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─屋上─
月……
[ぽつり呟いて]
[だんだんと赤くなる足先に構わずに先を目指す]
[自衛団員の頭が屋根の向こうに微かに覗いていた]
[やってきたベアトリーチェに「こんばんは」と声を掛けて]
[雪のように優しい歌…との言葉に少し考え込んで]
…そうね…こういう歌はどうかしら?
[と前置きしてから、ゆっくりと歌いだす。
緩やかなメゾソプラノの声が居間に広がっていく]
[見知らぬ青年に名前を呼ばれて、びくりとする少女。
無意識のうちに機械犬をぎゅっと抱き締めている]
……あなた、誰?
[ものすごく警戒心丸出し]
[眼前に見える月に両手を指し伸ばしながら歩く]
[屋根先まで来るとそこは丁度玄関らしく]
[ハインリヒの姿が下にある]
[爪先が屋根から雪を少しだけ落とした]
[彼は、ベアトリーチェの警戒心には気付かない様子で、にこにこ笑う]
僕はアーベル。よろしくねベアトリーチェ。
ご飯食べなよ。イレーネが作ってくれたんだ。とっても美味しいよ?
/中/
そろそろ更新なんで、小ネタの準備中……。
しかし、なるほど、村を出るボタンはない訳ね。
当たり前だけど。
さて、どんな反応が来ますかねー。
[頭を撫でると反発する様子に、やはり楽しそうに笑って]
まぁ、だんだんと食べていけば良いと思いますけどね。
また悪化させたら……
[言葉をくぎる。おしてしるべし、ということらしい]
[イレーネの「食事は大丈夫?」の返事かと思うくらい見事なタイミングで、少女のお腹がきゅるると鳴った]
……大丈夫じゃない。
体が栄養不足の警報を鳴らしている。
[そして少女は初めて気付く。辺り一面漂う心地よい匂いに]
女の人って、こういう時結託するよねー。
[ニンジンのことでからかわれるのは慣れているのか、エルザの言葉に諦めたように溜め息をついて。次の瞬間、その同じ唇から紡がれる美しい歌声に、彼は声も無く聞きほれる]
……笑うな。
[何となく不機嫌な口調で、ぽつりと]
まあ、そうするさ……このままじゃ、多分好物も受け付けんからな。
それだけは避けたい。
[結構真剣だが、それは、途切れた言葉のプレッシャーから逃れるためのものかも知れない]
[緩やかに歌い続けていたそれも終わりに近付き。
すぅ、っと消え入るような余韻を残して歌い終えれば優雅に一礼して]
…喜んでいただけたら嬉しいのだけど。
[そういって少し恥らうように笑った]
……綺麗な、声………
[ふわり、エルザに微笑みかけ]
[隣に座ったベアトリーチェを見れば、彼女の分の食事も用意して]
「お腹がすいた」……と、いうこと……、だね。
[それから、少女のアーベルに対する様子に、ちらと彼を見遣り]
…そう、警戒……しなくても。…彼は、いい人……だと、思うよ。
………人参嫌い、だけど。
はい
[くす、と小さく笑いながらうなずくから、聞くつもりがないのも明白だ]
治す気があるようで良かったです
そうでなければ……ね
[にこにこ微笑む。念は押したりないらしかった]
[聞いちゃいねえ、と悪態をつけるのは心の奥の奥。
表情の上では、ただ、ため息が一つこぼれるだけで]
治す気はあるって……でなかったら……。
[言いかけた言葉は、不自然に途切れ]
……ところで、そろそろこの状態は辛いんだが……せめて、着替えだけでもさせてくれん?
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