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できれば、夏休みはゆっくりしたいものですけれど。
高校最後の、ですものねぇ。
[妙に、妙にしみじみと呟いた。
実感こもってるのは、先に屋上で零された物騒な一言を『聞いて』いたからだろう。
もし、他にも『聞こえて』いた者がいたなら、心境は似たようなものかも知れない]
ええ、問題児ですね。
子供の頃は素直で可愛かったのに、最近は手に負えません。
[当人が聞いていたら、「こうなったのは誰のせいだ」と突っ込みたくなるような事を言いつつ、ため息などついてみたり]
[元後輩とすれ違った時、よこされた挨拶にかるく、うん、とかそんなくらいは挨拶をしたかもしれない。
どうやら年下らしい女子のほうは、ちらりとみただけ。
踊り場まで下りてしまうと、そこから先は特に振り替える様子もなく階段を下まで降りて行って、靴を履き替え駐輪場へ。
自転車の施錠を解除するとそのまま一足先に学校を後に]
−七曜学園→自宅−
[例の言葉が『聞こえて』いたかどうか。おそらくはまだ上手く力が繰れないために聞こえていなかったことだろう]
[力による意思の疎通が可能になるのは、結界が張られる直前であるが故に]
[ 無我の境地の成せる産物――
なんて、素晴らしいものでもなんでもないが、
一通り水を拭き取り終えて立ち上がる ]
へーき、へーき。
生きてる。比較的。
下克上企むくらいには、大丈夫。
[ 目がマジ、
かつ、据わっているのが問題だが ]
……あー。絞ってくるわー。
[ ふらりとした足取りで生徒会室を出ていく。
暫くはタマキの喩えた通り、
飼い犬の如く大人しくなりそうだったが、
それもきっと、餌――もとい、水分を得るまでのこと。
* 夕食時にどうなっているかは、定かでない *]
ゆっくりかぁ。
いつも通りで終わりそうなアタシはどうしたら。
それもそれであり、なのかな。
[鞄や荷物ごと両手を頭の後ろへ回して天井を仰ぐように視線を向ける。その状態で横目で沙耶香を見つつ]
かいちょーにも手が負えないとなると相当じゃない?
子守も大変だ、うん。
[子供の頃は、と聞いて、あれ?とも思ったが、深く考えずに終わったり]
[空気読まない発言で周りが動揺してることに首なぞ傾げていると、鞄の中から携帯の着信音が。
……ただ、女子高生が「ゲッ○ーロボのテーマ」着信音にするのはどうかと思うんだ。]
ぴっ。
モシモシ、ヒサタカ。どしたの?
ああ、ならば良かったです。
[お待たせしていたなら、申し訳ない所でした。
少女の言葉に、ほ、と安心したように息を零して。]
…夏休み中もこられるなんて、やっぱり立場が上の人は大変ですねぇ。
また伺うときにでも、何か差し入れをお持ちしましょう。
[今日は手ぶらですがご容赦下さい。と小さく笑う。
友人が出て行くのを横目に見ながら、
机に置いた鞄を左手に携えて、帰宅の準備を整えた。
――彼が戻ってきたら、そろそろ買出しに向かおうか。]
それでは、僕はお先に失礼致しますね。
折角最後の夏休みですから。
――お仕事ばかりに囚われずに、楽しいものになる事を祈っておきます。
[笑みを向けて、生徒会室を後にする。
足取りの覚束ない友人が戻ってきたら、
――買出しに行く前に奢ってやろうと*心に決めながら*]
いつもどおりに終わるなら、それが一番じゃないかしら?
[やっぱり、言葉には実感が篭るわけで]
ええ、本当に。
でも、他の方の手に負えるかというと、それも心配なので、仕方ありません。
[誤解を解く気はやっぱり、ない]
[唐突な一言に呆気に取られている所に流れる着信音。
……物凄く、突っ込みたくなったのは、さておき]
……さて。
俺、そろそろ帰るわ。
[なんかこう、思いっきり抜かれました。毒気を]
―宝条家―
おっじゃまっしまーす。
ぅわ、めっちゃ蒸し風呂やん!
[勝手知ったる様子で隠してある鍵を取り出し、中へと入り一言。
叔父叔母夫婦に見せる為の成績表をリビングのテーブルの上に置き、空気を入れ替えるべく窓を開け放ちに行く。
午後の生温い風でもないよりマシと、全て開け終えてから、リビングだけ締め切って冷房を入れる]
んー、タマキちゃんまだ学校なんかなー。
せっかく早く来たのに残念やわ。
[ソファーの上でクッション抱えて三角座り。
暑いが和らぎ、快適な冷たい空気が満ちるにつれて眠くなる。
目が覚めたら、タマキだけじゃなくフードのヤンキー兄ちゃんとやたら無愛想な人が居て。
なんでー!と叫ぶコトは*間違いない*]
お、そりゃありがたい!
休み中に出てきてもやる気が出るってもんだ。
[差し入れの言葉に飛び跳ねんばかりに喜んで。お先に、との言葉に頷いて手を振る]
あ、うん、お疲れさん。
そうだねぇ、楽しくなれば文句無いね。
そっちも良い夏休みを!
[そう声をかけて環を見送った]
[とりあえず、普通に電話に出た事にほっとすると同時に、「今日は携帯持ってたんだぁ」とどこか達観してしまったが、そのままではいつもと同じになってしまうと頭を振って目的を引き戻す]
……えっと、今どこ? ちょっと話があるんだが……。
[すでに彼の心臓は不整脈を起こしそうなくらいに鼓動が早かった]
−自宅−
[悠悟が下剋上とか口にしているそのころ。
制服を脱いで簡単に風呂を済ませジーンズとVネックの半袖のカットソーに着替えると、キッチンで何やらごそごそと動きはじめる。
米をセットし、しばらくすれば八宝菜の完成。
それから荷物をまとめ始める。
冷蔵庫からは買ってきたいちご。
探し当てた手製のイチゴジャム。
あとはチョコレートとか、ウェハースとか、そういったものも出てくるのだが。
必要なものを紙袋にしまい、足りないものはひまわりで買い足す予定にして、姉どもに夕飯の支度は済んでるから勝手に食えとの文面を残し、再び自転車で家を出て宝条家を目指す。
相馬響、七曜学園3年、剣道部主将。
*趣味、料理にお菓子作り。*]
いつもと同じじゃ味気ない、とも思っちゃうんだよねぇ。
平日の延長でもあるからさー。
ま、変なこと起きない方が良いっちゃあ良いけど。
[実感籠る言葉に対し、小さく肩を竦めて苦笑気味に笑う]
かいちょーの手に負えないなら、他の人の手には絶対負えないと思うのはきのせいかな。
いや、きっと気のせいじゃないな。
[話を聞いただけで会っても居ないのに、一人納得しうんうん頷く]
と、それじゃアタシは家庭科室寄ってくから。
んじゃね、かいちょー。
[お茶類の入った袋を掲げて見せてから、沙耶香に挨拶して。生徒会室を出て家庭科室へと向かった]
お疲れ様、差し入れ、楽しみにしていますね。
[にこり、と笑って環を見送り]
平日の延長も、悪くないかもしれませんよ?
……何気ない日々の方が、よいものでもあるんですから。
[先ほどとは違った実感のこもった口調で言って]
あらあら。
気のせいにしてほしいのですけれど、そこは。
[納得する様子には、困ったような声を上げ。
お疲れ様、と言いつつ、家庭科室へと向かう幸貴を見送る]
さて……戸締りを確認して。
……取りあえず、無茶はさせないようにしないと……。
[零れ落ちたのは、深い、ふかいため息]
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