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余りミハエル君を責めないで欲しいのだよ
[自分達も女子供の内に混ざってるとしても承知で、
そんな事をライヒアルトに告げた。]
確かに、気が付いたらとっぷり日が暮れてしまっているのだね
…でも、来てくれて嬉しいのだよ
[青年が心配する様子には言葉通り嬉しそうにはにかんで]
ン…心配なら僕もついていくのだよ
ライヒ君も女子供だけで帰るのは危ないと言っているし
[ベッティとクロエにはそう伝えて。]
[ミハエルの零した言葉に軽く目を瞠る]
そ、か。
それだけでも十分過ぎるほどだ。
ミハエルにとって大事なものがみつけられるといいな。
[彼女らに任せたのは正解だったかもしれない。
そんなことを思いながらミハエルに頷き
怖がらせぬよう距離を保ったまま
彼の自宅へと送り届ける]
心配してくれて、ありがとな。
[ライヒアルトにそう笑いかけて]
一人より二人のがいいと思ってな。
[それはライヒアルトの帰り道を心配してのことだったが、その意図は伝わったかどうか]
皆で動く方が間違いはねぇかな?
[ゲルダの提案のこともあって、拒まれることがなければそのまま固まって動くことになるだろうか]
ライヒ君もそんなに離れなくても好いの想うだよ?
[彼と少年の距離を想い、そう口にして。
そもミハエルと仲の好かった存在はライヒアルトであることは宿屋での彼らのやり取りを見て識っていたから。]
ううん、少し休むだけ。
眠りはしないわ、だって眠れないもの……
[そう告げる言葉には、多少の高揚感が混ざっていた。
諸々の不安は無きにしも非ずだが、
狩りに意識の比重を置かねば、隙を生み、自らの身も危うくなる。
故にそこに比重をおけば、狩りに対する期待は
ゆっくり溢れて身を高ぶらせていった。]
そっちは平気?
ミハエル君、ずいぶん不安定だったみたいだけど。
[もう彼らと合流できたろうかと、思い問いかけた。]
……ミハエルを責めてるんじゃねぇ。
此処にいるの全員を叱ってるんだよ。
仮にも年上なんだから暗い外で話し込むのは
危険なんだって事くらい気付いてくれ。
[ゲルダの言葉に多少項垂れてしまった]
連れ帰ってくると思ってたのに
全然戻ってこねぇし。
心配にもなるだろ、普通。
ま、全員一緒ってのが一番安心できるな。
目の届かないところにいると
何しでかすかと心配で落ちつかねぇし。
ま、何事もないようで安心した。
ああ、確かに二人の方が良いだろう。
[ベッティの言葉に頷く。
流石に青年は自身の事を心配されているとは思わず]
そうだな。
それが良いと思う。
[クロエに良いかと尋ねて再び歩き出し]
……これくらいの距離が今は丁度良いだろ。
心配ならミハエルの傍にいってやれ。
[ゲルダの言葉にはそんな風に返しておいた]
少しくらい眠って欲しいけど、な。
ん、眠れないなら無理にとは言わねぇよ。
[狩りを前にしてか。
人を案じながらも狩る事を考える無情な獣は
僅かに目を伏せ吐息を零した]
ゲルダやクロエ、ベッティが慰めたみたいだな。
泣いていたようだが……
さっきよりは落ち着いてるみたいだ。
ミハエルを自宅に送り届けてから宿に戻るよ。
う…心配掛けさせてしまって済まないのだよ…
[ぐうの音も出なかったのか、その彼が項垂れたと同時に娘もへなりとして。考えてみれば人狼が居るかもしれないと言うのに外出はとても危険なものだったと識る。しゅんとして眉根を寄せ、軽率な行動に落ち込む様子を見せ。]
ごめんなさい…
[俯き、謝罪を口にするとゆるゆる首を振って。ミハエルを送り届けようとするのに付いて行こうと歩き出すと転んだ時に擦り剥いた膝が痛みで表情が引きつった。]
よくよく考えれば、こんな騒ぎなのに独りで来て呉れたのだね
ライヒ君にも危険な目にあわせてしまったみたいだよ
[むう、と娘は唸るような声を漏らした。]
まぁ、いろいろあるんだ、許してやってくれよ。
[ライヒアルトの小言に、自分も含まれているのだが、
返したのはそんな言葉で]
今度からは同じようなこと、ないようにはするからさ。
[それから皆で歩き始めてからしばらくして]
心配かけて、ごめんなライヒアルト。
[小さく謝罪の言葉をぽつりと]
[そのまま、ミハエルを送った後は何もなければ宿屋へと戻り、
パスタや皿は他に皆が食べないようなら、明日の朝にと厨房の方に片付けておき、いくらかは自分で食べて残りは自分の朝食用に]
明日の朝食はおきてから簡単なもの作るか。
[あくびをしながら簡単に片づけを終えると、宿にいる皆がそれぞれ部屋に戻ったのを確認した後自分も自室へと*戻っていった*]
分かってくれたならそれでいいさ。
次からは流石に気をつけて呉れよ?
[ゲルダの謝罪にゆるく目を細め頷く仕草。
引き攣る表情には怪訝そうに眉を寄せ]
……なんだ、また怪我したのか?
[問い掛けるのは暗さの為か歩いていて見えない為か]
あー、こっちのことは気にすんな。
何も無かったし、な。
うん、解ったよ、そうする
君の分まで傍に居ることにするのだよ
[ライヒアルトの言の通りミハエルを送り届ける傍ら、
拒まれなければ傍らで道を歩きだして。]
そういえばライヒ君、ブリジット見なかったかい?
一緒に探しに行ったと思ってたのだけれど
ちゃんと食べたら眠るから。
[眠って欲しいという同胞には、悪戯子がする言い訳のように告げて。
状況を聞けば、そっと息を付いた。]
泣いて……そう。
可哀相に。
[理由は分らないが、おそらく怯えや極度の緊張だろうかと
原因の一つである獣は、己が原因でありながらそんな言葉を口にする。]
うん、リヒトも気をつけて。
ベッティ、お前さんほんとに分かってるのか?
[ベッティの言に思わず問い掛けた。
やれやれと肩を竦め]
ああ、その言葉を聞いて安心した。
ま、ちっとだけだけどな。
[ほおっておくと無茶をしそうな娘に悪戯な笑みを向け]
分かって呉れたならいいよ。
アーベルもきっと心配してるぞ。
[小さな謝罪には同じトーンで紡ぎ目を細める]
ああ、そうして呉れ。
[ゲルダに頷き]
……え。
お前さん達と一緒じゃなかったのか?
[ブリジットの事を言われれば首を傾げる]
あー…、宿に戻ってるかもしれねぇし
一旦戻るぞ。
[ミハエルを送り届けた後は
ブリジットの事が気になるのか辺りに気を配りながら
宿屋へと戻っていった]
[宿に戻ればブリジットの無事は確認できただろうか。
ゲルダの怪我の具合を確かめて手当てをしてから
ベッティに言って少しだけ食事を分けてもらい
空腹を満たしてから青年はアーベルの選んだ部屋へと向かう]
――…あー、本読む気力も残ってねぇや。
[荷を部屋の片隅に置いて寝台に横になる。
疲れた様子の青年は暫く天井を仰いだ後、目を閉じた**]
…確か一緒にここへ向かったはずだけど…
もう戻ってきているのかな?
[宿に戻ると言い出すライヒアルトに頷き、
皆と一緒に帰路に着いた。]
居なかったら探しに行かなくちゃ、だね。
[辺りを見回しながらブリジットの姿を探して。
湖畔から通りに出ると其処で思い立ったように立ち止まり。]
少し、雑貨屋によって言っても好いかな?
必要なもの、持ってきてしまいたいのだよ
[宛がわれた部屋に寝そべる頃には夜も更けて]
食事に出かけるとするか。
……、否、俺は一応食べたから、狩り、か。
[同胞に聲を掛けた]
可哀相だが仕方ない。
それに今夜の獲物でなかっただけ恵まれてる。
[窓を開けて人の姿のまま音無く部屋を抜け出す]
我はヘラクレス、全能なるゼウスの息子にしてペルセウスの血統
全アルゴスの正統なる継承者である!
ケルベロスよ、貴様がなぜここにいるかは知らぬが
我が眼前に現れた以上見過ごすわけにはいかぬ
再び捉えてハデスの宮殿に繋ぎ直してくれる!
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