情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
下男 アーベル に 1人が投票した。
薬師見習い ゼルギウス に 1人が投票した。
修道士 ライヒアルト に 6人が投票した。
修道士 ライヒアルト は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、薬師見習い ゼルギウス が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、下男 アーベル、バーテンダー エルザ、シスター ナターリエ、商人 ゲルダ、小説家 ブリジット、双生児 フォルカー の 6 名。
― 二階・双子部屋前 ―
おっと。
[扉が開いて、フォルカーが出て騒ぎの方へ行こうとすれば手を引いて一度止めた。]
行く?
きっと気持ちのいいものは見れないヨ?
[フォルカーを止め、微かに笑みを浮かべ尋ねた。]
[声とコエ。
リートが叫び声を上げる。
乱れるそれに強い意思が見えた]
[オレは黙って二人の攻防を眺める。
リートの動きが良くない。
最後の最後に爪を出したが、ようやくと言った感じだった]
―二階・廊下―
[アーベルに止められて忠告の言葉は素直に聞くことに]
うん……
[遠巻きに、場の行く末を見守ることに。
二人が争っていることはわかったけども、細かなことはわからない]
― 二階・双子部屋前 ―
いい子だネ。
[近づいて怪我されると、こっちもいろんな意味で困るしとは内心で。
フォルカーが走らないように手を取ったまま、少し離れた場所で遠巻きにこちらも見ていた。
聞こえる声と、視力の良い目は状況を然りと伝えてくれる。]
ゼルとライの兄さん、どっちかが偽者らしいけど。
どっちが人狼だろうネ。
[そう少し楽しそうに口にした。
人狼と聞いてフォルカーが走り出さないように、手は少し強く握る。]
[離れたところで動けぬまま二人の争いを見ていた。
ライヒアルトを庇うようにナターリエが間に入るのも、ただ見ているだけで。
けれどライヒアルトの放つ苦悶の叫びに、少なくともゼルは彼に殺されなくて済むかもしれないと思いかけた、刹那。
ライヒアルトの指先が、ゼルの首を薙ぐように動いて。
まるで大輪の華が咲くように、朱が、散った。]
───…ゼル……?
い、や…いやああああああああああああ!!!!!
[呆然と、名を呼んだ後。
悲痛な叫びが、まるで他人のそれのように耳をついた。]
やだ、ゼル…しな、ないで。
おいてかないで、ゼル、ねぇ、ゼル…!
[ライヒアルトのことも、この場に居る他の誰かのことも気にする余裕など無く。
上がる息も無視して、必死に彼の傍に向かい。
首筋から噴き上げる血を止めるために、手で傷口を押さえた。
既に事切れているのは、誰の目から見ても明らかなのに。
身体が鉄錆の香を放つ朱に染まるのも構わずに、名を呼び自分より大きな身体の彼を抱きしめて。]
死なないで、ゼル…、ゼル…
[その場でゼルギウスの問い>>4:184に答える事は出来なかった。
廊下にへたり込んだままライヒアルトを見詰める。
足を痛めてしまったのか直ぐには動けなくて
何も出来ぬ己がもどかしく切なげな色が滲む]
――…っ。
[次の瞬間、ゼルギウスの首筋から吹き出す血潮。
おとうとが、ひとを、ころしている。
衝撃を受けたように菫が見開かれた]
[アーベルに手を握られながら、遠巻きに見える状況。
かけられた言葉]
どっちが…エーファを……
[少しばかり、声に感情がこもっただろうか。
それは、あまりいい方向の感情ではなかったけども。
手にはこちらも返すように少し力がこもっただろうか]
[離れていたが故に良く見える顛末。
飛び出したナターリエは逆にライヒアルトに押し退けられていて。
ライヒアルトがゼルギウスへと襲いかかったと同時に、ゼルギウスが隠し持っていたもう一つのナイフが煌めいたのが見えた]
っく!
[ライヒアルトの動き、ゼルギウスの動き。
その先に何が待つかは容易に想像が出来る。
だから、オレはゲルダがその凄惨な場面を直視しないように視界を塞ごうと身を動かした]
[大輪の華が咲さいた反対側。
煌めきは腕を振り抜いたライヒアルトの心臓へと吸い込まれる。
先に腹部にナイフを受けていたのもあってか、ライヒアルトに避ける余裕は無かったように見えた。
ゼルギウスとは対照的に散らす赤は少ない。
けれど、煌めきは確実にライヒアルトの生を奪っていた。
ライヒアルトの身体が後方へと倒れて行く]
…っは。
ぁ……。
[固唾を飲んでいた居たオレは、ブリジットの悲痛な叫びでようやく我に返ったのだった]
ぁ…あ、ぁ……
……ゼ、ル───…
[どれだけ名を呼んでも、返事なんて返ってこなくて。
それどころか、身体のぬくもりが、どんどん冷たくなっていって。
抱きしめる手は、力が徐々に抜けていき、横たわるゼルの身体に縋りつくような体勢になって。
胸元に顔を伏して、泣き崩れた。]
────………あーあ、死んじまってやんの。
[顛末を見届け、漏らした聲にはあまり感情が載っていなかった]
やーっぱ、オレらが生き残るってのは、可能性低いんだろうなぁ。
[自分の事でもあるのに、オレはせせら笑っていた。
オレが諦めていた”あること”。
それは『場』に於いて生き残る可能性。
無理に生き残ろうなんて、これっぽっちも思って居なかったんだ。
リートは気付いたかな?
ゼルギウスとやり合ってる最中にオレは、生き残れ、とは言わなかったことを]
―二階廊下―
[動きの先になにがあるのかなんて、想像がつかないはずもない。
ただ、そちらを見ていたら、エルゼリートが影になった。
動くことはできなかった。だから見ることもなかった。
ブリジットの悲鳴が聞こえる。
ライヒアルトの死は見えていなくて、それでもただ、感じるのは、歓喜。
どちらかは、人狼だ。
人狼が殺された、死んだ。
今は痛みがない――笑みが浮かんで]
[事が終わり、主の悲痛な叫びが聞こえれば、群青は少し細まった。
フォルカーの手を引いて、こちらがわに引き寄せ後ろから肩を抱いて。]
フォルカー、ちょっとうちのお嬢の所に行ってくるヨ。
発作が起きたら困るからネ。
……人狼を、その目で見ておいで。
気が済んだら、他の人の事を見ててくれると嬉しいかナ。
シスターも気落ちするだろうしね。
でもエーファの事があるし、辛いようだったら部屋でエーファと一緒にいな?
[そう優しく囁いてから、体を離して、主の方へと向かった。]
[慌てて、自分の手でその口許を押さえた。
変わってゆく感覚。
嗚咽が聞こえても、それを悲しいと確かに思うはずだけれど。
どうしてか、そういう感情が、出てこない。
その事実に気付いてしまえば、目を伏せて、それからどうしようもなくなって、前に立つエルゼリートの服を掴んだ]
―二階・双子部屋前―
[手は握られたまま、かけられる言葉に逆らうつもりはなかった。
そもそもアーベルがいなければ自分はあの時死んでいたはずだし、感情で動いた結果迷惑をかけることにもなっていたのもあり]
うん……
[なにより、今の自分にとって頼れる相手は彼一人であったから。
自分の空虚になった心を、彼の言葉は満たしてくれるものを感じていた。それが、どんなものであれ]
行ってくる……
[血が飛び散るのは見えたが、それがどちらのものかはよく見えない。
背の低い自分は他の人の姿などに隠れてよく見えなかったから。
事がすべて終わったらしく、アーベルに促される言葉、それに従い歩みだす。
エーファのことが話題にあがり、より憎しみの思いは強まったかもしれない]
[しばらくは茫然と、倒れる二人やゼルギウスに縋るブリジットを見詰めていたけど。
服を掴まれる感覚>>14に、オレは我に返って後ろを見るように首を巡らせた]
ゲルダ…?
見ちまったのか?
[視界を遮るのは失敗したかと、不安げにオレは声をかける。
その時は既に口許を押さえていたから、笑っていたなんてことには気付かなかった]
[ブリジットの悲痛な声が聞こえる。
けれど眸はライヒアルトの姿を追い映る光景に凍りつくよう。
何よりも大事だった存在に刺さるナイフ]
……………ラーイ?
[その光景が信じられなくて不思議そうに名を呼んだ]
う、そ…………。
[倒れ行くライヒアルトに女は駆け寄ろうとする。
痛む左足が其れを縺れさせて転びそうになりながら
やっとのことで傍にゆけば彼の頬へと手を宛がうと
おとうとのあたたかさが其処から伝わった]
目を、あけて……。
ひとりに、しないで……。
[突き刺さる刃は致命傷であると知れるのに
彼の吐息が触れぬことを知れるのに其れを認めたくは無かった]
ン───……甘い、なぁ。
[鼻に届く匂いがどこから発されているのかは判別しかねたけど。
目の前に広がる赤は目で愉しむにしても悪くない。
片方は選ばれし者のものだったから、尚更匂いは強かった]
喰えなかったのは残念だけど、まぁ、良いか。
―二階・廊下―
[自分の動きに気付くものはいたかどうか、それぞれに死を悲しむ様子で近くに行くまでは気付かれなかったかもしれない。
二つの死体がよく見える位置に立つ。
ひとつは、昨日自分の治療をしてくれた人だったもの、首を鋭いもので切り裂かれていた。それを行った凶器らしき武器は傍にはない。
もうひとつは、教会の関係者の人だったもの、胸にナイフが突き刺さっている。
その目と爪は人ならざるものの形をとったままだっただろうか?
いずれにせよどちらが人狼だったかは明白に見えた]
ライヒアルトさんが、エーファを、殺した……?
[ぽつりと、呟いて落とす言葉、その死体をじっと見つめる目は冷たいものだった]
[見てないと首を横に振るゲルダ>>19に、オレは少しホッとした。
けれど、弱い声に心配の色は消えないでいる]
………うん。
二人とも、死んじゃった。
[オレの眉尻は下がり、声のトーンも落ちた。
ぽつり、呟くように告げて、オレの視線は倒れる二人へと向く。
ライヒアルトに駆け寄るナターリエの姿に翡翠を細めた]
喰ったのはオレだけどなー。
[フォルカーの呟きは獣の聴覚で聞き取った。
そう、あの時リートは一口もエーファのものを口にしていない。
リートは人狼だけど、エーファを殺したのはリートじゃねぇんだよ、残念ながら]
[徐々に失われてゆくぬくもりが知りたくない現実を伝える。
頬を撫でるようにすれば首筋へとその手が触れて]
――…ラーイまで、私を、おいてく。
[脈打たぬ其れを認めポツと零した言葉。
何も考えたくない。
壊れかけたこころは哀しみに満ちているというのに
女に流れる血は見出した獣の死を悦ぶかのよう。
誰にも彼の事を告げられないと思ったから
彼を死なせたくないと思ったから
自らの命を差し出そうとしたのにそれは叶わず。
目の前で大事な者の命が失われる様を見詰める事しか出来なかった。
其の手が刃に傷つくことも厭わずにライヒアルトの胸に縋りつき
顔を埋め声を殺して泣いた]
― 二階廊下 ―
[返事をしないと言う>>21主には、ただ背を撫でるだけで。
確認するような言葉には、はっきりと]
ああ、そうだネ。
人狼に殺された。
[ライヒアルトとは呼ばずに、人狼と呼んだ。
変わってしまっていた金の瞳と、獣のように伸びた爪はそう呼ぶに相応しかったから。
今も、変わっているのだろうか。
ブリジットの表情を悼むように見ながらも、頭の一部は冷静に顔色やその翠に宿る光を探る。今の所は、大事ないように見えたが。]
お嬢、体の方は大丈夫?
もし少しでも悪くなりそうだったら、薬を先に飲むんだよ。
じゃないと、ゼルがきっと悲しむからネ。
[ゼルギウスを引き合いに出してそう告げて。]
[心配をかけてしまう。そう思っても、片手は口許から離せない。
知らずに笑みを作るのを、止めたいのに止められない。
少し経てば落ち着くだろうか。
そう思うからこそ、ただ、服を握って、視線を落として、耐える]
……そっか。
それじゃあ、もう、終わったかな?
人狼、は。
……人狼、に…殺され、た。
………ゼルに、言わないでいれば、良かった。
[アーベルの言葉を繰り返しながら、後悔が胸を埋める。
ライヒアルトのことを言わなければ、ゼルは彼を殺そうとしなかっただろう。
そうしていれば、ゼルも殺されることはなかったかも、しれないのに。
自分の言葉が、彼を死に追いやったと、そう思った。
ゼルが悲しむと言われれば、ふる、と力なく頭を振って。]
ううん、そんな資格、ない。
私が、ゼルを…死なせたんだもの。
[蒼花の言葉だけは辛うじて耳に届いた]
――…まだ、です。
ラーイが、教えてくれた。
彼以外にも、人狼が居ること。
だから、名乗り出てはダメ、って。
まだ……居る、の…?
[ナターリエが告げる言葉に、呆然と問うような声を落とした。
それはつまり、まだ、誰かが死ななければならないという事実を受け入れたくなくて。]
終わった……終わった、のかな。
[オレには判断出来なかったから、ゲルダ>>25には曖昧な答えしか返せなかった。
でも、ナターリエの言葉>>27を聞いて、オレは翡翠を丸くする]
まだ、居る?
……そうなんだ。
…でもナターリエ。
そうやって言うってことは、ライヒアルトが人狼だってこと、知ってたのか?
[丸くしたオレの翡翠は、怪訝の色を宿した]
[乱れた心が知らず双子の片割れの少女を見極めてしまう]
ヴィリーさんが人狼でないのは事実、です。
[ライヒアルトの口からは語られた結果。
けれどゼルギウスの口からは語られなかったそれ]
それから……、フォルカーさんも、牙を持たぬ、人。
…そっか。
[ナターリエをじっと見詰めた後、頷いた。
彼女の言葉は、ライヒアルトが人狼だと知っていたと言っているようなものだ。
そう思ったけれど、今はそれは些細なことだった。
人狼が死んだ、と分かったのだから]
わかった。
ありがとう、シスター。
……それじゃあ、他の人狼も
[言いかけた言葉は止めて、唇を引き結ぶ。
何を言えばいいのかわからなくなって、ただそのまま黙った]
[リートがオレの存在を仄めかしていたことを知っても、オレは舌打ちしたり悔しがったりすることは無かった。
終わったと思ったところをぶち壊す愉しみが無くなった事に残念に思いはしたけども]
ふーん。
ナターリエは早いうちからリートの事分かってたわけだ。
それなのに告発しなかったんだねぇ。
[姉弟愛って凄いんだな。改めてそう思った。
てーことは、だ。
リートが護ろうとしてたのも、ナターリエなんだろうな]
― 二階廊下 ―
[先のやりとりと、ブリジットの弁から何となく何があったかは読めた。
それでなくても、長年の付き合いから、ブリジットの思考は読み取りやすい。]
言わなかったら、ゼルだけじゃなくて、お嬢も、俺も他の皆も死んでたかもネ。
お嬢はどっちがよかった?
[残酷にも思える問いをかけた。だが事実でもあり。]
口を噤む事は簡単だネ。
だけど、黙って何もしなかったら、きっと余計に後悔したヨ。
お嬢だけじゃない、ゼルギウスがね。
死ぬ可能性はみんなに有ったんだから。
お嬢がゼルを殺したって事は、無いね。
…っていうか、ほら。
あんまそういう事言ってると、ほんとにゼルの奴が心配するヨ?
患者には目敏く気を使いすぎるくらい使ってたでしょ?
向こうは向こうで、自分の所為でお嬢が泣く、ってへこんでるよ、きっとネ。
[それでも気の済むまで泣き止むまでは、背中を撫でた。]
[エルゼリートの問いにライヒアルトに縋りついたまま
小さく、微かに、頷いた]
――…知って、いました。
でも、言ったらラーイが殺されてしまうから……
……おにいさまにも、誰にも、言えなくて……
だから、ラーイに視たって、伝えたの……。
[次第に幼くなる口調。
時折、しゃくりが混じるのは未だ泣いているからか]
[アーベルからかけられた問いは、答えられなかった。
ゼルの命と、他の人の命を天秤にかけることなど、出来るわけもなくて。
それに、自分のせいでゼルが心配すると言われれば、それ以上は何もいえなくて。
けれど。]
…ぇ…。
[ナターリエが牙持たぬ人とフォルカーの名を挙げたのを耳にして、視線はエルゼと、アーベルに向いた。
震える手は、彼の服の裾を握り。]
アーベル…お風呂、行きたい。
[そう、この場から離れる為の口実を口にした。]
へぇ。
ライヒアルトには、言ったんだ。
[ナターリエの返答>>34に、オレの瞳は怪訝の色を濃くする]
言ったのに、襲われなかったんだ?
変だね、正体見破られたのにそのままにしとくなんてさ。
[ライヒアルトの胸中なんて知らないから、オレには不思議にしか思え無くて。
泣きながら語るナターリエを見て、オレはやりにくそうに軽く後頭部を掻いた]
[人狼ではない人の名前を聞く。
人狼の疑いのある人は、――数少ない。
ずきりと花が痛みを伝えた。
逃げる、と。
一瞬たりとも考えさせないというように]
シスター…
[エルゼリートの服から手を離す。
表情は少し、落ち着いた。まだ、いるからだと理解したからか。
止められなければ、彼女に近づいて、撫でるつもりで]
[ゲルダの言葉>>31に小さく首を横に振る]
名乗り出たのですから……
私はもう人狼を見つけられぬでしょう。
人狼にとっては厄介な力を持つ者、ですし。
名乗り出ればラーイにももう一人を止められぬようでしたから。
[あににもおとうとにも置いていかれた。
双花の片割れを支えるという使命だけが女の命を繋いでいる]
[自分が見ていた死体に駆け寄る、その女性の言葉が聞こえる。
冷たい視線はナターリエの方に向き]
そっか、知ってたんだ、最初から。
[それから無表情な様子で]
誰が死んでも、二人で、生きたかったんだね。
[自分もエーファ以外を殺して守ろうとしたこともあったから、理解できないわけじゃない。
ただ、エーファが死んだ一因としての憎しみもあったため、棘のある言葉にはなっていた]
人狼見つけられるなら、まだいるっていうなら、早く見つけてよ。
エーファ殺した人狼、まだいるんならさ。
[直接責めたてるつもりはなかったけども、彼女を深くえぐるような言葉だっただろうか]
オレ、ナターリエの言葉あんまり信用は出来ないわ。
何か、断片的だけど符合がありすぎて。
さっきナターリエの話聞いた限りじゃ、クレメンスが朱花だったの知ってたみたいだし。
ライヒアルトの事誰にも言わなくて、それを告げたライヒアルトの方からも襲われることが無いのは、襲えないからじゃないか、とか。
色々勘繰っちまう。
[朱花って知ってたら、クレメンス襲ったのも納得が行くし。
ライヒアルトに見出す者だって知られてるのに襲われない理由にも納得が行く。
エーファのことに関しては、あんまり説明がつく情報が無かったけど。
ああでも、フォルカーの事間違わなかったのって、襲ったのがエーファだって分かってたからなのかな]
――…本当に、如何して、襲ってくれなかったんでしょうね。
[エルゼリートの言葉>>37に緩く身を起こしライヒアルトの顔を覗く。
あの夜、おとうとに食べられることを望んだ。
そうして、泣かせてしまったことを思えば、また涙が零れた]
[ナターリエ達の会話に口を挟むことはなく。
彼女たちに声もかけぬまま、アーベルに手を引かれ立ち上がり階下へ向かった。
ただ、この場を離れる際、ゲルダとエルゼの方にちらと視線のみを向けて。]
何でだろうねぇ。
[ナターリエの言葉>>43に聲は嗤う。
護るためだと言うのは分かったけど、オレが言ってやるわけ無いだろ?]
[ブリジットが去ってゆくのを見る。
彼女もこちらを見ていたようで、視線が合った。
――いつもとは違う。
痛みを堪えるような表情をしていると、自分でわかっているけれど、かえられなかった。
エルゼリートの言葉も聞こえるけれど、
そっとナターリエの方へと近づいて、手を伸ばす。
朱花もそうしていたのだろうか。
その金色の髪を、頭を優しくなでようと]
[近付く気配>>38。
ゲルダの手が触れれば、いつもそうして慰めてくれた人を思い出した。
二人で生きたかった、とフォルカー>>40が言えば否の声]
――…いいえ。
おにいさまとラーイに生きていて欲しかっただけ。
[見つけて、という彼女の切な声。
血は人狼を見出すことを望んでいるが
見出せるかどうかは女には分からない]
― →浴室 ―
[急ぐと発作を起こしかねないので、なるべくゆっくりと、浴室へ主を連れて歩いて行った。
リネン室で、だいぶ減ったタオルを取り、それをブリジットに渡して湯を沸かす為に浴室へと入る。]
ちょっと浴室あっためるから、そこで待っててネ。
終わったら、扉の外で待ってるからさ。
[そう言い、湯を沸かそうと奥の小部屋へと入り火をつけ薪をくべようと働いた。]
フォルカーは人で、ゲルダの姉さんは蒼い花で、シスターが…まぁちょっとあれだけど見出す者、かぁ。
[そうなると、残りは限られている。
お嬢かエルザか。とはいえナターリエの弁も少々危いものがあるので、フォルカーもそこに混ざるか。
ふうんと呟きながら、薪をくべれば浴室は暖まってくるだろう。]
[ライヒアルトの事を言わずにいようと決めた時に
責められることは覚悟していた。
それがどれだけ罪深いことか理解していて
それでもいえなかったのは失いたくなかったから。
アーベルやエルゼリートの言に反論はない]
…………。
[右の親指が熱くて、誘われるように目を向ければ
ライヒアルトの胸に刺さるナイフの煌めきが映りこむ。
同じ刃を用いれば同じところにいけるだろうか。
ナイフの柄を両手で掴み、力を籠めてずるりと引き抜く。
傷痕からはとぷりと赤が溢れた]
[自分の考えを纏めながら口にしていたから、ゲルダ>>38が傍から離れることを止めはしなかった。
オレに誰かの視線が向いてたりしたみたいだけど、特に気にせずオレは難しい顔をしている]
そんなの、オレに分かるわけないよ。
可能性として言えるのは、”襲えなかった”ってことくらいかな。
───ナターリエが見出す者であろうが、人狼であろうが、ね。
[>>43 疑ってるんだと、オレはそんな意味を込めて呟いた]
─ →浴室─
…、ありがとう。
いつも、ごめんね。
[手を引かれたまま、ゆっくりと歩くアーベルについて歩いて。
着替えやタオルを渡してくれたり、湯を沸かしたりと動いてくれるアーベルに礼を言った。]
…ねぇ、アーベル。
アーベルは、人?…それとも、人狼?
[自分はゲルダから、双花の所在を聞いた。
もう、朱は欠けてしまっているけれど。
ゼルは死者を見出す者だったと信じている。
ライヒアルトが人狼である確証はなくとも、彼の言葉を疑いはしなかった。
今、目の前にいる彼の言葉も、自分は信じるだろう。
それがたとえ、嘘であっても。
血に塗れたまま、問いかける言葉はまっすぐな瞳で彼に向かった。]
[血に濡れた刃を自らの胸へと向ける。
自決などしてはいけないと教えられていたけれど
望んだのはおとうとの牙だけ――。
つきたてようと目を瞑れば
不意に髪を撫でる優しい手>>45が触れた。
あにの手とは違うのに。
あにを思わせるそれにナイフを抱く手がピクと跳ねる]
[襲うんじゃなくて、疑い向けて人の手で殺すのも良いかななんて。
囁く者が居なくなった世界でオレは一人薄ら笑う]
喰うのも良いけど、御馳走もまだ残ってるしなぁ。
……ああ、まだ近くに居るんだ。
じゃあ、アーベルとブリジットも違う。
確かフォルカーも違ったよな。
てーことは……。
[ああ、もしかして、見つけたかな?
残ったのは、オレがこの中で一番知る人物だった]
私は、ナターリエさんの気持ち、解る気がするわ。
だって、私も…きっと、見出す力があったら、真っ先に貴方かゼルを視た。
[偽りであったとしても、自分は彼女を疑わない。
何も出来ない身なら、せめて信じ抜くことを決めたから。]
人狼であっても、生きていて、欲しかったのよ。
[それは、ナターリエには叶わなかったこと、だけれど。]
[ナターリエが自害しようとしているのを見ても、オレは止めようとはしなかった。
疑ってる相手だから、どの道殺さなきゃいけないし。
でもゲルダがそれに近付いているのには少し焦って、妙な事を起こさないかとオレはナターリエを注視した]
[信じるか、疑うか。
そういった話は、既に答えが自分では出ていた。
行動も、決まっていた。
だから、ナターリエがナイフを胸に向けるのを見て、手のうごきが、一度止まった]
シスター
[跳ねた手。その手に、手を重ねる。ナイフの刃には触れないようにして]
神に仕えるのだから、駄目だよ。君は。
どうしても死にたいなら、……僕がやる。
ダメだよ、ゲルダはオレのなんだから。
[ナターリエを注視したのは、ゲルダを取られまいとする想い。
もちろんそれはオレが喰べるため。
御馳走を横取りするなんてこと、させるもんか]
そっか、
[ぽつりと]
二人とも死んじゃったけどね。
[続ける言葉は代わらず感情の乏しいままに、ナターリエのほうを見ていた視線は外されて]
そういえば、人狼って、嘘、つくんだね。
[そう言い残して、エーファの待つ部屋へと足を向けた]
[ナイフ持つ手にゲルダの手が重なれば菫が揺れる]
ゲルダさん……。
[彼女の言葉に抵抗できぬのは血のなせる業か
それとも、彼女の優しさに長く触れていたせいか。
ナイフ持つ手は緩みそれは女の膝へと落ちた]
神に仕える資格などないほどに私は罪深い。
――…ゲルダさんが動かずとも
他の誰かがやってくれましょう。
[エルゼリートを意識しながらも其方を見ずに声を紡ぐ]
─ 浴室 ─
気にしないの。
何年付き合ってると思ってんのサ。
[謝罪と礼には、軽い調子で返す。
今この時は、忘れられるように―――なんて心持ではなく、単に根がそうなだけ。
だいぶ温まったかなと思った頃に、ブリジットからかけられた声に。
常の笑みのまま、ずっと昔、出会ったときから変わらない瞳の人にはこう言った。]
俺は人だよ、お嬢。悲しい事にネ。
[にこりと笑った。]
ゲルダ。
お前が手を汚す必要なんてない。
[ナターリエの手からナイフが落ちるのを見て、オレは二人の方へ近付いた。
まだ拾われていなければそのナイフを拾い、更にはライヒアルトの腹部に刺さっていたナイフも抜いた。
ゲルダの手を汚すなんて、絶対したくなかったから]
[落ちたナイフへと視線をくれる。ただ、それだけ。
死体へ一度目を落として、
それから、ナターリエを見た。]
そんなことを言ったら、僕は何もできない。
君は、…教会のシスターだよ。今、は。
[罪深い。
その言葉には何も返さなかった。
ただ、他の誰かという言葉に、ゆるく頭を横に振る]
僕が。
[しかし、エルゼリートが近づいてきて、拾ってゆくのを見ると、視線を彼へと向けて]
駄目だ。
エルはやっちゃ駄目。
ま、つまり俺が死んでも何も終わらないってコト。
でもって、今日明日には死んでるかもしれないってコト。
[多分近日中には死んでるんじゃないかな?そんな気がする。
ああ狼が分らないのは厄介だ、と思った。
その目がなかったから、諦められて放逐されたのだし。
ふぅと溜息をついた。
3択。
多分、エルザだとは思うのだけれど。
尤も彼が狼だったとしたら、多分自分の夢は叶わないだろう。
嫌われているのは承知している。]
どうしようかねェ…。
[ほんと、どうしようかねーと。
わりと本気で呟いた**]
……、そう、ね。
ずっと、傍にいてくれた。
[もう一人、傍にいてくれた人はもういない。
この身体に纏う血も、洗い流せば落ちてしまう。
アーベルから向けられた笑みは、常と変わらぬそれで。
人だと答えた彼を見つめた。]
…悲しいの?
アーベルは…人狼に、なりたかったの?
[そう問う声は、ベッドの上で彼に話を聞いていた頃のような幼さが混じったろうか。]
―→二階・双子部屋―
[ベッドに横たえられた遺体の傍に立つ]
エーファを、殺したのは、ライヒアルトさん?
それとも、別の人狼?
別の人狼は、誰だろう?
[問いかける声、答えなどあるわけもなく]
全部、殺せば、同じかな?
[人狼をなのか、それとも…**]
……アーベルまで、死んで欲しくは、ないわ。
[死んでるかもと軽く言う彼に、緩く頭を振った。
彼が人狼だといったら、自分の命を彼にあげたのに。
自分が人狼だったとしても、同じように考えたと思うのに。
そのどちらでもないのなら、自分の中で残る選択肢は、一つ。
自分はそれを、選べるだろうかと。
自分を信じようといった蒼花の、彼女の顔を思い浮かべた。**]
[膝にあるナイフを拾うエルゼリート。
女の肩が微かに震える。
その理由は分かっていたから女にとって其れは自然なこと。
ゲルダの言葉>>59には何かを堪えるように柳眉を寄せた]
ゲルダさんがそう仰るなら……
今は、未だ……。
[ふ、と顔をあげゲルダの眸を見詰める]
ゲルダさんは……
[誰を見極めて欲しいか、問おうとするのだけれど
エルゼリートと話す気配を感じて口を噤む。
双花であると知らされた時から
幾度となく尋ねようと思ったが二人きりとなる時間はなく
問えなかった]
……そんなの、オレも同じだっつの。
[>>63 少し眉根を寄せて、オレは軽く口を尖らせた。
嫌だと思う理由は、多少違ってたけど]
…分かったよ、”今は”やらない。
ナターリエも、まだ確実に人狼と決まった訳じゃないし。
[オレは限定を付けて引き下がった。
でももしその時が来たら、オレはゲルダに許されなくてもやるつもりだ]
これ片付けて来る。
あと、シーツとか、掃除道具持って来る。
[オレはゲルダにそう言って、二人の横を擦り抜け階下へ降りようとする]
どうせ、オレはゲルダに許される資格はとっくの昔に無いだろうからなぁ。
[それは完全に引き下がらなかった理由の一つ。
だってオレは、アイツの忌むべき人狼なんだから]
[手はナターリエの手に触れたまま、
それから、今はと呟くのに、頷いた。
多分酷なことを言っている自覚はあったけれど――思考は遠い]
うん?
[見詰められては、首をかしげた。
だけれど、エルゼリートの行動に、言葉に、彼の方を見て]
……ありがとう。
[内容が違うんだとは、言わなかった。言うわけもなく、頷いた]
うん。今は。でいいよ、エル。気をつけて。
戻って来たら、僕も手伝うよ。
[階段へ向かうのに言葉を投げて、心配そうにその後姿を見送る]
[目の前にいる二人の仲の良さが羨ましい。
家族であった二人を失い何を頼りにすれば良いのかわからない。
けれど、女は死も生も望んではいない。
蒼花に止められた時より血がそれに従う事を望んだ。
女の奥底に秘められていた本能が
人狼を見出し屠ることを望んでいる。
支えるべき朱花を支えられなかった贖罪か。
重なる優しさを求めてか。
ゲルダの望むことなら其れを叶える為に尽くす心算であるが
其れが叶うか如何かは当人にも知れぬこと]
─ →階下─
[ゲルダの返答>>68には、「おー」と振り返らぬまま返事をして。
オレはナイフを持ったまま階下へと降りた。
これ、血塗れだし捨てるしかないよな。
血濡れのタオル捨てた布袋に放り込んどくか…。
そんなことを考えてながら一階の広間まで来て、暖炉が目に入ったついでに薪を放り込んで行く]
………ん?
[視線の端に白いものが見えた気がして、オレはソファーの裏を覗き込んだ]
…なんだよ、お前こんなとこに居たのか。
[隠れていたのは小さな白い塊、ミーレだった。
二階にミーレの姿が無かったことに気付けなかったけど、騒動の間に逃げて来たんだな、と考えた]
お前も災難だよな。
主が死んで、仲良くしてくれた子も襲われて。
[ミーレはまた小さくなって震えてたから、オレは辛うじて血のついてない方の手で拾い上げて、腹の辺りに抱えた]
[首を傾げるゲルダが見える。
エルゼリートが離れ二人きりになって漸く口を開いた]
――…ゲルダさん。
蒼花は、誰を見出す事をお望みですか?
次に力を振るえるまで
私が生きていられれば……
さいごはあなたの為にそれを使いましょう。
[彼女が信じる信じないは彼女の自由。
ただ、血が望むから真摯な眼差しを向け問い掛ける]
─ →勝手口外─
[オレはミーレを抱えたまま、肘や足を使って器用に勝手口を開けて外に出る。
布袋の傍で一旦ナイフを地面に置くと、袋を開けてその中にナイフを放り込んだ]
後は掃除道具とシーツだな。
あーあ、オレは葬儀屋じゃねーぞ。
[ここへ来て何度死んだ奴をシーツで包んだかな。
オレがやったのだけ数えるなら、エーリッヒにヴィリー、エーファ。
そしてこれから二人やることになる。
それだけ人が死んだ、ってことだった]
……ミーレぇ、お前さぁ。
[オレは不意に腕の中のミーレに声をかける]
───死んだ奴らのとこ、行きたいか?
[その時オレが浮かべた表情は、問いかけたミーレにしか*分からない*]
[ミーレを見詰めて浮かべたのは、女性のように艶のある愉しげな笑み]
……答えられないか。
お前、猫だもんな。
[殺してやっても良いけど、*どうしようかな*]
[ナターリエが何を考えているか、知ることはない。
ただ、彼女の問いに、言葉に、ひとつ息を吐き出した]
…僕は。
僕が望むならただ一つだよ、シスター。
エルゼリートは、駄目。
[本人がいないからか、名を告げた。
ただ一つの望まないことだから、そこに言葉を重ねる]
僕はねえ、臆病なんだ。
シスターが真実を知ることを選ぶなら、僕は知らないことを選んでしまう。知らなければ、苦しいだけだから。それだけで済むから。
――僕は、君を裏切ると思う。多分、君だけじゃなくて、たくさんの人を。
シスターのことは好きだし、大切だけれど、違うんだよ。
それでも、僕の為に使うと言うの。
それでいいの…?
[さいごは、と。はっきりと言ったナターリエに対して、真剣な目で問いかけた**]
[ゲルダが駄目と言えばゆるく瞬く]
私にとってラーイがそうであったように
ゲルダさんにとってはエルゼリートさんがそうなのですね。
[双花としての言葉か彼女自身としての言葉か。
迷うように眸が揺れる]
臆病なのは私も同じ事。
――…真実を知りたいと思うのは
私が見出す者だからなのでしょう。
私自身は贖罪の機会が欲しかっただけかもしれません。
償いきれぬとも思いますが――…
私がラーイを庇った事で失われた命への……。
朱花でありあにであった人と
まだ幼くも敬虔であった彼女と
私の対であったはずの、彼――…
彼らが守ろうとしたはずの者を守る為に真実を知らねばと思うのです。
――…私も裏切ってきました。
だから、ゲルダさんを責める資格もありません。
[真剣なゲルダの眼差し。
その問い掛けに微かに柳眉を寄せた]
神のいとし子。
蒼花の望みならば――…
朱花であるおにいさまも良しとして下さるでしょうか。
[少しだけ困ったように眉尻を下げる。
彼女の言葉をきけば義兄に報いる事が出来るだろうか。
支えたいという思いと見つけたいと思う本能が鬩ぎあい
確かめるように問いを重ねてしまう**]
―→広間―
[それからどれくらい部屋にいただろうか。
皆が一眠りした後だったかもしれないし、そんなに時間は経ってなかったかもしれない。
廊下にはすでに人がいなくなっていて、広間に降りていく。
人の少なくなった元宿屋は来たときよりも大分静かだった。
誰もいないのを確認してから、厨房に向かい包丁を一本タオルにくるみ、懐にしまい込む]
誰に、しよう…
[最初はエーファを守るためにだった。
でも守れずに、エーファは死んだ。自分に力がないせいで。
それから、エーファを殺した人狼が憎くて、探して殺すつもりで。
今は、ただ殺すのが目的になっている]
アーベル以外なら…
[彼だけ外れたのは最後の理性だったのかもしれない。
最初に出会った相手にしようと、広間の隅の方の椅子に*腰かけた*]
─浴室─
…私は、皆に守られて、生かされてきたから。
エステル先生に、ヴァルタに、屋敷の皆に─…ゼルに、貴方に。
私の命は、皆に与えてもらったもの。
だからね、アーベル。
貴方が、私を殺したいと思ったら、殺して、良いのよ?
[浴室も暖まり、入浴出来るようになって。
アーベルが外へ出ようとするその背中に、穏やかな声でそう言った。
彼は刃を持っているから、そうしようと思えば簡単に出来るだろう。
殺してとは、言えない。
己が人狼であったなら、そう頼んだろうと思うけれど。
でも、自分は人、だから。
だから、殺されても良いとだけ、伝えて。戸を閉めた。]
[服を脱ごうとすれば、ところどころ血が乾いて張り付いていて。
肌から離そうとすれば、多少の痛みが走った。
その痛みは、自分が生きている証拠。
そして、この血はゼルが流し、命を落とした証。
目を閉じて、また零れそうになる涙を堪え。
アーベルに準備してもらった浴室へと入り、身体を洗い流した。
お湯の温かさに、強張る身体が緩く解けて行くのが解る。
じわりと、目に熱さを感じたのは。
湯の温かさに解けて、滲んだ。]
そう、なのかな。
[自分の気持ちを語るというには、少し不安定な声。
考え込むように目を伏せたけれど、すぐにナターリエをじっと見詰める。
蒼花として――違う。わかっている。だけれど、そう言うことはない。
痛みはあるけれど、それに蓋をする]
そうだね、きっと君も――僕と同じように、役目が望むのだろう。
シスター…ナターリエが彼を庇っている間、苦しかったんじゃないかな。
[彼、といって、視線はライヒアルトの体へと落ちる]
責めていいんだよ、僕のことを。
……僕は君にも言っていないことがあるんだ。
僕は、彼に詳しくないよ。シスター。
ただね、"朱花"なら、
……許さないんじゃないかな。
[言葉を出せば、首筋の痛みがわずか、引いた。
それが答えだった]
……ごめんね、ナターリエ。
僕は、花より人で居たいんだ。
[少し笑って、それから、落としてしまったストールを取る。
自分の手から離れてしまった猫はどこにいったのだろうか。
少し考えるけれど、すぐに首筋を、花を隠した]
エルが戻ってきたら、ちゃんと運ぼう。ライヒアルトの部屋は、どこだろう?
それとも君か、…司祭の部屋かな。
[そう尋ねて、首をかしげた]
アーベル、寒いところに居させてごめんなさいね。
待っていてくれて、ありがとう。
アーベルも、お風呂頂いたら?
[血に濡れた服は、ひとまず水につけ目立たぬ隅に置いておいた。
入浴自体には然程時間をかけることはなく、程なく着替えも済ませると外で待っていてくれたアーベルに声をかけた。
廊下は冷えただろうと、彼にも入浴を勧めたが何と返されたろうか。
今入るのか、後でか。
どちらにしても自分は暖炉の熱で髪を乾かそうと、広間に向かい。]
…フォルカー、ちゃん?
[隅に座る、彼女に気付き名を呼んだ。**]
[人狼は誰か。
――自分を蒼花だと知っているのは、誰か。
知らないのは誰か。
頭の中では理解してしまう。
だから蒼花は、意識を苛んでゆく。
痛みが止まることは――無い**]
―一階・広間―
[ただなにをするでもなく、ぼーっと席に座っている。
ここしばらく、ろくに何も口にしていなかったけど、気にならなかった]
ああ、ブリジット……
[声をかけられて、向ける赤の相貌はどこか朧気な様子だった。
アーベルの姿も一緒にあるならば、そちらを見る時に感情のあらわれを見せるだろうか*]
[向けられるゲルダの眸>>79。
彼女の心の内は知れないから今はその言葉に意識を傾ける]
双花に伝えられたらと何度も思いました。
けれど、私の苦しみなど比べ物にならぬほどに
私がおとうとを選んだことで……
それ以上の苦しみを、他の方々に負わすことになりました。
[苦しみを理解する彼女もまた同じ苦しみを負うのかも知れない]
苦しい、などと私が言ってはならないのです。
[ゲルダの視線がおとうとへと向けば釣られるように其方をみる。
伝えることで大事なひとを苦しめたことも何処かで理解していた。
伝えないことで犠牲を増やし誰かを苦しめたことも理解している]
ゲルダさんを責めたいとは思いません。
誰しも秘密を抱えるもの――…朱花――…神のいとし子たる兄も、
あなたを責めようとは思わぬと思います。
自分よりも他を心配してばかりいる、優しいひと、でしたから。
[悩んでいたことに気付いていただろうあに。
手を差し伸べようとしてくれたのに彼の手を取る機会を逃した。
もう一度会いたいと思うが仮令どのような道を辿ろうとも
会えぬだろうこと――顔向けできぬことを知っている]
――…“朱花”が許さぬなら“蒼花”は…
[クレメンスであれば許してしまいそうだったが
双花である片方が許さぬことをもう片方が許すのだろうか。
花か人か、ゲルダの応え>>80に微かに目を細める]
分かりました。
[これ以上彼女に義兄の影を重ねるのは酷か。
先に花を手放したのは支えるべき自分なのだ]
私にはもう“役目”しかないのです。
[部屋を聞かれれば階段から二番目にあるライヒアルトの部屋の扉を指し示す。本当なら自分で運びたいがそれをするだけの気力も体力も無かった]
[ナターリエという“個”があれたのは其処に兄と弟が居たから。
教会には父と子供達もいるけれど、今は喪失感から其れを見失う。
血は繋がらずとも本当の家族のような人たちがずっと傍に居た。
その存在が傍に無いことがこれほど寂しいとは知らなかった]
ラーイ、ごめんね。
[そ、とライヒアルトの頬に掛かる髪を撫でる]
おにいさま、ごめんなさい。
[守りたいと思ったふたり。
おとうとが人狼であると知りあにが朱花であると知った時、
おとうとの苦しみを和らげ、尚且つ、導き手たるあにを少しでもながらえさせる術を考えて、おとうとを引き止めた。
それなのに、今、こうしてながらえてるのは自分。
ふたりの想いが嬉しくも、哀しい。
女もまた同じかそれ以上に、ふたりを想っていたから――]
― 浴室 ―
ん、昔はネ。そう思ってた。
俺は人狼に会った事があるのサ。
綺麗な銀色した、狼二匹に。
そいつらは人を食った残骸だけ残して、森の中に消えていった。
…俺そん時、子供心にちょっと人生に絶望しててさ。
そんな中で、圧倒的っていうのかな…とにかく凄いモン見せられて、惹かれた。魂取られたんじゃないかってくらい、魅せられたネ。
[狼になりたかったかと問う、幼い瞳に返すのは語る事が無かった過去の一端。それは放浪する直前、転換期の訪れの事。
子供の頃の強い憧れ、なんてぬるい物ではない、強い執着だった。
今は狼に成りたいと思ってはいないけれど――なぜなら彼らとは違いすぎる自分を知ったから。
それでも執着はささやかなユメへと変わり、今も胸にある黒い小瓶にほの暗く収まっている。]
ま、今は大人だシ?あんまり思ってないケドね。
それにさほら、俺人狼じゃないから、俺が死んでも終わらない。
終わらなければ、まだ死ぬから。
悲しいねェ。
[言いながら、口元には軽い笑みがあった。
そうなったらその時だネ、と。
内心はそんなもの。]
勿体ない事言うネお嬢。
[殺されてめいいと言う主には、微かな笑みを浮かべて、小さく息をつきながら撫でた。]
俺は気紛れだから。
どうしたいとか、するとかは言わないヨ。
[確約はせずに、ただ主の心を受けとめた。
そして浴室を出て、背を扉に預け主を待った。]
とりあえず、ここは旦那にあやかるかネ。
秘密ってのは、過ぎると良くない……だったっけ?
[主を待つ間、何をするか、考え出た結論はそれ。
自ら殺した男の言葉を思い出し、口の端を上げた。
主の勧めに、自身は簡単に手と顔を洗うだけに留めると、伴い広間へと向かう。]
―広間―
[どこか憔悴したようにも見えるフォルカーを見つければ、頭を撫でた。]
悪いな、ほったらかしで。師匠は忙しいや。男手、もう2つしかないし。
[そう軽口を叩きながら、暫くは頭を撫でていた。]
…お嬢、フォルカーのこと頼んでいい?
[暫くしてからそう頼み、自分は遺体を運ぶ為と称してエルザを*探すだろう*]
[フォルカーは人である事を知っている。
女の中でそれは疑いようもない事実であるから
何があろうと女があの少女に危害を加える事はない。
蒼花であるゲルダもまた候補からは外れる。
その花の存在を知り言葉を聞いたから。
彼女が誰かを庇う為に此方に刃を向けるなら
それさえも女は抗わずにそれを受け入れるだろう。
支えることが出来なかった双花への罪滅ぼしの為に。
疑いが向かぬあと一人はブリジット。
真っ先にゲルダのことを案じた彼女。
彼女が何者か知ると考えれば蒼花が健在なのは不自然。
対たる存在であるゼルギウスを庇おうとしたのも大きな要因。
女に疑える者は少なくある。
信じられる存在を生かす為に自分が出来る事は何か。
如何すれば良いのか、未だ、答えは出ない**]
[アーベルが一緒にいたので、ブリジットを殺しにいくことはためらわれた。
アーベルにだけは嫌われたくもなかったから。
アーベルから頭を撫でられると、わずかながらその表情に感情の兆しは見せるが、
続いた言葉を聞く頃には元の様子に]
大事なもの、優先だろうし…
[ぽつりと言葉を漏らしてから、ブリジットに任せようとするのには]
いい、殺す相手、探してくる…
[二人に告げた言葉は変わらぬ調子のままに。
怪我の具合はもういいのか、それとも感じるものが鈍っていたためか、しっかりとした足取りで広間を後にしようと席を*立った*]
― →二階廊下―
[まだ誰も広間に居ない内にオレはリネン室からシーツを、更に掃除道具を持って二階へと向かう。
腕の中には相変わらず白い塊。
色んなものを持つことになったから、シーツの上に乗せる形になったけどな。
シーツを取りに行ったその時はまだアーベルは火を熾していたのか、浴室の前には居なかった]
持ってきた。
ライヒアルトから運ぶから、離れてて。
[ゲルダとナターリエの話が粗方終わった後。
オレは二人の傍に歩み寄って、どちらかにミーレを手渡した。
コイツ抱えてたら何にも出来ないからな。
オレはライヒアルトの横にシーツを広げてその上にライヒアルトを横たえる。
作業の間はずっと無言。
包み終えると、ナターリエの方に翡翠を向けた]
どこに運べば良い?
[問いは簡潔。
ライヒアルトの部屋へと言われたなら、シーツに包まれたライヒアルト抱え上げて部屋と運んだ。
扉はまぁ、開けてもらうことになったけど]
―ライヒアルトの部屋―
[抱えたライヒアルトをベッドへと寝かせる。
後ろからナターリエとゲルダも部屋に入って来ただろうか]
んじゃ、オレはゼルギウスも運んでくるから。
手伝いは良いよ、掃除もオレがやる。
[ゲルダに血を触れさせまいと、オレはそう言って部屋の扉へと向かって行った。
その思いはエーリッヒの時も見せていたから、ゲルダには伝わったと思う]
― →二階廊下―
[三人でライヒアルトの部屋に居た間にフォルカーが廊下を通って階下へ下りたらしいが、そんなこと気付くはずもなく。
オレは廊下に戻って今度はゼルギウスをシーツに包み始めた]
あーあ、もうだいぶ固まっちまってるな…。
[呟きは床についた汚れを見てのもの。
掃除しても無駄かもしれない。
そんなことを思いながら、オレは作業を続ける。
……あ、でもオレ、ゼルギウスの部屋も*知らねぇぞ*]
―二階廊下―
――聞いてあげられなくて、ごめんね。
[伝えられたら>>84。そう言われても、自分は人に漏らさなかった。言わないようにしようと決めていた。
自分が死んでしまったら――それを考えてブリジットに願っただけ。
それも彼女の負担などは何も考えていない、自分勝手な願いだ]
最初から、覚悟はしていたのだろう?
僕らが痛みを感じることを望むのは、人にとってよくないものだって。
…選んだのが自分なのだから、確かに言うことではないね。
[それは己にあてた言葉でもあり。
しかし続けられる言葉には、そっと笑った。
朱花――クレメンスのことを聞いて、ほっとしたように]
うん。生きていたら痛かったかもしれないけれどね。
きっと、そうだったと思うよ。
[エルゼリートが戻ってくると、言われた言葉にうんと頷いて。
ミーレは自分から手を出すことはしなかった。ナターリエが持たないのなら、抱えることも嫌ではないけれど]
エルは、どうしてそんなに僕の手伝いを嫌うの。
[エーリッヒのときもだったけれど、文句の一つは口をつく。
それでもきっと、手伝わせてはくれないのだろうと諦めの溜息を吐いて]
それじゃあ、飲み物でも作っておくよ。
ナターリエも、あとで下においでね。
[それでも思い返せば、そろそろ蜂蜜もなくなるころだろう。
砂糖や、他のものも持っていく為に一度部屋に戻り、鞄の中から調味料を取り出す。
奥に入っている銀のナイフに手は伸ばしかけたけれど、それは止まった。首を振って戻し、代わりに、自分は使わないポーチにいれた鮮やかな花のブローチを持つ。
小さな紙袋に移すと、すぐに部屋を出た。エルゼリートがまだ片付けているようなら、声はかけて、階下へと]
― →広間→外 ―
[降りてくると、隅のほうにフォルカーが、そしてアーベルとブリジットが居た。
机に紙の袋を置いて、]
墓参りに行ってこようかと思ってね。はじめて、だけど。
……内緒にしておいて。心配かけるから。
[袋の中から、黄色の花のブローチだけを取り出した。
痛みはやはり今もあって、それだから周りの様子もあまり気にすることはできず、外へと向かう**]
―広間―
[フォルカーが、壊れたように殺しに行くと言えば、離れる前に一度手を掴んだ。]
おーい、そんな殺気だらけじゃ、できる事も出来なくなるでしょ。
ちっとは落ち着きなさい。
[そう宥めるように止めるが、きいただろうか。]
それにね、お前の事も大事よ?俺は。
[軽く笑みを浮かべながらそう告げる。
それでも振り切られれば、後は追わない。ブリジットは追ったかもしれないが。
ともあれゲルダが来たのは、まだフォルカーを引き止められていた時だった。]
墓参り、って…墓地は
[そう言いかけて、ようやく思い出した。8年前の事を。
合点がいったように群青は穏やかに細まった。そこには気づかいの色が浮かぶだろう。]
気をつけてネ。ほんと。
[それだけ言って、見送った。
こんどは約束を承諾しなかった]
…オレが嫌だから。
[ライヒアルトの部屋を出る前。
ゲルダの文句>>100へ返したのは、ナイフを捨てに行く前にゲルダに言われたのと同じもの。
理由は言わない。
どう言う意味に取られたかは知らないけど、オレはゲルダに手伝いをさせることなく廊下に出た。
ゼルギウスを包む作業をして居る間にゲルダに声をかけられると、生返事にも似た声を返してオレは作業を続行していた]
―二階―
[それから、手伝ってくると二階へ上がる。
エルザはゼルギウスをシーツにくるんだまま、部屋が分からず困っていただろうか。
なんにせよ近づいて、ゼルギウスの部屋を伝え、遺体を運んだ。
ゼルギウスを運び終えて、一息ついた所で切り出した。]
ところで兄さんさ、ゲルダの姉さんが、蒼花の持ち主って、知ってた?
[ひょっとしたら既に知っているかもしれない。
どうかな?と少し首を傾げて問いかけた。]
―二階廊下→ゼルギウスの部屋―
ん、お。
アーベル丁度良いとこに。
ゼルギウスの部屋知らねぇ?
[アーベル>>105聞いたらあっさり教えてもらえた。
オレはアーベルの手を借りてゼルギウスを部屋へと運ぶ]
これでよし、と。
後は廊下の掃除―――って、え?
[別のことに意識を向けようとして、アーベルの問い、っつーかなんだこれ。暴露か?
そんな言葉に最初は驚きに似たような声と表情になる]
へぇ、そうだったん、か。
[オレは誰からもそう言う情報を知らされていなかったからな。
少し俯くようにして小さくオレは呟いた。
髪を下ろしたままだったから、表情はすっかり隠れたはずだ]
やぁっぱ、ゲルダなんだなぁ。
[隠された表情には、笑み。
アーベルが本当のことを言ってる保証はなかったけど、オレの鼻の裏付けにはなった]
―ゼルギウスの部屋―
あ、やっぱり知らなかったのネ。
[俯いたエルザの表情は伺い知れないが、その直前の顔は真実知りませんでした、そんな様がありあり見えた。]
兄さんに知らせたら面倒だからって、お嬢と一緒に口止めされてたから黙ってたけど。
状況が状況だし、そろそろ時効かなって思ってネ。
[などと言いながら、知りうる存在がもう一人いることもさらりと伝えた。
どんな顔をしてるんだろう、と気にはなったが、覗き込むことはせずにただじっと見つめていた。
口元の笑みは、薄い。]
―少し前/二階廊下―
[ゲルダ>>98にゆると首を横に振る。
彼女に謝って欲しいわけではなかったから。
覚悟への問いはしっかりと一つ頷く]
……はい。
全て理解した上での、選択、でしたから。
[助けなければいけない人を裏切る行為。
それでも泣くのを我慢していたあの少年が自分の手を取ってくれた時に
何があろうとこの子の味方であろうと心に決めたから。
彼女の顔に笑みが浮かべば女も少しだけ嬉しくなる。
クレメンスなら如何したのだろう。
考えても出ぬ答え。
問いそびれた其れを悔いているからか
ずっと頼りにしていた人を何処かで求めてか
心の片隅でその問いを繰り返している]
―少し前/二階廊下―
彼らの、願い……。
[不思議そうにゲルダの言葉>>99を繰り返す。
彼女の言う彼らかどのように接してくれたか覚えている。
大事な思い出は記憶から消えることなどなくあり続けた。
エルを騙すという彼女の意思を聞けば
女は其れを邪魔することは出来ない]
あの方の心は私にはわかりません。
理解できるとすれば、それはゲルダさんだけかと。
[少しだけ困ったように眉尻を下げて口を噤んだ]
―二階廊下―
[エルゼリートが戻ればゲルダに任せるかのように
なかなか口を開こうとも動こうともしなかった。
彼女をチラとみてからミーレへと手を伸ばす。
白猫を両の手でそっと受け取れば柔らかなぬくもりが腕にある。
何だかほっとするような、そんなぬくもり。
そういえばエーファもミーレと仲良しだった。
双子であるフォルカーも猫好きだったりするのだろうか。
白猫を抱いたまま、ライヒアルトを運ぶエルゼリートを見上げ]
……ありがとうございます。
[と、感謝の言葉をぽつと向ける。
暫くは廊下に座り込んだまま、ゲルダが動くのを見送った]
―ゼルギウスの部屋―
[ふ、とオレは短く息を吐く]
……そっか、オレには何も言わなくて、お前らには伝えたんだ。
[アーベルの言葉>>107を受けて、オレは呟きながら顔を上げた。
パッと見、少し悲しげに笑んでいたように見えたかも知れない]
それを知ってるのって、お前とブリジットだけ?
[オレは不意に気になったことをアーベルに問うた]
[エルゼリートとアーベルがゼルギウスの部屋へと消える頃。
女はミーレをその肩に乗せて壁を支えにし立ち上がろうとする。
無理をしたせいか左足には酷い痛みが奔り苦痛に顔を歪めた]
……ん。
[小さく声を漏らすのみで痛いとは言わない。
ミーレが案じるように鳴くと、返事をするかわりに抱き直して
ライヒアルトが眠るその部屋へと入ってゆく。
左足を庇うように少しだけ引き摺りながら]
[驚いた表情をしたのは単に急に言われたからだった]
…すこぉし、拙いかなぁ。
ゲルダが蒼花だったって知らなかったのがオレだけだったりしたら。
……ま、良いか。
[隠れ続けては居たけど、それは生き続けるためではなく喰らい続けるため。
喰らい続けるためには生き続けなければいけなかったから、そうしてきた。
ただそれだけのこと]
誰か、オレを見つけた奴は居るのかな。
[ヴィリーが言っていたように、オレはもう止められなければ止まらないんだと思う]
─回想・浴室─
[昔人狼に出会ったというアーべルの話>>87>>88を、ただ黙って聞いていた。
彼の胸の内は解らない、だから何もいえることもなく見つめるだけで。
けれど。]
…どうして?
私も貴方も、変わらないじゃない。
[勿体無いことを言うという彼>>89に、首を傾げた。
自分も彼も見極められていないから、人狼と疑われる可能性は高いだろう。
どれ程近くても、使用人としての立場を守ってきた彼は、自分を殺せないのではないか、そう思ったからこその願いは受け入れてもらえたかは解らない。
けれど、自分の願いを、受け止めて。
頭を撫でてくれる手は、温かかった。
泣けるくらいに。]
─回想・終了─
―広間→―
[アーベルに引き止められ、忠告の言葉は確かにもっともで立ち止まった。
自分のことも大事だとその言葉に動きが固まる。
ゲルダが来てアーベルと会話しているが、会話が耳に入っていなかった]
……
[どういう意味でアーベルがそれを言ったのか、いつもの冗談に近いものなのか、よく、わからない。
アーベルが二階に上がるのを見送ってしばらくしてから]
行ってくる…
[ブリジットがまだその場に残ってたのならそう告げて二階に上がっていった]
― ゼルギウスの部屋 ―
[エルザはゲルダに知らせてもらえなかった事にショックを受けている…ようにも見えた。
実際は人の感情なんてよく分らない。
お嬢が考えてることは分りやすいんだけどね、とかふと余計な事を思った。]
んーフォルカーは知ってるネ。俺が教えたから。
[表情を全く変えないまま、さらりと嘘をついた。]
シスターは分んないや。
知ってる風にも見えたけど…聞いてないしネ。
[こちらは真実を伝えた。
全員知ってるって伝えたらどうなるんだろう、なんて思ったけれど止めておいた。]
―ゼルギウスの部屋―
んー、そっか。
じゃあやることは決まったな。
[フォルカーが知ってて、ナターリエは知ってるかが微妙なところ。
アーベルから伝え聞いた話>>115に、オレは一つ呟いた。
アーベルが正しいことを言ってるか確かめる術はない。
でもオレにとっては見聞きしたことが全てだからな。
オレは呟きと共に笑みを浮かべる。
浮かべた柔らかな笑みをアーベルが見たなら、女性らしい印象を強く与えることだろう]
―ライヒアルトの部屋―
[寝台の傍には黒革の書物がある。
その上に置いたままにされている十字架。
片方の腕でミーレを抱いた女はもう片方の手でそれに触れた]
同じだったら良かったね。
[誰一人同じ存在など無いと知りながら
それでも同じであればと願ったあの日が何処か遠い。
彼が大事にしていた飴色の楽器に気付けば泣きそうな笑みが浮かぶ]
ラーイの奏でる音色が好きだった。
弾いて、って、強請ったこともあったね。
[此処に来てからも微かに聞こえた旋律に安堵した。
もう彼の音色は聴けないのだと思えば寂しい。
嗚呼、私はまだおとうとの死を認められていない。
何処かでそんな声が聞こえた気がした]
―→二階・廊下―
ブリジットさんは、アーベルのこと大事?
[階段を上りながらついてきたブリジットに振り返らずにぽつりと。
二階に上がると二人の姿は見えないので、どこかの部屋に入ったのだろうかと]
― ゼルギウスの部屋 ―
やる事。
[そっか、と呟く。
何をやるか、知る術もないが、思う所は2つしかない。
どっちになるのかな、とは胸中だけ。
エルザが浮かべた笑みに、群青は一つ瞬いた。
今までとはどこか違う印象。何だろうと、内心で首をかしげる前に、ふいに意識せずに口から零れた。]
行ってらっしゃい、エルザ姉さん。
[にこりした笑みは、最初に告げた時と同じもの。
言った後で、殴られるかな、と少しだけ覚悟はした。]
ああ…そうだ。
あのさ、ゲルダの姉さんの両親が死んだトコって知ってる?
さっき姉さんが墓参りに行くっていったからさ。
ついでに祈りの一つでも唱えておこうと思ってね。
―→二階・廊下―
え?
…えぇ、大切な人よ。
[先を歩くフォルカーから、声だけで問われて。
前を向いている彼女に表情は見えないけれど、穏やかな微笑みで頷いた。]
―→二階・廊下―
じゃあ、同じ、だね…
[そう言葉を返す、相変わらず振り向くことはなく。
意識は二人の行方の方に]
どこ、かな?
[並ぶ部屋のドアを眺めていた]
─二階・廊下─
そうね、同じね。
……フォルカーちゃんは、誰でも、良いの?
[こちらを向くことなく、探す様子に。
そう、声をかけて。]
……貴女は、そんなこと、してはいけないわ。
エーファちゃんが、命を落とした意味が、無くなってしまうもの。
― →岬 ―
[気をつけてと言われれば、ありがとうと礼を。
それから、外へ向かった。
風は少し冷たい。ストールは、しっかりと首元に。
崖の淵まで行くと、いつのまにか手は強く握り締められていた。
苦笑して、片手で握っていたブローチを、そのまま落とす。開いた手は少し血が滲んでいたけれど、気にすることはできなかった]
……僕も連れていけばよかったのに。
[あの時に。呟いて、息を吐いた。
ここから落ちたら無事ではいられないだろう。では人狼は?
考えてもわからない。
灯台の壁に背をつけて、ただ、唇を噛み締めた]
[誰でもと聞かれたので]
アーベルと、ブリジットさんは…殺さない……
[エーファの話題になれば]
意味って、何……?
エーファの方が、生き残るべき、だったよね。
[感情のこもらない言葉をぽつりと]
―ゼルギウスの部屋―
[アーベルが危惧したこと>>120は起きなかった。
オレはアーベルを見ぬままに、ただくつりと口端を持ち上げて笑うだけ]
ん、ああ…。
この先にある、岬。
アイツ、ようやく出来るようになったのか。
近付くことも出来なかったのにな。
……様子見てくるか。
[途中で足が竦んでる可能性も無くはなかったから、オレはゲルダの様子を先に見に行こうと扉に近付いた]
―ライヒアルトの部屋―
――…付きあわせてごめんね、ミーレ。
[シーツに包まれているとはいえライヒアルトの血は香る。
鼻のよい子には辛かったかもしれないと謝罪の言葉を口にした。
エーリッヒが亡くなってからミーレをみていたのはエーファ。
では、エーファが人狼に襲われてからは――。
考えて案じるような眸を向ける]
おなかすいてたりするのかしら。
[子供達にしたように優しく白猫を抱きしめて小さく問い掛けた]
[殺す相手を探すと彼女は言った。
人狼、ではなく。
それはつまり、誰でもいいと思っているらしいと推測できた。
だから、彼女の腕に手を触れて。]
…貴女の手は、汚れちゃいけない。
エーファちゃんは、きっと、綺麗なままで、生きて欲しいと願ってる。
[彼女にそう言いながら、ゼルがライヒアルトと対峙する前に言ったことを思い出す。
彼もきっと、そうだったんだ。
私を、守りたかった。命だけでなく、人の命を奪うことからも。]
貴女とエーファちゃん、どちらかが生きるべきだったなんてことはない。
それでも、エーファちゃんは…殺されてしまった、けれど。
貴女が、誰かを殺せば。
エーファちゃんは、悲しむわ。
大好きな貴女が、傷つくのも、傷つけるのも。
貴女は、エーファちゃんが、自分のせいで誰かを殺そうとすることに、耐えられる…?
―灯台傍―
[そのまま地面に座り込んで、手を開く。
まさかアーベルによって、自分の花のことがエルゼリートに伝えられているとは思わず、だからこそ考える。
……どうやったら逃がせるだろうか。
蒼い痣が痛みばかり与えるから、右手で、左手の甲に爪を立てて。
痛みで痛みを抑えようとしても、結局のところ意味はない。
ついには考えることを放棄して、手を落とした]
[人狼の疑いをかけてナターリエを殺す理由は揃った。
けれどゲルダが蒼花と知った今、意識はそっちへ傾きつつある]
朱花、美味かったよなぁ…。
クレメンスはおっさんだったから肉が少し固かったけど、ゲルダなら柔らかそうだよなぁ。
[オレの思考は喰らうことに支配されつつあった。
ゲルダの肢体を思い出すと喉が鳴りそうになる。
今はアーベルが近くに居たから、どうにか抑え込んだけど]
特別な力も何もないから、見つけることも守ることも……
[ぽつりぽつりと、それはアーベルに間違ってないと言われたこと]
だから、殺さないと、守れないんだよ……
[そこで初めて振り返り]
アーベルも、間違ってないって、言ってたよ。
[じっとブリジットを見つめながら]
アーベルがそう言ってくれたんだよ。
[微かな笑みを浮かべていた]
―ゼルギウスの部屋→二階廊下―
うっかり落ちたりはしたくないからな。
気を付けるよ。
[アーベルの忠告>>130は素直に受けて、オレは譲られた道を進んで扉を開けた。
階段へと進路を取ったならフォルカーとブリジットの姿が見えたか。
探されていたとは知らないから、そのまま横を通り過ぎて階段へと向かう]
私も、何の力も持ってない。
誰かを殺す勇気も無い。
[持っていたら、ゼルを守れたのか。
目の前にいる彼女の、対たる少女を守れたのか。
解らない。]
でも、私は、守りたい。
貴女のその手を、汚させたくないわ。
[アーベルが間違っていないと言ったなら。
今の彼女にとって、アーベルはきっと、唯一の人だから。
彼女の決意を覆すのは、無理かもしれない。
でも、諦めたくないと手を伸ばし、彼女を抱きしめた。]
思い出して。
貴女を、守りたかった人は、それを、望むの?
[オレはウィルムリエル<男女>。
名の通りの性質を持つ。
オレの聲は中性的で、聞く者には異性の聲として聞こえることがある。
時にはその表情も。
そのお陰で変な奴らに絡まれることも多かったけど、今はそんなことどうでも良い。
どうでも良いと思うようになったから、アーベルの揶揄いも気にならなかった。
今は人狼としての性質が全面に押し出されていたからな]
[ブリジットに抱きしめられてかけられる言葉]
さぁ、わからないよ、だって、エーファじゃないから……
[とても寂しそうな声で、そう答えていた。目には悲しみの色を宿らせていただろうか。
エルゼが部屋からでてくると、そちらを見て]
行ってらっしゃい。
[階下に下りる様子に、どこに行くのかは知らなかったけど道を譲った]
じゃあ、フォルカーちゃんは…
エーファちゃんが、自分の為に誰かを殺そうとするのを。
黙って、見ていられる?
[悲しみに染まる瞳と声に、唇を噛む。
それでも、言葉をつむぐのは自分のエゴ。
彼女に手を汚して欲しくないから。]
[横を通り過ぎるエルゼに頭を下げながら、不自然にならぬように抱きしめたフォルカーを庇うような姿勢になった。
通り過ぎていくなら、抱いた腕を緩め。]
それでも、殺したいなら…
私が代わりに、なるわ。
[そう言って、彼女を離し微笑んだ。]
[フォルカー>>135に声をかけられると、オレはにこりと笑いかけた。
身体を強ばらせるブリジットもその笑みを見たなら、二人にはいつもより男性的な笑みに見えたことだろう]
ああ、そうだ。
居るかな。
[思い出して、オレは小さく呟く。
そして階段へ向けた進路をライヒアルトの部屋へと変えた]
ナターリエ、居る?
[問うて、ノックも何もせずに扉を開けた]
エーファが……?
[自分のために、誰かを、殺す]
わからない、わからないよ……
[首を横に振り、それは嫌でもあり、ある種嬉しくもあった。
確信めいたような様子で、生前にエーファが言っていた言葉を思い出す。
何か思い出しちゃいけないものとか、思い出しそうで感情があふれそうになり涙がこぼれ落ちていく]
エーファも、守ろうと、してくれてた……
けど、けれど……
綺麗ごとじゃ…、なにも……
[言いかけた言葉は、続くブリジットの言葉にさえぎられ、言葉の意味がよくわからず]
代わりに……?
[そう聞いていた]
―ライヒアルトの部屋―
[扉を開く音に先に反応を示したのは白猫。
遅れて振り向けばエルゼリートの姿が映る]
――…はい、此処に。
[短い返事。
女を守るものは銀の十字架のみ――]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新