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[が、それも一瞬。 我に返り近付く。
意識はないようだ。
まだ僅かながら息はあるようだが……血のべったりとついている腹部からそう長くないとおもわれた]
(何か、せめて止血を)
……と傷口に布を当てよ[うとし触れた時、急に指先から駆け上がる激痛。
茨にも似た朱色の紋様が腕に広がる。
見ようによってはギュンターの血を吸って育つ薔薇]
[走る痛みに短く悲鳴をあげ折り重なるように倒れ込む。
手首から上腕まで赤く染まった茨は脈打ち肩に大輪の華を咲かしていた]
―広間/前夜―
てめえら……。
[鸚鵡に絡んだ周囲のやり取りに突っ込む気力は、あんまりなかった。
言っても泥沼化するのがわかっていたからだが。
ともあれ、休んだら、というハインリヒの言葉には、素直に頷いておいた]
朝一で、蓮、みたいし。
先、休む。
[荷物の袋、二つを持って立ち上がる。
ダーヴィッドとゲルダの、兄貴分云々の話題は、聞こえていたが突っ込まなかった。
半分は、言ってなんかやるか、と言う、意地があったのだが]
んじゃ、お休み……。
「おやすみ、なさいー」
[場にいる者に、鸚鵡と共に挨拶をするけれど。
やっぱり、エーリッヒは視界から逸らして。
雰囲気から彼が、自分の知る教会の者とは違う、と感じていても。
刻まれた記憶は、切り分けを容易く是とはしないから]
―二階・個室/前夜―
[空いていた部屋の一つに入り、灯りは灯さず、窓から外を見る。
闇に浮かぶように、白い色が見えた]
……あ、咲いてる。
後で、模写しとかないと、な。
[小さな声で呟いた後、ベッドに寝転ぶ。
微かな痛みはまだ続いていて]
……っつか、何なんだよコレ、ほんとに。
[何かの警鐘のようにもとれるその痛みに、小さく呟いて。
やがて、のし掛かるような疲労感の導くまま、*意識を手放した*]
─二階・自室─
[翌朝、早い時間。
カルメンは不意に目を覚ました。
上半身をベッドから起き上がらせ、光映さぬ瞳を幾度か瞬かせる]
……じー、ちゃ?
[一言呟き、そろりとベッドから降り。
壁を伝って扉へと近付き、廊下へ出た]
[壁に手を当て、足で床を探るように少しずつ踏み進めながら階段を探し。
段差に辿り着くとぺたりと床にしゃがみ込んだ。
手摺りに捕まったとしても立ったまま移動するのは一人では危ない。
故に段差に座りながら、一段ずつ確実に降りて行くことを選択した。
しばらくの後にようやく一階へと降り立ち、立ち上がり壁を頼りに広間へと入って行く]
─ 一階・広間─
[広間へと入ると壁から手が離れ、とある一角へとカルメンは歩いて行く。
見えぬはずなのに助けも無く歩み行く様を見る者が居れば、かなり疑問に思うことだろう。
けれど今、広間にはその姿を見ることが出来る人影は無い。
近付いた一角は、ここに皆が集められてからギュンターがずっと居座っていた広間の隅]
じーちゃ、じーちゃ。
カーラねぇ、じーちゃ、の、おかお、みえたの。
じーちゃ、おひげ、もじゃもじゃ?
おかお、さわって、いい?
[隅に居る人物に近付くにつれて足元には何かしらの液体が広がり、カルメンはそれをぴちゃりと踏んで人物の傍にしゃがみ込んだ。
壁に寄りかかるようにして座るその人物の顔を覗き込むようにし。
手を伸ばしてその顔に触れた。
何かが手にべとりと付着したが、構わずペタペタと手で相手の顔を触りまくる。
触れる髭の感触に、カルメンは喜色の笑みを浮かべた]
やっぱり、じーちゃ、の、おかお、だー。
でも、じーちゃ、だけ、みえるの、なんで、だろー?
[首を傾げるカルメンの服の裾。
床に触れたそれは淡いローズピンクから徐々に真紅へと染まって行く。
顔に触れたその手にも、真紅はこびり付いていた。
漂う鉄錆の匂い、カルメンはそれが何なのか知らず、自身にまで纏わりついていることに気付けない]
[壁に凭れ床に座り込む人物──自衛団長・ギュンター。
彼は今、身体から真紅を流し切り、何も映さなくなった瞳でカルメンを凝視している。
その身体には獣に喰われたらしき傷跡が残っていた]
[カルメンの物映さぬ瞳には、ギュンターの姿と周囲に咲く紅い花が見えて、否、視えている。
幼い頃、おぼろげに見たことがあるのは、白かったはずのその花を]
[幻視の花に触れようと手を伸ばし、別の何かに指が触れる。
絹糸のようにさらりとした感触、弾力ある滑らかな布のような感触。
それが人であることは温もりが教えてくれた。
先に触れたギュンターには無い、生きる証]
…?
だぁれ?
[問いながらぺたぺたと顔らしき部分に触れる。
手にこびり付いた真紅が相手の顔へと幾許か移った。
触れても問うても返らぬ声。
誰なのかが判別出来ず、カルメンは首を傾げるしかなかった]
――集会所2階・個室――
[田舎暮らしの朝は早かった。
小さな村では、自給自足も当たり前だったから、朝からすることはたくさんある。
今では、然程早起きする必要はなくなったけれど、18年間の習慣は簡単には消えない]
……くしっ
[寝間着までは持ってこなかったから、寝るときは大分薄着で。朝は冷える。薄手の毛布を掻き寄せた。
眠りから覚めきらず、暫くうだうだとしてから身支度を始める]
―二階・自室―
[目を覚ます。朝が早いのは仕事柄の習慣のようなもので。
漁に出ることが出来ないのを思い出して、ごろりと体を返した]
いつまでここに居りゃいいんだ?
[考えても仕方がない。
外の空気でも吸えば気が紛れるかもしれない。ここに来てから外には出ていなかったし、それくらいは許してもらえるだろう]
[部屋に用意された水で顔を洗う。髭は相変わらずそのままだが、そこはより丁寧に洗う。一応清潔感には気を使っているらしい]
―自室→広間―
[階段を下りて、広間に近づいて、異変に気付く]
…え?
[漁師として、魚を捌き慣れた自分にはよく知った、だけど、この場では明らかに異質な「臭い」と人の気配]
誰かいる…っ!
[絶句する。
目に飛び込んだのは黒ずんだ赤。
その中に倒れた自衛団長とエーリッヒ、そしてその傍らで座り込むカルメンの姿]
何が…
[訊かなくても自衛団長の姿を見れば一目瞭然だが、それでも言葉は零れた。
そこにいたのが、見えぬ目を持つカルメンだった事に感謝したほどに]
カルメン、お前…
[カルメンを問いただそうとしたが、彼女からは多くは得られない気がして止める。
彼女は何も見ていないのはわかっている。そして彼女にこんな事が出来る筈がないと思ったから]
[エーリッヒに触れながら誰かと問いかける様子に、それがエーリッヒであることを教える。自分の事は声で判るだろうか]
まさか、二人とも、じゃねぇよな…
[伏せているエーリッヒからは外傷の様子は伺えない。
手首に触れ、体温と脈を確認する。それがとりあえず正常であると判れば、怪我の有無を確認するためにその体を自衛団長のそれから離して床に寝かせる。
力を無くした男性はかなり重い筈なのだが、動作からはそう見えない]
[エーリッヒのシャツは血で汚れてはいたが破損はなく、見てわかる傷もない。
それでも服の上からでは判らぬ怪我もあると、悪いと思いつつシャツの前を開け]
…え?
[目に入ったのは肩に咲く薄紅の華]
[慌ててシャツを閉じる。何故そうするのか自分でも解らなかったが。
見てはいけないものを見た気がして]
人を呼んでくる。
[そう言い残して広間を出る。
呼ぶのは、ゼルギウスかダーヴィッドか、それとも*自衛団か*]
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