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あー…… っと。
俺は俺で、行くか。
[ 呟きはケイコが動くと同時。
何気なく鞄から取り出したフィルムカメラは、
電脳化の進む現代に置いては些か古めかしく映る。
フィルムの巻き上げ音に、シャッターを切る音。
区切られた空間は、何を映し取ったか ]
よし、と。 じゃな。
[ 言うなり、開いた窓から校内へ。
脱いだ靴を片手に、気侭に*歩いていった* ]
9人目、 マリー がやってきました。
マリーは、聖痕者 を希望しました(他の人には見えません)。
─校庭─
「はーい、じゃあ今日はここまでー」
[陸上部の主将の号令で各々の練習をしていた部員が集合]
「それじゃ、夏の大会も近いから出場者は体調気をつけつつ、練習欠かさないようにー
じゃー、解散ー」
ハーイ
[元気よく返事をし、練習の疲れなどないようにちゃきちゃきと片づけをすると]
じゃー、お先デス
[さっさと着替え、駄弁ってる仲間たちに挨拶]
「よっ、マリー。彼氏のところかー?」
「ひゅーひゅー、お暑いねー」
[先輩や同級生の冷やかしに照れた様子もなく、満面の笑みを浮かべ]
うん、ヒサタカが待ってると思うカラ
[じゃー、オルヴアール。と手を振り、部室をあとに]
……自信がない訳じゃない。が、それでも人の心はわからないから……俺は良くても彼女が嫌がっている事をしているかもしれないってだけ。
[つまりは普段から何を考えているかわからない青年も、恋人に関しては弱気になっているだけだ。
そんな回答をしてから、忙しそうな二人を交互に見送り、再び徘徊に戻った。
そろそろ空も熱を発散し始めた時間帯に見えたので、帰宅するべく昇降口に向かう。
――もちろん、マリーの事は頭の片隅にあれど、いないなぁ。という程度のもので]
─校舎裏─
[ヒサタカの教室へ行くと、何でも午後は見ていないとのこと]
……うーん。じゃああそこカナー?
[そういうと足は校舎裏へ。そこには果たしてヒサタカが居たわけだが]
あれー? アレって、ケイコにユーゴ?
[小首を傾げるうちに、二人はそれぞれ何処かへ
さらに首を傾げてると、ヒサタカは昇降口へ]
…………(ぴこーん)
[頭に電球が浮かんだかと思うと、そーっとヒサタカに近づき]
だーれだ?
[背後から目隠しという、ある意味お約束のアクション]
[唐突に視界が柔らかいナニカによって塞がれてブラックアウトした。その直後に聞きなれて、それでいて心安らぐ声が聞こえて、普段無愛想な彼の口元に笑みが浮かんだ。
そしてストレートに名前を口にしようと、いやいや普段からいつもからかわれているし、たまには悪戯の一つでも……と、考えているうちに、何も良い案が湧き出てこない衝撃が全身を駆け巡った]
……!
[そしてそのままぐったりと膝をついて項垂れてしまった]
[目隠しをしてその反応を待っていたが、がっくり項垂れるというのは想定外]
? ヒサタカ、どしたノ?
[こてりと首を傾げて自然ヒサタカを見下ろす]
…………
[ヒサタカの情けない理由にポカーンとしていたが]
アハハハハハハ。やっぱりヒサタカは面白いネ
[しゃがみ込み、ヒサタカの背中をバンバン]
/*
各人呼称の覚え書き
ミツクニ:ミツクニ
サヤカ:サヤカ
ヒビキ:ソーマ
ヒサタカ:ヒサタカ
サキ:サキ
ケイコ:ケイコ
タマキ:タマキ
アズマ:ユーゴ
キョウヤ:キョーヤ
リカ:リカ
[マリーの大笑いに、しばしポカンとしたが、結局はマリーが笑ってくれているという事実に、ほっと息をついた]
……笑ってくれるなら、どんな理由でもいいや。
[そう呟いて、マリーの頭を優しく撫でた。結局のところ、片隅に置いてあっても空気のように大事なもの――という認識は彼の中にはあったらしい]
……それより、今日はもう帰るのか?
[ほっと息をつき頭を撫でるヒサタカをきょとんと見ていたが]
? …………ヘンなヒサタカ
[そう言ってすっと立ち上がる]
うん、今から帰るトコ。ヒサタカも?
そう? じゃー、一緒に帰ろ♪
[にっこりと向日葵のような笑顔を浮かべつつ、ヒサタカと*帰路へ*]
あー。そういえば、ケイコやユーゴと何話してタの?
[そう言って首傾げ。*興味以外の他意はない、つもり*]
[ 立ち入り禁止の表示を無視して、
プラスチックチェーンを跨ぎ階段を昇る。
柔らかい上履きは硬い階段とぶつかり合っても、
擦れるばかりで和音を奏でない。
開けるのにコツの要る扉を手馴れた様子で弄り、押し開いた。
錆びた蝶番が悲鳴をあげる ]
[ 久しく訪れていなかった場所。
なのに容易く開いた事に他者の出入りを感じながら、
入り口のすぐ傍の梯子を上り、
小さな真四角の空間を陣取る。
新たな“犯罪者”が来ても、
同じ場に上がらなければ気づかないだろう ]
……にしても。平和だなー。
[ 手元でカメラを弄りながら、
目に痛いほどの青を眼に映して呟く ]
[ 鳥が、羽ばたいてゆく。
反射的に指が動いた。
世界が型に嵌められる、音。
あ。光源ミスった。
内心で舌打ちして、ごろりと寝転がる。
フードが外れて、現れた金が陽光を弾いた。
* 今日も、歓声が聞こえる *]
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