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< うずうずするのは、しかたないんです。だって、猫だもの。それでも今は、ひとのすがた。さすがに飛びかかりは、しませんでした。
……ほんとうは したかった っていうことも、ないですよ?
ふわふわふわ。ゆらゆらゆら。ゆれるわっかにさそわれて、猫の目のかれは動きました。
ラフレシアとべつの方向だったのは、とっても幸運なことだったでしょう。 >
[じゃらり]
[床に触れた鎖が微か音を立てる]
……、
それも、そうだ。
[見返す右の青は揺らぎもせずに]
[現れた青年と少年へと視線を返す、]
< ふわふわ、ぴたり。 てくてく、ぴたり。
“滑稽”な だしものを見ているよう。
ほら、よくみてみると、木のうしろ、草のかげ、なんだかちいさな生きものたちが、遠まきに ながめています。
それでも猫は猫ですから、きづいていても、きにしません。
とことこ、ぴたり。
くさりの動きにあわせて、とまったり、すすんだり。
あらあら、ここは さっきの食虫花の場所。
わかっていても、そのままとおりすぎました。 >
< やがて どこにたどりつくのか。
ここは どこなのか。
猫のエーリッヒが知るのは、もうすこしあとの * お は な し * >
―機鋼界・外周通路ジャンクション―
[鉄の雄牛のようなビークルから降り立ち、下層からの迎えの機精にその荷を渡す。
運んできたのは最も清らかな、無垢の焔。
新たに生まれる命のための、動力炉の種火として使われるもの。
社交事例の挨拶を終えて、中枢へと運ばれる焔を見送る。]
ふーん、もういいよーだ。
…呼ばなければいいんだろ、呼ばなければー。
[八つ当たりに、ぶつぶつと文句を零す。
…尤もいじけてみた所で、頭上の相手が謝罪を述べることは、
きっと、恐らく。絶対。…無いんだけれど。あーあぁ。
もがもがと上の服を脱ぐ。
水分を吸い過ぎてる所為で脱ぎにくいけど、このままじゃ絞れないし。
何処か知らないけど、とりあえず寒くは無いみたいだから。
……多分脱いでも大丈夫だろ。多分。]
[べしゃ、と重い音のする服を脱いでぎゅっと絞る。
びたびたと大量の水が落ちた。]
ま、それはそれとして……。
[呟いて、瞬き一つ]
こんな所で、何をしておいでですか、と。
[投げる問いは、ごく軽い口調に乗せられて。
それでも、声音の帯びる微かな緊張は伝わるか]
…さーて、どうすっかなー?
[とりあえず、用事の一つを終えて、ようやく一息。
軽く伸びをしてから、通路の隅で煙草に火をつける。]
[触れた指先を伝い、時空の力が私へと影響を及ぼす。
それは小さな波紋。水の一滴。なれど、いずれ呼び水とならん]
…これは私を縛る鎖ではない。
恐れずとも、良い。
[私は己へ言い聞かせるように、輪を指先で緩く摘む。
なれど輪はむずかるように小さく揺れて、私の指先から逃げてゆく]
……何を導く?
[近づいては離れる輪に問うも、答えが返る訳もなく。
私は衣に隠した脚を引き摺り、導かれる先へと*歩みを進めた*]
[じゃらり]
[踏み出すのに合わせて、また、立つ音]
何を? ……、
[ザ、ザ――]
[問いかけに対して、一瞬、混じる何か]
さあ。
気付いたら。此処に、居た。
[無機質な声も警戒の薄い様子も]
[過去の魔とはまるで異なるもので]
[無造作に枷の嵌められた左腕を持ち上げ、]
職人見習い ユリアン が参加しました。
職人見習い ユリアンは、占い師 を希望しました(他の人には見えません)。
ー北東エリア:山岳地帯ー
[雷光閃く鈍色の空]
[その空を貫くがごとき岩山の麓に、一際大きな雷鳴が轟く]
[雲を切り裂く紫電の稲妻]
[聳え立つ岩山を抉るかとすら思われた、その雷光が、地に届いた瞬間、稲妻は一匹の獣の姿を紫の光の中に浮かび上がらせた]
[金の鬣、三股に別れた黄金の尾を持つ稲妻の化身…人はそれを雷獣、と呼ぶ]
[だが、その姿が見えたのは、雷光の閃く刹那のこと]
[次の瞬間、そこに立っていたのは、人の姿の青年だった]
えーと…
[きょろりと辺りを見渡す]
降りる場所、間違えたかな?機鋼界には間違いないみたいだけど。
[雷撃の力を持つ者故か、その空間の基幹に満ちる機鋼の精霊力は、はっきりと感じられた。そして幾つかの、異なる力の気配も]
ありゃまあ…
[呆れたような吐息を一つ零し、青年はひょい、と大地を蹴、ろうとして、空を切る無限の鎖を視界に捉えた]
おや、時空竜殿のお迎えか。苦労性だね、あの人も。
いや、人じゃなかったか。
[見知った気配に笑みを零すと、無限の輪の導くままに、吹き荒ぶ嵐を突き抜けるがごとく、地に足をつくとも見えずに駆け抜けていく]
気がついたら……か。
てことは、君は無差別呼び込みの犠牲者、って事になるのかねぇ……。
[普通に考えれば、王に呼ばれぬ他者がここにいる理由は考えられないのだけれど。
手を伸ばされた梟はゆる、と首を傾げて伸ばされる手の動きを追う。
丸い目にあるのは、微かな好奇の光]
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