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■名前:オトフリート=ゲルル(Otfried=Gerl)
■年齢:外見20代後半。詳細不明。
■通り名:Schatten(シャッテン/影)
■武装:なし
■スタイル:特殊能力である影を使用し、遠・中・近距離バランス良く対応可能。ただし、特殊条件下では影の使用が出来なくなる。
戦うだけでなく影を通じての移動も可能だが、予めの準備が必要で、色々制限もかかる。
近距離戦も可であるため、体術も多少は身につけている模様。
■特殊能力:影使い
■その他情報:執事斡旋事務所に所属する若き執事。
とは言え生来のドジ属性のお陰で派遣され解雇されを繰り返している。
稀に度量の広い主に拾われ長期間勤務したりもするが、大抵は1〜2ヶ月で事務所に戻って来る。
また、その特殊能力故にあらぬ疑いをかけられ解雇されることもしばしば。
それで居て事務所から除名されないのはその能力故。
執事の斡旋をされると同時に裏の仕事も請け負うことがある。
短期間で事務所へ戻ることになるのは、つまりはそう言うことも含まれているのだ。
尤も、その仕事が無い場合に短期間で戻って来るのは、前述の理由が主である。
仕事を請け負った場合でも、表向きは前述の理由が使われる。
Schatten(シャッテン/影)の二つ名は、使用する特殊能力から。
また、特殊能力を使用する時、時折紅い長髪の人物が目撃されることがあると言う。
その人物との関連性について詳しいことは知られていない。
─二階・個室(F)─
[取りあえず、適当に選んだ二階の一室。
適当に選んだつもりのわりに、それなりに自分の好むものが揃っている件について色々と突っ込みたい、と思いつつ]
……チビども、ちゃんと食ってるかね……。
[一応、後を任せられるだけの者はいるのだが。
自分不在の状況が長ければ、他の集団に付け入られる隙も増える、と考えるとさすがに不安で]
……っとに……めんどーな。
[窓から空を見上げつつ、ぼそり、と呟き。
それから、ふらり、と個室を出る]
ええと…おじゃましま〜す…。
[見上げていた視線を戻すと、玄関の扉を恐る恐る開き、中に声をかける。
その声は消え入りそうなものであったが]
……誰も居ないのかな。
それともおでかけ中なんだろうか。
中で待たせてもらおう…。
[玄関ホールに入り、キョロキョロと見回す。
屋敷の大きさからそこそこ財のある人なんだろうか、と考えつつ、奥へと進んでいく]
…あ、何か良い匂いが。
コックさんも居るのかな。
[階段辺りで立ち止まり、匂いのする方へと視線を向けた。
匂いが二階から漂っていることに首を傾げはしたが]
[廊下に出て、ふと感じたのは人の気配が増えた、という事。
個室の数は十。つまり、それだけの人数が集まる、という事か、と呟きつつ。
妙に気になったのは、隣室の覚えのある気配]
……いや、さすがにそれって。
[ないだろー、と思いながらも、やはり気になり。
ドアをノックするも返事はなく、鍵のかかっている様子もないので細くドアを開けて中を確認し]
……やめれ。
[思わず、口をついたのはこんな一言だったとか]
[隣室にいた少女の姿には覚えがあり。
それだけに、頭痛めいたものを感じたとか感じなかったとか。
取りあえず、床で転寝しているのは辛いだろうから、とベッドでちゃんと休ませて]
……っとに……これ、『予測』通りだと思いっきり状況劣悪なんだがな。
[ぼやくように呟きつつ、そっと部屋を後にして、階下へと向かう]
[見上げた階段から人の気配。
姿が見えると何故かびくっと身を強張らせ]
えっ、あっ、こ、こんにちは!
勝手に上がらせて頂いてます!
[物凄い勢いで頭を下げた。
オトフリートは目の前の人物が家主であると認識]
……はぁ?
[階段下にいた人物に、唐突に頭を下げられ。
口をついたのは、惚けた声]
……いや、勝手も何も……。
呼ばれて来たんなら、問題ないんじゃねぇの?
[相手の勘違いなど、当然理解の外]
[廃墟を抜けたブリジットが踏み入れたのは、延々と広がる砂地だった。
見通しはいいのだが、いかんせん、冬の装いには暖かいを通り越して暑い。
高く積もった場所も逆に窪んだ場所もあり、時折、足が沈み込む。外部との連絡を諦めていないのか、片手で端末を弄りながらの探索は、少々危なっかしい。
しゃららと鳴るストラップの山は、一種の音色を作り上げているようでもある。
先程の振る舞いも含め、――彼女が、前方に立ち塞がる影と対等に渡り合うことなど、出来そうになかった。本来ならば。]
[気配には気づいていたようで、視線を上げてその姿を捉える。
眼前には、「有り得ない」存在。ブリジットに、驚いた様子はない。
三つ首の、巨大な獣。
されど伸びる尾と、靡くたてがみは蛇の如く。
鋭い牙は、易々と少女の身体を貫けるだろう。
地獄の番犬。
なればここは冥府であり、集められた者は捕えられた魂か。
逃れようとするものは、喰らわんと。
獣の咆哮が聞こえる。]
なるほど、ね。
けれど――
[唇が紡ぐ、音。]
[ブリジットは、その場に佇んでいた。
幾らかの攻防はあったのだろう。衣服の乱れが見受けられ、辺り地面には、彼女の足跡と獣の軌跡が残されている。
しかし、彼女自身は、片手に端末を持ち、もう片腕には鞄を提げ、変わらぬ態で、真っ直ぐに眼差しを向ける。]
火は心、生命の焔。
さかえ、さかれ。
冥府の守なれば、其は業火とならん。
<揺れる炎が赤々と夜空を照らす。
蛇の舌の如き朱は赤銅色の体躯を舐め、黒を帯びさせてゆく。
苦悶の呻き声。獣の耳に、肉の焼け爛れる音は届いたか。>
地に在りし魂、天へと昇れ。
たかく、とおく。
何処の民なれど、還る場所は皆同じ也。
[口許に指を添える。
擦れ合い、鳴る飾りの音のほうが、彼女には近しい。]
<燃やすもの――或いは、「種」が失くなり、火は消える。>
[残されたのは、魂の喪われた器のみ。
砂地に、巨躯が倒れ込んだ。もはや、動くことはない。
パタリと端末を閉じる。
目を伏せて、深呼吸。
熱源の近くにいたにも関わらず、彼女は火傷は無論として、汗すら掻いているようには見えなかった。]
さて。
これは、出られそうにないかな。
[暢気に呟き、踵を返す。
天を覆う、闇。
*月は静かに地を照らしていた。*]
……へ?
[下げた頭に降って来た声は予想外のもので。
恐る恐る頭を上げる]
え、あれ…?
この屋敷の方ではないのですか…?
た、確かに私も呼ばれて来ましたけれど…。
[執事の仕事として呼ばれたと思っていたわけで。
他に客人が居るとはもちろん露ほども知らない]
[妙に惚けた反応に、微かに目を細めつつ、首を傾げる。
どうにも、呼ばれた対象に統一性がないのではないか、と。
ふと考えたのはそんな事]
いや、俺も招待されたクチ。
ここの主は……ま、呼ばれた相手が揃えば、出てくんじゃねーの?
[どこか投げやりな口調で言いつつ、軽く、肩を竦めて見せ]
…くあぁぁ。
[ベッドの上、手の先から足の先までピーンと伸ばして伸びをする。
良く寝た、と呟いて体を起こせばカーテンの隙間からは光が漏れているのが見えた。]
おはよーございますぅ…。
そ、そうなんですか…。
[目を丸くしたまま目の前の少年を見上げる]
では今は屋敷の主様はいらっしゃらないのですね…。
呼ばれたお客人のもてなしをすれば良いのでしょうか…。
[ぽりぽりと頬を掻いて呟く。
ふと気付くと自分が階段を塞いでいる形になっていて。
慌てて横へと身体をずらす]
あわわ、失礼致しました。
どうぞ。
[未だ階段に立つ少年に道を譲った]
−中央部建物2F・個室(K)−
[ブリジットが再び建物へと戻って来たときに、あの「卵」は無かったが、何処かに運ばれたのだろうかと、深く追求することもなかった。
眠りについたのは他者に比べれば遅かったが、目覚める時間には変わりない。]
……あ。
[鏡の前で身支度を整えていたが、小さく声を上げた。
下着はともかく洋服は諦めたようで、昨日と同じ、制服姿。]
破けてる。
[スカートの裾を摘んで、呟く。
正確には「裂かれている」のだが。原因は、言うまでもなかった。
襞に隠れて目立たないとは言え、気になるものは気になるらしく。ガサガサと鞄を漁るが、裁縫道具は見つからなかった。室内にも、同様に。]
困ったな。
[部屋に取り付けられていた冷蔵庫を開けると、食材が色々揃っていた。
鼻歌など歌いながら、中からリンゴを取り出すとしゃくりとかじった。透明な汁が、小さく飛ぶ。
ベッドの脇に置いてあった黒い銃を腰の後ろ、エプロンの結び目の上に挟むと、リンゴをもう一口齧りながら部屋を出た。]
人の気配、かなぁ…?
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