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[ 上手くタイを締められない。
香による酩酊と、
歌のような呼び声と、
残る理性が、もどかしく普段通りの指の動きを行わせようとしているが、
何度目かの試みの後、漸くタイを締める。]
―2階個室―
[思考の海から戻った後は読書の続きを。
没頭すると他からの声も聞こえないほどになるのは、恐らく書店にやってくる人ならば知っているだろう。
親を亡くすまではそういったことは無く、外に出る事も多かったが。
ふと小腹がすいていることに気付いた時、漸く戻ってくる]
……あぁ。
[読みふけってしまったと目頭を押さえて、本に栞を挟む。
それからしっかりと立ち上がり、扉に手をかけた。がちゃり、と音が響く]
慣れ、だよ。
[微かに照れた様子でフィグネリアに返す。
問い掛けには少し考えて]
チーズ焼きにでもしてしまおうかと思ってたけど、キミも使う?
[運んできた釣果の大半は捌いてしまったが
容れ物の中にはベルナルトとの約束用に二尾ほど残る。
捌いた分を示しながら彼女に問い掛けて]
―1階廊下―
[階上の物音が増えた事に、男は天井を見上げる。
人の気配を探るように周囲を見回してから、
廊下の奥の暗がりに、なんとなく身を隠した]
[なんだか廊下を歩く足音が増えた気がして、部屋の中で立ち止まる。
階下へとおりていく足音が小さくなった頃に、扉から部屋の外へとでて。
その時に2階廊下に誰かいただろうか]
[広間、一人きりのタイミングを見計らい、]
ォ――…、
[歌の様に。遠吠えの様に。またも繰り返す。
そう言えば、この遠吠えを教えてくれたのは、と。
ふと懐かしいことを思い出す]
―回想・在りし日―
["彼"は、先祖還りだった。
少なくとも、父も母も人狼と呼ばれる存在ではなく、何も知らぬまま"彼"に喰われた。
"彼女"は父へも母へも愛着を抱いていたけれど、"彼"にとっては父も母も獣の衝動をどうしても呼び覚ます相手だった。
夜、月に誘われ、"彼"が獣になったあの日、あの時の恍惚も。
翌朝の、緋に塗れた"彼女"の悲しみも。
薄れることなく、未だ、心に在る]
―2階個室→廊下―
[部屋の扉には何も貼っていない。
これは混乱するだろうか、と廊下に出て少し悩む]
……。
[部屋の戸を開けたまま、中に入り、さらさらと紙に自分の名を書きつける]
、 アリョール。
[ 広間へ入るとアリョールが一人居た。
掃除も既に終わっているのだろう。
辺りには、イヴァンやフィグネリアが調理していると思しき料理の良い匂いが漂ってきていた。
ヴィクトールは、ソファに座り、自室でと同じように手をあて咳を殺そうとする。]
["彼"が詳しい事情を知る事になったのは、孤児となった後。
身元を引き受けてくれた先代の墓守に教わってのことだった。
今はもう亡くなった其の相手もまた、人狼だった。
例えば、人の中で生きて行く為に、限りなく都合の良い職が墓守という事。
心近しい相手であればあるほど、餌にしたときは深く苦しみ、けれど同時に、其れは何にも代え難い甘露の味がするものなのだという事。
仲間を呼ぶ為の聲の事。
――…本当に、幾つも]
[幾つもの事を教えてくれた先代ではあったが、一つの身体の内で、重なり、けれども合致しきらない"彼"と"彼女"の意識についてだけは、解らないようだった。
けれどそれも今となっては、"彼"も"彼女"も「そういうものだ」と割り切ってしまった為にさして問題は無いのだった]
―回想・終了―
私は、見ているだけで良いわ。
魚は良くわからないから。
[イヴァンの問いに首を振ってから、見ているだけに留める]
チーズ焼きはおいしそうね。
[時々鍋の様子を見ていたところで、イヴァンがパンを窯に入れるのが見えて、面白そうにそれを見る]
―広間―
[名を呼ぶ声に、顔を上げる。
本は閉じずに膝の上に開いたまま、唇を人差し指で叩く]
――…具合でも悪いのか。
あまり顔色が良くないな。
[本当に心配しているのかは読みづらい声音で、言葉を投げ掛ける]
[ それよりは、ざわざわと、ざわつく。
屋敷内の音も料理の匂いも雑然としたノイズの様だ。
如何して、ここまで来たのか無意識では半ば分かりつつも、理解りきれていない。
口元を抑える様子が、アリョールに怪しまなければ良いがと思う。]
――…いっそ、気付いてしまえば楽だろうに。
[本当は気を遣う必要も無いのだから、と、そう"彼"は思う。
気付いてしまえば、別の苦しみに耐える必要があるだろうと"彼女"なら、そう考えもしたのだろうけれど]
スープもいい匂いがしてきたね。
[クンと鼻を鳴らし鍋に目を遣る。
見ているだけというフィグネリアにゆると頷いた。
塩で臭みを抜き、香草と塩胡椒で下味をつけた白身魚を器ぶ並べる。
削ったチーズで切り身を覆い周囲にトマトを盛り付けグリルして]
そろそろ良い頃合いかな。
順に広間に運んで皆を呼んでくるか。
[焼きあがったパンを窯から取り出し
既に人が集まりつつあるとは知らぬままそんな言葉を漏らした]
―1階廊下、奥―
[息を殺し身じろぎもせず居る事は慣れていた。
薄暗がりにじわっと染み出るような錯覚に陥る、
指摘された自分の匂いも、すぐに浴びれない水の事も。
じっと時をやりすごせば耐えられることだ。
けれど、ふんわり漂いはじめる
パンの焼ける匂いだけは、堪らなかった]
――…
[胃のあたりがきゅうとするのは空腹のせいか。
なんだか少し、鼻の辺りが熱い。
片腕に抱えた借りたままのショールを、空いた片手で触れる]
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