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[ 豪快な笑い声が耳に入る。
振り向いた先には人影ふたつ。
茂みから出てよく見てみれば、
一つは見覚えがなく、一つはあるもの ]
……んだ。桂の、か。
言いつけたほうがいいことなんかね。
[ 会話は多少聞こえていたらしく、
朧げに拾った単語を繋げて言った ]
はあ? へたってたって……。
[誰がだ、と首を傾げる。
自慢じゃないが、暑さには強い、という自負はある。
……ここ数日は、諸事情につき精神疲労は感じていたりしたけれど]
……って。
[内心、首を傾げている所に落とされる簡易氷嚢。
角度は悪くない……多分、脳天直撃コースとしては]
ちょ、あぶねっ……。
/*
あーぅ、訂正入れてから気付いた。
外廊下ならおかしくもなかったのかなぁ。でも向こうは「見える廊下」としてるから、どっちかというとこうかなとか。
初っ端からすみませんっ!
[ケイコの暑いからという言葉に激しく同意した。何故なら彼も夕日の暑さに帰宅前の冷を求めてうろついていたのだから。
そうしてみると、ケイコは彼以上にテニスという運動をしていた訳だ。なるほど、それは暑くて当然だろう。と頷いた]
……なら、校舎裏の西奥の方に風が上手い具合に巻いてくれる場所がある。この時間帯なら木陰になってて、風が心地良い筈。
[すっと指差し、テニスコートからそんなに離れていない木陰を指し示した。
それと付け足すように断言する一言をポツリ]
大丈夫。俺は彼女以外とはデートなどしない。
[普段とは違う力強い一言を言いながら、自分の中でデートにならなければ女子と二人で出かけても可笑しくない彼であった]
これまた豪快なご登場で。
[アズマを見ながら、軽く首を傾げた。
顔は何となく見覚えあるのだが、咄嗟に名前が出てこない]
そうそ。
午後をサボしたヒサタカクンに浮気疑惑?とかね。
[ケラケラと笑いながら]
ま、本人はこう言ってるよ。
どこまでがデートになるのかは知りませんが。
お、ナイスコントロール。
[受けた方が。いや、当てる意味ならかなりナイスだが]
降りて上がるの面倒やん。それにちゃんと狙ったし。
ゆーとくけど食べたらアカンよー。
薬品付いてるかもやし、冷やすの専用にしとき。
ほななー。
[出会ってと言うか入学して数ヶ月。暑さに強いとか知りません。
目覚ましの借りは返したとばかりに、爽やかな笑顔で去っていく]
へぇ、良く知ってるね。
でも向こうだとコートからも見えやすいからなぁ。
[正規の部員たちはまだ練習してたりするわけで]
練習中に休む時は利用させてもらお。
ありがとさん。
[どこまでがデートか?
なるほど。難しい問題だ。男と女では許容範囲が違うし、何より考え方も違う。買い物の手伝いだけでも女子はデートととるかもしれないし、逆に男も浮気と勘違いするかもしれない]
……哲学的だ。
[彼の思考回路の方が哲学的かもしれない]
生憎と、忍者でもなんでもないもんで。
忍びの術は知らんわな。
[ 首を傾げる女生徒へと視線を返した。
何処の部にも所属しない助っ人として、
名前と顔くらいは知っていたが、その程度 ]
確かに、デートじゃなけりゃ、平気でしそうな言い草だ。
[ 深く彼の人と成りを知っている訳でもなかったが、
思わずそんな言葉が零れ出た。
ついでに出そうになった欠伸を抑え ]
狙うって、どこ狙ったんだ、お前。
[呆れたように言いながら、立ち去る姿を見送って]
……薬品つきって事は、化学部の備品か。
[何を寄越すんだ、と呆れながらもぴとり、額に当ててみたり。
ちょっと煮詰まり気味の頭には、ある意味丁度いいかもしれなかった]
[ 手を振られても振り返しはしなかったが、
代わりのように、鞄を肩に引っ掛け直す ]
……哲学的て。
何処からそういう思考になるのか、さっぱりわからん。
…そんな難しいこと言ってないと思うけど。
マリィがどう取るか次第だろうしね。
[ヒサタカの言葉には肩を竦めて]
気配殺して背後になんて立たれたら、手が出そうだよ。
怖いじゃないか。
[アズマの言葉にクッと笑う。
名前を忘れてることを忘れかけている、かもしれない]
[じわ、と滲むような冷たさに、それまでの気だるいため息とは違う息を一つ吐き。
足早に校舎を出て、残照の中へ]
……さて、急ぐか。
[小さく呟き校門へと向かう。
そこを抜けてから進むのは、*何故か自宅とは正反対*]
[アズマの呟きに大いに頷き]
……うん。俺もよくわかってない。
[等と無責任な一言を呟きつつ、ケイコの言葉にも同意した]
確かにマリィ次第……。だけど、大丈夫……だと思う。
[なぜか最後は弱弱しかった]
安心しろ。
そんときは、手を出される前にどうにかする。
怖いと思う暇もなくね。
[ ちっとも問題の解決になっていないことを、
軽い笑みを含んで言い放つ。
知っていようがいまいが、さして問題ではないようで。
落ちた葉を蹴りあげて、校舎の側へと寄った ]
……自信があるのか、ないのか。
どっちなんだ。
[ 尻に敷かれるタイプか。
若干苦手に思うクラスメイトと、目前の男とを脳内で比べた。
それから、ふと、視線は壁――の更に向こうを見るように ]
今の時間だと、部活か。
行かなくていいのか。
ックク。
なに、自信無いの?
[笑いながらヒサタカに尋ねる。だが答えを欲しそうにも見えないのは、マリという人物を知っているからか]
コラコラ、冗談になって無いよそれ。
ま、どうにかされないうちに逃げれるように頑張りましょ。
[笑み交じりのアズマの答えには苦笑を返し。
置きっ放しのラケットケースを取りに動く]
さてと、汗も収まってきたし戻りますかね。
それじゃ、お二人さんもお疲れさん。
[軽く片手を上げれば、スタスタとその場を去って*いった*]
あぢー…
[暑い。動かないでいても暑かったが、歩くと更に暑い。
犬が舌を出すあの行動が少しだけわかったそんな放課後。
喧騒が遠く感じるのは暑さゆえか本当に遠いのか。
ヒサタカでもいないかと一度教室に顔を出したがすれ違っていた…どころか聞くところによると授業時に蒸発していたようで]
この暑さだしそりゃ固体も蒸発するよなぁ。
[だから自分も蒸発しようと決めて、校門へ向かい*学校を後にした*]
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