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元々、変ですけど!
[思いきり本音で言った。
頭の上で、ナイフが戸につきささっているのがわかる。
察しろ、と言われても、すぐに結びつけられないのは]
だって、ユリアンさん…!
終わりかもしれない、のに、いきなりやる意味がわからない――っ!!
[飛んできた足を避けられるわけもない。
思わず身を丸めたけれど、飛ばされる。痛い。
視界の端にマグカップの破片が入り、けられた拍子に外れた手が伸びた。
手のひらに食い込み、血は溢れるけれど、
蹴られた痛みに涙をためながら、睨みあげた。
声は出ないし、震えているけれど。カップの破片で対抗できるわけもないけれど。
死にたくないから]
―納屋前―
ん、まぁ適当にそのうち養分になりそうな所に。
[向こうが名前を言わなかったので、こっちも名を口にはしなかった。
妙な力、にはまぁその通りなので特に言及せず、何か感じないか、には少し首をかしげた。]
何か…?
うーん、さっきから頭が痛い。
[自分で樹にぶつかったから、ではなく。]
嫌な予感っていうか……終わってよかったなーって思ってるんだけど。
そう思うとちょっと頭痛くなるんだよな。
そういえばこないだから、頭痛がするとその先にだいたい俺が見なきゃいけないものがあるって事が多々あったなぁ。
[と、自分でその意味する所の重大性に気づかないまま口にした。]
―納屋―
お前さん……。
今自分で言った事に気付いてるか?
[思い切り苦笑しながら表情を引き攣らせた]
それって、まだ終わってねえかもって事じゃねえか。
[あの時聞こえた声が言っていたのと同じだ]
中行くぞ!
[錆びた小鉈を手に集会場の中へと納屋前にいるダーヴィッドを促し、
自分も納屋を出て集会場の玄関へ。
何かを言ったウェンデルの声が聞こえて、表情を強張らせた]
[イレーネはそれが、嘘であることはしるだろうけれど]
何って…みてわからない?
[とイレーネにはあっさりと言った後]
ちょっとは否定しろやっ
[思わず突っ込んだ。なんでこんなやりとりの最中にこんな言葉が出るのでしょう]
ああ、やっと抵抗しはじめた。
[死にたくないという意志からくる姿にどこか楽しげに嬉しげにしつつ]
だから…終わってないんだよ。
おまえ俺が過去にあったこと知ってるだろう。どうやって…生き延びたと思ってるんだ?
…殺して生き残ったんだよ
―二階:廊下―
[音の方へと進む足は、速い。
けれど、目に飛び込んできた光景に、足は、止まった]
ウェンデル、さ――…… に、ユリ、にい?
何、
[何をしているのかという問いかけにユリアンの声>>149が重なる]
……ユリにい、も、なの?
[世界が揺れるような感覚が、あった。
己の胸の辺りの衣服を、強く、掴む]
[今やイレーネはまったく見ていなかった。
否定しろと言われても、変なのは仕方ないと首を横に振る。余裕があるふりなのか、本心か。
がたがたと震えてはいるが睨みあげて]
今、みんな、おわったと思って、て!
夜に、こっそりしたら、イレーネさんにも、ばれない!
なんで、今……!
─二階・自室─
───……。
[分からない訳がない。それは自分が望んだことでもあるから。腕を押さえ、何も言えず状況を見やる様子は突然のことに動けぬよにも見えるか。実際は、動けない振りをして動かないだけなのであるが]
[ウェンデルの動きを見て楽しげにするユリアン。最初、何故直ぐに殺さないのか、と思っていた。その姿を見て、理由を理解する]
―納屋―
へっ?
………あ、そういう事なのか!?
[指摘されて言われるままに、慌ててハインリヒの後を追う。
ウェンデルの声やら、他の声も聞こえてきて。]
人狼って、一人じゃなかったのか――――
[そういえば誰も一人とも一匹とも言っていない。仲間が居る可能性はなくはない。]
そういや仲間云々、ヘルミーネさん言ってたな…なんかすごいあっさり言われたから忘れてたけど…。
[あーもーとかちょっと思い返しながら、聞こえてくるウェンデルの声。
ハインリヒの目配せに頷いて答えると、二階へと駆け上がっていった。]
俺もって何が?
勘違いするなよ。そんな神聖な役柄俺はもらったことねー
[だがそれでいいのだろうと思う己は口調の割には刺々しくなくフォルカーにいって、そしてウェンデルの言葉に一つ首をかしげて…そして得心したように頷く]
ぁあ。それ。無理。
神に選ばれた子は見逃さない。罪人の烙印を押されたものも止まらない。これはそういう、ふざけた演劇だ。
面倒な人だな、反撃を待つなんて。
[楽しげにし始めたユリアンへの評。聲に苛つきが乗る]
ユリさんが死ぬ可能性もある。
正体を隠す必要、あるかなぁ。
―2階―
どあほぅ、なんでそういうことを、忘れる―っ!
[階段をかけ上がりながらダーヴィッドに突っ込みをいれながら。
残った者は誰だったかと思い浮かべる]
っ、チビばっかりじゃねえか…っ、くそ!
[子供達に何かあったらとさらに焦る。
2階に上がればフォルカーが早足で部屋に入っていくのが見えたか。
それは自分が使っている部屋の隣だった。
フォルカーを追うように、廊下の真ん中あたりにあるそこへと]
何してやがる…っ!
[見えたものに、驚きと、困惑と…そして憤りの混ざった声を上げた]
―二階:廊下―
……神聖?
[その語が意味するところが理解出来ないというよう、繰り返す。
ざわめく心を押さえつけるよう、胸に置いた手の力は強まった]
演劇って、何の話、ユリにい――……………
[彼に疑問を発そうとした直後、背後から声が聞こえ、ユリアンが幼なじみの名を呼ぶのが聞こえた]
今までは、夜、だったじゃ――っ
[こんな人目につく時間。
しかし言葉は、ユリアンが背をむけたことで、止まる。
イレーネを視界の内にいれる。
さっき、何を見たか。
すぐには思い出せずに、それでもただ二人を見ている]
―二階―
いやああごめんっ!
[あっさり言ったが、内心はちょっと本気で謝った。
そういえば仲間が居た場合、霊を見る能力は有用だとか、けっこう大事なことを言ってくれていた。]
そもそも俺の力って、人狼に仲間がいないとあんまり意味がなかったねっ!
[と言いながら、ハインリヒの後を追いかけ、続いて部屋の中を見た。]
…………ユリアン?何やってんだ?
[中の様子には、やや危機感のない声をあげた。
頭が少し、強く痛みはじめた。]
─二階自室・扉傍─
ふざけた、演劇……。
[ユリアンが紡いだ言葉、問う声。ひゅ、と息を飲む]
───……そう……そう、だね。
止めることなんて、出来ない……。
[どくん、と鼓動が跳ねた。内に渦巻く力が渇望を始める。悲しげに極小さく呟かれたそれは表層の意識。廊下まで届いたか否か]
……ユリさんに頼んだボクが馬鹿だったかな。
そこまでやっといて、裏切ってくれるなんて。
[はきとした声は深層の意識。縹色が金に光る]
止められるなら止めたかった。
抗えるなら抗いたかった。
こんな甘美なもの前にして抑えられるものか。
抗うなんて馬鹿らしい。
[表層と深層、二つの意識が交互に言う]
ここは意味もなく秘密ってことにしておこう
[ハインリヒの憤りの混じった声に、ふざけた言葉を返す]
…今の状況だよ。本当ふざけた演劇。
はじまったら最後まで止まらない惨劇…
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