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―ホール―
まった誰もいないな。いんだけど。
[...はとりあえずホールにやってきた。別に何が目的と言うよりも、目的がないからここにきたと言うほうが正しい。
何をするにしてもここからなら移動しやすいだろうと思って。
とりあえず通りがかった使用人に軽食を頼みつつ、最初はなれなかったのに、慣れたもんだな。と微苦笑]
こんな生活、夢みたいなもんだよなー。ってことでここで起きたことは夢でしたーってな落ちにならないもんかね
[なんて都合のいいことをいっても現実は変わらないことを認識しつつ椅子に座り軽食が来るのを待つ]
御期待に添えなかったなら、申し訳ありません。
[冗談めかしてそんな事を言うも、続いた言葉には首肯]
それは好かった。
[微笑みを湛え、指先は薔薇を弄る。
棘のついたままなれど、それは執事を傷つける事なく]
……ああ。
フラウ・キアストライトの件は、御存知ですか?
[外へと続く扉を開ける…
夜の闇を纏い、月の光に照らされた眠っている花々は少女の知らない夜の顔で、小さく感嘆の声を漏らす]
綺麗…
こんな事なら…もっと、早く出れば良かった…
[お婆ちゃんも、こんな綺麗な夜の世界を見せてくれないなんてずるい。
小さく思うが、ふと、誰かの話し声が聞こえてきた気がして辺りを見回した]
…あっち?
[少し躊躇ったが、そっと足音を忍ばせて声のする方へと近づいていく]
[ふと、彼の様子が変わる
その瞳は蒼く、きょとんとした顔でこちらを見ている
それを見て、ああ、彼が引っ込んだのかと悟ると]
こんばんは、アーベル様
[そう言って深々と一礼]
ノックをさせていただいてもご返答がありませんでしたので、失礼ながら勝手にお部屋の方に入らせていただきました
[申し訳ありません、と謝意を述べたあと]
つきましては、お部屋の方検めさせていただいて構いませんでしょうか?
期待って。
ただ、上から見て誰かいるな、って思った程度ですから。
[冗談めかした言葉には、こちらも冗談めかした口調で返し。
それから、投げられた問いに、微かに翠を陰らせて]
……ああ。
あの後……部屋に戻る前に、立ち寄って見た……からね。
複数の魂が奪われるのは、過去にもなかった訳ではないようだけれど。
……正直、驚いた……。
[あと数冊、まだ読み終わっていないものも残っているけれど
既に読み終えた書物だけでも、早々に戻すべきだろう。
…何より、丸一日部屋に閉じこもっていた事も相まって
気分転換もしたいと言う気持ちの方が大きいのだけれど。]
[邪魔にならないように、サイドテーブルの脇に寄せられた
三冊の書籍をを掻き集め持ち抱え]
音色…ぐらいだよな。やっぱ目的っていったら。
にしてもそこまでして聞きたいものなのかね。
燃費悪すぎ。まだネジ巻いてなるほうが可愛げがある。
[自分なりに考えながら、軽食に手をつけつつぼやく。]
音に興味があるやつって誰かね……
もしくはオルゴールそのもの…っていっても外観だけのものにそんな興味あるとは思えないんだよな。
雰囲気やら魂食うやら音色までは無理だけどそれ以外なら作ろうと思えば作れるだろうし…となるとやっぱ音色だよなー……そんなすげぇのかな
[そっと近づいていき…花達の影に隠れるように身をかがめ]
…オトフリートさんと…エーリッヒさん…?
[こんな所で何をして居るんだろう。
少女は自分のことを棚に上げ、そんな事を考えていると]
フラウ…キアストライト…?
[聞き慣れない名前に一つ瞬きをするが、エーリッヒの言葉に、出そうになった声を無理矢理抑える]
誰か…魂、取られたの…?
[だから慌ただしかったんだ…でも、誰の…?
少女は耳を傾けている]
[翳る瞳をじっと覗き込むように、緑の眼差しを向ける。
返って来た言葉には、口許に手を当て、僅か首を傾けた]
そうですか。
なかった訳ではない……と。
それにしても、今回のケースでは些か違和感がありますが。
[最初は一人、一日置いてから二人。目的が読めない、と呟く。
近づく少女の気配には気づいていたか、いないのか]
―1F―
……なんか、今日も今日で騒がしいなー…。
[邸主の件は、既に耳に届いている。だからこそ室内の探査が行われた筈で。
それでも…先日程では無いものの、何処か慌しい邸内に眉を寄せる。
まさか、再び犠牲者が…1人ならず2人までも出たとは思わず。
慌しい中書庫へ向かうのも気が引けて、
書籍を抱えたまま、ふらりと何気なしにホールを覗き]
……ユリアン?
[中に居た人物に気付けば、僅か驚いたように声を掛け]
……そうでしたか。申し訳ありません
こちらの連絡ミスでございますね
それでしたら、改めて調べさせていただく必要はありませんかと
[スラスラと弁明の穴埋めをすると]
では、夕食の準備などもそろそろ終わると思います
調べ物の方ひと段落つかれましたら、どうぞホールの方までお越しくださいませ
[そう言って一礼し、部屋を出て行った]
[覗き込むような眼差しをつと避けるように僅か、目を伏せて]
ああ、何度かあったようだ。
しかし、全てがオルゴールを手にした者の意思だとしたら、目的がよくわからないし。
……そうでないなら……状況は、どんどん悪い方へ向かっているのかも知れない……。
[それから、ため息と共にこんな呟きを。
こちらも、少女に気づいているのかは定かではないものの、肩の妖精は不思議そうな様子で真紅の瞳を背後に向ける]
んあ?
[自分の名を呼ぶ声に考え事をしていたためか間抜けな声を出して顔を振り向き]
アーベルか。こんばんはーっと
ってなんだその本?
[挨拶をしつつ、持っている本に目を向けた]
・・・違う。
ザムエルさんは、同じだけど・・・
[別の部屋の扉を振り返って、それからまた目の前の扉へと向き直る。]
おじいの時より、もっと・・・・
[小さく呟くその声は、後ろを通る者がいたとしても、聞き取れたか如何か。]
そうですね……
ならば、急がなければいけません、か。
[そう呟くと、ふ、と執事の方から視線を逸らした。
中に戻りますと一礼して、踵を返す――
と、丁度、少女の潜む花々の傍を通りかかる事になるか]
…
[この二人の話は難しい。
そう思いつつも話を聞いている]
…犯人の、仕業…なのかな?
[まさか、オルゴールがひとりでに歩くワケ無いだろうし…
そうだとするなら、突然歩いてやってくる死神みたい。小さく呟き]
…ん?
[二人には気付かれていないと思っていたのだが…なんだか、ふわもこローザがこっちを見ているような…
…少女はゆっくりとローザから見えない様に動く]
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