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[ついでに、とばかり、目に付いたゴミを片付ける。
流し台も軽く拭いて、布巾を洗っていると入ってくる人物が]
あ、榎本先輩。
[どうしていいか分からずに、困ったような表情でとりあえず頭を下げてみる。
顔を戻すと濯いだ布巾を絞ってラックに干した]
はぁい、おやすみなさぁい……はぁ
[フユの言葉に、疲れた様子で返答
ちなみに、もうヒサタカに突っ込む気力も、ショウをからかう元気もない
ため息をつきながらアイスティーを啜る]
そりゃまた、随分若い爺さんだなぁ。
むしろ老後も年金納めて欲しいくらい。
[指折り数えられる欲しいものに突っ込みながらも、同じく静観。
部屋に戻る者にはお疲れと軽く挨拶した。]
[ぽん。
タイミングを誤って、肩に置かれる手。
その手も、ショウより一回りは大きいだろうか]
―――……………、
[停止、数秒。]
オマエなんか、知んねー!
[じんわり滲んだ滴は、きっと、欠伸のせい。
涙を拭って立ち上がり、ダッシュで部屋から飛び出した]
……ん?
ん。
[声を掛けられたので、顔を上げて見た。
キッチン周りがきちんと整頓されていた。
ヨウコは何故か困惑したような表情をしていた。]
何?
[フユは、冷蔵庫から、目当ての物を取り出した。
オレンジゼリー。]
………………………
………………………………………………
………………………………………………………………………あ。
[飛び出していったショウを呆然と見送る]
ボケ防止にゲームって効きそうな気がするんスけど。
老後も年金に縛られるって…戻ってこない金を納めてどうするんスか。
[手に入る金は自分の為に使ってナンボっすよ。とけらり笑いながら
ヨウスケの挨拶に続いて、おやすみっしたーと言葉を向けて。]
…んじゃ、少ない俺はフシアワセなんスかね。
[けら、と。ショウの言葉に笑みを向けながら
何の事は無いように言葉を返す。
続く言葉とうなだれる様子に、あーぁ、と苦笑を零して。
と、ちょうどぽむ、と頭に乗せられる手に
「あ」と薄く開いた唇から言葉がうっかり落ちた。
ダッシュでスペースを去って行くショウを
あー…、と視線だけで追いながら思わず見送った]
[―――が、こんな時間に、無断外出出来るはずもなく。]
「一ノ瀬くん?
…元気なのはいいけれど、ね。
もう、遅い時間なのよ? わかる?」
[一見、慈母の微笑を浮かべる―――
が、絶対零度の、般若のオーラを纏った寮母に声をかけられた]
……………ゴメンナサイ。
[玄関前で正座&御説教タイム。]
あ、いえ。
[謝らなければと思うものの、それはそれで切欠が掴めない。
オレンジゼリーを示されれば、どうにか小さく笑って]
見つかったのなら良かったです。
あの、先程は…すみませんでした。
[あまり思い出させるような単語を使ってもいけないかと考え、中途半端な言い方になる。
話題を変えようと思いついたのは]
あの、結局演奏を聴きに伺うことも出来なかったので。
また今度、お邪魔させていただきますね。
[そこでまた言葉が続かなくなってしまった]
………あー、…たぶん?
[真顔で投げられた問いに、
入り口へと向けていた視線をゆっくりと戻して。
思わず、へらりと笑みを向ける。]
でも、センパイは根に持つ人でもないし。
ちゃんと謝れば許してくれるんじゃない、かね?
…余分な言い訳するよりは。
[言い訳したら、余計に地雷が多そうだと思ったとか]
さっきの……何?
[バタン。
冷蔵庫の扉を閉じて]
吹くのなんか別に、聴きたいときにくれば良い。
最近、全然良い演奏じゃ無いけど。
[無為な沈黙。
駆けて行った足音。]
嗚呼本当、煩い。
…あれま。
[ダッシュして行く小柄な少年を見送り、苦笑いを浮かべた。]
老眼にはキツそうだけどな、細かい字もあっし。
確かに戻っちゃこないけど…そこはまあ、日本の未来の為にだね。
[やや間はあったものの、最早見慣れていたのか、普通に会話を続けた。]
ええと、余計なことを言ってしまったようなので。
……はい。
[沈黙が流れる。
煩いという言葉にチラリと視線を入り口の方へ向けて]
それじゃ、お先に失礼します。
おやすみなさい。
[僅か早口でそれだけ言うと、頭を下げて給湯室から出て行った]
[寮母の声に、助けに行こうとした人は此処にも居たらしいが。
…我が身可愛さにやめた。
多分、止めるどころか自分も一緒に説教の予感がした。
センパイごめん、とか
内心謝ってみるが、届いたかどうかは定かじゃない。]
…あのー。
正座。
マジ足痺れる。
イタイ。
ちょっと勘弁して下さ
「男の子でしょう?」
………ハイ。
[にっこり笑顔で、瞬殺。
弱かった。色々な意味で。]
[グラスを給湯室に持って行こうとすると、マコトに一緒に持って行くからと言われ、ありがたく便乗することにする]
それじゃ、お先に…
[弓矢を背負い直して、自室へと引き上げていった]
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