来ていたかもしれない]
勝手に減ってくれるのも悪くはないけれどね。
[残念そうなコエにも悲しみの色は乗っていない。
ただ、自分が直接関与したのでないと思えれば、少しばかり死を悼む気持ちが混ざっていたかもしれない]
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