情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ミハエルの銃弾は、先程の傷をやや違う角度で貫いた。
ナターリエの上に血がぽたぽたと落ち、
小さな薔薇の花を咲かせた。]
全く…ここまで来て、大した子供だよ……。
君は成長すれば、誰かを守る事が出来るようになれるかもしれないが、ハッ!…残念ながら、既に君に守れる人間はいない。
[ナターリエの身体の両側に手をつき、ねめあげるように双眸をミハエルに向ける。]
[視線は地を這っていたが、ふと顔が冷静になり]
…。
嘘、だ。
[ぽつり]
そう、イレーネ。それは嘘、ですね。
[目を閉じ一息、開いて。
イレーネを見据えて言う]
占い師というのは、その力故に得てして臆病なものです。
生者の中から人狼を探す事の出来る、
その力の確かさを知っているが故に。
その者を信用に値するか、
確実に調べる事が出来るが故に。
そう易々と人を信用してしまっては、
その力を命を、大せ を、容易く手放してしまう。
[言葉に詰まった一瞬、顔が陰りを帯びたが]
[表情はすぐに戻る]
だから、私を占っていないなど。
占っていない私を信じ、自分の力を明かすなど。
貴女のその言葉は嘘、有り得ない。
…中々、狡猾ですね。
そう言われれば、人は貴女に心を許したくなる。
[ふっと自嘲的な笑みを浮かべる。]
[一度倒れた...は、その赤い赤い雫を受けて、泣き出しそうなコエでfatherを呼んだ。
自分の上に倒れこむ、その身体に触れることが出来なくて]
何を仰って。
あなたの、あなたが、わたくしにとっては王です…っ
そんなことを仰らないで下さい
あなたがどうしても死ぬのだというのなら
わたくしが…あなたを看取りますから…だから。
[しかし問いかけを聞いて、口をつぐむ。]
この、箱庭で。
[掠れた声で言葉を紡ぐ]
愛の深さを。
[心を開放してくれた歌姫を思い浮かべて]
無知という無力さを。
[本当はただただ開放を願っただけ]
力の恐ろしさを。
[目の前の人狼たちも、自分もそれに振り回された]
――神の、残酷さを。
[神はこれを何処で見ているのだろうか]
[目の前の二人が互いを心配する姿を見て]
[彼らも自分達と変わらないのだと思った]
[哀しい運命に囚われてしまっただけなのだと]
侯爵家の遠い日の嘆きは世に広まっている。
君はその中で辛い目にあったという事もね──意外と教会は俗世に通じているんだよ。
[その中には幾分かの想像と心無い中傷の言葉も含まれてはいるのだろう]
君は、この箱庭で愛を見たか。
社交界という氷の檻の中へ入る為に、自らの心を氷漬けにした君の心を溶かすものはいたか。───それが、エルザだったのかい。
[深い溜息をつき、]
君は、神を残酷だと思うか───?
[更に問うた]
残酷でないのなら、何故。
何故わざわざここへ私たちを集めたのですか。
このまま消え行くことが出来たかもしれない、人狼の末裔を。
[ずっと堪えていた涙が一筋だけ零れた]
――あ。
[神父の言葉が耳に届く]
[そう、ここに来なければ知ることの出来なかった事もある]
[なればどちらが正しいのか]
わから、ない……
[これが自分にとって幸運だったのか不幸だったのか]
[判ずることは出来なかった]
[一度頭を垂れ]
[再び持ち上げる]
……運命は自ら勝ち取るもの。
たとえ負けたとしても、私は自分の道を最後まで歩く。
[真っ直ぐに神父を見つめて]
…。
賢い貴女と問答をしている時間は、残念ながらもう無いようです。
[彼女の右腕を見て]
せめて、これ以上貴女が苦しまずに済むように。
痛い思いをしないで済むうちに、私の中に送って差し上げます。
ですから、お願いです。
怯えてそんな物を振り回すのは止めてくださいね――
[彼女の元へと身を沈め駆け寄る。
右拳を時計回りに捻りつつ、彼女の左胸へ突き出す。]
神は、戯れが好きなのかもしれない。
決して、神は越えられない試練は与えられない。
だが、越えられなければ───君は死ぬだけだ。
そうか。
私もだよ。
[最終的に、このタペストリー(物語)はどのような模様をつくるのか、それはクレメンスにも分からなかった。]
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新