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二日も続けて、お夕飯作らずじまいでしたもの。
やっぱり、申し訳なくて……。
[ドミニクの言葉に、やっぱりちょっと申し訳なさそうな口調で言います。]
雨じゃなきゃ、って。
もう、牧師様をどう思ってるんですの?
[食事を切り上げて部屋に戻るツィンカにおやすみなさい、と声を掛けました。]
食後のお茶を出してなかったわ。ちょっと用意してきますね。
[ドロテアがドミニクに言いたいことも分かるけど、ドミニクの言うことのほうが当を得ているかもしれないと思いました。]
[上がっていくツィンカを見送り、ドミニクは杯を重ねます。
日に焼けた赤ら顔には酔いの色は余り出ません。]
どうって…
[ドロテアの問いに正直に答えかけた頭に、昨日のちょこまかしてると評して膨れた牧師の顔が浮かびます。]
……………牧師さんだな。
[お茶を少しほろ酔いのドミニクに渡してやります。]
良く食べたわね。片付けはあたしが出来るからドロテアさんはドミニクに送ってもらうといいんじゃないかしら。
ホラントの噂話に送り狼は出ている様子はなかったしね。
[ヴァイスが良いタイミングでにゃぁ〜、と相槌を入れます。]
[それからしばらくの間、旅人はあまり口を聞かずに食事を続けました。
お酒には手をつけませんでしたが、その他のものは残さずきれいに食べます。]
ごちそうさま。
[食事を終えると、旅人は感謝のことばを*のべました。*]
[部屋に戻るツィンカには、お休みなさい、と挨拶をして。
妙な空白のあるドミニクの言葉に、ちょっとだけむぅ、とした表情になりました。]
え、でも。
よろしいのですか、ゼルマ様?
それに、一人でも大丈夫、ですよ?
慣れた道ですもの。
[そんな風に言いはするのですけれど。
いざ、帰る時になったなら、行く時よりも大きな荷物に困ってしまい。
結局、送っていってもらう事に*なるのですけれど。*]
[老婆はドロテアに向かって肯いてみせました。]
ええ、あたしは家に戻ってもどうせ一人だし、女将さんもじきに帰るでしょうから、それまで留守番しているわ。
[老婆は永年一緒に過ごしてきた老猫を抱き上げて目を細めます。
老猫もされるがままになっています。]
[夜が明けて、誰もいない食堂を片付けるゼルマ。
朝食の用意を済ませておくつもりのようです。
それが終わるとロビーで寝入ってしまった旅人のブランケットを掛け直してやります。見知らぬ旅人がやってくるのはいつ以来でしょうか。
老婆はちょっとだけ昔話を思い出すのでした。]
森に行ったら帰るとき、もと来た道を戻りなさい。迷ってしまえば大人でも出ては来られぬ黒い森。
後ろに気配感じても振り返ってはいけないよ。
知ってしまえば大人でも出ては来られぬ黒い森。
:
[眉間に皺を寄せて思い出そうとしましたが、その先は*思い出せませんでした。*]
ごちそうさまでした。
おや、ドロテアさん。いいえ、謝ることなんてありませんよ。
[宿屋で見かけたドロテアさんに、笑って手を振ります。
木こりの隣でくぅと鳴ったお腹を黙らせると、
宿屋から教会へと帰って行ったのは、二日前のお話でした]
[次の日、朝から牧師は
村の外れにある教会の書斎に閉じこもっていました。
赴任してくる以前からある、古い本の整理をしていたのです。
いつの間にか、牧師の手は止まっていました。
整理途中の本を読み始めてしまったのです]
お昼には、善良な人。
深夜には、人喰い狼。
物騒なお話ですね。
[そこに綴られていたのは
昔昔の物語。遠い所の物語。
ホラントさんの言っていた、狼にまつわる物語。
時間の経つのも忘れて
牧師は静かに頁を捲っていきました]
〔雨上がりの村を、アナはひとり歩いていた。
水溜りに片足をつっこんで跳ねあげると、ぱらぱら滴が散っていくんだ。
あちこちにある小さな泉を見つけるたびにそうしていたものだから、目的の場所に着くのは、だいぶん、遅くなってしまった。
普通の家とは一風変わった建物の前に到着したアナは、扉を叩いて、大きく声を張り上げる。〕
こんにちは、牧師さま!
いらっしゃいますか?
[今日も書斎に閉じこもって本を読み耽っています。
本を読み始めると、夢中になってしまうのは、牧師の悪い癖でした。
幾度か扉を叩く音と、牧師を呼ぶ少女の声に、
ようやく訪問者に気付いて、本から顔を上げるのです]
……おや。
どなたでしょうか。
[本を机の上に置いて立ち上がり、
入口へと歩いて行くと、扉をゆっくりと開けました]
〔何度か扉を叩いて、何度か声をあげて。
そろそろ疲れて帰ってしまおうかって頃に、扉は開いた。〕
わっ、こんにちは、牧師さま。
〔にっこり笑って、丁寧にお辞儀をする。〕
ええと、お忙しかったですか?
アナ、お祈りと、おはなしを聞きに、来たんです。
はい、こんにちは。
いいえ、忙しくはありませんよ。
[牧師は少女の申し出に、にっこりと微笑みを浮かべます]
それは良い心がけですね。どうぞ、お入り下さい……っと。
ああ、足元が汚れていますね。少しお待ち下さい。
確か、ドロテアさんが用意してくれていたはずです。
この辺に……ああ、ありました。
[牧師は近くの棚を漁った後、
少女に、真っ白なタオルを差し出します]
えへへ。
今度のお兄ちゃんのおはなしは、
こわいおはなしだから。
悪いことがあったらいけない、って思って。
〔メルセデスにタオルを渡れされて、アナの笑いは、照れたものから恥ずかしがるものへと変わった。
ありがとうございます、
ちっちゃくお礼を言って、ごしごしと足を拭くと、白い布に黒や茶がうつった。〕
水溜まりがたくさんあったから、つい。
汚れちゃったから、きれいに、洗います。
〔水場はどこかと、メルセデスに尋ねるアナ。〕
そうですね。怖いお話でしたけれど。
神様にちゃんとお祈りすれば、平気ですよ。
[牧師は少女が足を拭く様子を微笑んで眺めた後、
教会の入口付近に置かれた汲み水のある
場所まで案内しながら言いました]
でも、今度のホラントさんのお話は、
どこから出てきたんでしょうね。
ご存知ありませんか?
ほんとう? よかった。
お父さんもお母さんも、遠くへ行ってしまったから、
〔指さす先は、空の彼方。〕
お兄ちゃんになにかあったら、悲しいから。
〔メルセデスに連れられて水場に着いたアナは、タオルを洗って、かたくかたく絞る。力はあまりなくって、まだ、タオルはちょっと重たい。でも、汚れは取れたみたいだ。〕
うんと、お兄ちゃん、そういうことは秘密だって言うんです。
でも、最近、今までより遠くに、お出かけしているみたい。
ときどき、帰りが遅いんです。
たぶん、黒い森のほうだと思うんだけれど。
〔もう一度お礼をして、タオルを返そうとしながらアナは言う。〕
[少女の指が差した先
遠いお空を見上げます]
お父さんも、お母さんも、
ちゃんと、アナさんたちを見守っていらっしゃいますよ。
アナさんは、お兄さん思いの優しい子ですね。
[牧師は少女の頭を撫でようと、そっと手を近づけました]
黒い森の方ですか。それは心配ですね。
ドミニクさんにもお話して、
それとなく気をつけておいて頂きましょうか。
[牧師は少女から、まだ水気が残る綺麗になったタオルを受け取ると、ぎゅうっと力をこめて絞ります。
ぽたり、ぽたりと水滴が地面へと落ちていきました]
そんなこと、ないです。
だって、ふたりきりの、きょうだいだもの。
〔当然だというように言いながらも、撫でられるアナはうれしそう。〕
ありがとうございます、牧師さま。
木こりさんなら、力が強いから、きっと、だいじょうぶですよね。
〔まだ残っていたしずくが落ちていくのを目にすると、アナは自分の手を見る。握ったり開いたり、力がないのを残念に思っているみたいだ。〕
牧師さまは、人狼のこと、知ってらっしゃいますか?
兄弟で仲が良いのは、喜ぶべきことです。
そうですね、本当に。
力持ちで、優しくて頼りになる方です。
[少女の頭を撫でながら、木こりの評価を口にします。
少女の問いかけに、牧師は僅かに眉間に皺を寄せます]
ええ……。
といっても、お会いしたことはありませんけれど。
普段は人に化けて、本性を現すと人を襲う悪い生き物だそうです。
[聖なるシンボルを手に、十字を切って神に祈ります]
そういうお話でしたら、ゼルマさんが色々と詳しくご存知かもしれませんね。
〔メルセデスの話を聞きながら、アナはむずかしい顔。
ひとつひとつ聞いては頷いて見せるけれど、どこまで分かっているのやら。〕
……牧師さま、アナにもお祈りさせてください。
こわいことが、ほんとうになりませんように、って。
〔両の手を組み、暮れ始めた空を見上げて、アナは言う。
お祈りを終えたあとには、ホラントと住む自分の家へと帰っていくんだ。**〕
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