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[手の怪我の治療だけには勿体無い程に、設備はしっかりとしていた。用途の知れない、通常使われなさそうな薬品までも置かれているのは、不安をも呼び起こしたが。
受け取ったソーイングセットは傍らに置いて、有無を言わせずオトフリートを座らせると、慣れた様子で手当てを済ませ、大袈裟にも見える程に包帯を巻いておいた。]
これでよし、と。
それじゃあ、これは借りていきますね。
わたしは個室に行きますけれど、どうします?
まだ、空きはあるみたいですよ。
……間違えないように、目印でもつけて置くべきかな。
[一方的に言うと、パタパタと片付けを済ませて、二階へと向かう。
*ハンカチは置き去りにして。*]
知られてたんなら、それは光栄?
[冗談めかした口調で言いつつ、低く笑う]
しかしまあ……なんであっちでは会わずにこんな所ででくわすのやら。
[ひょい、と軽く肩を竦めつつ、外へと踏み出す。
出迎えるのは、冷えた冬の大気に包まれた廃墟。
そこだけを見ていると、砂漠のような場所がある、という話はやや、荒唐無稽にも思えた]
そーだねぇ。
ここで戦え、とか言われたらちょっと、面白いねぇ?
[あははは、と口を開けて笑いながら、アーベルに続いて外へと革靴を下ろした。
ふわ、と風がスカートや髪を揺らし、さむ、と呟かせた。
ひょいと少し周りを見渡し、西を向いて目を細めると]
じゃあ、ボクちょっとうろうろしてくるよ。
また、ね♪
[アーベルにも手を振ると、ゆっくりと西へと向かって歩き出した。
腰の後ろ、エプロンのリボンの蝶々結びに無造作に突っ込んだ黒い銃が、少し*揺れた*]
ここで戦え、ねぇ……。
ま、確かに、面白いかも?
[くく、と笑いながらの言葉は、半ば本気やも知れず。
またね、と言いつつ歩き去るユーディットに、ん、と言いつつひらりと手を振り、その背を見送る]
……さって……。
[周囲に誰もいなくなった所で、自分は廃墟の奥の方へと。
鉄筋の覗く廃ビルの一つの前で足を止め]
Reine Luft……Anfang.
Erstarren Sie.
[小さく呟き、糸を解いて]
……一応、確認しとくか。
[ヒュ、と音を立てて上へと伸ばされた糸が、むき出しの鉄筋に絡みつく。
ぐ、と両手で引いて、安定を確かめ]
……それなりの強度は残ってる、と。
いざとなりゃ、使えるな。
[何に、とは言わずに。
地を蹴り、糸を手繰るよに鉄筋の上へと飛び乗る。
そんな動作を数回繰り返して、廃ビルの屋上へと上がった]
/*
放置されますた(・ω・`)
何か切りよくptが6900とか見えるけど放置しておきましょう。
はてさて上手いことルージュになれるかどうか。
なれるとしてプロロでは裏でしか出てこない予定ですが。
テンション上げて行きまっしょい。
*/
Halten Sie einen Faden an….
[屋上まで行った所で、糸の動きを止め、再び手首に巻きつける。
目を閉じ、深呼吸一つ。
意識を凝らすのは、『もう一つ』の力。
銀の羽根が舞い、蒼の青年は翼持つ銀の獣へとその身を転ずる]
期待はできねぇけど……上が空いてるかどうか、確かめて損はねぇしな。
[そんな独り言と共に、舞う。
……数分後、予想通りとも言える見事な期待はずれを食らい。
鉄筋の上に座ってやれやれ、と嘆息する銀翼の青年の姿が見られる事になるのは、*言うまでもない*]
/中/
さすがに、入りなおしの必要はない、けど。
……ノーマルモードだったら、既に残512ptってのはどうなんだ、自分。
鳩組&後から来る二人、すまぬorz
アーベルだと喋りやすいんでついつい羽目が外れるんだよなあ……。
―個室H―
[無防備に、アーベルによってベッドに移されてなお身動ぎこそすれ目覚める気配はなく。
警戒心はそれなりに強いはずの彼女の無意識は、しっかりと青年に既知と安心を感じていたようで]
ん――良いにお、い。
[目覚めは空腹心をくすぐる匂いによって訪れた。
ふら、とそれに釣られるようにベッドを降りると、匂いを頼りにとある部屋の前に辿り着いた]
―個室L・扉の前―
[開きっぱなしの扉からは料理をしているらしい人影が見えただろうか。
はたはたりと翼を揺らし、少女はじ――とその様子を見詰めている。
『きっとあの人がご飯の持ち主』
勝手にそんな事を思い込み、邪魔をしないように彼が料理を終えるのを待った。
無造作に廊下に座り込み、時折翼の先を揺らして。
彼がこちらに気付いたなら、期待の色を目に――けれど何処か遠慮がちに「食べちゃ駄目――?」と*問うだろう*]
[木立の中を、ぷらりぷらりと散歩する。
歩くたびにふわりふわ、スカートは揺れ、草を踏むと靴の下でさくりと音をたてた。
少し太めの木の前に立ち止まると、にっこりと笑って足を止めた。]
さ、てっと。
『オプス』
[呟きながら腰の後ろ、エプロンを結んだところに無造作にさしてあった銃を右手で取ると、脇で一度振る。
振られる軌跡を残すように黒い線が延び、ぐなりと動くとその手には大きな鎌が握られていた。
黒い光を持つ細い柄はしなる素材のようで、薄い刃はゆらりと揺れる。
すいと手前に持つと、エプロンのポケットから少し固い布を取り出すと、刃を磨き始めた]
[存分に磨くと、黒く光る刃に自分の顔を映し、にこりと笑ってみる。
片手で持ち、上に持ち上げて光に透かす様に持ち上げて見上げる。
光を反射させ、影になった木に明るい筋が入った。]
どぉですか?
[小さく呟く。]
[細い柄の、中心より少し刃よりに垂直に取っ手がついている。
そこだけを見ればトンファーのように。
左手で握りつつ、右手は柄の端にそっと添えるように持ち、くるりと回す。
ひゅん、と風が前髪を揺らした。]
[刃の先を鋭くしすぎると、落としても薙いでも手ごたえが変わらない。
それは、不満。
なので刃は鋭くしすぎない。
でも、一振りで切り落とせないほど鈍いとダメ。
ギリギリの鋭さを保つのが、難しい。]
…っふ!
[右手を刃の少し手前に持ち替え、左手で取っ手を持って手前から後ろに向けて鎌大きくを振るう。
目の前の木の胴に筋が入り、ズル、とずれて後ろへとゴンと落ちた。
きゅ、と取っ手を握りなおす。
少女の腰の横で、刃がゆらり、と揺れた]
こんなモノ、かな。
[きゅきゅ、とエプロンのポケットから布を取り出して刃をぬぐう。
切れ味は上々。
手ごたえが無いほど鋭すぎず、ひっかかりを感じるほど鈍すぎず。
ぬぐった黒の刃に映る自分の姿をみて、口元が笑みを浮かべる。
刃にそっと顔を近づけてると、冷たい感触が唇に触れた。
そのまま赤い舌を、つ、と刃の上を這わせると、一度ふるりと体が震わせた。]
…………。
[こてん。]
[少女は自分が毛布に包まれて横たわっているのに気づき、
毛布の中には自分と一緒に大切なおともだち、熊のがすとん
……と、見知らぬ…確か猫…がいるのに気づく。]
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