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〔リディアの様子に気づいたが、あからさまにそうとはわからないよう最大限の注意を払いつつ〕
ふるさとがあるってのはいい事だよ。
時間の許す限り、ゆっくりしてもらったほうが、村も賑やかになって俺は嬉しい。
おやすみ。また明日な。
[フランから荷物を受け取って助かります、と]
[入ってきた見知った顔に、こんばんはとだけ声をかけ]
[ちりん]
[鈴を揺らして扉に手をかける]
おやすみなさい。
[笑顔を作って、宿を出る。*このまま自宅へと向かうのだろう*]
[迷子になったか、それとも?
エリカとディーノの曇った眼差しをすいと受け流す。
そして昨日自分で転びかけたおっさんの発した「芸」という言葉に、振っていた尾をはたりと止める。
見上げればディーノも考え込むような表情を見せていて。
耳をぴんと立てて、ディーノを見つめた。]
…ん、まーなー。
親父うるさくてよぉ…。
[フランに向かって、軽く肩をすくめて見せると、
ハーブソーダのジョッキを呷る。
…流石に、酔って帰ったら半殺しにされかねないので、酒は自重。]
…そうね。
邪魔をするつもりは無いから安心して。
[シャロンの言葉には肩を竦め]
[外へ出てゆくのを見送って]
…だってさ。
残念だったね?
[ランディには意味ありげな笑みと共に言葉を投げた]
名前知ってたんだ?
花の知識は結構あるのかな、エリカ。
そう言えば薬草について勉強してるんだっけ。
[それなら納得かも、と一人頷いて]
迷子…うん、そうかもね。
[しかし犬には帰巣本能というものがある。この村から出て戻ってきたのでないのであれば……。考えうる可能性が頭を巡り、少し寂しげな表情を浮かべる。それからシャロンからの忠告が聞こえると]
手品のタネ、か。
そりゃ大変だ。
……クローディア……あれ、どっかで聞いた事があるような…。
確か腕の良い占星術師だっけ。
[ここに来てるんだぁ、と今更ながらに驚いていた]
[外に向かうシャロンの言葉にやや、首を傾げるものの]
作業には集中が必要……って事だよね。
[それなら、薬作りにも通じるものがあるので、理解はできた。
話はしたいけれど、それなら遠慮しないと、と心の中で呟いて]
……レッグ、また殴られた?
[それから、入ってきた少年の様子にため息を一つ]
手当てしないと、真っ赤だよ?
〔シャロンの言葉に、内心で(そんな突撃が出来る程の勇気は持ち合わせてねぇよ)と突っ込みつつ、苦笑いを浮かべるだけに留める〕
〔パトラッシュに視線を合わせ、近寄り頭を撫でる〕
何でも出来そうだがなぁ。
まず無駄吼えしないだけでもいいと思うぜ。
〔パトラッシュの首のプレートに触れる〕
いい細工してるなぁ。お前、実はいい暮らししてたんじゃないのか?
[酒場に入ってきた男性に気付けば、こんばんはー、とナチュラルに挨拶して。去り行くリディアには、お休みー、と手を振り見送る。耳を立て、こちらを見てくるパトラッシュに気付くと]
…パトラッシュ、何かやってみる?
どんなのが出来るかは分かんないけど。
開ければわかる……?
[きょとん、としつつ、手にした包みを見て。
それから、帰って行くリディアの背に、お休みなさい、と手を振る]
うん、名前はね。
薬作りに必要な知識だから、って、色々覚えさせられたから。
[納得するディーノに、こう言って頷き返し]
ほんとの事は、この子しか知らないけど。
色んな物が見たくて、歩き回ってるのかもね?
[寂しげな表情に、ほんの一瞬、翳りを過ぎらせるものの、すぐにそれは打消し。冗談めかした口調でこんな事を]
ぁー、うん。たいしたことねぇって。
[腫れてきた頬をさすりながら、まだ不貞腐れた様子でエリカへ答える。]
…ったくよぉ、ビンタならともかく、グーでパンチだぜ?
ふざけんなっての…。
〔ごほごほと軽く咳き込みながらフランから目を反らした〕
〔レッグが視界に入る〕
あー、またやられたのか。おい、生肉出してやれよ。
殴られた時はこれが一番効くんだぞ。
〔宿屋の主人からビニール袋に入れた生肉を受け取り、レッグの傷に当てる〕
[おっさん……いや、ランディの言葉には、やや目を逸らしただろうか。口元が微かに動いたのには、流石に誰も気付かなかっただろうけれど。
ディーノの問いかけには、やる気なさげに尻尾をぱたりと床に打ち付けて返した。勘弁してほしい、と顔に書いてある。]
薬草を見分けなきゃいけないもんね。
間違えて毒草使ったりしたらいけないし。
[エリカの冗談めかした口調に表情を笑みに戻し]
そうかも、この子頭良いから色々見て回ってるのかもね。
ねぇ、あの人もこの村の人なの?
皆と顔見知りみたいだけど。
[名を聞くタイミングを見計らっているのか、レッグに視線をやって訊ねる]
大した事なくないでしょ、腫れてるのにっ。
[不貞腐れた様子に、呆れたような声を上げ。
フランから受け取った包みは一先ずテーブルに置いて、いつも持ち歩いているポーチを開く。
中に入っているのは、応急処置に使う道具類]
殴る方も殴る方だけど、殴られる方も殴られる方だよ?
[ため息混じりの言葉は、生肉を押し当てるランディの姿に遮られ]
ちょっと、ランディさんっ!
ボク、手当てするから!
食べ物そういう風に使っちゃダメ!
[ぱたりと落ちたパトラッシュの尻尾。それを見て意図を察する]
分かった、強制はしないよ。
君の人生は君のものだ。
僕が縛れるものじゃない。
自由にしてると良いよ。
〔まだ含み笑いを続けているフランにどう返したものかと迷いつつ〕
〔なんだか嫌そうなパトラッシュの様子に気づく〕
ふん。ま、人生いろいろあらぁな。あ、犬生か?
今がよければ過去は何があっても悪くは無いのさ。
〔そういいながら、ジョッキを空けた。どうやらまた酔いが回って雄弁になりつつある〕
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