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そうでしたね、これは失礼をしました。
[苦笑を浮かべる]
お宅に戻って、ですか?
そう言っていただけるのはありがたいのですが、あそこは鉱山にも程近く、怪我をした人もすぐに運んでこられる場所です。
私の一存で動いては困る方も出来てしまいますから。
またご一緒できれば楽しいだろうとは思いますが…。
[困ったようにミリィを見つめ返す]
[ミリィのオーラには気づかず(何度も見かける事があったので、その異様さが分かっていない)
ユリアンに尋ねられれば少し考え。何時ものパンを頼もうとして、やめた。]
ん、ユリアンと同じのにする。
量は少し少な目がいいけど…。
[そう見上げ答えた。
同じ姿勢を続けていれば、微か針を指すような痛みはすぐに消えた。痛み止めは良く効いてくれているようだった。]
ただいま――って、そんなに怒らないでよ、
届け物は無事済ませたし、客も連れて来たんだから。
昨日のツケも、払ってくれるってさ?
[ブリジットを彼女の望む席へと案内してから、カウンターへ。
アーベルの姿を認め、開口一番文句を言う上の姉に対して反省の色の薄い笑みを返しつつ、娼館の女将からの届け物を渡す。招き入れた客が誰かを悟った彼女の複雑そうな表情を見て取るも、何かを言われる前に、さっさとキッチンに引っ込む]
ノーラ姉、お疲れ様。
あまり無理はしないでよ?
[掛け値も含みもない、労いの言葉。
碌に返答も待たず、出来上がった料理を手に、すぐさま店内へと引き返す]
何、そう畏まる事はない。
新たな予知夢が旧き予知夢を引き出したというだけだよ。
畏まりたければ止めないから幾らでも畏まりたまえ。
神の怒りを鎮めるには薪をくべなければならない。
火を囲んで星を見上げ祈りを捧げなければいけない。
自身が宇宙と繋がれし媒体となったかの如く!
[アーベルの開いた扉を軽く押さえつつ店の中に入る。室内を一度見渡して]
やあ、今晩は諸君。
芳しき事はあったかい。ないかね。それもまた必然。
ブリジット=フレーゲがお邪魔するよ。
[嫌悪や困惑の視線があっても気に留める事はなく、よく通る声で誰宛でもなく、誰宛でもある挨拶を]
[オトフリートに困った顔をされると、ミリィの心のオーバーリミッターが外れそうになったが、なんとかそれを押し留めて]
あああ!
いえ!
無理にとは言いませんから!
そうですよね!
鉱山に近いほうが怪我人の方に良いですもんね!
わはは!
では、私はこれにて!
[しゅぴ!と何故か敬礼をして、オトフリートの横からイレーネの横へと移った。
場所的には、ミリィ・イレーネ・ユリアン・オトフリートなので、そこまで遠い位置ではないが、酒場の喧騒と、食器などにより、そう言葉や行動が届くことも無いだろう]
……イレーネ。疲れた。
[イレーネの横に座り込むと同時に、テーブルの上にあごを乗せて、目を細めた]
…分かった、少なめだね。
[イレーネの言葉に頷いて。
カウンター奥の女将に若鶏の香草焼きとサラダのセットを頼む。
もちろん一つは量を少なめにしてもらった。
出来上がるまでカウンターで待ち。
二つの料理が揃うと、自分で運ぶ旨を伝えてイレーネの下へと戻った。
量が少ない方の料理をイレーネの前に起き、その隣に自分の分を置いて、イレーネの隣に座る]
……それじゃあ、頂きます。
[食事を促すように、食べる前の言葉を紡いだ]
/*
[工房徒弟 ユリアンは、画家の卵 ミリィをぺい、とイレーネの横から寄せたかも]
とか入れようと思ったけど、長椅子だったら座れるよな。
[ブリジットの声に気づき、テーブルに突っ伏したまま、力なく手を振った]
やっほー……はあ。
[いい終わりと同時にため息]
……人生って、難しいなあ。
ミリィ?ええと…大丈夫?
[何だかぐったりしているミリィの様子を心配しながら、整えられていた赤毛をぽふぽふと撫でた。]
…お医者先生と話すの、そんなに疲れる?
[そんな雰囲気が醸し出されていたので、こっそり小声で聞いてみた。
ちなみに理由は未だ忘れっぱなしだ。]
薪とは即ち、生贄でしょうかね――?
[離れる間際の呟きは喧騒に紛れ、ブリジットに届いたかは怪しい。
呼ばれた事を理由に、彼女との会話は一端切り上げていた。
予言者の言葉を他に聞きたいものもいるだろうから自分ばかりが独占しては、とは、理由というよりも言い訳だったが]
はいはい、適当に。
高いのでいい?
[投げられたミリィの声に、さっくり返す]
申し訳ありません。
[ミリィが移動し、食事を頼む様子を見て再び席につく。
そこに響いた通る声に、思わずこめかみを押さえた]
…嫌がらせですか。
[呟きは隣に聞こえるかどうかの低いもので。
いつものようにゆっくりとした食事が始まる]
[イレーネに髪を撫でられると、少しだけ幸せそうにほにゃっとした]
ありがと、イレーネ。
ええと、理由は言ってなかったっけ?
うん。でも、今はどこからどう言葉が動くのか分からないから言えない。
今度また、二人のときにそれはお話しよ。
そんでさ。
[イレーネに撫でてもらって気力が少し復活したのか、顔を持ち上げて]
イレーネ。もし、空の色を、生まれてから一度も目が見えない人に表すとするなら、どんな言葉を使う?
うん。考え込まなくていいんだ。ぱっと印象でお願い。
[ブリジットの姿と言葉は見ない聞かない。
関わらないのが一番だと思うが故に。
イレーネを挟み反対側でテーブルに突っ伏すミリィを見ると、首が僅かに傾いだ。
かと言って何か言うでもないのだが]
やあ、ミリィ。久し振りではないか。
悩み事かい。良いじゃないか、悩みとは人生の付添い人だ。
そしてそれは特には若い頃に似つかわしい。
走るというのも同様にだ。
[ミリィに手を振り返し、そんな事を言ってから。アーベルを見送って不敵に笑ったが、声が届いたのかどうかは怪しかった]
了解。
きっと、御医者様が奢ってくれるのに。
[後半はオトフリートにも聞こえるように言い、「ねえ?」と笑いかけた。
呟きは届いてはいなかったものの、何を感じているかは予想がつく。
注文の方は女将へと告げ、料理の作成は其方に頼む。
アーベル自身も料理は出来るが、こういった場には出すことはなかった]
[ブリジットの言葉に]
うーん。
実際に悩みの真っ最中だと、良いことだとはとっても思えないけどねえ。
それに言っちゃ悪いかもだけど、若い頃云々って言葉、ちょっとババくさいかもよ?ブリジットさん。まだ28歳でしょ?その年から老け込んじゃいけないでしょー。
乙女の魂100までだよ。うん。
[先ほどと変わらず、高らかに自分の名を宣言するブリジットには、遠くからぺこりと頭を下げた。
突っ伏したミリィを撫でていたが、そのうちユリアンが運んでくれた夕飯が並べられると手を止めた。
ユリアンと一緒のものにしたのには、普段食べない肉類を今日は少し無理をしてでも取らないとという現実的な理屈と。何より同じものが食べたいという理由からだった。
運んでくれた事にお礼を言って、軽く手を合わせて。]
いただきます。ミリィ、先に頂くね。
[そう一言断りを入れた。]
えーと………うん。
[食事に手をつける前に、うっかりこうだっけ?と言いそうになって慌てて黙った。
続いてミリィから尋ねられた事に2,3瞬く。空の色。目の見えない人。そも目が見えないのなら色を知る術もないような、とか。
少し、考えて。]
…その人が思う、一番好きな色。
それが、その人の空の色で…いいんじゃないかな。
[そう答えた。]
ええ、そのくらいは勿論。
[アーベルの声に答えながらチラリと視線を向ける。
逃げてきた自覚はあるからそれ以上は何も言わない。
耳に届く会話をそれとなく聞きながら食事を*続けていた*]
おや、医師殿も元気かい。元気かね。それは結構。
元気でない? それも結構。医者の不養生というやつだ。
嗚呼、そうだ。滅亡を防ぐには薪をくべねば駄目だ。
火を囲み星を見上げて祈り――
[オトフリートの方を見ると歩み寄り、一方的に語りかけるが、女将から「何か食べるか」と聞かれてカウンターの方を見]
そうしよう。
適当に宜しく頼むよ。ああ、酸っぱい物は無しで頼む。
や!
先生に御負担かけるわけにはいかないし!
[アーベルの言葉に慌てて言った]
それに、私あまり高い食事嫌い。
なんか訳の分からないもんだされて、「これが高級なんだ!」と言わんばかりの主張されるから。
美味しいものは安いってことも大事。
[イレーネが料理を食べる様子を眺めつつ、自分も料理を腹に収めていく。
頼んだ料理は自分が一番気に入っている、よく食べるセットで。
イレーネも気に入るだろうか、などと考えながら食べ進めた]
[しばらくは食事に集中し、イレーネとミリィの会話に口を挟むことも無く。
聞かれたら答える程度に二人の会話を*聞いていたり*]
ふむ。なるほど。
好きな色、か。
さっすがイレーネ。的確なアドバイス。
絶対に、私なんかより、イレーネのほうが感性高いよね。
[エーリッヒと、イレーネ。それから、父親の言葉を総合して、空の色がなんとなく見えてきた]
好きな、空の色。
[もう一度反芻する]
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